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OSK「春のおどり」松竹座 初日 [観劇感想(OSK)]

OSK「春のおどり」2022 松竹座
2022年2月18日(金)11時 初日 3階5列
2022年2月19日(土)15時 2階1列


初日が2週間延期されたOSKの春のおどり、最終週にようやく3日間の上演。
行ってきました。今回はいつもの「春のおどり」の様式(1幕和物、2幕洋物のショー2本立て)やっぱりこれが落ち着くわ。

一幕の和物は、オーソドックスに始まって、いつもの江戸物語風展開に、最後は斬新な綺麗な和物ショーとなっていました。3人が演出とのことだけど、誰がどこを演出したか、とても分かりやすい。最後の場面は、月組の「WELCOME TO TAKARAZUKA~雪と月と花と」みたいな感じで、3階から見たけどすごく綺麗だった。
洋物は荻田先生のショー。荻田カラーの衣装で、構成のセンスがいい。それでいて100周年記念らしい良質なショーでした。

和物も洋物も、どちらも100周年のお祝いと、退団者(虹架さん愛瀬さん遥花さん)への配慮に溢れていた。トップスター楊さんは踊りまくり。専科の桐生さんが要所で渋く締める。二人いるトップ娘役は、踊り担当の舞美さん、歌担当の千咲さんという感じ。二人を対等に扱ってるような。娘役で一番目立っていたのが、唯城ありすさん。すごい大抜擢、次のトップ娘役ですね!って印象(候補であることは間違いない)。男役では、翼さんが堂々2番な歌いっぷりで場面を持っていた。あとは椿さんが歌にダンスに抜擢され、壱弥さんが歌で続く感じ、それから朔矢さんがダンスで目立つ場面を貰っていた。
OSKも次々とスターが生まれてきてますね。早く小劇場での主演が見たい方がいっぱいだ。ほんとお芝居も見たいわ。

2022春の踊り.jpg

OSK日本歌劇団創立100周年記念公演「レビュー春のおどり」
第一部『光』:演出・振付 山村友五郎・尾上菊之丞・藤間勘十郎

プログラムを買った。いつも大変配役が雑なプログラムですが、少しは役立つ。初日はギリギリに到着したので、プログラムを買えずに観劇。だが1幕が3部構成だというのは分かった。全然作りが違うのだもの。オーソドックスに始まったな~祝賀だね~と思ってたら、江戸が舞台のストーリーのある場面が続く。殺陣やら櫓、最後は和物洋物が一体化した斬新な構成。驚いた(初日は客席からどよめきが起こったくらい)。夢か現かという幻想的な雰囲気のまま、「月光」がテーマの幻想的な場面が始まる。ここからは幻想世界。3階からみたからか、フォーメーションや衣装が素晴らしい!センターだったので、等間隔に一糸乱れぬ素晴らしい構成変化が楽しめた。一度は上から見ることを強くお勧めする。また照明が素晴らしい仕事ぶりなのだ。光がテーマだからだろうけど、本当に繊細で綺麗で効果的な照明。美しい・・月組の「Welcome・・」の月の景くらいの感動。人数が少ないところを、動きと扇と照明でゴージャスに魅せていた。もちろんセリと盆を駆使して高低差や動きもつかっていて、さすが!!と感動の嵐であった。

第1章「花の巻」山村友五郎
チョンパの幕開きが、黒紋付と袴という正装。色が黒と深緑なのでちょっと暗め。背景が松に鶴(だと思う)なのでおめでたさは満載。正式感に溢れきりりとした空気。その後に、専科のお二人が、これまた目出たそうな正装で、登場。桐生さんは平安時代の正装(推測)、朝香さんは玉手箱をもってしずしずと。桐生さんが翁で朝香さんは千歳という役名だった。どちらも若くて綺麗だったが、めでたい役名なのだな。
そして楊さん登場。目出たそうな衣装。三番叟なのね。トップ娘役のお二人が、巫女さんのような鈴をもって登場。3人で踊り、後程、専科のお二人とお付きの二人(羽那さん渚さん)登場。めでたいな~あっぱれ!という雰囲気。完全に祝賀会。100周年記念式典でやるような場面だった。
トップ娘役お二人(天津と国津の細女)が残り、花道から写楽(翼さん)が登場。初日はわからなくて、着流しの翼さんだ~としか思ってなかった。美声が響き渡るのですぐわかる。
スランプ作家が遊郭に来たのね~という歌で、状況が説明される。作家かと思ったら絵師。「しゃらくせえ」と言いまくっていたのは名乗っていたのね。

