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宝塚雪組「Lilacの夢路/ジュエル・ド・パリ」 [観劇感想(宝塚)]

宝塚雪組「Lilacの夢路/ジュエル・ド・パリ」
2023年4月25日(火)11時 1階28列上手
2023年5月14日(日)15時半 1階26列下手 キューピー母の日 
2023年5月25日(木)13時 1階前方下手端
2023年5月27日(土)15時半 2階10列上手 VISA貸切 

雪組公演は、何のかんのと適切な間隔で4回見ました。最回はあまりのストーリー展開に、頭に疑問符が飛びまくったが、やがて「これは考えてはいけない作品だ、衣装と装置と照明を楽しむのだ!」と悟ってからは楽しかった。衣装と装置と照明が本当に綺麗。
適度にダンスシーンが挟まっていて、それも綺麗。宝塚らしい気分を味わえました。

ショーもまた宝塚らしく、歌詞に意味はないがノリのいい―キャッチ―な主題に聞きなれた宝塚ソングのアレンジの山。衣装もオーソドックスなハットにケーンに黒燕尾、程よい分量のフリルなラテン、白と黒の爆踊り、なぜかいきなりサディスティックなクレオパトラとか、各場面の趣旨がよくわからなかったが宝塚らしくて良かった。初舞台生も久々で可愛い。

ということで、とっても宝塚を堪能できました。

202304雪ライラック.jpg


ミュージカル・ロマン
『Lilac(ライラック)の夢路』
-ドロイゼン家の誇り-
作・演出・振付/謝 珠栄

なんというか、登場人物が皆さんとても軽くて、展開がすごくご都合主義で、なのにテーマが多すぎて話で盛り上がりはどこ?って思った。誰も深く考えないのに、テーマ・ポイント多すぎて散漫になってるよね。私が思ったテーマは下記の通り。

1.長男と次男の対立(でも軽い)、三男以下は影薄い?
長男と次男は、藤原家不比等の長男と次男みたい。熱くてリーダーシップのある長男、冷静沈着で頭脳派の次男っていうところ。年齢も近いのに、幼いころから兄を支える弟という教育を徹底しているところまで。そんな長男次男が大変仲が良いのも。全員から可愛がられる末っ子という、末弟の立ち位置も似てる。藤原家は4兄弟だけど、三男(本作では四男に該当?)は影薄いところまで同じ。全然似てない5兄弟の要は、一応末弟ヨーゼフ君よね。でも彼が居なくなっても、もともと仲の良い兄弟は対立したり疎遠になったりしないので(兆候もない)、要と言っていいのか謎。
ところでこの5兄弟、年齢差はどんなものかな?と思った。末弟が20歳くらい?いや音大出ていたら22歳以上なのか。すぐ上の四男は大学卒業して数年働いているのよね。最低で25歳くらいとすると、上から四人が年子でも長兄は30前の二十台か、納得かな。でも心臓の弱い母が立て続けに4人出産は不可能かと・・これも考えてはいけないことなのだろう。

2.次男とお嬢さんの恋路
恋でいえばこっちがメインみたい。典型的な悪役令嬢(美人、お金持ち、わがまま、世界は自分のためにある思想)と、なぜ彼女がそんなに好きなのかわからない冷静なはずのイケメン次男の恋。この二人の恋愛は、トップコンビの恋愛よりしっかり描かれていた(でも足りないけど)。ところでお嬢さんの父の銀行頭取は、出番が一瞬だった。しかもドロイゼン家の事業に最後まで投資しないし、次男との結婚は許すのかな・・?二人はハッピーエンドのようだけど、一度もこの恋について父が語ってないのが気にかかる。

3.アントンのひみつ
天才製鉄職人のアントン君。孤児で修道院育ちで、職人さんに引き取られて、なぜだか今無職の彼なのだが、とても明るい。そして自身の出生の秘密を聞いても軽ーい。何事に対しても全く葛藤がない。すべてをありのまま受け入れる大人物だ。とても素直な素直すぎる人物で、修道院の育て方が素晴らしかったんだろうと思うしかない。

