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OSK サクラ大戦 コラボ「OSK SAKURA NIGHT~夢見ていよう」 [観劇感想(OSK)]

OSK サクラ大戦 コラボ「OSK SAKURA NIGHT~夢見ていよう」
2019年7月24日(木)19:30 1階前方センター
2019年7月24日(水)19;30 千秋楽 1階4列上手

大正時代の帝国歌劇団と、大正時代のOSKがコラボするというストーリー。
ちゃんとお芝居仕立てになっていて、しかも劇中劇もしっかりある。
脚本がしっかりしていて、役者にも力量があるからか、普段より現実に近い危うい架空の世界が絶妙に構築されていて、すごく楽しい。なにより、歌劇の舞台に本物の男性がいるのに、違和感がない。その塩梅が絶妙。「男役・娘役」という幻想の存在が、存在しつつも現実世界への壁を薄くして上手く融合しているような、そんな気分。
現実世界のほうの男性も、ミュージカル俳優さんのように歌って踊れる。オジサンなのに。張りのある美声!!

劇中劇が本格的過ぎて、素晴らしい。最初から最後まで見たいやん!!って思った。
楊さんかっこよすぎ、なんてスタ―なの!?昨年主演し続けたことで真ん中力が倍増しましたね。翼さんも頼もしくて立派に真ん中が務まるスター。そろそろ2時間物の芝居で主演が見たい。本物の男性に混じる男役が特に目立っていました。

本格的な劇中劇、その前後もしっかり芝居仕立てで本当に凝っている。そして楽しい。
第2弾を期待したい。本当に楽しかったです!!!

201907sakura.jpg

OSK SAKURA NIGHT ~夢見ていよう~
【作・構成】広井王子
【演出・振付】麻咲梨乃
【出演者】舞美りら・翼和希・千咲えみ・椿りょう・朔矢しゅう・登堂結斗・由萌ななほ・羽那舞・凜華あい・雪妃詩・結菜ほのり・京我りく・蘭ちさと・知颯かなで/楊 琳(特別出演)
<「サクラ大戦」より>横山智佐・園岡新太郎・西村陽一・Velo武田・内田直哉・螢雪次朗
※日替わりゲスト(7/13~16)高乃麗、(7/17,20)井上喜久子、(7/18)日髙のり子、(7/19)田中真弓


幕が開く前、幕前に超派手な掃除のおじさんの格好をした原作者の広井王子さんが出てきて、観劇のやり方を説明してくださった。

201907サクラナイト広井.jpg

撮影していいよ!練習に撮ってと言ってらしたので。

写真や動画を撮影してはいけない理由を、納得できる理由で説明してくれた。曰く。「なんで写真撮っちゃいけないっていうんだよ?おかしいよな?販売スチールが売れなくなるっていうけど、そりゃないよ。だって販売写真より撮れるはずないじゃん。それより、悪いなって思って余計に売れると思うんだよな。写真撮ったら役者の気が散るってのは、役者に力量がないからだ。今日の役者は力量あるから大丈夫だ。でも動画はだめってのはなんだかわかるか?写真は一瞬手を挙げて取るだろ?でも撮ったらすぐに下げるから後ろの人の邪魔になんねえんだよ。動画はずっと上げてるからダメなんだ。わかったか?」とビートたけしのようなしゃべり方で、説明してくださり、大変納得できたのだった。
ま、私は写真撮りながら舞台を見れないので、最後の「桜咲く国」くらいでいいです。役者じゃなくてこっちの気が散るんだわ。ということで、撮影OKの「桜咲く国」と広井王子様の写真は撮りました。
あと、掛け声のかけ方、拍手のやり方。実演付きで楽しく説明してくれて、その説明自体が凄く楽しい。幕が上がる前から、盛り上がる客席。

盛大な拍手で幕が開いたら、階段にスタンバイするOSK劇団員。楊さんを除く全員で踊るのだが、これがスタイリッシュでかっこいい。これぞ歌劇!
さくらさんが花道から登場し、1曲歌う。サクラファンの方は掛け声と拍手が完璧だ。
歌劇ファンな私(と周囲)は、通常の観劇で掛け声をすることが皆無なので、どうしても気後れしてしまう。ほとんど声かけられなかったわ、、、拍手は頑張ったけど。サクラファンの方って、タイミングもばっちりだけど、声がいい。腹から声が出てるものね。すごい。