第2章「夢の巻」藤間勘十郎
ここから江戸もの。写楽はどっか行って、黒装束(闇太郎)がすっぽんから菰巻いて登場。虹架ける~♪と歌ってくれるので、分かりやすい(笑)。若い茶屋の男(伊吹くん→プログラムにある!)に突き飛ばされたりして、あっというまにお大尽になった虹さん。女役者の遥花さんとの掛け合い。この場面は虹架さんらしいわ~とコメディ場面が続くのかと思ったら、なぜか急に対決場面へ。
突然現れた着流しの侍姿の愛瀬さんと華月さんが戦いだす。名古屋山三と不破伴衛門なのね。わからんかった。で二人の立ち回りに、若い衆も絡んできて、そこからが凄い。梯子使って愛瀬さんと若者たち凄い!と大拍手だ。若者たちそれぞれに見せ場があって、京我くんと朔矢くんかな、すごい技を見せてくれた。身体能力高いな。侍二人の対決は、予想通り花魁が出てきて止めて終わった。葛城太夫・城月さんだ。硬派な美人は迫力ある。太夫なのでもうちょっと艶があると嬉しい。
侍が去り場面は遊郭になって、やっと写楽が登場。女将は白藤さん。似合いますなあ。描いてくれという遊女たちを袖にしまくる写楽に、真打登場!と出てくるのが白夜太夫の唯城さん。可愛い太夫が綺麗な声で、写楽を説得し彼の知らない夢の世界へ導いていくのだ。この手法、初めて見た。斬新でびっくり。でも今までなかったのが盲点だと思った。
2章はずっと出てなかった楊さんも、びっくりな登場で、ここは見てのお楽しみだ。とりあえず、唯城さんが翼さんと歌い、楊さんと組んで踊っているのが凄いと思った。可愛くて歌えて踊れるのねって。ラストは写楽が芸術家として目覚めて、白夜太夫は写楽(と客席)を幻想の世界へ誘う・・・唯城さんすごーな章だ。

第3章「光の巻」尾上菊之丞
月光とともに楊さん降臨。トップ娘役のお二人と3人で舞い、その後黒と銀の着物の男役選抜(華月・翼・りつき・壱弥・朔矢・椿)と踊る。ここのフォーメーションが大変美しい。
ところで尾上先生、プログラムの配役記載が粗すぎます!藤間先生が結構細かくて嬉しかったのに、「全員の名前列挙のみ3つ」に愕然としましたわ。結構場面変わるのに、そのたびに歌ってる人とか前に出て踊ってる人とか、しっかり書いて欲しいです~
楊さんと男役6人の場面の後、娘役他皆さんが出てきて、白い布が後ろからと上から来て、まるで「心中・恋の大和路」のラストシーンみたいになる。清冽で綺麗。虹架さん、愛瀬さんを筆頭に、銀のマフラー?のような小道具と使ってまたまた美しいフォーメーションの踊りが続く。ちょっと卒業式みたいな感じだけど(説明しがたい)、最後に楊さんが登場して、幕。幕の下ろし方も斬新だった。私の語彙では説明できない美しさ。この感動は、一度上から見てほしいとしか言えない。


第二部『INFINITY』:作・演出 荻田浩一

大好きな荻田先生のショーだ。今回は100周年祝賀という制約があり、OSKの懐かしの曲(あまり知らないが、プログラムに書いてあった)を取り入れるなどされていた。

はじまりはラテンから。幕が開くと斜め階段になった高低差のある装置。ラテンな衣装の舞美さんが踊りながら降りてきて、下手からは千咲さんが登場。学年順らしき衣装分けだが、座付き作家でないから、そこは仕方ないかもしれない。穂香さんや実花さんにが目立つ役で嬉しい。カラフルで同系色ではない色彩なのに、なんとなく統一感があって綺麗なのはさすが荻田先生。ここでマイクで歌う若い娘役さんがいて誰?と思ったら花うららさん。可愛いやん。一人盆の外で踊る目立つ娘役がいる?とみると、やはり唯城さんだった。ラテン衣装も可愛いぞ。
黒のインフィニティで、舞美さんと城月さんが黒ラテン衣装で登場。相手をする全身黒のかっこいい男役が椿さんと壱弥さん。この場面が素敵。お姉さまと若者の組み合わせなんだけど、宝塚にはあまりない場面で、雰囲気が凄いの。娘役に貫禄があるのがOSKなのね!と納得。娘役が主で男役が従なの。期待の若手スターな男役でも従なんだ。短い場面だけど、印象的。ラストは階段の真ん中に椿さんが立ってライトがフェードアウトという構成がまた凄い。
それからまたラテンが続き、最後はまたみんなでビバ!OSKという懐かしの曲(聞いたことはある)。

次がアルルの女とファランドール。舞美さんの本領発揮場面か。基本、舞美さんが踊り、千咲さんが歌うという役割分担に見えた。千咲さんは一人青いドレスで目立つけど、舞美さんはほかの娘役と同じ白い衣装(微妙に白いんだけど)。舞美さんの衣装ももっとトップ娘役らしい豪華なものにしてあげてほしいところ。
ここちょっとストーリー性があり。楊さんは影の男で一人黒い衣装で、皆を操る感じの動きをする。操られるのは、一人の男と一人の娘。男は朔矢さん、娘は唯城さん。楊さんの手先として動くのが壱弥さん。翻弄されるカップル、操る影の男。すごい攻防があってドラマティック。戸惑う朔矢くん、怯える唯城さん、冷徹な楊さんに悪い顔の壱弥くん。いいわあ~やっぱりお芝居が見たくなる。

