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宝塚雪組「夢介千両みやげ」新人公演 [観劇感想(宝塚)]

宝塚雪組「夢介千両みやげ」新人公演
2022年4月12日(火)18:30 2階14列

雪組新人公演を見ました!新人公演らしくて素敵な舞台でした。
縣さんは堂々の主役を余裕でこなし、初ヒロインの華純さんも凄く上手い。2番手を務めた華世さんも安定していて上手い。登場人物が多くて、若いジェンヌさんを堪能しました。
個人的に、聖海さんの青天長袴姿がとても似合って美しかった。

202204雪夢介新人公演.jpg
「夢介千両みやげ」
新人公演 演出 生駒怜子

演出で本公演との違いは感じなかったので、省略。役者さん個人の感想を書きます。


夢介/縣 千
かっこいい!夢さんは「牛みたいにぼーっとした男」と言われるけど、顔が総太郎レベルに良いのよこの夢さん。男らしくてきりりとした目元をしているから(咲ちゃんもイケメンだけど、目が違うの。咲ちゃんは優しい目元というか、今回きりりとはしてないよね)。縣夢さんも度量の大きさとおおらかさは伝わってきた。多分に「だべ」という夢さんの言葉遣いに助けられていた感もあるけど。とても余裕のある人物で、みんなが心酔するのもわかる。堂々たる主役でした。お松ちゃんを助ける場面で、お松ちゃんの裾が乱れたのもさっとさり気なく直してあげたり、さすがですね。
あとは歌だけかと。あまり響く声ではないので、歌い方とか声の出し方をもうちょういなんとか。なんとなく、望海さんトップ作品で新人公演主演しなかったのが納得できるというか、彩風さんトップ時代になって連続ですもんな。素材は最高なので本当にもう少し歌声が響くといいね。
                                                                                                                                                                                               

お銀/華純 沙那
華純は縣さん主演バウで初めて意識した。可愛くてお芝居が上手かった。でもあの可愛い可憐な少女が、粋な年上のお姐さんなんて・・と思ったけれど、芝居良かった。上手い。歌もものすごく緊張していただろう最初以外はとてもよかった。後半に行くほどいい声になってきたもの。お顔は可愛い化粧のほうが似合う。今回意識したのかちょっとキツメのお化粧があまり似合ってなかったのが残念。もっと可愛いのに。本当に期待の娘役さんですね。


総太郎/華世 京
こちらも朝美さん魔法使いバウから意識した期待の若手さん。あの時も上手かったなあって感動したけど、今回も素晴らしかった。綺麗でスッキリした2枚目。あの「顔が良くてモテてモテてしかたない」というセリフが違和感なかった。あの難しい芝居(だって前半のクズから改心する場面のきりりとした表情)をしっかり演じ分けていて、良い落差でした。歌も、朝美さんがかなり声を響かせる歌い方をするのだけど(私は大好き)、華世さんも良く響かせていた。度胸もあるねえ。あの難しい役をモノにしていた。期待の方、次くらいもう主演やっちゃう?って気分。

三太/一禾 あお
最初の登場場面でマイクが入ってなくて、新人公演なのにトラブル!?と一瞬ヒヤッとしたけれど、動揺もなく(見えず)自然にしっかり芝居を続け、2階の後ろまで台詞をちゃんと聞かせてくれました。すごい!会話の相手もお銀の華純さんよ。新人公演なのに、二人とも見事な対応だったと思います。一禾さんの株が私の中で急上昇。
三太くんは、少年らしい動きで芝居もよかった。なんか変な表現ですが、「三太らしい」って思ってしまいました。

浜次/夢白 あや
やはり大人っぽい方が似合う。夢白さんは大人の色っぽい女性が似合うのだ(と、ベネチアの貴婦人で思った。豪華な衣装も似合う)。素晴らしく粋でイナセなお姐さんだった。迫力あったし、色っぽかった。声もあの姿に合う声ですよね。本役のお糸ちゃんより似合うと思う。夢白さんの存在感は素晴らしく、浜次姐さんが際立って見えました。

お松/花束 ゆめ
芝居はとても上手いけど、可愛らしさが無くてものすごく不器量に作っていたのが残念。そういう設定らしいのは見ていてわかるけど、不器量な田舎娘に「女にモテてモテて仕方ない」という玄人筋の美女好みの若旦那の目が行くかね?というところが疑問。だから可愛くしてほしかった。
花束お松は心根の優しい度量のある、性格の良い女性なのですよね。大店の女将になってもやっていけるタイプだと思った。総太郎がそういう女性に惹かれるような男には見えない・・・けど華世総太郎は、もう少しまじめなところがあるから、悪い友達に影響されて放蕩を頑張ってるだけ。本当はまじめで優しい女性が好きだから、潜在意識でお松に惹かれたんだ(って思っておいた)。

