SSブログ

OSK夏の踊り「STARt」 [観劇感想(OSK)]

OSK夏の踊り「STARt」
2021年6月14日(月)11時 大阪松竹座 1階前方センター
2021年6月18日(金)15時 大阪松竹座 3階前方上手


このご時世に観劇続きでちょっと心が咎めますが、全部違う公演だから!と言い訳して見に行きました。OSK日本歌劇団 楊琳さんお披露目公演です。

ダンスのOSK!というえばその通り。群舞ばかりの印象。これは上から見たら綺麗だろうなあと思う→と思ったので、2回目は上から見た。すごく綺麗だった。誰が誰だがかよく分からないが、オペラグラスなしでフォーメーションを楽しむ。思った以上に綺麗だ。1階で見たときは、目まぐるしく動くから、人を認識するのも困難(もちろん衣装が違うトップは除く)。ほぼみんな同じ衣装で群舞。激しく踊りまくりそれは素晴らしい。さすがダンスのOSK!と堪能できる。個別の識別はもう諦めると楽しい。
2幕でやっと、個別の人が識別できるコーナーがあった。ほっとする。なんかメドレーで順番に出てくるので、少しはわかった。
1幕も2幕もダンスショーで、同じ演出家。平澤先生は宝塚でも大階段の振り付けは凄く良かったし、群舞は抜群。でも全編の7割群舞で一本建てはつらい。1幕はお芝居かせめてストーリー仕立てにすれば嬉しかった。
いろいろ書いてるけど、見ごたえは有ったので、新橋演舞場も見に行く。次も上から見たい。


202106夏のおどり.jpg
「レビュー夏のおどり」
STARt(洋舞レビュー2幕物、いわばダンスショー一本建て)
【作・演出・振付】平澤智


ダンス一本建て
これを書こうと思ってHPを見たら、1幕2幕にそれぞれタイトルも無いのね。通しのダンスショーなのね、と分かった。見てきた通りだ。
時間もいつもより1時間短い。そりゃあれだけ踊ってたらいつもの長さは無理だと思う。だけど、1幕を芝居仕立てにして1時間半にすれば、2幕のダンスショーがもっと引き立ったと思うのよ。もともとショー2本のOSKだけど、通常は1つは和物、もう一つが洋物のショーだからよかった。洋物ショー2つ(しかも同じ演出家の同じテイスト)はきつい。踊ってる方も大変だと思うけど、見ている方もしんどい。

STARは
楊さんとその他の方々という印象でした。前トップの桐生さんだけはさすがに桐生さん用に別場面がちゃんと1幕につき一場面ありました。でもその他の人の場面と言えるほどのものはなく。いや、ちょこちょことあったと思うけど、何せ動きが早いので、確認する間もなく次の場面に流れていく。「一場面しっかりこの人の場面」は、新旧トップスター以外になかったと思う。翼さんが娘役率いてとか、椿さんが若手男役を率いてとか、楊さん以外の人の場面も見たかったな。ここ数年あった初舞台生の個別紹介もなかったし、ちょっと寂しい。ダンス・カンパニーの発表会じゃないのだから、もう少し劇団事情の抒情的なこと(初舞台生紹介とか次世代トップ候補の見どころとか)を入れてほしかったです。楊さんとデュエットダンスした唯城ありすさんは、次期娘役ヒロイン候補だと分かった。そのくらい。

演出と振付
平澤先生の振り付けは好き。今回もラストの黒燕尾は最高だった。だが全編同じテイストはちょっとしんどいのだ。各場面の振り付けは夫々素晴らしいと思う。だけどメリハリがないというと何ですが、全編プロローグか中詰めかフィナーレみたいな雰囲気で、盛り上がる場面ばっかりが続くと見ていて疲れる。確かに間に違う場面があったけど、場面つなぎの印象。曲調の印象かもしれない。似たような調子の曲が続いた印象だから。それでも1幕はまだ割とスムーズに場面転換が進んだけれど、2幕はぶつ切り。暗転無音があっての次の場面。意識が途切れる。やっぱり演出家は、全体構成を考えているのだなあって思った。作曲も振付もしない演出家が、なぜ一番上に存在するのか、演出家の下に振付・作曲・衣装とそれぞれの専門家がいるのかの意味を理解した気分。私が理解しても意味ないけど。でもそれ製作サイドの方には理解して欲しいですよね!って思った。(5人くらいの小さいステージは振付師が作ってもそこそこだと思うけど、大人数の大舞台は違うと思うの)


