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宝塚雪組「壬生義士伝」新人公演 [観劇感想(宝塚)]

宝塚雪組「壬生義士伝」新人公演
2019年6月18日(火)18:00 1階25列下手

雪組本公演と新人公演を同じ日に見ました。
本公演はあと2回行くので、まずは新人公演の感想を忘れないうちに。もう溜まって仕方ない。

全体的に、この難しそうな作品を入団7年目以下の方だけで演じていて、なのに「あー新人公演だもんな」と己を納得させるような人もなくて、とても良かったと思います。
個人的には斎藤一役の星加さん、大野次郎右衛門役の諏訪さんが良かった。どちらも背が高くてかっこいいし、星加さんは「こんなイケメンがいたなんて!」と(今頃)気づき、諏訪さんは本役でも違和感ないよな~と思う存在感で芝居を締めていた。主役の彩海さんは、普通に「かっこよくない」役を主役に見せていたし、誠実で健気で、大野じゃなくても守ってあげたい気になる。
吉村と大野の関係が本公演とは違っていて、こちらはこちらでしっくり来ていたので、新しい解釈で楽しかった。

201906雪壬生新人.jpg

「壬生義士伝」
新人公演演出:町田菜花

上にざっと書きましたが、この作品は台詞に無い心理状態やら、腹芸や、駆け引き、人の裏表、ツンデレが出てくるので、かなり難しい芝居だと思うのに、新人公演で見ても不満が無かったです。
望海さんよりずっっと「守ってあげたい」タイプの吉村を作った彩海さんのお芝居も良かったし、それに合う包容力溢れる大野で対応した諏訪さんが素晴らしかった。本作品の斉藤一は一番かっこ良い役なのか!?それとも朝美さんと星加さんがかっこいいのか?とにかく一番「かっこいい!!!」役だ。原作と異なるかもしれないけど、宝塚版は斉藤役が2番手でも良かったのでは・・?と思ってしまう。十分役割は大きいし、もう少し比重をこちら(京都)に持ってきて新撰組メインにしたら・・・などど妄想してしまったくらいかっこ良い。そうすると原作のテーマ性や、「新撰組」のなかで敢えて吉村を主役にしたのか?が薄れてしまいますが。(娘役の出番がもっと無い・・)


印象に残ったところだけ。


吉村寛一郎(彩海せら)
可愛い誠実な寛一郎。不遇だけど有能な剣豪というより、ただひたすら家族への愛に生きている側面が強い。守ってあげたいタイプ!の吉村さんでした。いろいろ新人公演も見せてもらってますが、今回は本役と全然違う役作りを見たように思う。特に大野さんとの関係。
本役の望海吉村さんと彩風大野さんの関係は、吉村さんが優秀でリーダー的役割、大野さんは寛一郎が大好きで後を付いていくタイプ。幼少時からきっと吉村の方が何でも良くできて、大野ジロエは彼に頼って、助けてもらっていた。成人して立場が変わってからも同様で、吉村脱藩宣言に大野は「おめが居ないと不安なんだ」と呟く。
でも新人公演では逆に感じた。諏訪大野さんがリーダーでしっかりしていて、彩海吉村くんは守ってもらって助けてもらっていた(でも寛一郎の器の大きさ心の美しさに、ジロエは救われてきたの)。だから上記の台詞がちょっと合わない。吉村の脱藩を止める時に思わず口から出るとしたら、「いくら腕が立つからって、おめが京の新撰組なんて危ねえ。おらは一緒にいけないんだぞ?」って雰囲気だ。まあ、どちらにしても二人の関係は「竹馬の友」なので構わない。それに、そんなに可愛くて優しげな雰囲気の吉村が、凄腕の剣客として躊躇なく人を斬るところの場面とのメリハリは凄い。(これは本役もすごい落差があって背筋が凍る感じですが、もとの吉村がより可愛いから、彩海さんもこの落差があった)
ともかく、可愛いだけじゃなくて、芝居も歌も凄いんだなあ〜って思いました。個人的に、音月桂さんを思い出すお顔と体格。娘役をしてもできそうなのが似てるなあって思いながら見てました。


大野次郎右衛門(諏訪さき)
うまいわ~この渋さ!!寛一郎大好きが伝わってくる愛情の深さ。価値観が変動する激動の時代に、勝ち残って守らなければならないものがたくさんある立場故の苦悩。責任ある立場の大人の男だ。なのに弱い親友へを気遣い、学問はできるが武道はいまいとつという息子に愛情もって道を示し、部下や母にも優しくおおらかで、本当に自己を律している器の大きな人物に見える。
本役の咲奈さんは、優秀であるがそういう立場に立つことを考えなかった男が、必死でそれらを獲得して創っていると感じた。どこか脆さがあったの。それを陰から支えていたのが母と寛一郎。だから貫一が居なくなる事が身を切るように辛かったと思う。考え無しの人なら、吉村一家にお米でもお金でもあげていたと思う。でもそんな事は貫一のプライドを傷つけ二人の関係を壊すだけだからやらないって雰囲気(これは諏訪版も同様)。
この諏訪大野は強い。守る者を守る!何があっても守るという強さを感じた。大きさを感じる大野さんでした。南部藩が、足軽長家で生まれた妾腹の子を出世させた訳が実感できた。
諏訪さん、芝居上手いし貫禄あるし、背も高いし凄くかっこいい。今回、新人公演の長でご挨拶されていたので、これでラストのなのかな?一回くらい新人公演主役してほしかった、と思った。

