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宝塚花組「巡礼の年〜リスト・フェレンツ、魂の彷徨〜/ Fashionable Empire」 [観劇感想(宝塚)]

宝塚花組「巡礼の年〜リスト・フェレンツ、魂の彷徨〜/ Fashionable Empire」
2022年6月11日(土)11時 2階10列センター


花組をみました。タイトルは「巡礼の年」だったのですね、何が巡礼の年なのかわからなかった。リストの魂の物語っていうならなんとなく分かったような・・・
というか、この作品ものすごく「fff~歓喜に歌え!~」(2021年雪組)を思い出したのですが。いいの?(私は雪組好きとはいえ。。後で詳しく書きます)

ショーは、稲葉先生らしい装置が美しくて、衣装も綺麗で賑やかだけど騒がしくなくて良かったです。永久輝さんの髭ダンディなデザイナー様が見れたのでもう最高。柚香さんが真ん中にいて、水美さんが踊りまくって、音くり寿さんが歌いまくっていた印象。永久輝さんと聖乃さんが凄くカッコよくて!

202206花リスト本.jpg

ミュージカル
『巡礼の年〜リスト・フェレンツ、魂の彷徨〜』
作・演出/生田 大和

冒頭のモテモテなアイドルのリストの姿に、「カサノバで見たような気がする」と思い、しばらく見ていて、あれなんかどこかで見たような展開・・と思っていたら、観念世界に入って、「これ同じだ」と思った。
(時代的には、「fff」のちょっと後で、「レ・ミゼラブル」のちょっと前なのか?)

「音楽は誰のため」という(最初の)テーマとか、主役の音楽家が、人気が出て失墜して革命(戦争)が起こって、最後は観念世界で悟りを開いて、愛する女と手を取るラストシーンって。「fffのオマージュです。ベートーベンをリストにしてみました!」と言われたら納得する。こんなに似たような作品、こんなに最近の作品なのに、よく許可がでたな?と思う。しかもテーマがぶれている劣化版な脚本・・・。演出は良かったし、出演者も歌以外は綺麗で良かったけど、なんか似てるな~と思ったのでした。

「fff~歓喜に歌え!」は、ベートーベンが主役で、貴族や特権階級のものだった音楽を、革命を起こして民衆に開放する!と人間の革命を起こす。同じく平民への開放を謳って戦ったナポレオンやゲーテと一緒に(勝手に)。そして耳が聞こえなくなって干され、ナポレオン戦争が起こり、振られまくって、追い詰められ観念世界で心の友ナポレオンと語り合い、最後はずっと傍らにいた「運命」を愛して幸せになる。というストーリーだった。

本作、「巡礼の年~魂の彷徨」では、リストは大人気になった音楽と自分が求める音楽性の違いに悩んでいる。ベートーベンと違い仲間がいて、親友でライバルのショパンとかいろいろ意見してくれるのだけど違うと拒絶、理解してくれた人妻マリーと駆け落ち(リアルで恋人や友人がいたので偏屈頑固でない常識人なのがよく分かる)。恋人と引き籠って音楽に集中するも、地位と名誉とお金の話が来ると飛びついてしまい、恋人を捨てて野心のままに突っ走る。そこに主義思想音楽性はない。革命が起きて逆転し、すべてを失って観念世界で恋人や親友と脳内会話。そこで恋人が一番だったとか・・ラストはリアルで会いに来てくれた恋人とエンド。
途中までは、芸術家が抱える音楽性の話。革命と革命の間の激動の時代だし、音楽でできることを考えてもいいと思うが、あまり考えない。彼の求める音楽が何だったのか、不明だ。壁を取り払うと言っていたが、その後の行動を見るに、「貴族のものだった音楽を民衆へ!(人間性の解放)」ではなさそうだ。彼のいう「壁」がわからない。
リアルで友達や恋人がいるのがベートーベンと大違い。だから最後の観念世界の話は、ショパンもサンドもマリーも、リアルの恋人で友人だから別に観念世界で話す必要はないと思う。急に脳内世界に入るので驚いたわ。ベートーベンは友達も恋人もいなくて(医者夫婦は友人というより家族だし)、観念の存在である「謎の女」が唯一の会話相手、同志(だと勝手に思ってる)ナポレオンもゲーテも彼の友人じゃないし、リアルでの会話ができない(ナポレオンとは皆無)。だから観念世界で話すしかない。リストの場合は、リアルで会って会話すればよかったと思う。手紙でもいい。唐突に観念世界に入らない方がよかったと思うのだわ。生田君、「fff」見て感動したの?いや「俺ならこうするのに!」とか思った?などと思ってしまった。とりあえず、もうちょっと温めて練ってからのほうがよかったかも・・・。
テーマも、音楽性(芸術)の話から、途中で恋人との価値観の相違からのすれ違いになり、いろいろ遠回りして栄光を掴みすべてを失い、そうして彷徨した一生の最後は、マリーがやはり永遠の恋人だった!とばかりに、リストの魂は最後はマリーと一緒に、という終わり方でした。いつの間に「男女の愛」がテーマになったのでしょう。最後は音楽のことは語ってなかったような気もする。ピアノを子供に教えるのが、彼の見つけた音楽なのか。パリ音楽院に入れなかったのがそんなにトラウマだった? リストの魂の彷徨と言えばその通りだけど。壮大な舞台だから気付かなかったけど、時代も背景も関係ない、ただの一人の男が迷いながら生きてきた、その「魂の彷徨」なのか。

