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宝塚月組「エリザベート」 A&Bパターン [観劇感想(宝塚)]

宝塚月組「エリザベート」 A&Bパターン
2018年9月13日(木)11時 1階22列
2018年9月17日(月祝)11時 1階12列


何年振りかのエリザベートです。もうセリフは全部覚えている(笑)
客席にはそんな客がいっぱいだろう10組目の公演ですね。

今回一番印象に残ったのが、月城さんのルキーニ。かっこいい・・!
あの端正で品の良い月城さんが、浅黒くて髭がついていて野性的。
美しい人はやはり美しい・・のね。
歌声も綺麗ではっきり声が通っていて感情が、静かな狂気がしっかり乗ってる。
鮮烈に印象に残るルキーニでした。

そしてルドルフ皇太子、Aパターンは暁千星さん。
可愛い皇太子が苦悩する姿がなかなか良い。泣かせてみたいタイプのルドルフを発見。トートとのダンス場面が素晴らしく美しい。スラリとした皇太子さまだ。
ハンガリーの革命家のシュテファンに品があって素敵、おじさまが超イケメン・・と思ったら、風間さん。Bパターンのルドルフが楽しみになった。
そして週明けBパターンのルドルフは風間さん。しっかりした凛々しい皇太子。歌が良いわ。暁エルマーにはハンガリーの名門貴族らしさが感じられる。お鬚姿もなかなかダンディ。どちらも素敵。

今まで見てきた中で一番印象に残るヴィンディッシュ嬢も。海乃さんのお芝居が凄い。
トートとエリザベートも、過去にないタイプ。フランツも含め、ウィーンのオリジナルに近いように感じた。

月エリザベート、フィナーレも結構好きなタイプで嬉しい。

201809月エリザ.jpg


改めて書いておくと、すべて私の主観ですから~「こんな風に感じる人もいるのね!」と思ってください。



三井住友VISAカード ミュージカル
『エリザベート-愛と死の輪舞(ロンド)-』
脚本・歌詞/ミヒャエル・クンツェ
音楽・編曲/シルヴェスター・リーヴァイ
オリジナル・プロダクション/ウィーン劇場協会
潤色・演出/小池 修一郎


上にざっと書きましたが、今回はAとBの両方を立て続けに見てきましたので、まとめて書きます。最初は「またエリザベートかあ~」と思っていたのですが、見に行くとやっぱり盛り上がる。楽曲は何回聞いても素敵だし、20年前のものなのに演出は古さを感じない。今回のエリザベートとトートは、ウィーンオリジナルキャストに近い役作り(と思った)。全体にウィーン版のような雰囲気。もちろん演出が違うので、雰囲気だけ。ウィーン版はエリザベートが主役で、物語の進行役で一番歌うのがルキーニ。トートは「死」としてエリザベートに付きまとい、皇帝陛下はエリザベートに翻弄される。今回の月組版はそんな感じでした。
歌については、「もういいです」という人もいなくて私は満足。月組のキャストでは、ルキーニが一番好きな歌い方でした。何度見てもやっぱり好きだわ「エリザベート」。歌える嵌るキャストがそろったときに、たまーに上演してくれたら嬉しい。

