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宝塚雪組「蒼穹の昴」 [観劇感想(宝塚)]

宝塚雪組「蒼穹の昴」
2022年10月6日(木)15:30 e+貸切 2階15列センター

壮大なセットに豪華な衣装、NHKが全力を費やした大河ドラマみたい。ポスターのイメージ通りの舞台だった。豪壮で絢爛、陰謀が渦巻き友情と夢がある。
登場人物が多くて、それぞれちゃんと役割がある。反面、誰もが出番が少ない。一言でいうと「あらすじ」。
文秀が主役なのが分かった。原作のなかの文秀をメインにした部分だけを読んだ感じかな。
春児が主役の原作から春児がメインの場面が全部カットされているから、作品のテーマが変わった印象も受けるほど。ま、「主役」の立ち位置が全然違うから、ストーリーもテーマも変わっても仕方ないよね。(今回は、ちょっと読みだしたら面白かったので、原作を読んだ)

彩風さんは、ものすごくカッコよく美しかった。朝美さんは美貌だが可愛らしさが倍増。優しく素晴らしい人格の春児の場面も見たかった。

202210雪すばる本.jpg

登場人物が多いから、ものすごく長いです・・・

グランド・ミュージカル
『蒼穹の昴』
~浅田次郎作「蒼穹の昴」(講談社文庫)より~
脚本・演出/原田 諒


舞台装置が豪華絢爛。久々の書割の素晴らしいセットを見た。最近は映像の精度が上がってるし、書割だと安物に見えることが多くて嫌だし、映像がイイよね~と思ってたけど、やはり現物は迫力がある。これくらい作り込んでくれたら、本物再現?って思えるくらい、ゴージャスな清朝王宮気分が味わえた。
そして衣装。清朝の宮廷服を忠実に再現したとあったけれど、見事。美しい衣装。官僚の衣装(文秀たち)の黒の寸胴衣装ですが、裾から見える織柄の美しさ。みんな違うの。やはり彩風さんのが一番豪華。色彩も綺麗。そしてもっと豪華なのが宦官の衣装。こちらは全体に刺繍がしてあり、かなり煌びやか。朝美さんはそのキラキラ負けない美貌だけど。
官僚も宦官も皆さん、あの赤い帽子を被り、後ろから長い三つ編みをたらしている。帽子を取っても辮髪でなくてよかった・・。この改変は必須だ。まじめにみると、なんとも言えない衣装だよなあ・・・でもゴージャスで美しいと思えるので良い。大階段を使った廷臣一同が居並ぶ宮廷場面は、劇場で必見!映像だと入りきらないと思う。2階席センターから見て正解だったわ!
彩風さんの普段着は、赤や白のワントーンで、ファッショナブル。これは絶対にこの時代には存在しなかったに違いない、と思えるセンス。
京劇場面の衣装は、かなり忠実に再現されたみたいだが、旗を4本も背負って、鎧な衣装が重そう。あれでクルクル回って飛び跳ねて立ち回り・・朝美さんと眞ノ宮さん、すごい。本格的な京劇気分を味わえますが、私の美的にはあの衣装は余り刺さらなかった。あの朝美さんが着てさえ。
西太后さまの衣装もゴージャスだった。ちょっとお顔も声も怖いが、衣装は豪華。一応、喪に服している設定なので、地位の割には地味なのかもしれない。光緒帝の黄色い龍の衣装は、ザ・皇帝、という感じが出ていて豪華。お妃さま方の衣装も素敵。そういえば、李鴻章さまの宮廷服も色が違って豪華だったな。唯一人綺麗なチャイナドレスを着ていたのがミセス・チャンの夢白さん。美女にはスリット入りのチャイナドレスが似合う。
朝月さんの淡い綺麗なチャイナドレスも、品が良くて素敵だ。だがこのトップコンビ、最後のスーツとドレスが一番似合っていた。なぜこういう演目を選ばなかったのか、と言いたくなった。朝美さんも、Odysseyの中華場面の貴公子が素晴らしく美しかったので期待していたが、時代が違ったようだ。あれは唐の時代とか漢民族の衣装なのね。
韃靼の方とは美的センスが合わないようだ(特に辮髪)。センスが合わなくても、素晴らしく豪華であり、美しいことは認める。最近で一番見ごたえのある衣装と装置だった。