とりあえず、貧乏じゃなくて、顔が良くて要領がよくて、モテモテで、華やかな人生を送り、でも満たされなかった・・というリストの一生は見えました。

歴史上の有名な音楽家が主役だと、音楽がメインになってきますね。こういう作品は、歌が武器のスターさんに書いてあげるほうが良いと思います。壮大な音楽をバックに歌い上げるというのはもう。歌が台詞になっているのも。
この組は、柚香さんも水美さんも歌が下手ではないが、声が伸びず響かない。二人とも声の強弱が安定しないタイプ。だから歌い上げる系が弱いと思うの。3番手の永久輝さんがやっとクリアな声で安定した歌声だわ。星風さんも声と歌はいいけど、ブレス音が多い。あと台詞の声に強弱付きすぎてて小声になるとさっぱり聞こえない。これは前からだから、私の耳と相性が悪くてもうどうしようもないかもしれないけど、でもヒロインだから話が分からなくなるの。柚香さんも水美さんもどちらかというと、歌台詞が弱いので、歌詞が聞き取れないときがある。音さん、飛龍さんはとてもよく聞こえて、クリアな声と的確な感情が伝わるお芝居で素晴らしい。永久輝さんは、女役声でびっくりした。いろいろな声が出るのね!裏声への切り替えの上手さと安定にも嬉しい驚き。男役で見たいのでもう女役はいいですが、すごくできる人なのが改めて分かった。

あとひとつ。fffではオーケストラが録音だった。あの時は「生伴奏で歌をききたかった」と思ったものだけど、今日生オケを聞いていると、名曲のいいところで金管がヘマをする確率が結構高くて。fffはやっぱり録音(最高の状態が毎日)でよかったんだな~と今更ながら思いました。生オケも頑張れ~!


