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宝塚雪組「凱旋門/GATO BONITO!!」 [観劇感想(宝塚)]

宝塚雪組「凱旋門/GATO BONITO!!」
2018年6月26日(火)13時 2階11列
2018年7月5日(木)15時 1階2列


やっとやっと見に行けた雪組。お芝居はシリアス、ショーは陽気で楽しい!

18年ぶりの凱旋門。前回は成瀬さんが出演されていた事もあり通い倒した。
古いフランス映画のような雰囲気、第2時世界大戦中の重苦しい空気、大人の男と女の哀しいロマンス、下宿先のホテルに集まる帰る場所のない人々の人生。キャスティングが嵌っていたので、何度も見た。ただ重苦しい話だったので、1日2回見るのはきつかった記憶がある(ショーが先でお芝居が後だったから)。

今回、作品に対するイメージはそのまま。脚本は良い、演出は効果的で美しいダンス、音楽は素晴らしい。新しいキャストも良かった。ただ轟さんのうえにだけ年月が過ぎていて(いやもちろん私にもだけど)それが辛かった。誰が企画したのか知らないけど、轟さんに対する違和感が拭えない限り、初演は超えられないと思う。初演は素晴らしかった、たからそのままにしておいて欲しかった。

ショーは一転、とっても賑やかに華やか。戦時下の暗いフランスでの鬱屈を吹き飛ばすような、明るいラテンの情熱。猫がテーマだけどおちゃらけてない。
組み合わせとしては良いと思う。ショー単体で言えば、ちょっと賑やかすぎかも・・でもゴチャゴチャしてないし、いろんな人が活躍しててメリハリあって、陽気で楽しくて!!
客席降りがあってもいい構成なのに。なんでないの?ってくらい楽しい。
やっぱりショーで楽しい気分で帰りたいわ!

201806雪凱旋門.jpg


18年前に通ってた公演なので、記憶が蘇り大変な長文になりました・・にゃー
年寄りなので初演と比べての感想がかなりあるので、嫌な方は見ないで下さいね。
初演は青春時代なのだ。青春の思い出は美化されるものだから。


かんぽ生命 ドリームシアター
ミュージカル・プレイ
『凱旋門』
-エリッヒ・マリア・レマルクの小説による-
Based on ARC DE TRIOMPHE by Erich Maria Remarque
Copyright (c) 1945 by New York University, successor-in-interest to the literary rights of  The Estate of Paulette Goddard Remarque
Performed by permission of New York University, successor-in-interest
to the literary rights of The Estate of Paulette Goddard Remarque
c/o Mohrbooks AG Literary Agency, Zürich, Switzerland through Tuttle-Mori Agency, Inc., Tokyo
脚本/柴田 侑宏 演出・振付/謝 珠栄



作品について。元々が映画なのでストーリはしっかりしている。脚本も粋なフランス映画のように洒落ている。演出も盆を使って、高低のある装置や小道具を利用して魅力的で分(柴田作品にしては)わかりやすい。謝先生が演出だからですね。そしてダンスが凝っていて素晴らしい。ちょっとした振付が凄くかっこいい。衣装も。この時代の映画はわりとそうだけど、シックで素敵な衣装が多い。それを再現している。(個人的に、当時の月影さんの衣装は凄くセンスが良くて大好き。ジョアンもだけど、ショーや他の公演のものでも、「これ素敵!」と思うさりげなく品よく大人の女を表現する衣装が多くて、参考にさせてもらった。長いファン歴で、舞台の衣装を参考にしたい!と思ったのは月影さんだけだわ)。今回のジョアンも素敵です。帽子とスーツのセンスが良いわ。