一幕
Scene1 Club ARt
ポスター衣装の楊さんと全員の総踊り。赤と黒基調だけど衣装も少しずつ違い、それぞれ小集団で踊る場面もあり。その小集団場面で前面に出る人もいたりする。不思議な色の髪の翼さんと金髪長身の椿さんを追ってしまう。あと赤髪の壱弥さんが目立つ。華月さんたち一部の方が帽子ありでお顔が分かりにくいのが残念。でも華月さんはあの帽子が似合うのでジレンマ。娘役「チェリーガールズ」があって懐かしい。舞美さんや城月さんがやってたよね~。今回は唯城さん、琴海さん、純果さん、羽那さんの4人。新しいチェリーなのかな~と思うけど、今別行動の雪妃さんや涼乃さんを入れてほしいので、流動的にと考えたい。歌うなら凛華さんも入れていいと思うし。センター唯城さんには異論ない。はっと華やかで可愛い。
ここの場面転換は、白藤さんソロ。しっとりしてよいけど、後ろで若い子に踊って貰えばもっと素敵なのにな~って思った。

Scene2 Destiny
桐生さんメイン、グレーの詰襟の衣装がきりりとかっこいい。解説を読むと前作の「運命」のオマージュらしい。あの場面好きだった。でも衣装は似ているが、黒一色のほうがかっこいい。さすがの桐生さんの貫禄ある登場場面。一気に空気が変わりますよね。欲しいのはコレだ! 後ろはダンサー選抜かな?舞美さんをセンターに、翼さん椿さんあと娘役さんが何人か(ごめん確認しきれず)。前作は楊さんたちが前半で、後半に桐生さんが出てきての全員だった。今回は桐生さんと選抜で、後半楊さんと全員という感じ。構成としては前回のほうがメリハリがあって良かった。前回そのままでもよかったのになあ~なんて。黒燕尾と並ぶ好きな場面だけどね。

Scene3 スーパースターマン
つなぎは次の場面の衣装の翼さんのソロ。若者カップル(知颯さんと有絢さん。特に意味なし?ウエストサイドストーリーみたいな悲劇の前兆ではなかった。考えすぎ)もご一緒に。
60年代の衣装でポップに、千咲さんメインで娘役総踊り。スーパーマンになりたいサラリーマンのクラーク・ヤン楊さんがダサダサ衣装で電話ボックスから登場。このシチュエーション!宝塚ファンなので「チェンジボックス」(by『Exciter』)が頭に浮かび、絶対にダサダサ楊さんは電話ボックスで変身してかっこいいスーパースターマンになるに違いない!と思った。
ダサダサ楊さんは憧れのマリアン千咲さんに結構手厳しい励ましを受けて・・・というところに、スーパースターを自認する黒の革ジャンで揃えたマイケルン団、マイケル・ジャクソンを崇拝するマイケルン愛瀬氏とその仲間たち登場。続いてプレスリーを愛するプレスリン虹架氏とその一団登場。お互いにどちらがスーパースターかを争う。クラーク・ヤン氏無視(笑)。仲裁するヤン氏が、黒メガネでスーパースターマンを標榜し覇権を握った!のも一瞬。全員冷たく立ち去り、あのマリアンにすら去られてしまう。ヤン氏は寂しくせり下がり退場。
えええ何で?!と私は心の中で叫んだ。最後はかっこいいスーパースターマンになって全員に崇拝されて華々しく退場して欲しい。こここそ暗転使っていい。これからトップスターになる人のお披露目公演で、これはないって>平澤先生。この場面のラスト、東京までに変えてほしい。

Scene4 A New Wind Blows
今度のつなぎは次の場面の白衣装の華月さんのソロ。前の場面を盛り上げ照明消してすぐに上手ライト華月さんソロでいいのよ。風の音びゅうびゅうで不安な感じのアンシンメトリーなダンスが続く。中性的なヒラヒラの白い衣装(男役娘役同一)で、裸足で踊りまくる。またも集団の中の少人数ずつのダンスがあり、それぞれに見せ場があるっちゃあるけど、目まぐるしく動くのでわからない。難易度が高そうなダンスだなあと思う。上から見たときは凄く綺麗だった。スター制度のある歌劇のレビューを見ているというよりダンス・カンパニーの発表会を見ているようだったけど。
こちらもラストが、楊さん以外全員が後ろに下がり、楊さんがそちらに向かっていく終わり方。音楽(音響?)は暴風のまま。これで1幕終わりってなんか・・。個人的な好みですが、幕を下ろす前は盛大に盛り上がって拍手喝采であってほしい。(一本建ての1幕ラストは、小池修一郎先生や、はやみ甲先生の演出が凄く好きだ。)