もうかなり書いてしまった。あと個別に。

フランツ・リスト 柚香 光
登場はサンドとの濃密な恋人同士の様子から。次の場面は超人気アイドルのロックスターという感じで、カサノバを思い出すモテモテぶり。誇らしげに彼を見つめるパトロン、その言うなりになるのが嫌そうな雰囲気。現代のアイドルと芸能事務所女社長というところ。
御用新聞は褒めたたえてくれるけど、彼が聴きたいのはそれじゃない。ショパンが自らの意見を代弁するように見せてくれた批評記事がズバリで、芸能界の伝手で匿名の著者を見つけ、なんと夜中に忍び込む(これはカサノバで見た場面だ)
あっというまに彼女の心をつかみ、すべてを捨てて駆け落ち。田舎(ジュネーヴ)に引きこもって二人お花畑で暮らしている。生活費はどうしていたのか謎だが、とりあえず裕福そう。
特に不満の無い日々だったのに、昔の仲間がやってきて、野心を共有していた盟友サンドに「野心」に火をつけられて、パリへ戻り、そのままマリーを放置して栄光への道をひた走る。音楽性とかよりも、名誉と地位と財産とを求めて行動する。ついには王族並みの待遇にまでのし上がったところで再びの革命。それはマリーが助力したもの。すべてを失い、何を求めていたのか、さまよっているリストは脳内でマリー、サンド、ショパンと会話をする。そのあとがないけれど、何かを悟って修道院へ入ったのでしょう。大事なところがないけど、そこは観客が補完するのね。彼の一生は、幼い日のトラウマ(パリの音楽院へは入れなかった)がすべて!のようなラストでした。最後に会いに来てくれたマリーは、早くに別れた母の代用なのかも。
柚香さん、モテモテアイドルスターなのが納得できる容姿と態度。すごい!黒い衣装に金髪がお似合い。気だるい雰囲気も最高。歌い上げる歌はまあなんだけど、もっと声を響かせ音を延ばしてほしいけど、声は出ていたので良かったです。ピアノを弾く手も美しいですね。


マリー・ダグー伯爵夫人 星風 まどか
貴族の娘として年の離れた夫と結婚。愛人がいて妻は放置され、なのに自由にさせてもらえない。まあ普通の貴族の夫なのだけど、自立心の強いマリーは我慢できない。匿名で新聞に批評記事を掲載してもらっている。超アイドル・リストの批判記事を読んだ本人が直接部屋へ訪れ(非常識極まりなし)、その純粋で迷える魂に触れて恋に落ちて駆け落ち。
引き籠って、二人以外の何もない幸せを暮らしている。だがリストがサンドの誘いに乗ってパリへ戻り、そこから野心に再び火がついてハンガリーへ。この辺りで自然消滅ですね。
離婚していたマリーは自立するためにサンドの援助でジャーナリストになり、革命の種となる記事を書く。やがてはエミールたちと一緒に革命へ身を投じる。なんと行動力のある意志の強さ。だがその後が全く不明。リストの脳内での会話があるが実際は不明よね。そしてラストシーン。年を取った(多分)マリーは、年老いたリストの所在を修道院に尋ねる。そして二人は手を取り和解・・・。後半、かなり雑ではないかと思った。リアルのマリーも生きているのにその後がない。リストとはそれっきりで実在のマリーは消息不明、なのに最後に突然巡り合う。マリーどうやって何を考えて生きていたの?と思う。
なんとなく、主義思想があり戦うための手段を持ち行動力のある彼女は、動乱の時代はずっとリストのことは思い出さないのではないかと。落ち着いた老年になってから、やっと子供のようなリストを思い出し、消息が気になって尋ねたのでは。なんか親心みたいな気分で。そう思わないとマリーの行動がわからない。だからリストは永遠の恋人だと思ったけど、マリーには「ずっと気に掛かっていた子供」だった。思い違いは最後まであったように思う。
星風さんは、若いころは良いけど、老年が全然老年じゃなかった。もっと老けメイク老け芝居したほうがいいな~と思うのだけど。柚香さんもだから演出家指示かな。
お芝居はまあまあ、セリフの小声が聞こえないとか緩急つけすぎとかあるけど、これは好みの問題だから。

<仲間>
フレデリック・ショパン 水美 舞斗
リストの親友。天才ですが病弱のため大人しくて温厚。だから激しいリストに惹かれるし、同じく激しいサンドにも惹かれる。リストとサンドって野心家なところが似てますよね。
同じピアノの芸術家として、リストに言いたいことはいっぱいあったと思う。体を大切に、は言うけど、音楽性のことは言わない。ただ自分が言いたいことを書いてある新聞を渡すのみ。頭いいね、というよりリストが自分の言葉に反発するのが最初から分かっているからですよね。今までにかなりいろいろあったと思われる。
リストとサンドが別れた後、世話焼のサンドに甘えて一緒になり・・本作では最後はサンドに看取られました(リストの脳内で)。
リストはショパンのことを、「苦労知らず!」みたいに言って憧れつつ強烈に反発してますが、ショパンはショパンで苦労していると思うのだけど・・そのあたりがリストは子供なのかも。ショパンはわかってあげている風ですしね。
水美さんの弱弱しい役は久しぶり・・というか初めて?いつも強い親友ですよね。親友役多いですね。ショパンも歌が結構あって・・声がクリアなのは素敵。もう少し声を響かせ音を伸ばしてくれたらなあって思います。


