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宝塚花組「A Fairy Tale -青い薔薇の精-/シャルム!」 [観劇感想(宝塚)]

宝塚花組「A Fairy Tale -青い薔薇の精-/シャルム!」
2019年8月25日(日)11時 2階14列センター
2019年9月8日(日)11時 1階17列センター

花組公演、結構好みでした。お芝居はタイトルからして妖精さんのお話で、幻想的な雰囲気満載ですが、ショーも同様に妖しく幻想的で、明日海さんと花組の魅力を引き出すような作品に感じました。

植田景子先生作品のわりにはヒロインの扱いが良くてよかったし(失礼)、衣装もセットもとても美しく、それだけで楽しめるくらい綺麗。何より装置が豪華で美しくて、薔薇の園とか精霊界とかが感じられる。ロンドンの商社ですら美しい。松井るみさんの装置は見ごたえあるわ。衣装もどれも素敵、人間界のほうが好み。19世紀の英国は宝塚で舞台化するのにぴったり。

稲葉先生のショーは、セットを見ただけで「ああ稲葉作品」とわかるような円盤が上空に位置している。バウじゃないのであまり仕事していないが雰囲気を醸し出していた>円盤。衣装の8割くらいは好みだし、男役群舞がどれも素晴らしかったので、気に入りました!

これは何回も見たい!(と思う。映像を待つ)


201908花青薔薇.jpg

三井住友VISAカード シアター
Musical
『A Fairy Tale -青い薔薇の精-』
作・演出/植田 景子


植田景子先生って、妖精とか好きだよね。デビュー作の安蘭さん初主演バウも確か薔薇の精役だった気がする。朝海さん退団作品も堕天使役。主演が妖精さんというパターンが大変印象に残っている方。(もちろん違う作品も多いが、主演が妖精という作品がほかにあまり思いつかない・・小池先生の「PUCK」くらい?)

明日海さんの妖精はビジュアル~似合っていて幻想的に美しかったし、年を取らない彼の傍で年を重ねるヒロイン・シャーロットの華さんは芝居ができるから、少女後期から老女までをきちんと演じていた。華さんはお顔も可愛いし、個人的には幼女時代から彼女が演じられると思うけど、役不足だから幼女・少女前期と2人も別人を置いたのかな。成長して華さんになるのが納得に可愛かったけど。特に少女前期の方、大人っぽい美人だった。その華さん、成人後のシャーロットを見て、実は大人の女性役も似合うのでは?と思った。美人だしこれから楽しみ。そのシャーロット3人に、薔薇の精霊にも白薔薇時代役がいたくらいで(笑)役が全然足りてないのか、花組にスターが多いのか。

物語を動かすのである意味主人公ともいえる植物学者ハーヴィーに次期トップの柚香さん。とても目立つし能動的で主役クラスに良い役で、次期トップに相応しい役だ。妖精ではなくて19世紀英国のノーブルなロングジャケット衣装が大変美しくてよかった。彼の部下マシューの帆純さんが大変大きな役でびっくり。このヴィッカーズ商会、社長の瀬戸さんをはじめ社員の顔面レベルが高くて、採用ポイントに「顔」も高得点で入ってるだろ!って思った。何となくだけど数字に強い秘書ベン氏(綺城)あたりが「美しい花を育て販売する会社ですから、美しいものしか社内に入れません」とか言って厳しく面接してそう。
だからもし見えていたとしても、有能で美しい青薔薇の精さんたちが大量に社内に入っているのを冷静に許容してくれそうだ。アドバイスも有用なうえ給料も不要なので、社長も大歓迎するだろうしね。ハーヴィ一人でうろたえてそう(笑)

過去編の登場人物あまり出番がなくて、ほとんど亡霊のような出番でした。シャーロットの両親、特にお母さまフローレンス夫人・城妃さんと庭師のニックの・水美さん。この二人は象徴的に各場面で亡霊してる。白薔薇と幼女・少女前期の3人も一緒に。美しいウィングフィールドの薔薇園の象徴であり、エリュとシャーロットの幸せな時代の象徴でもあるニックとフローレンス夫人。ニックはハーヴィと庭=エリュを繋ぐ役目も持ってるからさらに役割が重い。直接はどちらとも会話はないけど。あとはシャーロットの辛い時代に出てくる夫と継母。どんな時代もずっと一緒の優しい乳母が、老女時代にはいないのが寂しい。(年齢的にも他界している可能性が高いが、一言欲しい)