装置と衣装を熱く語ってしまった。だが見所だから良いのだ。

物語的には、原作は長編の名作だ。その全4巻に出てくるたくさんの主要人物に、それぞれ役割がありそれが描かれているから、誰もが出番が少ない。彩風さんが一番出番が多いが(当然)、そのくらいでその他の方の出番はかなり少ない。それで彩風さんが出ずっぱりかというとそうではない。宝塚の主役にしては少ない方。つまり、膨大な数の登場人物がそれぞれ少しずつ出てきて重要な行動をして、それで2時間半が過ぎていく・・って印象でした。めっちゃ駆け足。あと1時間あれば、もう少しきちんと描けたかもと思う(腰が痛くなるかも)。春児が主役場面も見たかったので、宝塚ではありえないし不可能だが、文秀主役版と春児主役版の各3時間モノ2本を、期間半々で上演して欲しかったくらい。(宝塚じゃない他の劇団だったら、やれそうかな~同じ作品の○○版を順番にって、劇団新感線ならよくやりますよね)

あとね、原作もそうだから仕方ないけど、お名前。中国語読みと日本語読みが混じっていて、非常に戸惑う。中国語のフリガナが付いていても初出だけだし、頭の中で読むとき日本語で読んでたから(私が悪いのだが)、梁文秀はリャン・ウエンシウって呼ばれるけど、ヤン・ウエンリーのヤンに聞こえてしまうし、私はりょう・ぶんしゅうって読んでたから、ちょっと慣れなかった。チュンルーやリンリンはそう読んでたので違和感なし。庶民の名前は呼びやすいんだな。康有為とか学校で習ったような名前は、日本語で呼んで欲しい。混乱する~

この作品、衣装や時代背景人物設定、『天空の玉座』(青木朋さん)の漫画を思い出す。あの作品、架空の国が舞台だけど、西太后のような華やか美魔女の女帝から、名ばかり皇帝が権力奪還を目指す物語。そして主役は、女帝お気に入りの美貌の宦官とその妹なのだな。やはり春児主役のほうが物語を動かしやすいのかもしれない。すごく面白いのでおすすめ。


梁文秀/彩風 咲奈
状元の進士。本作では一気に昇進している。彼の心的葛藤場面が説明台詞で軽くなっているので、家族や科挙への葛藤や故郷での春児たちとの関係がやや薄れてしまった。
革命というより、現状維持を望む皇太后派と清国生き残りのために維新をしたい皇帝派の戦いで、彼は皇帝派の主要人物であり、負けた側。主人公なのに負けた側とは珍しいし、この対立で革命派が負けるという筋書きも珍しい(史実だけど)。
ある意味、とても珍しいタイプの主人公。原作で居た奥様はいなくて、玲玲一筋になっていました。そこは宝塚アレンジですね。春児が年下で容姿言動があまりに可愛くて、男の友情ものとは思えない節も多く、「ヒロインは春児?」と思える場面も多かったけれど、とりあえずラストは玲玲がヒロインでした。続きがありそうな終わり方、さらに先を読まなければならないのか。
彩風さんは、やはりスタイルが素晴らしい。あのデザインの宮廷服も完璧。私服なんてすばらしく素敵でかっこいい。今回お化粧がいつも違う印象、より目元がきりりとしている?すごくカッコよかった。