ジョルジュ・サンド 永久輝 せあ
男装の有名小説家。リストの元彼女。登場場面から濃い。リストとの気だるいラブシーンと「野心」を語る強さ。年上の恋人、リードする女という感じがすごい。その後も、リストが真実の恋を見つけて人妻と駆け落ちしても、全然へこまない。残されたがきりりと前を向き以前と変わりなく。弱弱しいショパンを見つけて面倒を見てあげ愛していく。ほんと芯から姉御気質なのね。恋敵なのにマリーに仕事を譲ってあげるし、自立したい女の見方で主義主張ははっきりしている。すごくかっこいい女性だった。・・この役は娘役にはできないこともないとは思うのだけど、なぜ永久輝さんに?と思った。役が足りないのかな。
ショーでは髭のオジサマがダンディな永久輝さんなのに、男装の女性役(という難役)もちゃんとそう見える。まず声が女役声になっていて驚いた。歌声もそうで、裏声への切り替えも自然ですごく上手かった。女役をしても男役声のままな人も多い中、私の中では好感度アップ。煙草を吸う仕草や男っぽい動きをする「女性」というのがちゃんと見えました。声も通りセリフも聞き取りやすいし、歌声もクリアで伸びるし、今の花組では私の耳に一番相性が良い感じ(雪時代に聞きなれていたからじゃないと思うのよ?)。

ジギスムンド・タールベルク 帆純 まひろ
リストのライバル・ピアニスト。ラプリュナレド伯爵夫人がリストの後任として選んでスターにのし上げたが、公開演奏会で敗れて去る。伯爵夫人に誘われて、喜んで後任になった、割と腹黒いところもある様子。リストのように批評は絶賛、ファンもたくさん。ただファンが男性ばかりだという設定だったが、ターンベルクも凄く美しかったので謎。いや男性に受ける美しさだったのかもしれない。女たらしでないことは確か。そこは伯爵夫人は満足でしょう。このあとどうしたのでしょうね?伯爵夫人とターンベルクのその後は放置だった。
はらりと落ちる前髪が美しい。リストは根っからの女たらしというか、女が寄ってくる美貌で、ターンベルクは男が寄ってくる美貌なのね。どちらも美しくて、さすが伯爵夫人!お目が高い!って思った。帆純さんも美形枠。早霧さんによく似ているので舞台でもすぐわかる。


ジョアキーノ・ロッシーニ 一之瀬 航季
オランプ・ぺリシエ 都姫 ここ
リストの仲間とその婚約者。ロッシーニは、fffでベートーベンの代わりにサリエリが連れてきて人気になっていた気がする。だからこの後成功するんですね。拗らせたリストがお祝いに水を差そうと、特に怒ったりせず他の方の好意を受け入れる素直そうな方で、可愛らしい婚約者と幸せになりそう。なんかこの二人、周囲は気にせず「二人の世界はハッピー」な雰囲気が出ていて、ある意味すごかった。


<友人>
エミール・ド・ジラルダン 聖乃 あすか
新聞社の編集長。芸術家のたまり場に普通に表れる。マリーの原稿を載せてあげたり、とても開明的。そしてそのまま正義のジャーナリストとして、フランス革命後も収まらない貧富の差などに怒りを感じ、社会を変えたいと考えている。意志の強さが顔に出ていて凛々しい。サンドの推薦ででルポ記事をマリーに書いてもらい、一緒に社会運動を推進し革命へ。なかなかの闘士。かっこよかった。
聖乃さん、お化粧が「冬霞の巴里」っぽくて、ワイルドでかっこいい。こういう系統の役も似合いますね。