ラヴィック 轟 悠
ドイツ人。スパイ容疑でナチスに逮捕され拷問、脱走した外科医。
哀愁背を背負った大人の男がかっこいい。轟さんが初演時に受賞したのも納得の当たり役だ。スーツが似合う。背中が素敵。いまでも背中の哀愁はより色濃く漂い洒落たスーツの似合う大人の男だ。、
でも声に年齢が・・・。艶も張りもないし音量も弱い。歌えてない。周りが特に声が良い人が多いから、余計に目立つ。初演を知るから、初演の轟さんの素晴らしさを知ってるから、経年劣化を感じてしまうのかもしれない。セリフが時々、何を言っているか聞こえない時がある。あとジョアンが如庵に聞こえてくるのが・・なんだな。
ジョアンとは親子ほど年齢が違い、ドイツを追われ恋人を失ったのがはるか昔かのように感じてしまう(劇中で4年前って言ってたな~)。だからジョアンとの恋に踏み切れないのが、自分が逃亡者ということ以外に、自分の年齢からくる若い娘の情熱へのおびえも感じられた。原作でもそうだったのかな?
ボリスとの友情は感じられた。でも今回のラヴィックは初演よりも孤独を強く感じた。ラヴィック、名前出てこないんですね。寂しい。


ジョアン・マヅー 真彩 希帆
イタリア人。女優志望。弱くて強かな女。計算高くて純粋な女。女の中の女。自分で「浅はかな女」といってるけど、それを武器にしている女。宝塚ではおよそヒロインではなく、ヒロインのライバルに配置されるようなタイプ。
上手いわ。台詞が明瞭で、分かりやすいのに、気持ちが乗っている。初演の月影さんは感情が入りすぎるとセリフがよく聞こえないことがあったので、さすが真彩さんだと感心した。やっとセリフがわかったとこもある(笑)。歌も上手い!声が綺麗で透明。聴きやすくて聞きたい声。
衣装が少し変わってる。月影さんの衣装はとても好みだったのですが、真彩さんは違う衣装を着ている。似たイメージですが、さすがに新調ですね。
轟ラヴィックとは親子ほどの年の差があるのに、子供に見えないのが見事。幼い女の子に見えないから、ですね。真彩さんがもっと幼い可愛らしい娘役なら、幼女誘拐になってしまうわ~だから真彩さんの大人びた雰囲気がとっても良かった。


ボリス・モロゾフ 望海 風斗
ロシア人亡命者。「シエラザード」のドアマン。懐が大きく友情に篤い男。
とてもどっしりとして、似合っている。初演の香寿さんのほうが轟さんとの友情が感じられたけど、これはまあ私の感じ方かもしれない。ロシア革命からの外れ者という紹介からすれば、ボリスって結構年配? 落ち着きは感じた。若いけど世の中達観した雰囲気。すれてるわけじゃなく、自分の生き方として確立しているだけ。いい男だよ。
歌が少し増えていたけれど、所詮ボリスは語り手役。特に何もしない・・というより、この物語はラヴィックが主役でジョアンが相手役で、それだけ。ボリスをはじめとする他の登場人物はみな、時代背景を彩る存在。
トップスターの役がこれでいいのか・・・とものすごく思う役だ。まあトップは通常出ずっぱりで忙しいから、たまにはこのくらいの出番というのも良いかもしれない。(トップ2作目で休憩は早いような気がするけど)


アンリ・ジャルダン 彩風 咲奈
フランス人俳優。ジョアンの恋人。かっこ良くて弱い。この時代であってもあまり時代背景を背負っていないどの時代にでもいそうな青年。自分が好意を寄せたジョアンが煮え切らないので、たぶん売り言葉に買い言葉でやっちまった・・と。そのあと恋敵を頼るとう行動がよくわからないが、衝動的にやってしまい動転してってことなんでしょう。
今回、「アンリって重要人物だったのね!」と初めて知った。前回は私全然見てなかったのね・・アンリのことほとんど覚えてないもん。
とはいえ、これが2番手スターの役かといわれると、疑問符が付くと思う。まあ咲奈さんも普通の公演では忙しいから(以下同文)