李春児/朝美 絢
西太后の側近で一番可愛がっている宦官。文秀の幼馴染、弟分というより最愛の人といっていいかもしれん。なんか可愛がり方が凄いので。また春児も慕いっぷりが見事でね。これ春児が女の子なら、そして清朝が舞台でなく英国貴族の次男と領地の孤児という関係なら、確実に春児はヒロインだ。そういう関係に見えた。また春児は容姿が良いだけではなく、人格者なのだ。本作一番の人格者では?と思える存在(原作では特に強調されている)。その人柄、容姿、生い立ちから成功までの道筋、成功後の生き方。どれをとっても主役級(原作は主役だから当然かも)。
本作では超スピードだったけど、彼が道を切り開いていく方法は、彼の前向きな明るさと優しさや広い心、そういう人柄によって周りが自然と協力してくれ、押し上げてくれるというもの。もちろん本人の努力もある。実に主役らしい人物、宝塚ではヒロインらしい人物よね。春児主役のパート2も見たいというのはこのため。
朝美さんの宦官服も豪華で美しかった。あんな帽子を被っていても美人は美人だ。京劇の衣装だけは、彼の美貌をもってしてもこれか・・と、かの国の方々の美的センスに愕然とした。西太后側近ナンバーワンとしての優雅な身のこなしや言葉遣いと、秀文に対する田舎の貧民の子の熱情溢れた言葉遣いが、その落差が彼の人生を物語っているようで、心揺さぶる。秀文と春児の対話場面は多くなく、それだけに二人の会話が深いのだ。(やっぱりヒロイン)。朝美さん芝居上手いわ~と思った。あの少ない出番で、ちゃんと春児を魅せていたから。
妹の玲玲とは、子供時代以降全く交流が無かった。子供時代の二人、兄妹っぽくて可愛かったな。秀文が可愛がったのがわかる。私も秀文視線で春児が可愛かった。
ところで、私は朝美さんの唄声が好きだ!と再確認。なんか雪組を見ている気分に浸れる。月育ちなのに。声がよく伸びて響くの。台詞も聞き取りやすくてクリアな声。一番聞きたい声になりました。

李玲玲/朝月 希和
春児の妹で、一人ぼっちになったところを秀文に拾われる。あの日、秀文に会わなければ命はなかったと思われる。それだけに一心に秀文を慕う。感謝と尊敬が愛に変わるのは当然の流れ。一途で健気で可愛い。兄が宮廷の白薔薇なら、彼女は野に咲く雛菊のような。と、譚嗣同くんは思ったに違いない。わかる、わかるよ惚れるよね。玲玲の魅力に、多分、秀文は気づいてなくて、譚嗣同は気づいている。二人のお買い物デートは可愛かった。本当にお似合いで。おばちゃんは秀文様より譚嗣同君とのほうが幸せになれるように思ってしまったよ。革命が失敗しなければ、二人で小さな幸せな家庭を作ったのかなって思える。
でも、転変して玲玲は最愛の秀文さまと一緒に亡命することになった。譚嗣同くん、それを願った?彼は知っていてそう願ったようにも思える(なんだか譚嗣同に思い入れがある)。玲玲ちゃん、譚嗣同君の分も、春児お兄ちゃんの分も、幸せになってください。
とそういうラストで良かった。文秀さまのお屋敷からは綺麗な衣装で良かった。
私は文秀さまと書いているけど、玲玲は「秀文さん」って呼んでいた。これは違和感。やっぱり様付けがいいと思う。彼女の身分では絶対に「様」と呼ぶ。原作でもずっとお坊ちゃま旦那様って呼んでるもの。これは変えてほしいところ。

<皇族>
西太后/一樹 千尋
事実上の主役でしょう。清朝最後の皇帝といっていいかも。この方が最高権力者だから。この作品では西太后をすごく強い男勝りの女傑として描いていて、ちょっと違和感。いや一樹さんだからそういうイメージになるとは想像していたけど。原作とかでは小柄で優しい、優しすぎて愛する光緒帝を守るために権力を持たざるを得なかった聡明な女性のイメージだったから。キャストからそうなので、なんとも言えないけど、俗説のイメージ通りなのがびっくりというか。娘役さんで良かったのでは?と思う。一樹さんの西太后は外からみた「世界史で習う権力に固執して清国を滅ぼした悪女・西太后」のイメージ通り過ぎて、原作が伝えたかった西太后像と違うと思うのだわ。(なので実は新人公演の夢白さんの西太后がとても楽しみである)
ラスト近くで少し原作の西太后像が出てくるけど、余りに少し過ぎて、伝わりきらないのでは?と思ったり。本当の西太后と春児の関係ももっと場面が欲しかった。