妖精さんグループでは、王様と双子の空気の精の2人が目立つくらいであとは集団行動。鳥の精(飛龍)が鳥っぽくて目立ってた。
なにより、人外の存在でありながら、人としても登場し重要な役割をする「レディ・ミステリアス」乙羽さん。彼女が影の主役というか黒幕というかすべてを握る人。最初と最後、要所に登場し、場面をかっさらう。ただでさえ美声で場面を持ってくのに、役割まで大変重くて上手くて影の主役・ヒロインレベル。素晴らしく良い役でした。
彼女同様、猫のトムもまたすごく重要なアイテム。茶トラ猫で、これは明日海さんの愛猫おこげちゃんですね(笑)目を閉じたりして動くの、可愛い。


景子先生の作品では、たいていヒロインがろくな目に合わない。今回のシャーロットもあんまり幸せじゃないけど、それでもシャーロットは数々の綺麗なドレスを着せてもらい、貴族のお嬢様から金持ちの奥様、王室所縁の有名人になっているので、景子作品のヒロインでは破格の待遇では!と感動した。
(どうでもいいが、本作と結構似ている「堕天使の涙」という朝海さん退団作品でのヒロイン舞風さんの扱いはひどかった。衣装も役目も。舞風さんは芝居が得意じゃないし、ドレスの似合う美人タイプではなかったけど(ショーダンサーだった)、トップ娘役退団にあれでいいの?と思ったもんだ。あの時も翻弄される人間役の水さんの母親役が影の主役だったような。それを思い出しつつ、「青薔薇」は後味悪くないし、幻想世界は綺麗だし、良い作品やん!!と私は気に入ったのでした。


薔薇の精エリュElu de la Rose(明日海 りお)
[自然界の掟を破った罪ゆえ、青い薔薇の咲く禁断の園に生きる薔薇の精霊]
という説明がありますが、シャーロットの幼女時代に出会って好きになり、その後ずっと傍で彼女を愛し続けてきた精霊さん。「エリザベート」のトートと違うのは、相思相愛だったこと。だから忘却の粉をかけて自分のことを忘れられてしまうのが嫌でそのままにずるずると掟破りをしてしまう。その間、彼女のほうが去ってしまう!というアクシデント付き。それでも忘却させない。そのために森の仲間全員を楽園から追い出し禁断の園の住人にしてしまう。(でも全然非難されてないよね。精霊さんたち心広い)。
その後、思うところがありやっぱりこのままではいけないと、廃墟の庭にやってきたハーヴィに目を付けてシャーロット探しを依頼。このときの出会い、なんでいきなりハーヴィ?、ニックのにおいでもしたのか?と思った。
と書いていくと、かなり想いを引きずるタイプの我儘な王子様ですね。さすが薔薇の精。ラストは老女になったシャーロットと再会し愛を確かめる。協力者ハーヴィと二人に忘却の粉を無事かけて、もとの白い精霊に戻れました。一応ハッピーエンド。
このまま終わったら「貴方の優柔不断とわがままで、シャーロットの人生狂ったのでは?なのに粉振りかけてもとに戻って、すっきりした!で終わり???」と非難したいところですが、光の女王様の粋な計らいでシャーロットにもひと時の幸せな時間を与えてくれましたのでよしとしましょう(エリュは最初から最後まで我儘でしたねー)
ラストシーン、明日海さんだけ退団だから仕方ないけど、一人で光の中に消えていくのもな~このパターンなら、若返ったシャーロットも一緒に消えるほうが良いと思うのだが。現実のシャーロットは幸せな表情で他界するかもしれないけどさ。そのほうが幸せな結末に思える。この後シャーロットは本格的に過去と決別して生きていくことになるのだから、ちょっと可哀想な気がした。景子先生はいつも最後の最後のシーンでぶち壊すから。これも定番かも。
と文句を言いつつ、エリュは美しかったので目の保養。我儘で尊大で、シャーロットやハーヴィの人生振り回したけど。それでも彼なりに誠実だったように思えんこともない。白より青のほうがかっこいいなあ。役柄のせいであまり派手に衣装を変えられなかったのが残念。最初から最後まで精霊だから仕方ないけど。