4.エリーゼの自立
軽ーい。女性の自立を目指しているのはわかる。だが、あなたはバイオリンに賭けていたのではなかったか。音楽は諦めたの?その転身があまりに早すぎる。アントンに比べれば少しは葛藤があったようですが、しょせん「少し」であり、踏ん切りが良くて明るい。
今回はヒロインのはずだけれど、いつの間にかほぼ障壁なくあっさり主人公の長男と恋仲になっていたし、物語的に果たした役割は単なる仲介。これはジャーナリストコンビ(諏訪&桜路)と同じ役割では?と思った。ヒロインとしての存在感薄いわ。

5.鉄道会社のはじまり
これが真のテーマですね。阪急電鉄も創業時は大変だったのでしょう。「鉄は国家なり」の時代の幕開けですね。社会人になって最初に製鉄会社で教えてもらった単語を思い出した。今回は製鉄の話が多くて懐かしかったな。ノリのいい鉄をたたえる歌とかあって(しかもトップ3が銀橋で踊りながら歌う)、製鉄会社を冠スポンサーにすればよかったのに、と思った。
アントンたちが「レールできた!」と言って出してくるレールがあまりに短くて・・それは使えないでしょ?と思ったら、クルト君(聖海)が「このレールは鉄道に使えない、新しい設備が必要(要約)」と言い出して、やっぱりなと思ったり。ロングレール作るのは難しいよ、技術的にも設備的にも。レールの製造は現代でも開発続けてるくらい。舞台の炉は、昔の平炉だよね―上手く表現してるなあ。やっぱり高炉の開発が必須だし、圧延工程も別途必要だよねクルト君!とか思いながら見ていたが、なぜこんなところだけやたら精緻に調べてあるのか謎だった(がプログラムを読んだら分かった。ネタ本にしっかり書いてあったのね)
とりあえず、莫大な資本が必要で、恩恵を被る人が多い事業は、広く多くの人から資金を調達し事業に参加し応援してもらう!つまり株式会社の設立だ!という明治日本の渋沢栄一氏のような話だ。資本主義の夜明けでもあったね。脱炭素社会を目指さなければばらない現代なら「石炭を使うのだ」(by長男)というと反社会勢力のように言われてしまうが、この時代は正義。小林一三物語を、ドイツを舞台に映して宝塚っぽく再生したのですね。考えてはいかんのだが、いやいろいろ楽しい。

【トロイゼン家の兄弟】戦隊もののセオリーで5人なのねと納得。
長男ハインドリヒ /彩風 咲奈
赤。情熱の赤。明るく強く強引な長男。情熱の熱き炎をもって理想に燃えエネルギッシュに行動する若者。彼だけ名前に「フォン」という貴族の称号が付いている。次男が言う通り立場が違うのだな。昔風に言えば領主さま、だから良いと思ったことに有無を言わさず皆を引っ張っていくリーダーシップがある。それは悪く言えば独断専行、独裁ともいう。
今回はこの強引さが上手くいったと。咲さんにはあまり強引なイメージ無いんだけどなあ。スタイル良くてかっこいい。どの衣装もお似合い。とても凝った模様の入った衣装で素敵。
咲さんのこういう「俺についてこい男」の時のセリフ回しって独特。なんだかどこかで‥と思っていたのですが、私の感想なんですが、麻路さきさんに通じるものがあるような気がした。雪っこのはずだけどあまり雪っぽくないのな。