光緒帝/縣 千
若き皇帝陛下。だがその権力のほとんどは伯母の西太后にあり、伯母のことは大好きだが自立して自分で理想の国を作りたいと願っている好青年。上手く導いてあげられたら良き皇帝になり、清国の未来も違ったかもしれない。この大国を変革するのに、一代では難しい、でも時間もない。そんな状況で、彼は若さゆえの純粋さで突っ走ってしまった。康有為が煽りまくって燃えてしまったのね。そのあたりはとってもわかりやすい場面があってよかった。ただ彼の最期はナレーションで終わったのが残念。
聡明で若くてかっこいい意欲にあふれた青年だということはよく分かった。縣さんに龍模様の黄色い豪華衣装がぴったりお似合いでした(って原作と違うが、これは宝塚修正でOK)。

醇親王/叶 ゆうり
光緒帝の実父、大変気弱。出番は冒頭一場面だけど、ちゃんとわかった。

恭親王/日和 春磨
醇親王の兄。本来なら皇帝になるべき器量を持った人物。西太后、李鴻章と並んで清朝を支える重要人物。今回は端役だった・・。1場面ながら、事物の気概が見える場面があってよかった。

鎮国公載沢/咲城 けい
光緒帝のまたいとこ。外国人記者クラブに入り浸りで、洋服着てダンスを踊る(でも辮髪)という政治とは無関係な遊び好きな皇族。ミセス・チャンと仲良しでいつも腕を組んでいて、完全に手玉に取られてる。とはいえ、彼は世渡りが上手そうだ。

隆裕/野々花 ひまり
光緒帝の正妻、西太后の姪。結婚式場面意外に出番がなかった。写真が大写しになったくらい。原作と違って可愛いので(野々花さんこういう役が多いな)、単に光緒帝の好みじゃなかったということで(笑)

珍妃/音彩 唯
光緒帝の寵妃。皇帝と二人で仲良くお話する場面もあり。確かに可愛い。皇帝は可愛らしく慕ってくれるタイプが好きそうだ。本当に可愛い。

瑾妃/沙羅 アンナ
珍妃の姉で同じく側妃。でも皇后と同じくらい出番なく。

<軍人>
李鴻章/凪七 瑠海
プレジデント・リーと呼ばれる清国の実力者。西洋諸国は彼を国のトップと捉えていた様子。一代の軍の英雄というには線が細いけど、国を担う重鎮らしい重みは感じられた。
だが私が思うに、こちらの役こそ一樹さんが嵌る気がする・・西太后とキャスト反対で見たかった。顎が細いので髭が似合わない(顔が見えなくなる)、無しでいいよって思う。

袁世凱/真那 春人
李鴻章の幕僚。でも思想は違う。彼は進士ではなかったので、内実に暗いところがある人の上に立ってはいけない人物なのね。今回は後半部分が大変駆け足なので、それほどそういう場面が出なかったが、それ以上にもっと「とるに足りない人物」に見えないと難しい役だなあって。

王逸/一禾 あお
李鴻章の幕僚。本当は彼を後継者にしたかったのに残念。という立場なのに、全然場面が無かった。王逸が李鴻章に初めて会いに行く場面があったのは良かった。でも一緒に引退する場面とかその後が全然なくて・・時間が無いんですよね。文秀の同期3番合格。
一禾さん、すごい出番多くていい役(後半は行方不明だけど)。大躍進ですね。

<変法派>
楊喜楨/夏美 よう
もう少し若い人かと思っていたが、結構お年に見えた。重鎮としての重みと滅びゆく国を憂う苦悩はとっても感じられた。

順桂/和希 そら
文秀の同期2番合格。韃靼人で、いろいろ思想が深そうな方。でも行動力に溢れている。スラリとしていて、見るだけで変法派の中で唯一の満州貴族という違和感がわかる。声がいいですね。
見せ場は、暗殺の場面。忠実に再現されているけど時間短縮のためか、分かりにくい。あっという間に終わった。