シャーロット・ウィールドンCharlotte Wheeldon(華 優希)
[英国上流階級の出身ながら、田園を愛し、想像力豊かで自由な心を持つ女性]
景子先生にしては綺麗な衣装を着せただけまし!ですね。あと幸せな幼女時代もあったし。母が亡くなってからは不幸の連続。ただね。この不幸も彼女次第では幸せに替えられたと思うので、なんとも言えない。少女時代の幸せな夢に縋って、厳しい現実を受け入れずに拒否していれば、そりゃ不幸になるってもの。若いころは夢見がちで少女のような妻が可愛くても、ずっとそれで心を閉ざされたままでは夫もやってられんわな。結局子供もいないし、離婚されて事故にあって、その後どうやって生きてきたのか。本を書いてそれで生きていくまでに数十年ありそうなのですが、彼女が人間的に成長したであろうその大事な場面が丸ごと抜けていて、一言の説明もない。が、過去の景子先生ならここで転落して野垂れ死にさせてそうなので、光刺す場所まで這いあがってきた、きちんと生きてきたシャーロットは強い意志があったと思いましょう。
華さんは少女から足の悪い老女まで、天真爛漫な大人になりかけの少女から母を亡くした少女、友達もいない孤独な学生、不幸な結婚生活に苦しめられる夫人、そして何かを悟った老女まで、見事に演じていたと思います。ラストシーン、老女の化粧が甘い?と思ってたら予想通り若返りましたし(笑)。話し方や態度はちゃんと年を取っていったし、内面の葛藤や現実逃避が見えたので、結構共感しそうになってしまう。可愛くて夢見がちな少女が似合うけど、苦悩の人妻や悟った老女も良かった。芝居が素晴らしいジェンヌさんです。次からも期待。


<ヴィッカーズ商会>
ハーヴィー・ロックウッドHarvey Rockwood(柚香光)
[庭師の叔父の元に引き取られて育ち、植物学の研究で世に認められる]
ヴィッカーズ商会の中では結構なやり手さんなんだろうか。部下もいて権限ありそう。彼も「時は金なり」とか素晴らしい標語を掲げる社長の元、ちょっと植物を商品と見ていたことを反省するような行いがあったようだ。なのにエリュが彼を選んだというのはやはりニックのにおいがしたからとしか思えない。7歳の時に孤児院から引き取られた、と言っているのでニックは兄弟とは連絡が取れてなかったのだろうか?あのニックなら、両親を失った甥を孤児院に入れないと思う。ここ、ちょっと謎。
叔父ニックのもとに引き取られてから、ニックと一緒にどこかのお屋敷で庭師親子として暮らしていたのだろうか?だからハーヴィも植物を愛し声を聴くことができるようになった?・・・とこの辺り全く謎のままだった。ウィングフィールド屋敷を出たニックと子ハーヴィの場面が皆無だから。一場面でも欲しかった。これがないからエリュがハーヴィを選んだのが唐突に思える。役少ないんなら子ハーヴィいてもいいのにね。
エリュに翻弄されるハーヴィが可愛かった。彼にしか見えない精霊集団に会社でからかわれている場面も。ラスト、彼とシャーロットが会話する場面はなかったが、エリュのことを話す場面があっても良かったと思う。お互い唯一の語り合える相手なのに。(時間が足りないね)。


マシュー(帆純 まひろ)
ハーヴィの直属の部下みたいな感じで、ずっと一緒にいる。シャーロット探しを探偵に依頼したり、結構な場面とセリフがある。大変美しく目の保養だ。が、芝居は今一つなのだろうか・・・。セリフの間とか、言い方とか、感情の伝え方とか。帆純さんを見ていると、芝居の出来が大変もったいない。とても美しくて好みなので、出番が多くて嬉しいけど、これではお芝居で主要な役を見るのはつらいなあ~って思ってしまったので、頑張っていただきたいです。