そして真宮司さくらさんと、OSKの夢子さん(舞美)たちの会話が続き、ダンディ団が合流。早速のコラボ。ステッキダンスを着物のままちゃんと踊るさくらさんにも驚いたけど、初コラボかっこいいやん・・と思った。すると次がもっとすごい。
ダンディ団と翼さん、朔矢さんと京我くん。3対3だ!ダンディ対決。このコラボが一番衝撃もあり感動した。翼さんの歌、すごいよ。真面目にミュージカル男優さんと歌って遜色ない。見事な低音を響かせていた。両側には朔矢・京我。京我さん大抜擢だけど、ダンスきれいだし大人っぽくなって、しっかり男役らしくなったね~

コラボ~!と盛り上がるところへ、OSKトップスターの日立昇(楊さん)登場。さくらさんが「素敵・・♪」となっている様子がとても可愛い。大正時代の女子だって、男装の麗人には、うっとり憧れただろうって感じ。
日立さんが入って、さらに盛り上がる皆様。もとは浅草の歌を京都バージョンにして、おいしいモノをうたった歌。お腹すくね。
途中、劇作家の先生が場を繋ぎながら解説してくださるのもわかりやすい。素敵な場面転換だ。
で、第2部という設定で、劇中劇が始まる。

『愛ゆえに』というタイトルの、フランス革命を舞台にした身分違いの恋愛もので、一見「ベルばら?」と思うが、実は全然違ってかなり凝ってる。短いのに、設定やら人間関係やらよくわかる(いうても「ベルサイユのばら」がベースだからだろうなあ)でもストーリーは結構本格的で、ロミジュリ要素も入って素晴らしいのだわ。決してベルばらのパロディなんかじゃない。お客さんに設定を分かってもらいやすくするために、似た感じの名前を使ってるだけとしか思えない。「ベルばら」というより「1789」のほうが近いかな?ストーリーはオリジナルでした。やっぱり最初から最後まで見たいわ。

役名はパロディなのに、芝居はシリアスで本格的。楊さんとさくらさんが主演。
いきなりフランス女王が出てきて「パンがなければお菓子を食べれば」と言い、歌い上げる。このドレス豪華ね。これで時代背景の説明は終了で、あとは革命の時代の身分違いの恋が展開する。貴族で近衛隊長オンドレ役を日立昇、その恋人で平民の花売り娘クリサンチーヌ役が真宮寺さくらという配役で、二人の悲恋が周囲の人々とともに語られる。「ベルばら」とも「1789」とも「M!」とも違って、ロミジュリ的で「これ本当に歌劇で見たい」と思えるストーリー。ほんの短い時間だったけど、引き込まれました。


楊さんはもともとダンスが抜群で芝居も素晴らしかった。そこに歌が格段に上達。真ん中が続いたためか、押出が良くなって堂々たる真ん中の人。スターオーラを感じる。
楊さんトップを翼さんがしっかりささえていて、心配いらない。安心できる2番手。重要な親友役が似合っていて、堂々たるスター。一回り以上大きくなってるね~翼さんも。
男役も、椿さん、朔矢さん、登堂さんがしっかりかっこよくてもう即戦力。京我さん、知颯さんという若い男役に成長が見えて心強い。いいねえ。娘役は、舞美さんは華やかで存在感がある。千咲さんは安定した実力がある。ちょっと地味だから、もう少し華やかさが出たらいうことなし。男役は出番多くて目立ったけど、娘役はあまり役がなかった。中では凛華さんがダンス場面で活躍でしたね。ダンディ団等で組んだりして。

コラボが本格的で本当に楽しかったので、またやって欲しい。東京でやってもいいよね~行きたい!と思うのでした。色物かと思っていたのを心から反省する。
それから、楊さんは主演クラスの出番と役割。こんなに出るなら、ちゃんと「主演」って表記してほしいわ。特別出演っていうから、ちょびっとの出番かと思って、夜遅いし~とあまり見る準備してなかったのに~って悔しかった。紛らわしいのよ。広井王子さんだって、楊さんを主演扱いしていたよね~ほんと。