康有為/奏乃 はると
変法派の理想家。変法運動を失敗させた最大の原因を作った人。悪い人ではないし、邪心も無い。ただただ理想だけを語り現実を全く見なかったため、方法を誤ったと。楊先生が歯止めになっていたのだけれど、それが無くなると文秀では止められなかったのね。もうたかが外れたかのように、光緒帝を煽る煽る。光緒帝もノリノリ。一緒に意気揚々と歌ってセリの上で勅書を出しまくってばらまくとか、その下で勅書を受けて右往左往する文官と真ん中で立ちすくむ文秀。この場面秀逸!短いながらも状況が瞬時に理解できものすごく分かりやすかった。重いのに軽い人物、奏乃さん上手い。

譚嗣同/諏訪 さき
康有為の弟子で、進士ではない真面目な男。彼も理想を追っているが、出身が平民なので地に足ついている。真面目ゆえに朴訥で非モテのメガネ男子ですね。ただ変法活動について、彼に発言力がもっとあれば、もっと彼の意見を聞いてあげれば・・と思う惜しい人物。
地味で目立たない玲玲の良さを見つけて恋して、二人で市場に行く場面はとっても可愛い。そして最後の場面、彼だけがきちんと責任を取った。素晴らしい。師の康有為も、(不本意ながら)梁文秀も亡命して逃げだしたのに、彼だけが命を懸けて行動の責任を取った。彼の最期の場面がちゃんとあった。カッコいい。一番男らしい人物だと思える。この場面はナレーションで済まされないよね!よかった。
そして諏訪さん、この大役を演じきった。素晴らしく芝居が上手いのね。ほんと感動。

林旭/紀城 ゆりや
劉光第/華世 京
楊喜楨の弟子かな、いつも一緒にいる。特に何も役割は無いが、それぞれ短いソロがある。期待の新人枠なのね、と思う。

<皇太后派>
栄禄/悠真 倫
軍機大臣だっけ?そういう関連の地位の人。西太后のコネで出世してた無能な行動派。私欲だけの小さい人物なのだけど、それが良く感じられました。西太后も彼を信頼していないのが伝わる。こういう役が上手いわ悠真さん。

李蓮英/透真 かずき
西太后の筆頭宦官。こちらも私利私欲で視野の狭い宦官。宮廷の、西太后の周りだけが世界のすべてなのね。春児との差がもっと出ていると良かったが、場面が無いから仕方ない。

<宦官・元大監たち>
黒牡丹/眞ノ宮 るい
元宮廷宦官で名役者。病を得て退出。春児に京劇を教える。本作では本舞台で、春児の相手役を務めて没。うーんなんと省略した設定。容姿もどうするのかと思ってたら、片目でかっこいいお兄さんになってた。こちらの京劇の衣装も大変重そう。このお二人、本当にお疲れ様です。

安徳海/天月 翼
李蓮英の前の筆頭宦官。追い落とされて追放された、だっけ。西太后が最も信頼していた宦官。その彼が春児を教えたから、そりゃ春児はお気に入りにもなるでしょう。
天月さんのメイクが素晴らしすぎて、特殊メイクの領域。すごい!原作のイメージ通りだ。

蘭琴/聖海 由侑
春児の義兄弟の宦官。皇帝の宦官で、西太后の宦官の春児といろいろあるし、皇帝からの信頼も厚いのに、そいういうのは全部カットだった。ただ可愛い姿が見れたので、そこを堪能するのみ。

趙掌案的/星加 梨杏
宮廷宦官で京劇役者。出し物が違うのであの重たい衣装ではないけど、それなりに京劇しているので、大変。

白太太/京 三紗
元宮廷の占い師。ある意味最大のキーパーソン。彼女の言葉が、秀文と春児の運命を告げて、春児の運命を変えた。そこからこの物語のテーマが始まるのだ。

<ジャーナリスト等その他>
トーマス・バートン/壮海 はるま
アメリカ人ジャーナリスト。外国人記者クラブの中心。ソロナンバーもありものすごく目立つ。ミセス・チャンとの関係は本作で明らかにならならずカットなのね。でも超重要人物なので、ソロありの目立つ場面があったのだろう。

