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宝塚宙組「大逆転裁判」DC [観劇感想(宝塚)]

宝塚宙組「大逆転裁判」
2023年7月22日(土)11時 梅田ドラマシティ13列上手


逆転裁判、久しぶり。今度は大逆転裁判で時代も国も違うのですね。
前回(逆転裁判3)がすごく面白かった記憶があるので、楽しみにしていました。

今のゲームってこんな感じなの? ゲームいうよりマンガみたい。
映像を駆使して、心の声があり、マンガみたな派手なリアクション。
そして現実を突き破るいろいろな設定。
謎解きは全然驚かなかったけど、いろいろな設定に驚いた。

202307t宙大逆転裁判.jpg

ネタバレあります。



ミュージカル・ロマン
『大逆転裁判』
-新・蘇る真実-
原作・監修・制作協力/株式会社カプコン
脚本・演出/鈴木 圭


前回見た「逆転裁判3」は、2013年だと。10年前か!
あの時は謎解きがワクワクハラハラですっごく先の展開が楽しみだった。
(今回、当時の感想を読み直して、何が楽しかったのか思い出した)
ところが、今回は最初の事件発生の段階で、謎も犯人もわかってしまった。
1幕序盤に、手がかりが全部丁寧に説明されたから。伏線というより雑誌の「読者に挑戦!」みたい。
1幕終了後に、隣席の友人と話していた内容は、ほぼそのまま正解だったのだ・・・。
推理、必要なかった。先の展開が読めすぎるくらい簡単。大逆転って・・。
配役と事件発生の時点でバレバレでは?と思うのだった。
(犯人がホームズで、夏目漱石が被害者って。コメディだしその時点で読めてしまうやん)
ゲームは本当にこんな感じなの?推理は楽しみ要素じゃないのね。
この点で、推理劇を楽しむというハラハラ感が喪失されて残念。

展開は読めるので、キャラクターを楽しむのが王道なのでしょう。
衣装から台詞まわしから、とっても個性的な方ばかり。
熱血主人公とワケアリ親友(故人)、そのオタクな彼女?。イケメンおちゃらけ風味なホームズと、マッドな美少女ワトソン。そして軽くてお茶目な女王、顔に傷のある冷酷イケメン検事・・・皆さんキャラが立ってますね。陪審員席の方々も凄い個性(衣装の主張が激しすぎる)。リアリティが全くない法廷。
いや裁判官だけ、頑張って重厚そうな雰囲気だしてましたか。お一人いやお二人、シリアス風味な過去(でも「二人だけの戦場」に比べたら全然大したことない)を背負った方もいましたけど、本性はゲームキャラでした。汝鳥さんまであんなリアクションを・・・と、とっても驚いた。風貌が「二人だけ・・」の司令官のままなのだもん、落差に驚愕だ。

謎と言えば。本作事件の謎はすぐ解けたものの、亜双義一真さん関連の謎はいっぱいあり、謎のまま残った。いつ、どこで、どうして、なぜ亡くなったの?彼の目指していたものは?(誰も聞いてないのか)、彼と成歩堂君との関係は?御琴羽嬢との関係は?・・・さっぱりわからないまま終わった。すっきりしない。

帰ってからゲームのHPを見てみた。衣装や髪形がそのまま再現されている。さすが、宝塚!二次元物の再現率が高い。ゲームキャラで画像が見れたのは、成歩堂龍ノ介、御琴羽寿沙都、亜双義一真、シャーロック・ホームズ、アイリス・ワトソン、バロック・バンジークスの6名。ほんとそのままでした。(アイリスの髪形は難しすぎるね)
そのため主役を含め、登場人物の全員が衣装1着という節約型。なんか違和感あるな~って思ったら、衣装が変わらないのだった。主役なのに学ランオンリーとは前代未聞では。フィナーレの衣装が大変キラキラしていたので、そこで発散したように感じた。

後は法廷劇なので、法定場面がなかなかにつらい。動きがないのと台詞と説明、映像使ったりいろいろリアクションを派手にしているけれど、先が見えない謎じゃないのでつい眠気が・・・法廷苦手だ。推理場面も、基本映像と台詞だからな~



成歩堂龍ノ介/瑠風 輝
主役なので長台詞が多くて大変そう。さすが法廷劇の主役弁護士だ(資格はないけど弁護士です!とか言ってましたが、それは重大な法律違反では・・と思ったが、ここは異世界、現代の法律は関係ないのだな)。「異議あり!!」の決め台詞も素晴らしい。めちゃくちゃ急展開なのに、準備もせずすらすらと法廷での答弁を堂々とこなすとか、頭はいいけど単純で載せられやすい性格と見た。どこに行くときもあの学ランに日本刀。女王の舞踏会にも日本刀持っていき、それをスルーした執務長さんに驚いた。武器の持ち込みOKなんだ・・。マンガ風の大げさなリアクション、心の声(つっこみ)などなど、普段の舞台と違って大変そう。コメディだし、瑠風さんのお芝居はちょっと堅い感じがした。成歩堂さんが真面目な立ち位置だから、それが笑いを起こす立場だから。笑いは起きていたけど、成歩堂さんの動きやリアクションでもっと笑えるだろうと思った。主役なんだけど、この作品では主役よりホームズや亜双義のほうがかっこよく描かれているような気がした。主役が真面目で突っ込んでから回って笑われて‥と言うタイプの作品。周りのほうが美味しい役ですよね。鈴木K先生、もっと考えてほしいわ。