一点だけ。演出でいえば、「私が踊るとき」は何度見ても慣れない。話が途切れる気がするし、トートのストーカーぶりが強調されるだけなので、いらないと思うのです。


黄泉の帝王トート閣下/ 珠城 りょう
体格がとても良いので、ウィーン版のトートを思い出すのかも。エリザベートに恋して翻弄される黄泉の帝王というより、「死」そのもの。もっと気まぐれに冷酷に、ビジュアルもウィーン版のように短髪で男らしく出てきても素敵だろうな~と思うタイプのトート閣下。短髪が見てみたい!と思った初めてのトートだ。ちょっと白塗りし過ぎ?という気もするけど、死神の総領らしく身体も精神も強そうなトート閣下だ。
気の強いエリザベートとの駆け引きが似合う。まじめに誠実にお仕事を完遂しようとする死神、だが自分を拒否する気の強い少女に興味を示し、珍しくも面白がって駆け引きを始める・・・という雰囲気で始まり、死神をも軽く躱し続けるしたたかなエリザベートとの対決が繰り返され、トートはそれに熱中し、最後は執着が恋に変わったかのようなラストシーン。こういう解釈も面白い。トートもエリザベートも。解釈が実にお似合いです。
歌も良い声で歌っていたし、「最後のダンス」の歌は結構頑張っていた。ただ私は一路さんの歌声で覚えているので、「ああ、今回もコーラスになってる・・」なんて思う。コーラスにせず自分であのすごい音階を歌ったのは、一路さんと姿月さん、春野さんくらいしか覚えてない。ほとんど全公演一度は見ているけど、20年もあると私の記憶も曖昧になり、印象に残ってないと記憶にないようだ。ウィーン版の「最後のダンス」を聞きたい。すごく好きだから。
あとねドクトル・ゼーブルガーって、よたよたの年寄じゃなかったと思うのだけど・・このトート閣下、まじめそうなのに結構ノリノリ。エリザベートとの対決を楽しんでるなあと思ったのでした。


エリザベート皇后(シシィ)/ 愛希 れいか
とても気の強い元気なエリザベート。我儘で気まぐれ、自分の思い通りにしたがるけど最後まで責任は取らないというウィーン版のエリザベートに近いような気がする。死神色の強い珠城さんのトートの役作りとぴったり合っている。このエリザベートなら、若くて力があり気力に満ちているので、ゾフィーになんか負けないと思うし、メンドクさがらず根気さえあれば、宮廷改革してしまったような雰囲気も・・ゾフィーが怯んで、このエリザベートを好きにさせていたら(もちろん丁寧で実務的なフォローはフランツがやるの。エリザベートは思い付きと最初だけですぐ飽きるから)、ルドルフ提案より10年は早く「ドナウ連邦」が成立し、ナチスも退け、ハプスブルク帝国は第2次世界大戦も乗り切ったかも?という未来が想像できるような(笑)。
皇帝が浮気したときに彼女は心が折れてしまい、やる気なくした・・だから家出する!もう知らない!っていう感じでしょうか。皇帝が浮気するまでは、やる気満々に見えていました。孤独も悲哀もあまり感じない・・それよりは、今に見てろ!といった闘気を感じる。いろいろあっても味方と信じていた皇帝に裏切られたと思ってしまったらもうダメ。やる気なくなった。この辺りはきっぱりはっきり。プライドが高く頑固者なので、皇帝は最後まで許してもらえなかった。この夫婦の力関係は、エリザベート>>>フランツ にしか見えない。最初から最後まで。
愛希さんのエリザベートは、美貌で国を動かすとか、そういうのはちょっと・・(ファニーフェイスだから)と違和感ありましたが、皇帝は彼女の気まぐれで冷酷で自由な魂を愛したのだろうということは分かりました。愛希さんにとって、エリザベートは嵌り役とは言えないけど、新しいエリザベート像を作ったんだなあって思いました。


フランツ・ヨーゼフ1世陛下 /美弥 るりか
強い死神トートと、強いエリザベートに挟まれ、二人に翻弄されていた皇帝陛下。ウィーン版でもそんな感じで、偉大な人物のわりに悲哀が漂っていた。存在感が薄いの。いえ存在感はあるのだけど、影が薄いというのか。今回は、孤独や悲哀はフランツから感じた。自分が正しいと信じて行動する気の強い母、周囲も立場も気にせず自分の思い通りに行動しようとする気の強い嫁。挟まれて翻弄されるまじめでおとなしい夫。・・・うわあ上手くいくわけないわ。ついでに妻によく似た息子までいる。誰か一人でも皇帝陛下の心労を思いやってくれる人が周りにいたのかな・・と可哀そうになるフランツ。いろんな人々の思惑のなか、誰一人「フランツ」の心情を思い彼のことを考えてくれる人のいない孤独な宮廷で、一人黙々と早朝から深夜まで仕事をしていたのだろうなあ。彼が「恐ろしいほど自由を貫くエリザベート」に惹かれたのも無理はない。憧れだったのですね。憧れなら見ているだけにしたほうが良かったのに、いらんとこで勇気を出して思い切って妻にしてしまったものだからこの悲劇。ヘレネを妻にしておけば、彼女ならフランツの立場や心情を思いやって癒してくれただろうに、と思うのでした。やはり母は息子のことをよくわかっていたのだ!(笑)
弱弱しい繊細な耐える皇帝陛下、影は薄いけど、翻弄されながらも、何をされても、たとえ足蹴にされてもエリザベートが大好きなのが分かりました。愛情が深い。トートとは全然違う。本当の愛を感じる。熱愛というより慈愛の混じったような一途な愛情。素敵な旦那様だわ。
歌は時々、高音が弱く感じられるところがありましたが、美弥さんが歌ってると思うとすごいや!と思うのでした(失礼ですね、ごめんなさい。でも星時代の「ノバボサノバ」を知っているので、なんと頑張られたのか!って思ってしまう)