デルフィーヌ・ゲー 星空 美咲
ジラルダンの妻。一度も紹介されなかったような・・まあずっと夫の傍にいるけど。女流小説家とか女流〇〇で芸術家なのかと思った。夫の協力者で一緒に仕事をしているのでしょうね。可愛いのだけど、ほぼ役割が無くて、もったいない。星空さんは芝居も歌も良いのでもっと活躍して欲しいです。

<貴族>
ラプリュナレド伯爵夫人 音 くり寿
リストのパトロン。パリ社交界の実力者。結構年上の女性で、美しく才能あるリストを見出し当代一の人気者に仕上げた方。ほんと芸能事務所のやり手女社長という雰囲気。モテモテリストに得意満面。そして女たらしのリストに不満爆発。リストに脅しをかけて、内心嫌われていく。リストの不満と葛藤の一つは彼女の存在ですね。自分の力で成功した!と思いたいのに、伯爵夫人お顔を見ると、自分がただの人形であると思い知らされるから。
結局、伯爵夫人を裏切って駆け落ち。当然、怒り心頭で激怒!マリーの夫ダグー伯爵とのデュエットは凄い迫力でした。逃げた二人は二度とパリには戻ってこれないね、って思いましたもん。なのに結局、戻ってきてタールベルクと戦っていると、二人を引き分けにして収めようとする。結局は自分が育てたリストが可愛いくて憎み切れなかった・・そんな感じでした。
音さんは今回で退団。芝居も歌も絶品だったので、本当に残念。こういう役ができる組子は貴重ですよね。それこそ専科のお姉さまか男役がするような役かも。外で活躍されることを期待してます。

ダグー伯爵 飛龍 つかさ
マリーの夫。愛人もいる普通の貴族の男。こちらもかなり年上。若くて自立したい生意気な妻にちょっと手古摺っている。だから距離を置いている風。だがちゃんと離婚の話には応じる姿勢もあったのに、いきなり若い男(超人気スター)と駆け落ちは無いと思う。彼の体面ズタボロ。怒り心頭でしょうね。同じ立場の伯爵夫人とのデュエットは凄く怒りと憎しみに満ちていて絶品でした。歌としても素晴らしい。でもそのあとの出番なく・・マリーの台詞からして離婚したみたいですね。なんかすぐに今度は大人しい女性と再婚してそう。
飛龍さんのお芝居も凄く好きでした。上手いの。銀ちゃんのヤスも、冬霞の叔父さまも、飛龍さんがいないと始まらないくらいの存在感と芝居。歌も声が綺麗でよく伸びる。これからもっともっと活躍を期待していた。だから本当に心から残念です。


レオ・フェステティクス伯爵 羽立 光来
ハンガリー貴族。引き籠っているリストに栄光の話を持ち掛ける。それだけなんだけど、あの衣装。エリザベートのハンガリーの衣装が大変活躍している。このお芝居、宮廷のメイドさんたちは「ドン・カルロス」の侍女の衣装だし、なんか懐かしい。

ル・ヴァイエ侯爵夫人 美風 舞良
社交界の女王的存在の方。貴族がいっぱい出ている場面では仕切っていらっしゃいました。いろいろ噂を広めてくださる夫人なのかしら。いつも一番前にいて聞いてる(笑)

アデル・リュサンド嬢 美羽 愛
マリーの侍女。駆け落ち後もついてきている忠臣。ちょっと落ち着きがないですが、大変可愛らしい侍女。実家からついてきた侍女かな、乳兄弟か何かで、マリーとは友達か姉妹みたいに気安い関係に見えた(アデルが妹)。出番と台詞が多かったな~と。花組には期待の若い娘役さんがいっぱいですね。

<過去編>
アダム・リスト 航琉 ひびき
リストの父。息子の才能を見つけて英才教育を受けさせたいと、主人の伯爵へ支援を訴える。別に殴ったり雪の夜に外に追い出したりしないし、無茶な教育もしないし、幼い息子の留学にも付きそう優しい良いお父様。リスト、すごい恵まれてるやん!って思ってしまった・・・。