オズワルド・ヴィッカーズ(瀬戸 かずや)
ヴィッカーズ商会の社長。お鬚が似合ってとってもカッコいい。迷いがない!信念がある!新しい時代を作るというパワーに満ちている。とてもエネルギッシュな良い男だ。エリュもハーヴィも葛藤や迷いが多いし、ニックも秘めた思いが読めるので、何の迷いも曇りもない社長を見ているとすがすがしい気分になる。間違いなく時代を象徴する男だ。
美形の部下を多く率いて、商売繁盛で大変楽しそうだし。王室の要望に応えたので、今後も商売繁盛間違いなしですね。こういう力強い男も似合いますね~瀬戸さん。「ポーの一族」の男爵もだけど、ダンディなオジサマが素敵。こういう人が組に一人いると話の幅が広がるから嬉しい。

ベン(綺城 ひか理)
常に社長の傍に控え、社長のどんな質問にも即答。計算も強いし、大変力強い秘書。秘書というより片腕ですね。いわゆる上場企業の社長室長って感じ。神経質そうで切れ者らしい表情が魅力です。イケイケどんどんの社長の下にこういう緻密なNo2がいると会社は繁栄するのですね!と思いました。


ケヴィン・グリフィス(優波 慧)&ネリー・グリフィス(春妃 うらら)
妻子持ちの社員。平民だけどちょっと階級上の妻をもらって、頑張って働いているところ。妻と二人の子供が職場に差し入れに来ていた。「誰かのために頑張って働く」を体現して見せて、エリュを覚醒させた人。エリュ・・今まで知らんかったのか?と突っ込みたかった。
善良そうな市民語り合えるの家庭という感じで、とても良い夫でありお父さんでした。


ディビット・ブラウン(航琉 ひびき)オリヴァー(和海 しょう)マイク(一之瀬 航季)ブライアン(希波 らいと) ヴィッカーズ商会の社員の方々。あの社長と秘書の元、頑張って働いてる。社長のことが好きで、植物も好きという感じが伝わってくるので、あの標語の割には、良い会社だと思う。個別の役割は把握できなかった。ごめんなさい。


<その他現代人>
馬丁(澄月 菜音)
ウィングフィールドを案内している人。たくさんの情報をハーヴィに与えてくれる。かなりの重要人物だと思う。

Mr.ディケンズ(冴月 瑠那)
探偵さん。マシューの知り合いらしいが、あの作家ディケンズの親戚とか言っているが、会話を聞いてると全然関係なさそう。(この場面も、マシューとの会話はもっと場をさらって笑えそうな場面なのに、蛇足のように流れちゃってるのが残念。帆純さんも冴月さんもお芝居得意じゃないのか。)ともあれ、ちゃんと仕事はしてくれる有能な人物。


<ウィングフィールド屋敷/幸せな記憶>
ニック・ロックウッド(水美 舞斗)
お屋敷の庭師。伝説の薔薇園は彼の手になるもの。なんとなく扱いが「伝説の凄腕庭師」って感じで、エリュたちは特に何も言わないけれど、彼の功績を認めているような?だから彼の血縁であるハーヴィを選んだのではないか。(それ以外に理由がないし。逆に考えるとニックの甥で教えを受けた男だからハーヴィを選んだ、ってことはニックが凄腕庭師だったから、としか思えない)。幸せなお屋敷勤め時代もほとんどセリフがないけれど、視線やしぐさでいろいろな感情を物語っている。水美さんは以前も口のきけない役(邪馬台国)をしていたなあと思い出した。芝居が深いのですね。
一番語っているのは、フローレンス奥様への愛情。かなり危ないところまで愛しているようだが、奥様がよろめかなかったので、健全なままの敬愛で終わった。このエピソード必要なの?と思うが、ニックが夫人を愛しているのはひしひしと伝わってくる。(こんな本筋に関係ないエピソードより、ニックと子ハーヴィのエピソード入れてよと思うわ)。
彼は口数少ない職人だったんだろう。植物への愛情も目で語るしかない。何度も出てくる重要台詞、ニックが語ったという「精霊に愛された庭は云々」は、ニックのセリフになかったような気がする(→確認したら、あった!!エア子ニックに語り掛けていたわ)。周りの人が彼のことを語りまくるが、自分は何も語らない(台詞ない)という難しい人物ですね。優しく愛情深そうなニックを見ていると、こういう水美さんいいなああと思える。あまり煽らない役がイイな。