暗殺者ルイジ・ルキーニ /月城 かなと
髭と乱暴な言葉遣いでも、美しい。なんとなく品が感じられる。荒んだ雰囲気の中にも宝塚としての品を感じさせるのは見事。このルキーニは、静かな狂気を感じる。見るからに怪しい変な人というのではなく、ぱっと見は普通の人、どちらかというと端正な人。だけど目の奥に狂気があり、言動にだんだんと凄みが感じられ、気が付くとゾクリとするような狂気。こういうルキーニもなかなかいなかったかも。静かな狂気ってすごい。
歌が的確で歌が芝居をしている。一番歌が多いルキーニ(ウィーン版では。でも今回なんかすごくルキーニが歌っていた印象。宝塚版だから過去と同じなのにね)、彼が物語を牽引し、煉獄の裁判官に見せているという虚構の舞台を支えていた。ものすごい存在感があった。冒頭場面からずっと、トートもエリザベートもフランツも、私たちが見ているすべてはルキーニが動かしている感じがした。セリフ歌が明瞭で、声が聞き取りやすく、音も安定していて、耳にも優しいルキーニ。見た目は「美しすぎるルキーニ」ですね。
月城さんは今回のルキーニ役で、引き出しが増えた、いえタンス一竿くらい増えたレベルなんじゃないかな、なんて思います。かっこよかった!!月城ルキーニに惚れます。舞台端にいることが多いのだけど、ずっと目で追ってしまいました。


皇太子ルドルフA /暁 千星
母親似の皇太子。可愛い皇太子が苦悩する姿が良いな。幸せに育ったように見えてしまい、愛に飢えている感じはないが、革命失敗後の深い絶望は感じた。エルマー達ハンガリーの革命家がルドルフを味方にし、旗印にしようとしたのが、よくわかる。ハンガリーの現状やハプスブルクの置かれた状況を理解している彼なら新しい王に相応しい、それに彼は王になるために育てられた育ちの良さがあり、民衆を引き付けるカリスマ性が感じられるから。その(本来は)明るい彼が絶望する「闇が広がる」は素晴らしかった。あれは皇太子が主役の場面に見えた。そして暁さんが本領を発揮したのが、ルドルフの死の場面。黒天使たちに翻弄されるダンスが美しくて圧巻でした。
王子様役者ですが、明るい王子役が似合う方なのに、悲劇の王子ルドルフ役も似合っていたと思います。


皇太子ルドルフB /風間柚乃
風間ルドルフは父親にも似たところが感じられる。まじめに実直にいろいろ情報を集めて分析して考え、ハプスブルクの未来に一番良い形を採用しようとしたのだと思う。理知的な感じがする(暁ルドルフは感覚で正しいものを選ぶタイプ、風間ルドルフは理詰めで考えるタイプ、かな)
聡明な皇太子なのに、父親は昔の母親の影響下にあった幼いルドルフのままだと思って対応し、彼の話を聞かない。そこが悲劇の始まり、という気がした。この二人なら、話し合えばドナウ連邦が成立したような気がするのだわ。
歌が凄く良かったです。「闇が広がる」も良かった。フィナーレのパレードは堂々の階段降り!男役群舞のほうは自分の立ち位置のままでしたが、パレードはさすがにルドルフですもんね。堂々とした姿には感動しました。