次男フランツ/朝美絢
青。冷静な青。熱い長男に対して、その反面を担うかのように保守的で周囲を見る理知怜悧な人。下の不平を聞き調べて正し、それを上司に伝えて政策にして、具体的な方法や手段手法そして資金を調達し‥と、周囲を見ながら堅実に行動するお仕事に就いてらっしゃるのが、その性格に拍車をかける。
あの猪突猛進な兄と、多分兄と同じような父に囲まれ、現実派の彼は幼いころからとても苦労したのだろう。おそらく一番母に似ていたのかも。突然だけど1~4の母と5の母は別でもいいと思った。熱くて暴走する当主をしっかりいさめる役割が母だったのかもなんて思ったから。4人を立て続けに生み、さらに当主を支えていたとすれば、それは早世するのも当然かと。そして迎えた病弱で芸術家肌の繊細な後妻が一子(末子)を生んですぐ亡くなるというなら納得できる。上の4人と末子の年齢の開きも、まったく才能の系統が違うことも。そう思わないと・・・心臓の弱い妻に5人も子供を産ませた父は、清廉な騎士でもなんでもなく、自分勝手な鬼畜ではないかと思ってしまうのでした。
フランツに話を戻すと、大変美しい。青の衣装もその他の衣装も大変お似合い。兄弟の中では唯一苦悩しているのでその表情も素敵。なぜあの悪役令嬢(ディートリンデ)が好きなのかという幼少時のエピソード場面があると、彼の愛に説得力があったのに。残念。
朝美さんの声が素晴らしい。今回あちょっと低めにしているのかな?いい声だわあ。

三男ゲオルグ/和希そら
オレンジ。軍服は緑とオレンジですが、緑は四男のカラーみたいなので、彼は製鉄所カラーのオレンジで。鉄鉱石はオレンジ色なのだ。
彼は軍人に向いてないと自分で言いながら、「三男は軍人に」とかいう父の方針で軍隊に入れられたみたい。なんだかドロイゼン家のお父様、長男(領主)次男(行政)三男(軍)までは将来を考えてそう(というか、家訓というか前例がそうなのかも)。合わないところに入れられても優秀らしく、それがどこかに出ていたのか、上官に目をつけられてしまう。優秀なんでしょうね。この後は軍をやめて製鉄所に専念したほうが良いと思う。
彼の担当は、魔女の謎解き。恋愛は無し。役目があってよかったね、って感じです。
旗を使った軍隊の場面はとてもカッコいい。プログラムの写真の軍服と違って、緑とオレンジというカボチャを思わせる色彩はどうかと思うが、史実なら仕方ない。しかしプロセンの軍服は、ロシア皇帝が憧れたかっこよさのはず。時代が違うのだろうか。あの軍服にあこがれるとは?とロシア皇帝のセンスを疑ってしまった。


四男ランドルフ/一禾 あお
緑。背景にあると落ち着く緑。いつも緑の上着を着ているのがその証。派手で目立つ長男と次男、一風変わった三男と芸術家で可愛い末っ子に挟まれ、影の薄い四男。最初のうちは気づかなかったが、こんなに出番がないのに全く腐らず兄たちを慕い弟を可愛がり、目立とうと密かにリアクションを大きくするなど頑張る四男を発見すると、感動する。なんていいやつなんだ。ベルリンの高官の秘書をしているらしいが、国の方針など情報を教えてくれる。結構重要な役目なのだけど、ジャーナリスト・チームや次男が良い動きをするので、やっぱり霞んでしまうのが残念。一禾さん目立つお顔ですね!

五男ヨーゼフ/華世 京
淡い黄色。人を和ませる柔らかい黄色ですね。一人だけ芸術家という異質。一人だけ庇護されている感が漂う可愛らしさ。兄弟の中でも異質で、やはり母が違う方がしっくりする。
とはいえ、彼は病弱な中、他の兄弟たちとの異質性も自覚しながら、忙しい彼らを癒すためにも作曲を頑張っているようだ。何もしていないのにあっさり‥と言う彼の病は、5度の出産に耐えた母の病と同じとは思えない。考えてはいけないのだ。
華世さん、すごい抜擢。なのに全然違和感がない。お芝居もセリフ回しも素晴らしい。雪組の御曹司ですな。この公演で存在感があまりにあるので、お顔もしっかり覚え、ショーでも把握できるようになりましたわ。良い席で見たとき、ついガン見してしまいましたが、目をそらすでもなく逆にウィンクを飛ばしてくるという度胸に、ファンになりました。咲が楽しみですわ。プログラムの写真は、衣装の写真にしてあげてほしいし、大劇場のパネルの最後の1枠に入れていいと思う活躍ぶりでした。