マリア・アンナ・リスト 春妃 うらら
リストの母。優しいお母さまだったけど、すぐに出番がなくなった。

少年リスト 美空 真瑠
青年リストよりちょっと丸い感じですが、可愛い子供です。過去編の一番の見せ場、パリの音楽院の場面とか、ラスト近くのリストの脳内劇場とかに重要な役割で出てました。ここだけみると「モーツァルト!」みたいですね。M!よりは出番が少ない(常時側にいない。ただ最後のトラウマから見て、常時側にいていいくらいだと思った→それやると、生田くん影響されすぎッ!てなるから?)。

エステルハージィ伯爵 紅羽 真希
エステルハージィ伯爵夫人 華雅 りりか
ハンガリーでリスト父子を支援してくれた貴族。変なことを強要しないし、よいパトロンだった。リスト恵まれてるやん(とここでも思った)


という感じで、テーマ的には迷走していたし、突っ込みどころも多いストーリーでしたが、ビジュアルは素晴らしかったです。人も衣装も装置も、美しかった。この時代この衣装!リストが貴族社会にいるからか、登場人物の衣装がみんな豪華。革命運動する人たちぐらいですよ、質素なのは。あとはみんな豪華な感じの衣装で目が嬉しい。リストは全然貧乏生活しないから(駆け落ち中でさえ)、いつも綺麗で美しかった。
雪組ファンなので、かなりfffが脳内に蘇ってきてしまいました。私が悪いのだけど、不満はそこだけ。

ショー グルーヴ
『Fashionable Empire』
作・演出/稲葉 太地

稲葉先生の作品は、いつも装置が美しい。〇というか楕円形が多いよね。効果的な働きをする照明も素晴らしい。盆とせりで高低差を付けてくれるのも良い。稲葉ショーは結構好き。

エントランス永久輝さんが最初にオープンの歌を歌いあげる。安心して聞けるね。黒スーツのシンプルな男役姿かっこいいわ。で、後ろの影が踊り、幕が上がって出てきたのが水美さんでちょっとびっくり。トップが出てくるかと思ったから。それから帝国に入って、みんながちょっと変わった戦闘調のかっこいい衣装で勢ぞろい。ここで柚香さん登場!
永久輝さんも衣装を代えて合流、総踊りが続く。今回は2階センターから見たので、とてもとても綺麗だった。

ファッションショーの場面は、星風さんのややダサ少女が、モデルになりたいと登場。ついた事務所のデザイナーが髭にサングラスのイケオジ永久輝さん。カッコいい!!私、永久輝さんは髭が似合うと思うの、すごく思うの。もうこの場面だけで満足度100よ。
モデルさんたちが着ている衣装は、「スカーレットピンパーネル」の変装衣装?かな。すごく派手な原色。見たことある感じの・・。デザイナーだけはかっこいいスーツだけど。
永久輝さんと星風さんの場面。聖乃さんが後ろで一人目立つ。

次は、Labyrinth で、高級ホテルの個室プールみたいなところで、美女たちに囲まれる柚香さん。そこへ水美さんたち乱入。上で歌うのが美風さんと音さんと男役2名(わからなかった)。歌が凄く良く。なんか結局、踊りまくっていた柚香さんと水美さんが、最後二人になってプールで・・?みたいな「何?」って結末だった。柚香さん水美さんファンにサービス場面なのだろうか。この二人がトップコンビ?って思った場面だ。

Beautiful night  銀橋で永久輝さん帆純さん飛龍さんが、セ・マニフィークを謳う。珍しいアレンジで最初わからなかった。そこから中詰め。禁酒法時代っぽい雰囲気でメドレー歌い継ぎ。

Club Misty は水美さんの場面。踊りまくる。相手をする女役が女装した帆純さん。ちょっとごつめですが美人。実は骨格がしっかりしている方なのか?もっとほっそりしているイメージだったから、意外にガタイの良い美女だった。役的には、水美さんを翻弄して連れ去るような役なので、強い感じがぴったりだったけど。