シュナイダー 奏乃 はると
ドイツ人。秘密警察の偉い人。スケベ心で人生終わったわきの甘いおじさま。ゲシュタポの偉いさんがあんなにちょろくて良いのだろうか。ダンディな紳士なのにね~ドイツ人ってだけで信用しちゃうような、お育ちのよい無邪気な方だったのか(貴族だし)。ゲシュタポなのに。純粋な人なんだ。
シュナイダーっていう存在が、ラヴィックにとっては大きなトラウマだったから、これを排除し復讐することで、彼のなかで区切りがつく。という意味では大変大きな役割を持つ人物。本筋、ラヴィックとジョアンの恋愛の話には絡まない、あまり。あのフーケの店で、ラヴィックがシュナイダーへの復讐をあきらめてジョアンを追っていけば、その後のジョアンの行動が変わったと思うので、アンリともすんなり別れ(アンリはきっぱりされたら引きそう)、あの結末にはならなかったのでは。そう考えると、ラヴィックとシュナイダーの関係は重い。回想シーンも多いしね。彼は主要人物といえよう。
奏乃さんは唯一初演にも出演した方。前回は研2だったとか。前夜祭では香寿さんに「出世したね~」と感動されていました。初演のビデオがあったので配役を見てみると「カフェの客」とか「パリの男」とかにお名前がある。それが今回は汝鳥さんの役!!!わあほんと、なんて大きくなって!出世したね~と私も感動しました。おじさま、ナチスの軍服と鞭もお似合いですが、カフェのお髭のダンディおじさまスタイルが素敵。


<オテル・ド・アンテルナシオナール>
マルクス・マイヤー 煌羽 レオ
死の鳥。初演では私が大好きな成瀬さんだったから、細かい動きのひとつひとつまで思い出せる役。みていて「マルクスって出番多かったのね・・・」と思った。実は当時は出番少ないと思っていた。今回当時よりも出番減ってたのに、まだ多く見えた。ファンの欲目って・・と改めて思う。
初演ではホテルでみんなと楽しくしていて、彼はピアノ弾いていたの。本当に弾いているように見えたので、とある機会にご本人にお聞きしたところ「嘘っこ!真似だよ~ほんとに弾いてないって」とお答えいただいた記憶がある。私が直接お話したほぼ唯一のことなので18年経ってもよーく覚えているわ。
あのボリスとローゼンフェルトと3人でお酒飲む場面も楽しくて好き。この重苦しい話で唯一楽しい場面。ローゼンフェルトとの友情が物凄く感じられて、ラストシーンが切なくなった。途中、みんなと楽しく陽気に馴染んでいるようで、どこか冷静に一線を引いている態度とか。惚れたなあ・・。は!成瀬さんついて語ってしまった。
煌羽さんですね。出番多くてびっくりした(少ないって言っときながら!)、普段あまり目立つ役がなかったので、今回初めてじっくり見たような気がします。成瀬さんよりも笑顔が少ないというか、普段から無口で友達いないマルクス・マイヤーなの?役作りが違う。ホテルのみんなと楽しく馴染むが少なくて、皆とは違う存在のほうが強かった印象。ローゼンフェルトもボリスも、ハイメなんて全然馴染んでないので、ラストシーンにマルクスがいなくても誰も気づかないのでは?と思うくらい。だから彼らを裏切るときの良心の呵責があまり感じられず、なんか孤独すぎて寂しい「死の鳥」そのものでした。


ハイメ・アルヴァレス朝美 絢 &ユリア彩 みちる
スペインの反フランコの青年と恋人。幼なじみとか言ってるが、絶対恋人。足を怪我してラヴィックが手術したとか。ラヴィック出張多い・・って思った。ハイメは革命の闘志というより優しい感じで、初演の安蘭さんも朝美さんも、似た感じの強い個性を持つ前に出るタイプの方なのに、ハイメはそうではないからびっくりする。ユリアがいるからか穏やかで優しい青年って感じで、ラヴィックがパスポートを譲ってあげたくなるのもわかる。安蘭さんも朝美さんもいつもと違うイメージで、演技力すごいやって思う役だ。


ローゼンフェルト 永久輝 せあ
ゴッホの絵を抱えて逃げている男。当時はマルクスとローゼンフェルトの友情を凄く感じたのだけど、今回は全然感じなかった。初演ではこの二人よくくっついてしゃべってたから(しつこく見てたので;笑)。
ラストシーンで彼は、ラヴィックに聞かれもしないのに「死の鳥は逃げた」と告げる。この台詞、前回は捨てられた子犬のように寂しそうで、マルクスが逃げるのはわかってたけど、もしかして一緒にいてくれるかも?誘ってくれるかも?という気持ちが感じられ、やっぱり置いていかれたんだ・・悲しいって感じが漂いものすごく可愛かったんだけど、今回はなんだかラヴィックへの単なる報告に見えた。(逃げるマルクスにも葛藤ないしね。整合してるといえる)
これはねもう初演の中の人の人間関係(同期で、2人とも同時期に他組からの異動、同格スター扱いだった)が色濃く観客にも反映していたからでしょう。今回、煌羽さんと永久輝さんとにそんな濃い関係はないし、感じられない。
あと今回のローゼンフェルトの持っている絵、本物に感じた。初演は偽物をつかまされた感じが漂っていたから。永久輝さんがしっかりして見えるからかな。