2幕
Scene1 バトン
幕開きは、主題歌を歌いながら虹架さん愛瀬さん華月さんが登場。そして全員集合。水色の衣装です。楊さんを囲んで主題歌で盛り上がる場面。・・・これ1幕のラストでしょ?って思った。これで幕閉めようよ。2幕は楊さん1人登場からで良いのでは。

Scene2 ミュージカル・メドレー
ここから個別コーナー。水色衣装で残った3人、次世代を担う(であろう)男役スターの翼さん、登堂さん、椿さん。見た目も抜群トリオですが、歌上手い。私の中では芝居の上手い3人でもあるので、ミュージカルでそれぞれの主演が見たいところ。

続いてラインダンス。初舞台生紹介は先の3人が英語で簡単に(97期生です~くらい。英語だ)。今年は個別紹介が無いのか・・5人しかいないのに。階段上の5人だけの場面はあっという間に終わり、他のメンバー合流。5人は最後尾へ。ピンクで可愛い衣装だ。
次が、オレンジドレスの千咲さんを囲む少年っぽい青年たち(栞、壱弥、瀧登、知颯)。千咲さんは地声かな。強い女の場面、こういうのはOSKっぽい。

次に白いドレスの唯城さん登場。楊さんとのデュエダンス。白い衣装がトップコンビみたいだけど、違う。結構似合っているので、一度楊さん主演、唯城さんヒロインのお芝居も見てみたい。トップコンビ絶対主義でないこの柔軟さは、OSKの良いとこの一つですね。

ベテラン3組の大人っぽいダンスは歌無し。愛瀬&城月、虹架&朝香、華月&遥花のカップルが優雅に踊る。

天輝さんが穂香さん実花さんを従えて登場。こういうプレイボーイな役が似合うわ。魅力的なワルイ男が似合う人ナンバー1だな。こんな短い場面なのに背景の物語が見えるなんて、素敵。天輝さんも芝居の上手い人だと思う。

最後に、舞美さん率いる黄色いドレスの娘役たち。舞美さんのドレスは刺繍が少し色が違うけど、みんなと同じ生地。色を変えてあげて欲しい。だって次に順番に登場した時に、千咲さんがオレンジ、唯城さんが白、その他の娘役さんが黄色なのよ。センターの舞美さんが目立たないやん。

scene3 STARt×3
流行りの韓流場面? 楊さんと次世代スター候補男役の場面。翼さんと椿さんが楊さんを挟み、その外側に登堂さん壱弥さん、両端に翔馬さん空良さん。全員衣装が違い、それぞれソロがあるところも最近の流行よね。翼さんの声が圧倒的に響く。椿さんの衣装の裾が長く、長身が映えてすごくかっこいい。声もいいんだよね。あとは背後の映像にメンバーのアップ画像が欲しいところ(笑)
今回、衣装が赤と黒、白なイメージなので、ここは濃い青とか金とか違う色がよかったな。

scene4 Emocion Roja 
舞美さんメインのラテンな場面。実花さんと重役男役 虹架さん愛瀬さん華月さんの場面。舞美さんの衣装をもっと豪華にしてほしい。実花さんも歌上手いので歌ってほしい。

Scene5 Again
桐生さんソロで主題歌を。黒燕尾で圧倒的な歌声。歌専科でもいい声、もっと歌って!!と思う。桐生さんと翼さん、お二人は圧倒的な歌声で、聞きごたえあり。今回のショーは歌よりダンスだけど、このお二人の声は印象深い。ぼーっと見てても、聞き寄せられる声だわ。袖から楊さんが登場し、歌わないまま二人でしばらく。ここも引継ぎ場面か。ちょっと多すぎな印象も。

Scene6 フィナーレ
そのまま幕が開き、黒燕尾。OSKにしては大きな階段を使った男役総踊り。さすが!かっこいい振り付け。上から見てもすごく綺麗だった。階段が3層になって複雑なので、それを使った変わった振り付け。上からみたら、登堂さんがすごく良い位置にいることに気づく。1階で見ていた時はわからなかった。登堂さんは黒燕尾が似合う、端正で品のある男役さんですね。長身でスレンダー、笑うと目が無くなるところも素敵。
ここまでの他の集団場面は、翼さんと椿さんが目に入ってきて追っていたので、ここでやっと集団の中の登堂さんを見つけた気分だ(ごめん)。

続けて紫ドレス娘役集団が登場。千咲さんがメイン。黒燕尾合流。総踊りのなかで、翼さんと千咲さんが歌う。武生の「OSKシンフォニー」を思い出すわあ。この二人の声が合うのだ。二人とも上手いし、絶品ですね。千咲さんもトップ娘役だけど、翼さんとのほうが声が合うと思うのだ。