<OSK>
日立昇(楊琳)
OSKのトップスター(男役)。トップスター兼劇団主みたいな位置づけ。
海中公演出演のため、遅れて合流。劇中劇では主役の貴族オンドレ近衛隊長役。白い軍服が似合うこと!超カッコいい。男装の麗人の典型。これは歌劇の醍醐味だよね。サクラファンの方に、歌劇の男役の美しさとカッコよさを見ていただけたと思う(と偉そうでごめんなさい。でも自慢したかったほどかっこよかったのよ)
一日3公演を連日という超ハードスケジュールのため、後半ちょっと声が出にくそうでした・・こんなハードスケジュールで体を壊さないか心配だわ。去年年末の「円卓の騎士」から「新選組」「春の踊り」と超がつく過密スケジュールの連続だものね。楊さんを大事にしてほしいところです。


花房夢子(舞美りら)
OSKのNo.2,トップ娘役。日立さんがいない間劇団を預かっているらしい。日立さん不在の間、帝国歌劇団とのコラボ企画について、夢子さんが仕切っている。やり手マネージャーという雰囲気で、きりっとしていてかっこいい。
劇中劇では、王妃マリリン・アントワネット。豪華ドレスで出てきて傲慢に歌い、不安気に去るという一場面だけの出番ですが、それまでの生活と不穏な空気を感じさせてくれたので、ちゃんと仕事していったな~って感じです。舞美さんのお芝居も良いわ。


汐月ひかる(翼和希)
2番手男役スター。ダンディ団とダンディで競う。1部のショー場面では男役をまとめ芯となっている。存在感と歌声が素晴らしい。ダンディの場面では、ダンディ団の3人に対峙して、汐月さんと千早さん(朔矢)と京我さん(役名つけてあげてよ)の3人が黒い衣装で踊る。かっこいい!歌も技術的にかなり難しいレベル高いことをしているように思えた。
劇中劇は、近衛隊でオンドレの副官で親友のラスカル。宝塚ファン的には、オスカルは赤、アンドレは青という衣装イメージなので、ラスカル(あらいぐまを連想する)という役の人の衣装が青なのは違和感。副官なので青でいいんだけど。似合うし。なんとなく平民出身に思えるのもベルばらのアンドレのせいだ。多分宝塚ファン以外にはどうでもいいに違いない。オンドレとラスカルの親友感覚が凄く素敵。彼のラストシーン、感動的だったのでもっとじっくり見たいわ。2時間物で上演してくれないかな。翼さんは歌にダンスに、芝居まで素晴らしくうまいと思うのでした。


春名ちづ(千咲えみ)
2番手娘役スター。劇中劇では、クレモンティーヌの妹で革命家の兄に傾倒する。名前があったけど忘れてしまった(ごめん)。敏腕マネージャーの夢子さんを支えてしっかり頑張る娘役さんという感じ。でもちょっと抜けてる?設定。
劇中劇の妹役はすごくかっこいい。革命を目指す兄に心酔し、貴族と恋をする姉を糾弾する。1789のロナンの妹を思い出す迫力があった。


その他劇団員で役名のある方。(大正時代のスターっぽい名前!)
飛鳥清美(椿りょう) 恋人に会いに市中に出かける隊長を呼び返す役
千早すぐる(朔矢しゅう) 冒頭場面だけ宮廷の侍従役を兼務。
高津八重子(登堂結斗) この3人の隊員すらりとしていてすごいかっこいい。
劇中劇では全員近衛隊士役。さらに京我りくさんも近衛隊士。ちゃんと隊士が危なくなったら登場して銃で撃ちまくるとっても良い役なのに、役名がないのが残念。
その他のOSKメンバーは全員革命する市民役でした。

<帝国歌劇団>
真宮寺さくら(横山智佐)
帝国歌劇団のスター娘役、今回の主演女優ですね。劇中劇では平民の娘クレモンティーヌ。声が可愛らしいの。歌はとても綺麗に聞かせてくれました。ダンスも着物でしっかり踊っていた(驚いたけど、「真宮寺さくら」の間はずっとあの衣装なのね・・)。
さくらさんはOSKとのコラボが楽しかったので、帰ったらお願いしますって言ってらした。日立昇さんと初めて会った時の、目がハート状態が伝わってきて、すごく共感する。可愛い乙女~って感じ。

マイケル・サニーサイド(内田直哉)
ニューヨークから駆け付けたプロデューサー。変なガイジンってイメージで楽しいオジサマ。歌が凄くうまかった。歌うし踊るしすごいですね。
劇中劇では、オンドレの上司の将軍役。貫禄あるわあ。