御琴羽寿沙都/山吹 ひばり
法務助士という役割らしい。よくわからないがパラリーガルのことか。アニメ声がぴったりで、髪形衣装も似合ってとても可愛くて芝居もよかった。ホームズファンというかオタクなんですね、英語ペラペラなのか。龍之介は彼女が好きなのが見えてわかったが、まったく関心がない風がまた面白さを醸し出していた。二人ともそういう芝居は上手い。
説明係のようでもあったけど、実際のところ彼女の役割はよくわからなかった。可愛いからいいか。

シャーロック・ホームズ /鷹翔 千空
世紀の名探偵。超絶推理というか自分で事件を起こしてるんじゃないのか?という型破りすぎる探偵。大変明るく軽い。そしてイケメンでかっこよくプレイボーイ風。チャラい。だが影の主役という感じで全部引っさらっていった(超豪華な自作自演というのだろうか)。金髪長身の西洋人役で見た目もカッコイイ。派手に動く分かりやすい役柄だからか、とても上手かった。事件発生当時の彼の顔とか行動、裁判中の顔を見てたら、すぐに真相がわかるわ~って。
しかし宙組ってホームズ多いよね。ロシアも多いけど。

アイリス・ワトソン/美星 帆那
アニメキャラワトソンくんは美少女なのね。いかにもアニメファンが好きそうな美少女に転換されていた。と思ってゲームの公式HP見てみたら、もっと年齢下の美少女だった。ピノコ的役割だわ。このホームズとワトソンは、陽気なブラックジャックと有能なピノコなんだ!と思った。


バロック・バンジークス /優希 しおん
死神と呼ばれる凄腕の検察官。衣装がSFアニメ風ですがカッコよかった。「異議あり!」はこの方もバシバシ言う。雰囲気もシリアスで、違うアニメのキャラみたいでした。

亜双義一真/風色 日向
龍之介の親友で、初登場時から既に幽霊という役割。ロンドン来てから死んだの?船の中で死んだの?なんで死んだの?亡骸はどうなってるの?さっぱりわからん。
とにかく彼の望みをかなえるのが、龍之介の使命らしいのだと分かったが。その望は誰も聞いてないのか、そんな後を託す親友にも言えない秘密の望みなのか。すっごく気になった。なぜ赤いハチマキに日本刀なんだ。学ランはわかるとして、その決戦に赴くような出で立ちがわからない。一真さんのことは謎のまま終わった。消化不良だ。カッコいいのは認める。超シリアスでかっこよかったので、目の保養になった。

裁判長/嵐之 真
威厳のあるよく通る良い声。裁判長らしくて芝居が良かった。裁判官まで軽かったら、話がばらけてしまう。ちゃんと芝居を締めていたので上級生かと思ったら、まだ若いのね。お顔も綺麗だし、先が楽しみ。

夏目漱石/凰海 るの
鍵となる人物。芝居は上手かったわ。でも「夏目漱石」という役名ですべてバレてるよ~。ビジュアルでいえば、気取り屋の漱石なイメージがあったので、下駄は‥と驚く。猫はOK。

ハート・ヴォルテックス/秋奈 るい
貫禄ありますね。留学生の権限を決める方。ある意味、鍵となる方ですね。

ヴィクトリア女王/小春乃 さよ
気さくで腰の軽い女王ですな。アニメキャラそのものだ。ぽわーとした口調に可愛らしいしゃべり方。善意しか知らないお姫様ですねえ。

ニーナ・ジョーンズ/天彩 峰里
凄い美人。落ち着いて上品でいいわ。なのに華麗なアニメな動きに笑わせてもらった。
年の差が大きすぎて、ブラッドの娘かと思ったわよ、最初。でも台詞を聞いていたら恋人みたいな感じだし。二人の関係には凄く悩んだ。

ブラッド・メニクソン/汝鳥 伶
外国の大使で、いろいろなことの中心人物。大変黒い役でありながら、さわやかで善良な方。難しい役かもしれないけど、汝鳥さんほどの大物が必要か?ニーナとの関係を考えれば、もっと若い方がいいと思う。この軽いコメディには重厚すぎるような気がした。裏の裏があるのかと邪推してしまうやん。


とこんな感じでした。楽しかったし、頭を空っぽにして楽しめた作品だった。
でも一回でいいや。法廷劇は睡魔が襲いやすいので、大どんでん返しを用意して欲しい。
フィナーレが豪華で宝塚らしくて、とてもよかった。フィナーレ必須だ。


今回オリジナル事件なんですよね(多分)、それなら鈴木K先生、もっと練ってください。
そして主役をカッコよく書くのが宝塚。役者がかっこよく見えるような脚本をぜひともお願い。特に別箱では。
時々こういう主役が笑いを取り周りがかっこいいという作品があるのが不思議でならん。
作品としては良いのかもしれないが、ジェンヌにはファンがいるのよ~って。
衣装も着た切りで、動き(ダンスとか)も少ないので、そこはちょっと文句言いたい。別に瑠風さんのファンではないが、なんとなく言いたい。


と、帰りに遅い昼食を食べつつ、一緒に見ていた友人と話したのでした。
10年前に一緒に見ていた娘は、今は忙しくて一緒に見てくれない。お互い子供が巣立ったので、そういう話に盛り上がった。もう老夫婦の生活だものなあ。10年ってすごい。






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