Fashionable Moment って花組では最近恒例の、全員で歌う場面。
そのあと、To The Future で聖乃さんからの若者が踊りまくる。「Fire Fever」で縣さんがやってたみたいなのだ、若者が誰が誰だかわからなくて残念だった。目なぐるしいから追えないのよ。

フィナーレの大階段は紫コート。娘もパンツ姿。ここでも踊りまくり。デュエットダンスは2組で、3番手の永久輝さんが歌う。歌うのは永久輝さんがいい。
2階センターから見ていると本当にショーが綺麗で、映像では見られない景色が美しすぎてもったいなくて、オペラグラスを使わずに見ていたら、主要人物以外ほとんどわからなかった。いい歌声だなって思ったのは、永久輝さんと飛龍さん。今回は羽立さんや和海さんとかはあまり歌ってなかった?美声なのに。柚香さん水美さん(と星風さんも)はダンスが流麗で美しいから踊りまくり、歌える人に歌ってもらえば私は嬉しい。プールの場面の構成は素晴らしく好みだ。

上から見たらダンス場面がとても綺麗。衣装も装置も照明も綺麗だったわ~
パレードのシャンシャンが王冠! トップコンビは上の飾り付きの立派な王冠で、2・3番手は金の王冠。以下は銀の王冠。あれは、ちょっと被ったりして遊んでみたい。


この日終演後。2階席後方から奥の階段で下まで降りたら、ちょうど降りたあたりで悲鳴が聞こえた。見てみるとエスカレーターのあたりに人だかり。人垣で見れなかったけど、エスカレーターから誰か落ちた?感じ。何度もキャーって悲鳴が聞こえたが、叫んでいるのは一人だけに聞こえた。上では人を乗せないようにしたみたいで、やがてエスカレーターが2本とも止まり、乗っていた人が降りた。アクシデントがあったのは奥側のエスカレーターみたい。
すぐに「AED持ってきてください!!」「AED!」ってリレーみたいに声が聞こえてきて、インフォメーション近くの人がここに?って走っていった。私が見たのはそこまで。居ても何もできないし邪魔だろうから出たの。大劇場出てもまだ救急車の音が聞こえなかったけど、5分も経ってないし来ないか。何があったかわからないけど、大事でなければいいなあ、と思います。エスカレーターは歩かず手すりをしっかり握って!ですが、後ろから人が落ちてきたら避けようがないよな~とか思いつつ。何度か大劇場で救急車見たことがあるけど、あれだけ大人数がいれば、急病になる人もでるでしょうから、健康と行動に気をつけなくちゃ~って思いました。



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パクチー

お久しぶりです。
先日、夫と観てきました。
終演後、夫が
「あなたが魂の彷徨に入ってどうするんだよ(笑)」
「僕の隣の人も彷徨していたので、挟まれて自分も彷徨しそうになったよ。」と嘆いていました。
確かに、意識が
「これ、いつ終わるんだろう」と思ながら飛んでいました。
メリハリがないのでものすごく長く感じました。
綺麗な舞台ではあるんですが、一時間半それだけではもちません。

私の持論ですが、脳内シーンで言いたいことを表現するのは、
その表現でなければならない理由がない限り、脚本家の逃げだと思っています。
作品の大切な部分を、舞台上で生きている人に語らせないでどうするんだ?と興ざめです。

あと、よくある言葉の応酬。
例えばマリーが「いる場所がない」と絶望するけど、
シャーロックでアイリーンも同じことを言っていたような気が。
変な日本語もチラホラ。

どうも私は生田先生とはてって気が合わないみたいです。


by パクチー (2022-07-05 08:47) 

えりあ

パクチーさん
お久しぶりです。観客の魂が彷徨してましたか(笑)
私の友人は、早々にストーリーを諦め、「あの子可愛い!」「あの衣装綺麗」とビジュアルに走っていました。

おしゃる通り、脳内シーンは安易に使ってほしくないですね。
なんでもありになってしまいますし、舞台でやる意味ない。
言葉選びも同じく。
生田せんせは結構安易かもしれない。と私も思います。
もっと考えて寝かせて練って?って思いました。

by えりあ (2022-07-06 22:32) 

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