ダンディ・団耕助(園岡新太郎)
ダンディ団の団長。さくらさんのファンの歌って踊れるギャング団。銀座浅草の方なんですね~昔の気のいいギャングって感じのオジサマ。いやおっちゃん。
劇中劇では市民革命家ベルナール。妹が(さくらとちづ)二人いる設定。すっごい歌が上手い。声がミュージカル俳優の歌声なの。芝居もしっかりしていて、OSKという女性歌劇団に入って(しかも市民チームは若手ばかり)違和感のないことに驚く。すごい俳優さんですね。

西村ヤン太郎(西村陽一)&ベロムーチョ武田(Velo武田)
ダンディ団のメンバー。劇中劇ではどちらも革命する市民。ダンディ団は3人一組で、最初の衣装はまるで吉本新喜劇でよくある「東京から来たやくざもん」という感じですが、中身はイイ人で、3人の掛け合いが楽しかった。ダンスも凄く踊ってらした。ありゃ足痛いよね。

金田金四郎(蛍雪次朗)←漢字変換できないっ
妄想作家。帝国歌劇団の脚本を安値で書いてあげている。さすがにご老体なので激しいダンスシーンには登場なし。語りが上手くて、はっきりした声と説得力のある声音に引き込まれるわ。素敵なおじいさまですね。


千秋楽なので主要メンバーからひと言。覚えているだけを書く。
ダンディさん「セリフに「足が痛い」とあったけど、本当に痛いほど練習して大変だった。」
翼さん「楽しかった、またやりたい。明日からないのが寂しすぎる。明日からはゲームやる(翼さん「サクラ大戦」のゲームにはまったんでしたっけ)」
千咲さん「一人っ子なので、(劇中劇で)兄と姉ができてうれしかった」
蛍さん「孫のようなお嬢さんたちと一緒に舞台に立てるなんて、長生きするもんだねえ」
舞美さん「子供のころに踊っていたゲキテイを、舞台でやれるなんて感無量!またやりたい」
横山さん「たのしかった、またコラボやりたいって帰って言います」
楊さん:次は何やりたい?と聞かれて「紅蜥蜴やりたいです!」
紅蜥蜴!私も見たいちゃんとみたい。コラボで2時間もので、劇中劇でやってください。日立昇様!!

終演後に劇場を出るところに、広井王子さんがいた。お客さん一人一人に「ありがとうございました」って握手している。私もしてもらって「すごく楽しかったです」と言えた。「また見たい」って言えなかった。私の言葉足らずめ。「愛ゆえに」の振るバージョンでもいいし、楊さん希望の「紅蜥蜴」でも、どっちもコラボしてください、お願いします!
そうやって直接観客の声を聴く原作者って素晴らしいですね!そりゃよいものを作るはず。「紅蜥蜴」が何か知らないけど、広井王子さんの作品なら見て絶対に後悔はしないはず、と確信できました。

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期待してなかったのに(大失礼)すっごく楽しかった。夜だけというのがつらいわ。昼もやってほしかった・・京都は遠いのだ。

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OSKデビューしたてのサクラ大戦&ヅカファン

宝塚が好きで、以前からブログを拝見しておりました。
サクラ大戦歌謡ショウのファンとして、OSKファンの方が今回のコラボレビューを楽しめたのかと興味がありまして・・・更新を楽しみにしていました!
私はこれがOSK初めてだったのですが、頭の中でWe love revue!と桜咲く国がずっと流れております。
8月のドーンセンターや角座の公演にも行こうかなと計画中です。
海神別荘の感想も待っています!
by OSKデビューしたてのサクラ大戦&ヅカファン (2019-07-26 20:38) 

えりあ

コメントありがとうございます!宝塚ファンのサクラファンの方って結構多いのかしら?これからはOSKもですね!(私は、宝塚・OSKでこれからサクラ大戦?今回の件で調べたら楽しそうなので興味津々です!)
サクラファンの方の掛け声の素晴らしさ!歌舞伎みたいでした。尊敬!サクラファンの方がミニパラソルを購入して一緒に回してくださって、とても暖かい客席でした。コラボ楽しかった!

角座やドーンセンターも、どちらも1時間弱のショーですので、気軽にお出かけください。まだ案内が出てませんが、2時間物のミュージカル(お芝居)もありますので、そちらもおすすめです!
今回の劇中劇みたいな感じで、私はそっちのほうが好きなんです~

by えりあ (2019-07-27 15:17) 

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