【ツークンフト製鉄所の方々】
アントン/縣 千
エリーゼの幼馴染。結構年下なのかも。アントンとエリーゼの間に恋心は全く感じられない。いっそ清々しいほどの姉弟感。アントンは就職の当てもないのになぜこの町に来たのか謎だけど、エリーゼに紹介してもらい先が開けました。と思ったらもっと開けた。びっくりだ。でも悩まず素直に受け入れる。なんだか生まれたときから修道院育ちの純粋培養の修道士みたいだ。
ドロイゼンの兄弟と仲良くなり、製鉄の仕事も任され、これからは製鉄所の工場長くらいになるのかな?実質の技術主任のクルトとも仲良さそうなので、製鉄所と鉄道会社の発展のために、素直に頑張ってほしい。何も言わなくても堕落せずに頑張るだろう。
縣さんは男らしいカッコいいお顔ですが、今回の髪形は可愛くて素敵。素直なアントンが納得できた。

ミハエル/眞ノ宮 るい&クルト/聖海 由侑
製鉄所の若手職人、アントンの味方。二人は仲良しの様子。クルトは、技術的な指摘をしたり、改革の提言したり、人員の紹介やお世話など、この製鉄所の実質責任者なのでは?と思える台詞が多い。可愛い顔をして、よく働く。ミハエルはムードメーカーというか、製鉄所職人をまとめる人なのかと思う。割とよく酔っぱらってるので、楽しい人なんだろう。若い彼らとアントン、そして三男ゲオルグとで、この事業(製造面)は上手く行きそうですね。財務系は次男と四男が頑張るので、やはりバランス良いな。

酒場の主人イザーク/透真 かずき
製鉄所の人じゃないけど、彼らが飲みに行く店の主人なので、登場場面が同じ。製鉄所にもビールを配達してくれるみたい。そういえば長男次男とジャーナリストコンビとの乾杯場面にもさっと配達して参加してましたな。素晴らしいお店だ。

【お友達の方々】
エリーゼ/夢白 あや
職業音楽家バイオリニストを目指す女性。ヨーゼフの友達らしいが、どうやって知り合ったんだろう。あの酒場でアルバイトしているようだから、そこで知り合った?でも病弱なお坊ちゃまのヨーゼフが出入りする酒場か?という気もする。製鉄所好きのゲオルグが連れていったりしたのだろうか? ともかく、ヨーゼフはエリーゼが好きという雰囲気を感じた。エリーゼはその気は無さそうだから、ヨーゼフは黙ってたけど、って感じ。
エリーゼはあっという間にハイドリヒと恋に落ち(最初から両想い)、知らない間にディートリンデの恨みを買い、でも知らないので彼女と仲良くなり、そのうち義理の姉妹になるのね。平民出身なの自我が強くて、それで貴族の奥様になって大丈夫か?と心配になる。まあ大変華やかな美人なので、顔で押し切るのでしょう。
彼女の父も鉄職人で、彼女自身も鉄が扱えるみたいだから、製鉄所を家族ぐるみで手伝ってあげればいいのに‥と思った。アントン紹介だけで終わっていいのか?は思った。
夢白さんのセリフ回しが。最初、「まどかちゃん?、星風まどかさんがいる」と思ったほどの台詞回し。台詞の中の強弱が激しいあれです。星風さんの台詞回しや芝居が私の感性と合わないと彼女が花に異動してから思っていたけれど、あれは宙組のヒロイン芝居だったのか!!と気づいた。夢白さんの宝塚のヒロインらしいヒロイン芝居を見たのは初めてだったので、ようやく気付いた。宙組では普通だが、他の組ではなんだか違う。花と雪(と月)は芝居の系統が似ているから、そう思うのか。とにかく驚いた。可能なら、雪組の芝居にしてと切にお願いする。