<親族>
ゾフィー皇太后/ 憧花 ゆりの
メイクが怖い。あの眉毛は綺麗な顔でも怖く見える。怖いけど、冷酷非情な君主にみえない。なんとなくハプスブルク帝国のために一人で頑張っている細腕繁盛記というイメージ。たとえて言えば、老舗旅館の女将というか。夫が旅館からホテルに改装した矢先に死んでしまい、幼い息子を支えて頑張って繁盛させてきた。いまも頑張っているけどもう経営感覚が古くてあまり流行らなくなってきた、そろそろ息子に任せようかしら?と思っていたころに頃に気に入らない嫁が来た。嫁は反抗的でホテルのことなんて考えずに息子を振り回して自分のことばかり!うちのホテルをつぶす気!?と嫁との主導権争いに熱中しているうちに、経営が疎かになったホテルが傾いた・・・って、なんかそんなイメージが。この月のご一家、ちょっと庶民的?
よくあるドラマなんだねえ、この話。夫が浮気し夫婦の危機、その後は誠心誠意謝って、嫁と姑と夫と孫がみんな本音で話し合って、姑は隠居、嫁が改心して若女将としてやっていけたらハッピーエンドなんだなあって日本のドラマに置き換えてみて分かった。
だがこの二人は最後まで戦い続けて、ゾフィーは失意のうちに亡くなられ、大変悔いが残ったことでしょう。あの宮殿にゾフィーの亡霊が出現しても驚かない。


マックス公爵/ 輝月 ゆうま  
登場人物の中で、皇帝の結婚についてゾフィー皇太后とマックス公爵は唯一意見が一致したお二人。大反対!ですね。どちらも我が子のことが良くわかっていたんだなあ。
自由を愛する気ままな貴族のマックス。背が高くてイケメン、自由人で高等遊民という感じ。シシィが憧れるのもわかる。彼女の理想の男性はお父様だったと思うのに、なぜ正反対のフランツと結婚したのか。彼が皇帝じゃなかったら結婚してなかったような気も・・母や姉や周囲への反発で燃え上がったようにも見えるから。父がもっと心を込めてしつこく説得すべきだったか。結婚後、娘が皇室に入ってからは出番がなくて、大変残念。輝月さんは背が高いので、愛希シシィとは親子に見えてとても素敵。お鬚もお似合い。


ヘレネ /叶羽 時 と ルドヴィカ/ 夏月 都
シシィの母と姉。皇室との結婚はこの二人がメインで頑張っていたのに、頑張りすぎてフランツがまるで異なるエリザベートのほうを選んでしまった。ヘレネならゾフィーの言うなりに頑張って、フランツを癒し、彼と母の間に入って良い若女将になったのに(ってまだ言う)。
田舎貴族夫人のルドヴィカは、帝国の皇太后の姉ゾフィーにコンプレックスがあり、娘が皇后になればヘレネでもシシィでもどっちでもOKなのね。そこが父マックスやゾフィーとは違う。
このヘレネはおとなしく控えめで、母といてもあまり浮かれてないで心細そうにして言えるから、余計そう思った。母が皇室に入れることに必死で、ヘレネは母のために頑張ってたみたい。歴代でも指折りのおとなしいお嬢さんヘレネだと思いました。


少年ルドルフ/ 蘭世 惠翔
可愛くて歌が上手い。透明で綺麗な高音で、お顔も可愛らしいし娘役さんだと思いました。ら男役なのね。子供らしいルドルフですが、大人ルドルフがあんなに違うタイプなのに、子供時代は同じように感じてしまい、ちょっと残念。大人に合わせて子供時代もAとBで変化をつけて欲しいな。何となく、子供ルドルフ、ルドルフA,ルドルフBと3人いた印象。


<廷臣と女官> 
グリュンネ伯爵 / 紫門 ゆりや
ゾフィー政権の実務面を担当しているのが良くわかる。決して逆らわず機嫌を損ねず、帝国を切り盛りしているのでしょう。この人はゾフィーに仕えている、皇帝には仕えてない。歌セリフもわかりやすくてよいわ。

ラウシャー大司教 /千海 華蘭  
なんというか、生臭坊主ですな(笑)。娼館からの宅配は、上得意様と見た。全く神聖なところがなく、完全に政治家。次男だから教会で出世しましたが何か?って感じ漂う。ゾフィーの取り巻き、ちょっと太鼓持ち風味もあり。

シュヴァルツェンベルク侯爵 / 颯希 有翔  
もともと軍人でかっこいい設定の役なのだけど、かっこいい!今回の重臣たちのなかで一番好みのタイプ。私がゾフィーならそばに置いて寵愛する(してはいけないよな・・)。きっと「秘密の倶楽部」ではモテモテに違いない。オジサマ姿もイケてましたわ!