岡圭之介/久城 あす
こちらもキーパーソンである日本人記者。トムより誠実で、しっかりして見えるのは日本人だからか。重要な説明台詞が多いのだけど、久城さんはセリフが明瞭なのでとても嬉しい。トム同様後半の活躍が駆け足だけど、場面があってよかった。

ミセス・チャン/夢白 あや
謎の美女で、トムや岡と一緒に行動。沢殿下とカップルのように振る舞う場面が多い。が実は・・なんだけど、そのあたりの場面はなかった。彼女の正体も謎のまま終わる。(←ごめんなさい。2回目に見たら、ちゃんと正体を現す台詞が一言あった。)
チャイナドレスの美女は、大変な目の保養。外国人記者やら西洋かぶれ皇族がまとわりつくが、それを手玉に取る感じが素晴らしい。夢白さんの西太后すごく期待してます。

伊藤博文/汝鳥 伶
お札の人物そのままだ!と思った。出番は一場面だけど、説得力あり。さすが、このために!と思う。

柴五郎/叶 ゆうり
その傍にいる。日清戦争の時も指揮を執っている。叶さんこういう役が多いね。彼と岡さんの場面もカットなので、最後の場面は「なんだかそこにいる人」っぽくなってしまった。
ところで当時の日本軍の軍服ってあんなフランス風なの?最初は、フランス軍だ!って思ってしまったわ。日本軍は、はいからさんの少尉が着ているみたいな軍服だと思ってたから。いつ変わったのだろう?


こんな感じ。1回しか見てないけど、まだまだ楽しめそう。原作知らなくてもちゃんとわかるように作ってあった。とはいえ、原作は読んでいったほうがより楽しめるかもと思った。やはり超スピードだし、各場面で象徴しているイロイロを読み取るには、全体を知っていた方がより分かりやすく、深く楽しめるってことを思った。
あとこんなに登場人物が多いのに、娘役さんの役がほぼない。ヒロイン的な位置は宦官が担っている世界だからか?とりあえず、娘役さんの役は、玲玲とミセス・チャンくらいという作品。一本物でこれは厳しい。だからか娘役さんも男役で出演されてましたね。

フィナーレは、短めのが普通についていた。ラストシーンに出ていない和希さんのせり上がりから、ラインダンス。胡弓で男役総踊り。カッコいい!そして、朝美さんと娘役さん。朝美さんの衣装って・・?と思う柄。なんかもっとカッコいい衣装なかったの?と思う。変な模様は要らないし、一色でいいよ色は。この衣装、再考を強く希望する。
それからトップコンビのデュエットダンス。彩風さんと朝月さんが凄いリフトをしてぐるぐる回してました。京劇してないから体力あるのね。影ソロが羽織さん。エトワールは千風さん。エトワールが無理なら、影ソロくらい今回退団の花束さんにして欲しかった。歌上手いのに。Odysseyで披露してたやん>原田先生、見てないの?って思う。
トップコンビと朝美さんは、大羽根はないものの、白くて豪華なマントのついた中華風の衣装。これが素晴らしく美しい。彩風さんが白に金、朝月さんは白にピンク、朝美さんが白に水色。このマント素敵!その他の方は、お芝居の衣装で。やっぱりトップ2番手が官服宦官服ではまずいもんね(周りと一緒になり、豪華な黄色の皇帝が一番目立ってしまう)あの衣装に羽根は背負えないし。この3人の白い中華衣装は大絶賛する。

あと何回か見る予定。今回は2回席から全体や装置を堪能した。今度は1回席で衣装を堪能したい。絶対細かいはず。ああ、プログラムが縦書きで超豪華だった。織り込みがあって、凝ってた。


11/29追記
あれから、原作を読み進め、やっと「マンチュリアン・レポート」まで来た。宝塚版に出演している人物は、全部ジェンヌさんで脳内再現され楽しい。「中原の虹」を読むと、やはり主人公は春児なんだと思うのだった。読んでいる間ずっと朝美さんのビジュアルと声で脳内上映されて、すごく分かりやすかったわ。より一層、春児に肩入れしてしまう(文秀はあまり出てこないの。。。、)。張作霖とか李春雷とか、誰が合うかな~なんて想像してました。今作品を雪組公演にしてくれて、ありがとうございます!


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