ディートリンデ/野々花 ひまり
大銀行頭取のお嬢様。多分一人娘。大変わがままでプラドの高いお嬢様。美人で高飛車で自分が中心じゃないと許せない、邪魔する女は物理的に抹殺するという、いわゆる悪役令嬢。とてつもなく嫌な女なのですが、フランツが溺愛している。だけどハイドリヒやほかの男が自分にひれ伏さないと気に入らないので、フランツ一人に決める気はなかった。でやりすぎて‥ってところかな。事件に偶然でくわし、銃を持った軍人相手に素手で立ち向かい格闘した凄腕フランツが事件をもみ消したけど、お父様はご存じないのかしら。というかあの犯人は母方の従兄ですよね。親族から犯罪者が出ては大変なので、このもみ消しを知れば、父は感謝して結婚を許す気がした(父でももみ消すと思うので、事件は絶対に表に出ないよね。あれ?じゃあなぜ少佐は逮捕されたんだろう?)。
まあこれからは心を入れ替え、銀行家霊場としてフランツと大人しく暮らしていくのでしょう。お幸せに。
野々花さん、今回はとても美人。いつも頬紅が濃いと思ってましたが、今回は綺麗。素敵なドレスと相まって、ヒロインぽかったです。

フンボルト/奏乃 はると
ブランデンブルク銀行頭取で、ディートリンデの父。いつも娘ディートリンデと一緒に登場するコンスタンツ(杏野 このみ)はフンボルト氏の愛人だとのこと。クリスマス場面で仲良く腕を組んで歩いているので納得。しかもその場面、次男と別れた娘と出会うのですが、娘は驚くでも詰るでもなく、にこやかに父の腕を取るのです。コンスタンツとディートリンデを両手に華にして歩くフンボルト氏には驚いた。どういう関係なんだ!と突っ込みたい。ブルックラ―君(咲城)にはこちらも解明してほしい。
今回の髭のおじさま、話し方が陰険でちょっとねちっこくていいですね。どんなお鬚もお似合いですわ。しかし出番が1場面、ひとりで言いたいことをしゃべり倒して退場ってすごい。


アイヒタール/諏訪 さき
ジャーナリスト。最初は長兄の友人かと思ったけれど、次男の友人でもあるのか。手紙が来たんです、読んでください!ってわざわざ言いに来ていた。手紙持ってきてないのね・・・?明日読んでって言いに来たの?とびっくりした。門外不出の手紙か。
富豪の印刷屋を紹介するとか、とても有能。出番は少ないけれど、印象に残る。

シンケル/桜路 薫
アイヒタールと常に一緒に行動している方。ジャーナリストではなさそう。学者?ツエップス氏(エリザベート)みたいな雰囲気。アイヒタールが独り言を言うのが変なので、会話を進める相方として存在しているの?と思った。知的な雰囲気が良いです。

ホフマン/真那 春人
プロイセンを代表する印刷会社のオーナー社長、大金持ち(ここ重要)。最後に出てきて、一気に話を進める方。お金持ちそうな服装が素敵です。

ガレッティー夫妻/星加 梨杏&白峰 ゆり
マイネック夫妻/叶 ゆうり&愛すみれ
ガレッティ夫妻は美男美女の美しいご夫婦、マイネック夫妻は妻が強そうで夫がのんきな貴族らしいご夫婦、そんな感じ。いつも4人と頭取の愛人と娘の6人でつるんでいる。そのメンバーでドロイゼン家でいつもたむろしている。ドロイゼン家の誰と仲が良いのかわからない、よくわからない関係。本作では、説明係ですな。とても説明台詞が多いと思う。

【軍関係】
ヴェーバー少佐/久城 あす
プロイセン軍隊の少佐でゲオルグの上司。実は頭取の甥(妻の甥)という名家につながる出身だ。お嬢さんからの依頼に、どうせもみ消されると承知で、借金帳消しを狙ったような気がする。殺す気などなく、ちょっと怪我すればお嬢さんの気もすんで、借金がなくなるという計算。ちょっと女(エリーゼ)に怖い思い(軽い怪我?)させて、それをネタに父の頭取を強請ればいいもんね。それをフランツが邪魔した感じ。
久城さんの悪役はいいですね。嫌味な声がとてもお似合い。

ウェーバー少佐の部下の将校さんコンビ/日和 春磨と真友月 れあ
少佐の太鼓持ちのような感じの二人。少佐が独り言を言うわけにいかないので、相槌うち係でしょうか。嫌がらせするとか、もう少し活躍させてあげたかった。

