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読書感想「ダ・ヴィンチ・コード」ダン・ブラウン 角川文庫 [読書感想(ミステリー)]

やっと読めました。文庫にならないと重くて読めないひ弱な私(笑)
上中下の3冊ですが、すぐに読めます。というか、中→下はとまらない!
上はまだ、たりたりと電車の中で読んでいたのですが、中→下は帰宅後夜になって気になって、結局夜中にこそこそ読破してしまったほどです。

私はキリスト教徒ではないので(大学はキリスト教だったが宗教学系はまじめに授業にでなかったし)欧米で騒がれている(らしい)「内容」のほうは、「ふーん」という感じでした。不思議モノ大好きですから、以前からこういう説はいっぱい読んでいます。もっとすごいのもあったような・・聖蓋布からキリストの遺伝子を使ってクローンを作るとかいうSF?作品を読んだ覚えがある。ついでにキリストは青森の戸来村に来て天寿を全うした、という説は有名ですね。
ま、そこまで飛躍はなく、「ダヴィンチコード」の内容は「そんなこともあるやろね」って感じです。これ読んでフランク王国に興味が出てきた程度。

何が面白かったかというと、そりゃ「一級のミステリー」でしたから。
推理小説として読んで面白かった。長い小説を読ませる力があった。
暗号が効果的に使われていて(英語がわかればもっと面白いのだろう)、登場人物が描けていて誰を信じていいの?!というミステリーならではのどんでん返しが大変すばらしく構成されていたと思います。良質の娯楽作品。視覚的な場面が多いので、ぜひぜひ映画を観てみたい。

一度だけルーブル美術館に行ったことがあるけれど、作中に書かれているように「広い」。
あまりに広さに、一日中歩き続けてで疲労困憊した記憶があります。午後1時に入って午後7時の閉館までへとへとになってみて回って・・それでも主要なものしか観られなかった。(午前中、オランジュリー美術館に行ったあとに行ったので余計に足が棒;涙)
とにかく、ルーブルはもとが宮殿だけに、建物自体が美しい。美術館はこうあるべき、と思う。外国の美術館は本当に建物自体も「歴史的な美術品」であることが多いのに、日本の美術館は近代建築っぽくて、絵をかけてある壁も天井も愛想なくて残念な気がします。
絵だけ見られればいいじゃん、という態度は・・・。箱物ばっかり作るなら、もっと芸術的なものをお願いしますよ>行政。話がそれてますね。

有名な絵が秘密を持っている・・・!
というコンセプトは「ゴッホ殺人事件」(高橋克彦 講談社文庫)も同じ。ちょっと違うけど似てる。
これ英訳すれば世界でヒットすると思う。
ダヴィンチコードに劣らない「謎とき」だと思うのですね。ゴッホの謎。
南フランス行ったとき、アルルでは「ゴッホ」ばっかりだったので、ここで売れば売れる(笑)映画にしてもよさそう。
暗号といえば、日本のものでは「猿丸幻視行」(井沢元彦)が好きですね。
ダヴィンチコード読んで思い出した。日本語ならではの謎なのでこれは翻訳は?かな。

とりあえず、話題の本が面白かったというのは久しぶりなので(!)嬉しかったです。
論文やら原稿やらの締め切りが重なっていたにもかかわらず、読んでしまいました。
やっと、全部の原稿を書き終わったので本の感想が書けました。
忙しいほど、読まなければならない本以外の本を読みたくなる・・・そう他にもいっぱい読んでしまいました。また後日。校正が来る前に書いてしまいましょう(笑)


読書感想文「胡蝶の鏡」篠田真由美 講談社ノベルス [読書感想(ミステリー)]

しばらく観劇してないので、今日は読書のほうのお話を。

建築探偵 桜井京介の事件簿 シリーズ第3部の第1作
このシリーズが大変面白い。設定が少女漫画風で大変胸がトキメクつくりである。
主人公?の京介は繊細な絶世の美青年、相棒の深春は体育会系の気のいい男、アイドル蒼くんはこれまた性格の良いかわいらしい美少年。そして渋好みにはダンディな外見とべらんめぇな中身の神代教授。彼らに味方する謎の権力者・門野氏。第2部で登場した蒼の親友・翳。・・・この全員になんか過去の傷ないしは謎があるのですね。(京介さんの過去はまだ出てきていないし(これがクライマックスなのでしょうが)とても期待しています。)・・・これだけでもなんてロマンチックな設定でしょう!
そしてミステリーとしても一級だと思うのですね。多々あるミステリーのうち、読んでいてトリックが納得できないっていうのは少ないのですが、「動機」に納得いかない、登場人物の造詣が「ありえない」というのが多い中、この建築探偵シリーズは私にはとっても納得のいくミステリーです。登場人物の思い入れというか人物造詣に重きを置きすぎて、ミステリーとしては・・?という人もいるかもしれませんが、私は人物がかけていないのは「小説」としてどうか?と思います。まあ好みですが。女性好みとは言えるでしょうね。

で第3部はベトナムが舞台。今回は京介と深春が過去の事件で知り合ったお姫様のお家騒動にかかわる・・建築探偵と銘打っているだけあって明治の近代建築が必ず出てくる。そしてそれが懐古的なミステリアスなムードを醸し出す効果があるのですね。
今回もとっても読み応えがありました。ミステリーなので、お勧めポイントを詳しく書かないほうがよいと思いますが・・・・次回への謎を残しつつ、今回のベトナム編は完結しているという破綻の無い構成。年1回の発行だそうですが、楽しみにしてます。

このシリーズは、第1部第1作から順番に読んでいかないと、過去の謎が次の謎に絡まっている場合が多いので、混乱するので要注意。早く完結して京介さんの謎を知りたいような、ずっと続けて欲しいような・・・また番外編書いて欲しいなあ。


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