ヒューブナー /響 れおな & ケンペン /佳城 葵
秘密警察コンビ。ひそかに暗躍してそうな二人。上の 3人に比べると特徴がなくて、大臣軍団の中では私はあまり見てなかった、ごめんなさい。

リヒテンシュタイン夫人/ 晴音 アキ  
ゾフィー様腹心の女官長で、エリザベートのお目付け役。ゾフィーが見込んだだけあって本来はかなり強権的なのだけど、このリヒテンシュタインはおとなしい目。あまり押しつけがましさを感じないの、もっと存在感あっても良いと思う。歌は綺麗。

スターレイ夫人 /香咲 蘭
エリザベートの腹心の女官。精神病院での号泣がとても目立っていた。いままであの場面でスターレイを気にしたことなんてなかったんだけど、号泣が聞こえて今回はびっくりした。今まで見たスターレイの中で一番主人に思い入れのある忠義の人に見えた。


<革命家>
エルマーA/ 蓮 つかさ  
ハプスブルク帝国から見たら田舎のハンガリーの貴族。おそらくオーストリーのウィーンの貴族にはコンプレックスがある感じ。いっぱいいじめられた?頑張って独立を勝ち取るために戦おうとしている気概を感じる。

エルマーB /暁 千星
名門貴族の子弟に見える。ハンガリーの貴族も名門なら大貴族で歴史もプライドもすごいんだな~って思ってしまう。その分、貴族のお坊ちゃまの甘さも見えるエルマー。勢いで突っ走って革命失敗しそうな雰囲気も・・だからシュテファンやジュラ、ツェップスが頑張ってる。暁さんはお顔が可愛らしいので髭のオジサマはどうなるのかと心配していたら、あら!意外と似合うじゃない。心配不要だった。

シュテファンA /風間柚乃  
最初からイケメン!と思ってみていた。お顔が凛々しくて素敵、髭のおじさま姿はもっと素敵。まだ若いのだけど、若く見えなくて(褒めてる)落ち着きがあって、おじ様が似合う。大人の男が似合いそうなので、そういう役が見てみたいと思った。

シュテファンB/蓮 つかさ 
エルマーを支えてる感じがとっても出ていた。熱く燃えるエルマーが突っ走るのを、シュテファンとジュラが止めながら革命運動してきたのかな~とか。

ジュラ /春海 ゆう
役替わりのエルマーとシュテファンを一生懸命見ていたら、オペラグラスからこぼれてしまった。最初は激高したりするけど、割と冷静な革命家のイメージ。

ツェップス/ 光月 るう
大変まじめで冷静そうで、パッション熱めのハンガリートリオを取りまとめている先生みたいな存在に見えた。


<その他>
マダム・ヴォルフ/ 白雪 さち花
すっごい迫力でいかにも娼館のやりておかみって感じが漂う。荒稼ぎしてるでしょ?と思う。ウィーン1の娼館というのは本当だと思った。請求書の額を見てゾフィーが怒りそうだ。したたかな女で、ルキーニも軽くあしらう豪胆さを感じた。歌もそれにふさわしい迫力だった。


ヴィンディッシュ嬢 /海乃 美月
過去最高に素敵な狂い方。エリザベートが「変わってもいいのよ」と言った時の気持ちを思いやり号泣するスターレイに初めて同情した。それほど切ないヴィンディッシュだ。泣きそうになる。衣装とメイクも今まで初めて見たタイプ。なりきっているところは絵葉書のシシィに似ている。
「ラスト・パーティ」でだんだん狂っていく奥様を演じていた時も思ったけど、狂っている女性のお芝居が上手い!海乃さんの狂女はリアリティがあって、真に迫っている(ように思える)。すごい女優さんだと思った。狂っていても歌は正確で、美人だ。