フローレンス・ウィールドン夫人(城妃 美伶)
シャーロットの母。慈善事業で伝染病をもらってきて死去。彼女の死後、一家が不幸になる。家まで没落することを考えたら、彼女が実質ウォールドン家を経営していたのかもしれない。優しく慈愛に満ちた優しい夫人。ニックを敬愛していても、男女の愛は全くなかった。夫人は少しもよろめかなかった。植物を愛し絵を描く奥様にしては、少々化粧が濃いような気がした。もう少しナチュラルに素朴なメイクと衣装で良いのでは?と思うのであった。
城妃さんはこれで退団。最初の方で亡くなりあとは亡霊として佇むのみ、という役はちょっと残念。芝居ができる人だと記憶しているので、最後にもっと出番がほしかったかな。物語的には、ニックと双璧の象徴の役でした。

メアリー・アン(芽吹 幸奈)
シャーロットの養育係。と書いてあるけど、お嬢様がお嫁に行く時も同行しているし、乳母か侍女では?優しく厳しくよい教育係だったけど、お嬢様に「他人を思いやること」を教えきれなかったのが残念な。あんなに頑ななら、継母も夫もそりゃ嫌気がさすってもの。実母とともに失われた世界を美化しすぎた。屋敷の庭とエリュとの思い出を忘れられないどころではなく、さらに美化していくのだから、そりゃ汚い現実に勝ち目はない。やはり忘却の粉は大事だ、と痛感した。あの優秀そうなメアリー・アンでも対応できなかったくらいだから。ラストシーンは不在だったので、シャーロットの年齢からして、メアリーは鬼籍に入っていたんだろうと思う。でも、ひとこと彼女のことにも触れて欲しかったな。


エドモンド・ウィールドン子爵(紅羽 真希)
シャーロットの父。母亡き後、事業に失敗したのか家計を苦しくして、シャーロットを成金に売り飛ばした。派手な後妻がいたが、押し切られた感がある。いろいろ意思の弱い方なのだろう。やはりフローレンスが実質当主説が力を持つな。最後は後妻の言いなりだったので、娘から嫌われて絶縁状態のようだったね。良くも悪くも貴族の紳士でした。ヴィッカーズ商会の社長のようなエネルギーがないのよ!

白い薔薇の精(聖乃 あすか)
罪を犯す前のエリュ。だから白い薔薇。大変美しいです。一言もしゃべりませんけど。

シャーロットの幻[9歳]都姫 ここ
幼少時代のエピソードはすべて彼女が担当。とても出番が多く大きな役。華さんがそのまま演じてもよさそうなのに、あえて別人。しかも新人公演ヒロインとは、花組期待の娘役さんなのですね。可愛くて芝居も良かった。5歳くらいに見えたけど。

シャーロットの幻[11歳]美羽 愛
少女時代前期まで別役者必要!?と驚いた。でも美人。華さんと似た雰囲気で、大人の女も似合いそうな美人。先が楽しみですね。

<シャーロットの過去/辛い記憶>
ギルバート・カーライル(羽立 光来)
シャーロットの夫。鉄鋼成金で平民からのし上がりました感が素晴らしい。スケベ髭の下賤な中年成金男を作ってました。あれほど(ヴィッカーズ商会や精霊界に)いる若手イケメン男役軍団を差し置いて、ヒロインの夫役を射止めるとは、さすが羽立さん。並び立つだけで違和感のある夫婦、キャスティングの計画性に感動。シャーロットの不幸な結婚生活を表現する見事な夫役でした。