ブェックラー/咲城 けい
下士官でゲオルグの部下。ドロイゼン前当主の噂の真相を突き止めるために尽力してくれる。移民に詳しい祖父からのルートがある。彼が居なければ、2つほどの謎が解けない。最初誰だかわからなかった。最近は、良く目立つ場所にいる知らない人が咲城さん、だと思ったら外れないような気がする。


【過去の出来事に関わる方々】
アーシャ/美穂 圭子
魔女と蔑まれた女。なんだけどドロイゼンの奥様と同郷なんでしたっけ。ロマっぽい衣装ですが、移民?この辺りが良く分からん。亡き奥様の遺言に従いながら、途中で怖くなって逃げるとか、覚悟が足らん。おかげで息子が不幸になってしまった(不幸を感じない子なので、不幸になってないけど)。彼女の行動もいろいろ分からない。そして探さなかったドロイゼン父も薄情すぎると思う。ゲオルグには悪いが、ウエーバー少佐の言うように、彼らの父は決して良い人ではないと思うぞ。

バジナ/透真 かずき
アーシャの叔父。長い独白で色々昔話を語って謎解きをしてくれる人。だが、アーシャの息子の行方が分からんとか・・ええ?とびっくり。修道院に入れられたと分かってるなら、すぐわかるやん。姪の息子なら孫みたいなもんやん、事情も知っているのに、探してやれよ!と、ドロイゼン父に教えてあげたらいいのに、と彼の薄情さにも驚いた。匿名の手紙でもいいよね、きっとわかるはずだもの。なんだかなー。
透真さんの芝居が上手いから、なんだか納得してしまったけど、普通にひどい話だと思う。

ビエラ/沙羅 アンナ
リンゴ売りの老女とあるが、設定変更だろうな。お姐さんかおばさん。台詞は魔法使いのおばあさんだけどね。彼女が直接語れないのはなぜ?秘密の谷にいる一族につなぐのはいいのか(星組の違う話になる)。

【魔女】
美穂圭子、妃華 ゆきの、希良々 うみ、有栖 妃華、音彩 唯
ロマ風の衣装に赤をモチーフにした魔女たち。魔女って歌が上手いのね!と思うのみ。重要場面は人数で知らせるのだろうか。



こんな感じで、考えるな感じろって舞台でした。とても綺麗で良かったです。


ファッシネイト・レビュー
『ジュエル・ド・パリ!!』
-パリの宝石たち-
作・演出/藤井 大介


宝塚らしいショーで、踊りまくり。ところでパリとジュエル都があまり関連が無くて、なんだかな?って印象。パリの宝石ってなんなの?主題歌は耳に残る単純な歌詞とメロディで帰りに口ずさんでしまうからいいけど。
そういえば、お芝居もショーも最初は朝美さんがセンター登場で始まるのね。
初舞台生の口上があるから、開演アナウンスも組長なんですね。

貸切の時にプログラムを貰ったけど、記憶にあるまま適当に書きます。

幕開き銀橋の画家さんスター勢ぞろいから、大階段に衣装装置の彩風さん。引き抜きで黒燕尾、あっという間に初舞台生のラインダンス。ミモザの黄色い衣装と聞いたが、初見で前情報ない時には、ひよこに見えてしまった。
ラインダンスは楽しかった。やっぱり初舞台生のラインダンスはイイねえ。

最初は歌詞に意味のない宝石賛歌。宝塚に詳しくない同行者は、どういう基準で宝石が選ばれてるか謎だった様子。歌っている人の誕生石という説明に、納得していた。私が2月、同行者が9月と11月だったので、全員あったのでめでたし。

次の第2章。朝美さんと野々花さんによるパリの若者たちのダンス。この場面の青いスーツは、ロックオンで見た記憶がある。帽子が多いので、2階から見ると顔が見えずに、誰かわからなくて。朝美さんは何を着ても美しいわ。

エジプトの場面。組長の歌にびっくり。なんだか迫力がある男声で、女歌詞を歌うとか、】美川憲一?って思った。その歌詞がまた高慢で。その高慢美女クレオパトラが和希さん。お腹が見事ですわ。細いなあ。他のエジプト兵士と踊りまくりです(組長以外)。