金の字/聖海 由侑
遊び人らしい雰囲気が出ていた。ちょっとお目目クリクリでお顔が可愛いので、金の字が時折見せる気迫が足りないかもと思ってたのですが、お白洲場面ではあまりの美しさに迫力が出てました。このギャップを狙っていたのなら完璧です。青天が似合うし化粧が美しい。いつもこういうキリリ系のメイクにしていたらいいのに~って思いました。長袴の足さばきも綺麗に決まってましたし、私的にはかなり注目した人。

斎藤新太郎/壮海 はるま
壮海さんは落ち着いたいい声で芝居が上手い。斉藤道場という名門道場の剣客というのが納得できる落ち着きと、頭の良さが感じられる新太郎です。やっぱり金さんの御目付け役に見える。本公演も新人公演もそう見えたので、それで正解なのかもしれない。

斎藤新次郎/希翠 那音
兄や兄が補佐する金さまを支えるぞ!という意思が漲っているような。素直で可愛さすら感じる実直な新次郎でした。

嘉平/真友月 れあ
汝鳥さんの役を、あの御老体の役を!素晴らしく上手かった。新人公演に専科の人が出てるの?って思ったくらいびっくりです。声の使い方がいいねえ。

市村忠兵衛/日和 春磨
本役の桜路さんがいい味出しているのですが、日和さんもいい味出してました。雪の子は老け役が本当に上手い。


悪七/紀城 ゆりや
最初悪者の下っ端荒くれ男として出てきて、夢さんに絡みまくる役。そのたびに夢さんの大きさに敗れ、最後に心を入れ替えるという男。だから心理的な動きが見たい役なんですね。
紀城さんの悪七はちょっと印象に残らず・・何度も夢さんとやり合うのだけど、あの芝居の間がちょっと早すぎたような感じ。せっかくの夢さんとのボケの返しになってないように感じた。夢さんのほうは余裕もって芝居してるから、受け返しのタイミングかな。慌てなくていいよって言ってあげたくなった。

お滝/莉奈 くるみ
色っぽいお姐さんでした。今回夢さんに惚れる色っぽいお姉さんが多いのだけど、恋人(夫)がいるのはこの人だけ。夢さんは憧れの人、やっぱりあんたが一番よ!って七五郎を転がす余裕。そのあたりが見えるといいなあ。りなお滝は可愛い恋女房で良かったよ。


お糸/愛陽 みち
すごく可愛くて守ってあげたいタイプのお糸ちゃん。こちらの方が正解かもしれないが、一人で蕎麦屋をやっていくなんて無理では?と思ってしまう(夢白さんがしっかりして見えるから、「うん、この子なら一人で蕎麦屋できそう」って思えると気づいた)。まあその分三太がしっかりして見えたので、三太頑張れ!と三太の重要性が増したともいえる。

歌う芸者/千早 真央
五明楼の芸者で、姐さん方が勢ぞろいした場面で歌う芸者さん。私は新人公演のほうの歌い方が好き。美穂圭子さんが「猛き黄金の国」(の芸者で歌う同様の場面)で歌ったような雰囲気を感じた。好みの問題ですが、私は千早さんの歌のほうが好みだった。

一つ目の御前/蒼波 黎也
本公演よりコミカルに作っているように思った。子分たちも一緒に、なんか動きがディズニー悪役みたいに楽しくなってる。台詞の言い方がとっても芝居がかった感じで。こういう解釈も楽しい!

あとはお鶴と亀吉の姉弟ですが、1度きりの新人公演はタイミングや芝居の間は難しいのね、やっぱり花束さんは上手いなあって思った。いっそ違う役作りにした方がよかったかも?なんて思った。超丁寧に場違い感を出しつつ話に割って入って笑いを取るのは、高度な技術がいるのでしょう。

印象に残ったのはこれくらいです。
一度しかみられない新人公演、B席から見たので記憶容量がこんなくらいしか稼働できなかった。良い新人公演でした。



と書きつつ。今日は宙組「Never Say Goodbye」の新人公演をライブ配信で見た。みんな歌が上手い。すごく上手い。名曲が名曲。ストレスフリー。やっぱり雪組はもうちょっと歌の強化が必要かもしれないと思った。芝居はいいのにな。そういえばしばらくの間トップコンビが歌いまくってたからな~いまは踊りまくりだしって、なんか雪組プロデューサーの気分になってる私(笑) なんかエラソーだけど、これぞ新人公演見た醍醐味かもしれない。脳内人事会議が楽しいのだ。


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