愛人(華雅 りりか)
ギルバートの愛人。大変色っぽい享楽的な美人で、おそらくギルバートと同じ階級出身で、価値観も合っていそう。一場面だけの出番でしたが、愛人の男と、その本妻に対する態度が見事で印象に残りました。

イヴリン(真鳳 つぐみ)
シャーロットの父の後妻。彼女も平民出身かな。子爵の後妻を玉の輿だと思っていそうだった。上流出身で堅実なフローレンスとは全然違うタイプ。多分家の財産をかなり使ったと思われる。全く懐かず蔑んでくる可愛くない継子なんて、成金に嫁がせるのが一番効率的よね。シャーロットの心の恋人が人間だったら、駆け落ちされていたかもしれないけど、エリュには無理だったので、イヴリンの思い通りになりました。策士!


<精霊>
ディニタス(高翔 みず希)
樫の木の精と言っていたので、開発工事を邪魔したのは彼でしょうか? 最初からずっと登場していますが、エリュに注意をするものの実力行使もしないし、特に何もしなかったような気がしていた。けど、実はひそかに呪いを実行していたのですね。精霊たちの王様みたいですが、実際の王様はエリュなので、ディタニスは執事みたいでした。

クラルス(白姫 あかり)アウラ(更紗 那知)
ディタニスの傍にいる双子の空気の精。風になって遠くまで調べに行ったり、なかなかに行動力がある。でも探偵には負けていたけど。精霊のなかでは目立つ存在です。

ウィルトス(飛龍 つかさ)
鳥の精、「勇気」の意味を持つ。歌う精霊ということで、一番に出てきて歌いだすので精霊のリーダーみたいだ。飛龍さんの力強い容姿は、精霊になってもエネルギッシュで目立ちますね。鳥っぽい髪型が可愛い。


<謎の人>
Mysterious Old Lady[謎の老婆]美花 梨乃
ウィングフィールドにいて、いろいろ謎の言葉をハーヴィに投げていく人。馬丁もいい仕事してますが、老婆はさらに謎っぽい。結局、彼女の正体は分からないまま終わった。一瞬、レディ・ミステリアス?と思ったけど別人だった。でもレディが連れていた小鳥は、謎の老婆の杖の先にいた鳥よね?謎だ。

Mysterious Lady[謎の貴婦人]乙羽 映見
最初に幕開きから登場。超美声で歌いまくる。そして途中は、レディ・ミステリアスとして物語を動かす。ヴィッカーズ商会へ庭の回復の仕事を持っていくのだ。「フェアリーテール」出版についても、彼女がかなり手を貸していると思われた。シャーロットの謎の数十年を見てきたのは彼女では?と思う。面倒見が良くて、視野の広い偉大な方。本作中一番の権力者。
ラストシーンでは正体を明かして、粋な計らいを。そして最後まで美声で歌いまくり。(最後の最後はエリュが歌ったけど)。すごい大役で影のヒロインです。歌が上手いと思ってましたが、歌も芝居もいいですね!前回今回と大量に娘役さんが退団した花組で、これから組を支えていく娘役さんでしょう。→と思ってたら、乙羽さんも退団でした・・花組娘役一気に若返り!?

Tom Cat[謎の猫]おこげ
登場は、シャーロットの幼少時代。枯れた庭にも、謎の老婆と登場(声のみ)。その後、レディ・ミステリアスと一緒にヴィッカーズ商会にも登場。ここの場面が一番出番が長いかな。よく見ていると、なでられて目を閉じたり開けたりしている!
シャーロットの幸せ時代の思い出として、トムの名前を記憶し使っているくらい重要人物。結構なキーマン(キーキャットか)。数十年も「野良猫トム」とされているが、その正体はレディ・ミステリアスの猫ではないかな。長生き過ぎて確実に化け猫になってる。でも女神さまの猫ならまあ、当然。キャスティングは色合いから見ておこげちゃんでしょうね(笑)