王子様の咲さんと娘たち。前回の月組「Deep Sea」の真珠たちのような、あーゆー衣装が流行りなのか、使いまわしなのか。愛すみれさんと久城さんの歌なのですが、歌声が喧嘩してるみたいだった。

美穂さんのうたで退団者場面。聖加産、白峰さん美しいわ、もったいない。ところで全員パンツなのはなぜ?次の場面の衣装でもないのに。娘役さんはドレスが良かったなあ。

白黒の場面。組長以下雪組が誇る歌手が歌い、白黒な彩風さん、白の朝美さん、黒の和希さんと、率いる白部隊、黒部隊が踊りまくる場面。目が足りない。白衣装の朝美さんが美しい(こればっかり)。

夢白さんからのカンカンの場面。最近カンカンを入れるのが流行っているのか?ちょっと前の宙組でも見た気がする。管理職以外の全員がカンカンレディとして踊りまくるこの場面。男役は8人かな、トップ以下スター路線という方々。一番下手に華世さん。可愛い!ここでこのメンバーには入れるのが凄い。華世さんは少人数口には必ず入ってる。
この場面、可愛い真那さんや久城さん、愛さんを発見して満足。

残って場面転換の時間稼ぎの銀橋場面、夢白さんと、諏訪&野々花、眞ノ宮&音色。こういう選抜なのねと。

金色のラテン。ラテン衣装にしては、フリルは少なめ。でも色が金色。娘役さんにはスミレが付いていて可愛い。なんだか大騒ぎしているうちに終わる。
残って縣さんと若手によるダンスタイム。ラ・マルセイエーズで次の星組の予習気分。この場面、縣さんの両脇が眞ノ宮さんと華世さん。なんかすごいけど、もう慣れた感じ。

白い衣装に赤いバラ。今回お花をつけている衣装が多い。トップコンビのみ赤。他は白。咲さんと朝美さん二人で踊る場面が好き。耽美だなあ。デュエットダンスの影ソロは美穂さん。声でわかる。美穂さんも組子時代はほかに歌の上手い上級生が居てなかなかソロが回ってこなかったけど、雪でこんなに聞けて嬉しい。

エトワールは音色さん。この方の歌声も素晴らしい。もっと歌わせて、もっと聞きたいから。お顔も可愛い。時々、凪七さんに見えることもあるけど。
黄色い初舞台生に囲まれていて、なんとも豪華なビジュアルだ。二階から見ると圧巻。

縣さんと和希さんが肩にモフモフを付けて、単独で。朝美さんが水色の大羽根、美穂さんが歌無しで降りてきて、それからピンクの大羽根の夢白さん。彩風さんはピンクと水色の雉入り大羽根。この色彩も多いですね。綺麗だからいい。


<学生の団体>
ある日,1階の通路から後ろ全部と2階全部が学生の団体という公演に当たった。1階前方席で見ていたのですが、後ろからの歓声と拍手が凄かった。一番最初の組長アナウンスでこんなに盛り上がったのは初めて。お芝居でもものすごく拍手が多かった。
これはショーではかなり盛り上がると期待していたのですが、幕間に苦情があったのか指導が入っていたようで、ショーではとても大人しくなってしまった。初見の方のあの思わず漏れる歓声は大好きなので、ちょっと残念。この日開演前も幕間も、蛍嬢は一般客の席には一度も来ず、学生への指導に集中していた。
この日の幕間、男子トイレに行列ができ、女子トイレがガラガラだったのも驚き。三分の2程が男女同数だと、こういう現象が起きるのか!と感動しました。
そして終演後に、「ジュエルドパリー♪」と歌っている男子学生を発見したり、「一部(芝居)のほうが面白かった」(初見はストーリーのある芝居の方が楽しいですよね)とか語り合っている学生さんを見ると、楽しくなりますね。やはり学生団体は大事だ。


ああやっと書けました。掛けました、というほどショーが書けてませんが、もう書けない。
という間にもう来週は星組が始まりますね。


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