そして場に残った楊さんと満を期しての登場・トップオブトップ娘役?の舞美さんとのデュエダンス。やはりこのお二人のデュエットダンスは最高ですね。本当に綺麗で似合ってる。

最後は変則パレード。エトワール城月さんの後、登堂さん壱弥さん、実花さんと遥花さん(違ったらごめん。うろ覚え)が歌い、その後は楊さんまで歌なし。なんか変なの。楊さんは黒い肩羽根あり。全員並んでから、桐生さん袖から登場。重鎮専科さんの登場方法ですね。
最後の並びを見ていると、桐生さんと朝香さんがスターを挟むように立たれていた。なんか宝塚でいう管理職みたいだ。間が少ないなあ・・と気になる。まあしばらく小劇場公演ができなかったし、冬の時代でしたもんね。早くお芝居が見たい、次世代の方の主演も見たいわ。


プログラムから
プログラムの楊さんと平澤先生の対談を読むと、楊さんは「全場面出たい」と言い、平澤先生はリクエストに応えたみたいだけど、確かにそうなってた。楊さん出ずっぱり。それも平坦になった理由の一つかもしれないなあと思った。激しい盛り上がり場面が多い割に、濃淡が無い平坦な印象のショーに感じたから。
今回、「主演スター」経験者は楊さんの他は桐生さんしかいないので、(前トップはお披露目にあまり出られないから)楊さんだらけになったのかと思ってた。似たテイストの場面が続くのもあれだけど、その真ん中を張る人が変わらないと、場面の印象が変わらないのかもしれない。楊さんもトップになったのだから、全場面出てちゃだめ、出しちゃだめよ。
次世代スターを育てるために、下の人にも場面を持たせてあげてほしい。桜花さん時代は、高世さん桐生さんという圧倒的スターがいて、その下に真麻さん楊さん悠浦さんという次世代スターがいた。とても華やかだった。今だってスターになれる人はいっぱいいるので、ぜひぜひ次世代スターに1場面まるごと与えてあげてほしいわ。スターが多いほうが見てて楽しいから(自分勝手な理由でごめんなさい)

ついでに、プログラム。
確かに劇団は今年から「入団順に並べます」と宣言されていた。だからってプログラムまでその通りにすることは無いでしょ。プログラムはスター順でいいのよ~。
楊さん、舞美さん千咲さん。その次は翼さん椿さん登堂さん唯城さんでは?(*超個人的見解です)。虹架さん愛瀬さん華月さん城月さんは、舞台を締め支える大事なスターさんだけど、知名度はあるしファンもいる。いまは真ん中に立つ次世代スターを売り込まなきゃいけないのでは?と。次世代を担う人を目立たせ、初見の方に「あの人かっこいい!なんて名前?」と思わせ、プログラムで「次世代スター」とわかるようにしないと。ついでに、もっと若手さんも、「あれ誰?」と思ったときにプログラムの香盤見て名前がわかるようにしてほしい。と、いらん心配かな。単なる私の希望ですね。

来年100周年で、松竹座2月、新橋演舞場3月、夏に京都南座だっけ。2月と3月の公演は同じだろうから、夏の公演は別にして欲しい。そして全員がこの3公演のどこかに出演できるようにして欲しい。私が全員を大きな舞台で見たいのよ。あ~なんか希望ばっかり。

いろいろいっぱい書いたけど、見ごたえは有ったので、新橋演舞場も見に行く。次も上から見たい。
さて観劇週間は終わり、しばらく仕事します。



nice!(3)  コメント(2) 
共通テーマ:演劇

nice! 3

コメント 2

toshi -k

洋舞の通し公演はジャズダンスカンパニーの発表会のノリでしょう。
洋舞にしてもジャズ・ラテン・タップ・クラッシックバレエ・ラインダンスとジャンルの違う踊りが入っていないとレビューとは言えない。

「夏のおどり」を名乗るなら松竹直営の松竹座公演なら日舞がないとグランドレビューとは言えないです。

OSKは「ダンスのOSK」を標榜するなら場面を飾るスター群がいなくてはならない。
全編楊琳一色の構成演出は良くないと思います。

しかしコロナ禍「夏のおどり」公演実現は、はおめでとうございます
by toshi -k (2021-06-20 13:37) 

えりあ

やっぱりOSKのショーなら日本物も見たいですね。
小劇場公演が1年半ひとつもできてないから、スターが作れてないのが厳しいのでしょう。

とはいえ、平日のみとはいえ公演できてよかったです!て書き忘れてたのに気づきました。ありがとうございます。

by えりあ (2021-06-20 22:23) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。