レヴューロマン
『シャルム!』
作・演出/稲葉 太地

全体的に優雅で耽美で、明日海さんに似合いの雰囲気。男役群舞が何度もあってどれもかっこ良くて、私はかなり気に入ったショー。装置はセンスいいし、衣装も8割くらいは綺麗で好き。何度も見たいです(無理だけど)。
ショーでは、明日海さんは華さんより、柚香さん、瀬戸さん、水美さんといるほうが多かったような気がする。この3人が男役でも「スター」扱いで別扱いだった。


第1場 パリ午前零時
最初に魔女っ娘フルフルと地下オタク・カタフィル6人組が出てきて、それがトップ娘役(華優希)と新人公演主演クラスの若手男役集団(優波慧・綺城ひか理・飛龍つかさ・帆純まひろ・聖乃あすか・一之瀬航季)と知って、びっくりした。無駄遣い・・いえ有効活用?この衣装のトーンで全編進んだらどうしよう?と不安になったけど、違ったので良かった。ここだけだった、気に入らない衣装。なんで華さんにあの衣装?ブリブリより大人っぽいほうが似合うと思うのに、あの役はもっと若手娘役に振ったほうが良いと思うなあ。ところで華さんより下級生のヒロインクラスの娘役って?(シャーロット1・2でいいよね)
男役集団も、あの衣装は現代もの過ぎて・・・いや私の好みでないだけだけどさ。

第2場 孔雀一夜
地下に入ってやっとゴージャスな暗黒世界!明日海さん登場。孔雀の羽が効果的に使われていて綺麗。稲葉先生の円盤が宙にあり、世界観が出てる。妖艶で綺麗な衣装とセットだ。
紫と黒の衣装が綺麗だった。地下へ降りて行ったはずの6人も衣装変わってるし(笑)

第3場 地底の歓び
瀬戸さん経営のキャバレー。ウエイターに羽立さん。店の踊り子さんは城妃さんを筆頭に寄赤っぽいアニマル柄の衣装のお姉さんたち。地下に降りてきたオタクたちが翻弄される。翻弄されて楽しんだ後、瀬戸支配人に「支払いは現金で」と言われて逃走。食い逃げやん!と羽立さんも逃走防止しようとするが、結局6人は穴から逃げました。

第4場 美しき男
水晶みたいな背景に、黒服赤スカーフといういでたちの男たち。明日海さんだけ赤(だったと思う)。男だけの世界で、その総踊りが凄く妖しくて綺麗でときめいた~素敵~!

第5場 地底の舞踏会
光る可愛い骸骨が踊る。操ってるのはあの6人。華ちゃんの銀橋ソロあり。声も音程も良いので、もっと声量あったら素敵。頑張れ~って思った。
舞台ではカンカンの女性たちがいて、一緒に踊る。両端が階段で芽吹さんと羽立さんが歌う。安定してますね。
そのまま同じ場らしいのだけど、本当の舞踏会。水美さんが正統派肩掛け付き白軍服で銀橋登場。城妃さんも白い宮廷風ドレスで登場。本舞台は同じ衣装が勢ぞろいで、夜の大舞踏会へ。全員城のゴージャスな衣装で何と豪華な舞踏会。明日海さんだけ紫の軍服。こちらも胸トキメク貴族の夜会でした。

第6場 地底の恋人
いきなりレジスタンス。戦士が柚香さん、恋人が華さん。柚香さんと仲間たちは、女も戦闘服で銃を持ってるけど、華さんは全然戦う気のないワンピース姿。若手男役軍団がレジスタンスで踊る。華ちゃんうっかりやってきて撃たれる。そりゃ撃たれるで・・という展開で。しかも柚香さんは連行されるし。死んだ華ちゃん放置。

第7場 明日へ
そこへ光の精の水美さんが登場。なんとダンスで華ちゃんを生き返らせる!(この衣装は、シャイニングリズムの光の場面の衣装だな~って思ったので)あと二人、光の精登場。
蘇った華ちゃんを、明日海さん光の王様が迎えてEND。あれ恋人は???