一人残された唯城さん。そこへ登場した黒燕尾の紳士・・いえ男装の麗人が舞美さん。カッコいい!どうでもいいが唯城さんは場面転換担当なのね。転換したあとは唯城さんは追い払われ、3人の淑女(白藤・城月・遥花)と踊る舞美さん。黒燕尾の男役4人登場。紳士のままの舞美さんと椿さんが踊るんだけど、なんか雰囲気が合ってて素敵だった。荻田先生らしい変則ですが、嵌ってる。
そこから黒とピンクという荻田カラーの衣装で巴里。すごく巴里。可愛い衣装の娘役さんによるラインダンス。穂香さんと実花さんが羽根つき、ちょっとコメディっぽくて楽しい。でもラインダンスの技量はさすが。

次の景はタップダンス。楊さん真ん中で踊る。虹架さんと愛瀬さんが歌う。お二人は今回も歌多い。愛瀬さんがいい声だ。で全員で踊っていくのですが、また曲調が変わって今度歌うのは椿さん。結構長く歌う。長身でかっこいいのに歌えるよね。
最後は紫なレビュー衣装の桐生さん登場。3淑女(朝香・舞美・城月)とともに締める。今度の場面転換は桐生さんだ。

ジャストダンス。何回も見たなあ。今回は白衣装が楊さん一人なのが寂しい。初めて見たのは桜花さんトップ時代で、桜花さん高世さん桐生さんの3人が白衣装だった。センター3人は楊さん以外は入れ替わっていたような気がする。基本は虹架さん愛瀬さんで、時々翼さん華月さんって感じ。

途中で消えた翼さんは次の場面担当だった。オリーブの枝を持って花道から登場。美声を響かせます。娘役さんに囲まれて一場面を完全に持ってました。

このあたりだったと思うけど、華月さんが遥花さん相手役で歌った後、白藤さんが装置のような衣装で登場されたの。衝撃的な衣装だった。何だったんだろう・・・歌は上手かったけど、衣装しか目に入らなかった。

最後は白と黒のシンプル衣装。なぜか一部娘役が男役衣装で登場。順番に前に出てお辞儀したので、ああこれパレードなんだって気づく。そういえば、記念式典で歌っていた「第2の劇団歌」といわれていた「虹の彼方へ」という曲だ。今回は懐かしのOSK曲が採用されていたようだが、個人的には新しい時代のOSKから「OSKシンフォニー」(武生で楊さん主演)も入れてほしかった。あれはOSKで引き継いでいく名曲だと思うので。最後は楊さんを全員が迎える形で、平面で幕。これも驚いた。階段も羽根もないのね。シンプルな美しさだから良いか。ただ1点の不満は、フィナーレ場面は、娘役さんにはドレスを着ていて欲しい。

いったん終了し、楊さんのあいさつ。もう「100周年公演の幕が上がり、見てもらえて嬉しい、感謝している」それに尽きる感じでした。トップが場をつないでいる間に、傘を持って全員集合。「桜咲く国」を大合唱。私はせっかくもらった傘を忘れてきて回せず。明日は忘れず持っていこう。


という感じで、みんなそれぞれに見せ場があるとう素敵な構成。退団される虹架さん愛瀬さん遥花さん、華月さん城月さんという中堅、桐生さん朝香さんのベテラン専科。穂香さんや実花さんにも場面があり。その分、トップの楊さんと舞美さん千咲さんの出番が減ったのは仕方ないかも。でもスターが五敗のほうが私は好き。だからいろんな人が活躍するショーのほうがいい。
特筆すべきはプログラムに「若手座談会」が記載されていた翼さん、椿さん、唯城さんがとても目立っていたこと。プログラムを買う前に見た印象通りだわ。次を担う期待の次世代スターなんですね。次々スターが育っていくのが歌劇の世界、新陳代謝があって嬉しい。なかなか公演が出来ない時代だけど、続けて欲しいから。また当たり前のように舞台が上演できる時代になってほしいですね。
今回公演日程を週末のみの3週間に分けて予定していた劇団、最後の週末だけ上演できた作戦成功をお祝いします。ありがとうございました。良いものが見れたわ!
そして100周年おめでとうございます。次は新橋演舞場、そして南座ではお芝居が見れるのを楽しみにしています。


【出演者】
楊琳、舞美りら、千咲えみ、白藤麗華、虹架路万、愛瀬光、城月れい、華月奏、遥花ここ、実花もも、翼和希、穂香めぐみ、結菜ほのり、りつき杏都、壱弥ゆう、朔矢しゅう、椿りょう、羽那舞、唯城ありす、京我りく、渚美怜、紫咲心那、有絢まこ、せいら純翔、瀧登有真、翔馬かいと、花うらら、梅名希歩、夏目せな、華蓮いろは
(特別専科)桐生麻耶、朝香櫻子


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