斎藤一(星加梨杏)
かっこいい!!!いままであまり意識した事の無い方でしたが、お顔も美しいし背が高い。こんなに背が高かったのね。すらりとした立ち姿の美した!芝居も上手いやん。2番手と言えるほどの大役だから、出番は多い。そして役割も重要。態度や台詞と違う感情を出し、ぶっきらぼうで冷酷な態度から、ひねくれた彼の心情や仲間への想いを表現する難役ではないかと思う。しっかりとかっこいい斉藤を演じていたと思います。明治チームでは、長身に様相が映えて更にかっこ良かった。
本公演でももっと出番が欲しい方ですね。

谷三十郎(ゆめ真音)
本役の奏乃さんより、更に酔っ払いのお調子もので、これは殺されるって感じが漂う。奏乃さんは「7番隊長」と言われて、まあ・・・そうね・・・名門のお方ですし・・と思える節もありましたが、ゆめさんの谷は、もう全然!(笑)酔っぱらいのお調子者じゃないか、こりゃ斉藤でなくともイライラするで〜っていうハチャメチャぶりでした。これは殺した方が良い(かわいそ)。奏乃谷さんは、弟ラブで殺された後弟の弾劾に「あ、やっぱり可哀想」って思ったのですが、こちらは。。。ごめん(笑)

土方歳三(縣千)
新選組の場面は、斎藤と谷が印象が強くて、かっさらっていった気分。本公演でも土方さんの出番というが比重は控えめだけど、新人公演では更に控えめな印象でした。縣さんと知ってびっくりです。縣さんってショーではダンスで印象に残るけどお芝居ではあまり残らないショースターなのかな。

しづ(彩みちる)
しっとり落ち着いた妻が上手い。でもほぼ出番ない。本公演もだけど、新人公演では更に出番の印象が薄い。多分、真彩さんは歌声が飛び抜けていて心に残るから、かな。ほんと、よく考えるとヒロインはずっと主人公の心に居るのはよくわかるけど、舞台には出てこないんだ・・・。

吉村嘉一郎(花束ゆめ)
本役より幼い印象。千秋と同い年に見えないくらい幼かった。と配役を見ると、娘役さん?!結構出番の多い役に娘役とは。驚きました。娘役と気づかないくらい上手かったし、心が強くて良かったです。

ひさ(羽織夕夏)&佐助(麻斗海伶)
この二人と大野の3人で芝居締めてる。熟練役者という感じで、とても良かったです。

<語り手・明治チーム> 松本良順(壮海はるま) やっぱり説明しながら銀端を歩いているイメージは変わらない。「帝国軍医」の肩書通りの偉いさんという雰囲気は出てて、髭にも違和感なく、堂々たる軍医殿でした。

ビショップ夫人(有栖妃華)
本役が厚かましく感じるほど強烈だからか、こちらも印象が薄いかな。夫人の好奇心で話が進むから、そこはうざいぐらいでいいのかも?なんて思った。



覚えているところだけなので、こんな少ない・・。
あと、終演後の挨拶。諏訪さんが大変立派なご挨拶をされ、続いて主演の彩海さん。声が可愛い!娘役かと思えるほどの可愛い声。この愛らしい声なのに、芝居ではちゃんと吉村を演じていたので大変だったでしょうね。しっかりした挨拶で、学年が若いのに日本物の主演で、大変だったらしい、というのはよくわかった。
雪組新人公演、綺麗な人や可愛い子、めっちゃ上手い人が揃っていて頼もしいですね。
私はどーも雪組の組ファンなので(FC入るほど好きになった人がみんな雪なのでずっと見てる)この先の先も楽しみになりました。



ほとんどは新人公演を見た夜にメモして書いていた内容なので、それほど忘れてないはず。ただちゃんとブログに上げられる文章にするのに時間がかかる。
今日メモ帳を見たら、あと5本、ブログに書いてないメモがあった。そのうち書きたいと思います



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hanihani

おおっ!感想出ましたね。

諏訪くんはあと1回新人公演があるんだよーーー
主演やってほしいから、一緒に祈ってくれ。
縣は101、あみちゃんは102だから次やらなくても十分できるのです。

花束ゆめちゃんはさすがの103期1番だけあって、やらせてみたら
小さいけど、すごく芝居が上手だったよね。
東京の新人公演も期待していましたが、先日怪我してしまい
一昨日の午後から休演していました。
でも、しっかり治して全国ツアーから復活してほしいです。

ほんと、予想以上に素晴らしかったです☆

by hanihani (2019-07-04 16:25) 

えりあ

おまたせしました(笑
いきなり本公演と新人公演を見たのは初めてで、記憶容量が限界です。でもどちらも良かった~と感動しました。新人公演も上手い~!

おお!諏訪さんはあと1回チャンスありなのですね。将来重い役を担ってほしいので期待。
花束さん、休演なんですね・・・あとでプログラムを見て娘役としってびっくりしました。

全国ツアーもドラマシティも、次の大劇場も楽しみです。
夏が終われば仕事も片付く・・はず。なので見に行く~!

by えりあ (2019-07-05 23:59) 

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