黒天使(マデレーネ)/ 天紫 珠李
あまりに大きなマデレーネに驚いた。皇帝より頭一つ大きいよ!(トウで立ってるからだとは思うけど、それにしても大きい)。お化粧も男役みたい・・・って黒天使だから?メイクがキツくて。娘役に転向した元男役だけど、化粧が男すぎると思った。マデレーネはエリザベートとは違う魅力で皇帝を誘惑するんだから、もっと妖艶な美女メイクがいいとおもうのだけど。いや皇帝が強い女がお好きなら、仕方ないか(笑)。



<フィナーレ>
2番手(美弥さん)が「愛と死のロンド」を銀橋ソロ、「キッシュ」のラインダンス、大階段が出てきて、トップと娘役総踊りの「私が踊るとき」、男役総踊りで「闇が広がる」、トップコンビの「最後のダンス」という感じで、かなりオーソドックス。ラインダンスと男役総踊りは、初演から振付も変化がないように感じる。ただ、男役のダンスはかなりかなりかっこいいのでこのまま変に変更しないでほしい。衣装の色味も素敵で、ここはうっとり見惚れる場面。娘役総踊りの衣装も、片方の足を魅せるチャイナ風で大人っぽく美しい。今回のフィナーレ衣装は割と好きなタイプ。
エトワールは美園さくらさん。美声でいかにもエトワールという声。女官の中でも可愛くて背が高くて目立っていた。女官のドレスも似合う。エトワールの赤いドレスより女官のドレスのほうが好き。パレードでは、エトワールの次に海乃さんをセンターに3人、革命家3人、ルドルフ、ルキーニ、フランツ、エリザベート、トートの順番。これは役替わりでもそのままだった(良かった!)役のためとはいえ、風間さんの大階段歌付き一人降りは快挙ではないか。
ルキーニの衣装がちょっと・・なんで一人だけつなぎなの? ウエストがもっさり見える。轟さんの衣装はもっとかっこよかったので、それを探してきて!!って思いました。あれは大不満。背が高くてかっこいいルキーニの唯一の正装なのに!(怒)
トートはラメ付き?の緑の雉羽がたくさん入った紫の大羽。豪華だ。珠城さんは黒が似合うので、ここは豪華な黒が良かったけど、まあ濃紫でもいいや。

ということで、久しぶりの「エリザベート」を堪能しました。20年10組目にして原点ウィーン回帰の「エリザベート」だった(と感じた)。面白い!


おまけ
今回は団体での観劇だったのですが、初見のおじさんやらおにーさんが、観劇中くぎづけになって拍手していたのを目撃。初宝塚だったようなので帰りに感想を聞くと「すごい、感動した」とのこと。もう少し詳しく聞くと「ルキーニが男らしくてかっこいい、男にしか見えない、すごく美しい。美人!」と矛盾したことを言いながらほめ倒していた。プログラムのゾフィの写真を見て、「違う・・顔が違う!怖くない」と指摘する人もいて。プログラムのメイクは普通だったものね(笑)。トートかっこいいとか、エリザベート綺麗とか、普通の感想も当然あり。フランツ皇帝の声が柚希さんを思い出した!という女性もいた。劇場の「ファントム」のポスターを見て「これも見たい」という方続出。同じような雰囲気のポスターだからですね。皆さんかなり楽しんでくださった様子で、「ヅカファン、獲得」とひそかに喜ぶ私でした。


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パクチー

えりあ様

 宙組はごらんにならないのでしょうか?
 私、先日観ました。
 もう、なんといっていいのか・・・・。
 根本から変えたい!
 いや、そもそもなぜレオナルド・ダ・ヴィンチが主役なのか。
 生徒さんは悪くない。
 田淵先生がダメダメでした。
 「邪馬台国の風」が私にとって近年最大の駄作だったのですが、
 あちらの方が笑えるつっこみができる分ましでした。
 こっちは、なんか気持ち悪い感じで。
 私だけの感想かもしれないのですが。
 えりあさんの感想がぜひ聞きたいです。
by パクチー (2018-10-22 11:53) 

えりあ

パクチーさん
宙見ました。今書いてます~書くこと多くてちょっと時間かかってます。というか風邪ひいてしまって。今週末には、と思ってます。
田淵さんに言いたいこといっぱい!!というのは一緒です(笑)
by えりあ (2018-10-23 23:11) 

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