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劇団☆新感線「狐清明九尾狩」大阪 [観劇感想(その他)]

劇団☆新感線「狐清明九尾狩」大阪
2021年11月6日(土)オリックス劇場 1階15列上手

(書いたのは観劇直後ですが、途中で放置していて、神州無頼街を観劇後にアップしてます)

久々の新感線です。やっぱり話が重層構造というか、どんでん返しの連続で面白かった。コン・ゲームというジャンルでしょうか。ああこんなところにまで狐配慮。
私にとって「いのうえ×中島」は外れなしなのですが、今回もあたりかな。
生劇場でちょっと一部セリフが聞き取れないことがありました(音響?)が、おおむね満足。
ただ最後の結末が今一つ腑に落ちなかったので、もう一度(映画館で)見るか、戯作書を読むかして解明したいと思います。

W主役みたいな感じで清明と利風が華麗に並び立ち、話の要を握る藤原近頼と元方院の芝居が上手くて絶品で、狐の姉弟も可愛く、尖渦雅、芦屋道満ファミリーや虹川悪兵太一味らの「個性の強い仲間たち」がいて、新感線らしい楽しく騒がしく、ほんのりするお話でした。

2021kitune.jpg

「狐清明九尾狩」
演出 いのうえひでのり 
脚本 中島かずき

タイトルやポスター、あらすじから既に敵が判明し、さらには主役は「安倍晴明」で敵の正体は「唐の国から来た九尾の狐」ということから結末も読めるものの、それをどう新感線風に料理するのかを楽しみにしていました。
騙しあいの連続と裏切り(良い方向も悪い方向も)頻発。頭を整理しないとなかなか大変というお話でした。だからもう一回流れを知った上で見てみたい。1回目は登場人物とストーリーを追うのに手いっぱい。(チケットが撮りにくいのと代金が高いので頻回見れないから辛いなあ)


気になったのは、利風さんの政策(陰謀?)である、「質のいい硬貨を発行し、市中に流通させ、それを税として回収する」とう経済政策。それに対抗し、主人公の清明さんは、「贋金を作ってすり替えてやった」とドヤってましたが、ええ~?となってしまったこと。
景気浮揚に財政支出はいいと思うし、銅の含有量の多い良質な通貨は大変よろしい。この時代、紙幣(政府の信用が担保)はまだ無理で、硬貨(金属含有量が担保)だから、利風の政策は良いことだと思うのだ。銭を巡って人を「争わせ」とは言ってないしね、そりゃ質の良い銭があれば欲しがるでしょ。まっとうな経済活動なら大歓迎のはず。さらにそれを「税収で」拐取と言ってるから、いい話。もちろん「税を重くする」などあれば悪政だが、それは多くの人の手を通したい意図から外れるため駄目だし、そもそも誰も言ってない。それに対し、「贋金作り」は古今東西どの世界でも大罪だと思う。ええ!主役が贋金って!?と内心大変驚いたが、よく話を聞いてみると、それは贋金ではなく、正規の硬貨であり(担当大臣と正規の技術者がついてるから)、込められた「念」を違うものにすり替えたというだけではないかと気づいた。それは贋金じゃなくて、単に古くなった硬貨を回収して新硬貨を市中放出しただけなので、経済的には問題ない。びっくりさせないで欲しいわ。
この件で思ったが、利風(九尾)さんは「自分のことしか考えてないやつ」とタオちゃんに罵られているが、「自分が快適に暮らすための世界」を作ろうとしているようにも思う。その世界って、利風にとって大変快適だが、その他の人も快適そうな世界を作ってくれるんなら、よい為政者になるのでは?などと思ってしまった。だからフーリンの狐人達は、「九尾さんが作る世界いいですね!」って彼の政策に同意したのかもしれないな~とか。
結局、「九尾の狐」が目指す世界観がわからなかった。九十九尾狐神になって何をしたかったのかな。人間に恨みがあったっぽいから、何かそういう経験があったのかも。タオの批判も具体的に非を突いたものではなかったため、彼の目指した世界が良いのか悪いのか全然わからないので、悪役とは言えないと思った。

もう一つわからなかったこと。利風と清明がお互いに考えを読めるほど親しかったのはよく分かった。だからこそのコンゲーム合戦ができたのだろう。最後の最後に、九尾の最後の力を使って「清明から喜怒哀楽を奪った」のがわからない。私が見落としたのだと思うけど、なぜなぜ?って思ったのでした。私が最後の置き土産として復讐するなら、清明から「利風との記憶のすべて(今回の件も)」を奪うけどな。あの二人の結びつきからしたら、清明は幼い時からの楽しい記憶も、今の仲間との記憶もすべて失い、絶対に空虚になるはず。(私酷い奴かも)。ここが謎なので、ディレイ映画館を見に行くか~


安倍晴明(中村倫也)
一番の能力を持つ紫の衣の陰陽師。狐の子という噂を流すほど、力が強い。ちょっとわかりにくかったけど回想シーンでは、小さくて可愛いやんちゃな弟感が凄く出ていて、利風との関係がよく分かった。タオとのやり取り、尖との付き合い、道満や虹川との関係、とても良い人なのが伝わってくる。多分、官僚には向かない人柄。なんか惹かれる感じの主人公でした。

賀茂利風(向井理)
陰陽師の総帥一族の後継者で、力のある陰陽師。でも弟同然の清明には敵わないため、唐に
留学。だがかの地で九尾の狐討伐に駆り出され九尾に体を乗っ取られる。その際に利風の魂はどうなったのかな?とちょっと思う。九尾は利風の知識や記憶を使っていたけど、魂のほうは不在のような雰囲気。一度も「利風」としての台詞は無かったように思う。
利風の知識と技術を自分のものとした九尾、どういう世界を築くのかちょっと興味あり。
白い高価な着物が大変似合う。長身のイケメンで、それだけで「ついていきます!」って人が増えそうな感じだ(笑)。出番も役割も多くW主演と言っていいほど。かっこよかったです。





観劇すぐにここまでしか書いてなかった。今更書けないので、ここでアップしておきます。
いつもの教訓ですね、すぐに書きましょう。

後日脚本本とタオルハンカチ、そして狐のしっぽキーホルダーを通販で購入。あの狐のしっぽ、触る以外に使い道が無いのだけど、それがいい。感触が良くて楽しい。黒い鞄に付けているとアクセントになるし、時々さわさわして気を落ち着ける。買ってよかった。




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