第8場 光
全員が白い衣装で、順番にトップ明日海さんと踊る。退団の場面だ。いいなあこういう場面は。

第9場 パリ午前7時
瀬戸さんが銀橋でソロ。かっこいい。頼りになるイケメンダンディでいいねえ。瀬戸さん、なんかこの学年にして歌上手くなったような気がする。すごいなあ。

第10場 夢
大階段登場、明日海さんとピンクのドレスの娘役さんたち。一人ずつ絡んで踊る。華さん登場、デュエットダンス。良かったあったよ~やっぱり最後にデュエットダンスをする明日海さんを見たかったのだ。

第11場 魅力
シンプルな黒燕尾。明日海さんもシンプル黒燕尾。退団の時はこれ!さすがだ。
総踊りがまた素晴らしくカッコよくて惚れ惚れした。その後、明日海さん一人残り、水美さん、瀬戸さん、柚香さんが、一人ずつ絡む。つまり舞台には常に2人。最後の柚香さんのときに、背中を押すしぐさがあり、引継ぎだな~と浸れる。この3人に次の花組を託すんだって感じだ。(だが舞台を去るのは柚香さんで、明日海さん一人が残るのだ。)
そして明日海さんのソロ。「ケ・サラ」を歌う。いい声だ。ほんと歌が素敵。CD買ってしまうだろうな、今回も。

パレード
エトワールは芽吹さん。副組長1作ってどんな事情があったのか・・美声の女役で活躍を期待していたのに残念です。そして飛龍さん&聖乃さん&帆純さん。期待の若手トリオ。帆純さんは見るたびに早霧さんに見えて仕方ない。歌は早霧さんより好きだけど芝居が・・頑張ってくれ~お願い。優波さん&綺城さん。綺城さん星へ異動ですね。堅実でまじめな印象なので、星のイメージと合わないけど、新しい魅力が出るかな。今回退団の城妃さんが一人で。昔はトップ以外の娘役も一人おりがあったけど、最近は見ないから驚いた。素敵な娘役さんだったね。水美さん、瀬戸さんと続く。この二人は肩羽根付。そのあと娘役5人くらいで歌無しで降りてきて、大羽根の柚香さん。大羽根の華さん。歌頑張って~が続く。華さんはあと声量だけだと思うの。そして明日海さん。やっぱりいい声してる。美しいだけじゃなく歌も声に艶があって好き。伴奏と違うメロディを歌えるのも、今では明日海さん(と望海さん)くらいなので、最後に堪能出来て嬉しかった。

このショー好きだな。何回も見たい(無理)。



明日海さんの客席降りの場面。今日は月組組長・光月るうさんとトップコンビ珠城りょうさんと美園さくらさんがご観劇。私の記憶で翻訳したものを書きますね。
明日海さんは正面に立ち、「そこにいるのは珠城りょうさんでは!」から「どちらのご出身ですか?」と質問された。
席が後方だったので珠城さんの答えは聞こえなかったんだけど、明日海さんが「はあ?愛知県とか言ってるんじゃないよ!そこは Im from AUSTRIAっていうんだよ!こんないいネタ振りないよ?」と遠慮なく言って、「皆様、月組 I’m From AUSTRIAをよろしくお願いします!」とうまく絞められた。月組での先輩後輩という関係と、珠城さんの朴訥な様子が見えて、客席は爆笑、拍手、大うけしていた。しかし明日海さんが、「ご出身は?」って言ったとき、「あ!オーストリアって宣伝ね」って思ったけど、珠城さん・・・(笑)。「アイムフローム・愛知」もいいかもしれない。舞台をオーストリアから愛知へ翻案したら、リアリティが出てよいかも?そう映画「翔んで埼玉」みたいな感じに(全然違う)
メガネ姿に普通の大学生のような服装の珠城さん、明日海さんに言われてきっと客席で「がーん!!!」となったのだろうなと想像すると、可愛かった。さくらさんはピンクのワンピースで、初デートに行く女子大生みたいで可愛い。近くでみると背が高いね(通路を歩いているときじっくり見た)。光月さんは先導していて、頼りになるお兄さんのようだった。なぜこの3人だったのかは謎。でもラッキー!




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