アーロン・ゴールドベルク 真那 春人
アメリカへのビザが取れずに絶望して自死してしまった人。自分の想いにとらわれすぎて、周りが全然見えなくなっていて、愛しい妻の事さえ見えてなかった哀れな男。真那さんの髭のおじさま姿、すごいイケメン。


ルート・ゴールドベルク 朝月 希和
アーロンの妻。夫が必死になって二人で亡命できるよう駆け回っているときに、若い恋人と浮かれてデートしていた人妻。これはあかんやろ?って初演から思っていた。もしアーロンが上手くビザを二人分手に入れてきたら、どうするつもりだったのか聞きたい。
初演はこれで退団の貴咲美里さんで「良い役で退団できますね」とか柴田先生がおっしゃっていて、「ええ??これがいい役?」と思った記憶がある。
アーロンが無事ビザを入手してきてもアメリカに行かず、離婚してヴィーゼンホフと一緒にパリに残るなら、見直す。でもそんな予兆はなかった。浮かれた浮気場面しかないので、もう少し罪悪感に悩んでほしいかな。
しかし夫アーロン(真那)も愛人(縣)もどっちもイケメンで、なんて羨ましい。


ヴィーゼンホーフ 縣 千
そのルートの若い恋人。一つ屋根の下で、良くやりますな。アーロン以外のすべての人が気付くとうくらい、大変大胆な二人だ。彼は二人で収容所の道を選んだけど、アーロンが生きていたらどうする気だったんだろう。


ビンダー 久城 あす
ビンダー夫人 早花 まこ
オットー 潤 花
ユダヤ人一家。かなり前途が暗い。夫人が精神不安になって錯乱し、まじめで優しそうな夫が支えている。本当に普通の家族。戦争さえなければ、何事もなく平穏な家庭だっただろうに。というラヴィックにとっても憧れの象徴のような一家で、それがナチスのためにどんどん崩壊し、最後は悲劇のど真ん中に行くのを見送るという壮絶なラストです。


フランソワーズ 美穂 圭子
ホテルの女主人。レジスタンスの原型の意気ある女将。下町の女将には見えない品の良さがあるので、それなりのフランス人で反発して怪しい人をかくまっているマダムと見た。


<病院関係者>
ヴェーベル 彩凪 翔
ラヴィックの友人の医者。ラヴィックの手配師の仕事も。いくらか仲介手数料を取ってそうだけど、ちゃんと値段交渉のほうまでアドバイスしてあげる良い人。ラヴィックとの友情度は少し下がったイメージですが。ボリスといいヴェーヴェルといい、亡命者以外の協力者が多いところがラヴィックの人徳なのですね。
眼鏡と白衣の彩凪さんがイケメンすぎて、このお医者さんが来たら心拍数上がりそうです。彩凪さんは前作「ひかりふる路」のロラン夫人も素晴らしかったけど、今回もとっても素敵。どんどんお芝居が良くなってくるので、これからが楽しみな方。的確に舞台を締めてくれる役者さんって大好きです。


アンドレ・デュラン 透真 かずき
病院長。ラヴィックを働かせている。ちょっと見得張り、ちょっと強欲。普通のフランス人(上流の方)代表者。


ケート・ヘグシュトレーム 沙月 愛奈
アメリカ人の有閑マダム。ラヴィックが手術した患者で友人。友人とか言ますが、ものすごく訳ありそうな、過去がありそうな雰囲気が漂う。
この方の衣装も好き。沙月さんも粋なマダムになりましたね。




前夜祭は出張中で劇場へいけなかったので、スカイステージで見た。ボリス役の香寿さんとジョアン役の月影さんがご出演。お二人は上手、下手にと轟さんと今回のボリス望海さん、ジョアン真彩さん。轟さんも上手に座っているべきだった。そしてラヴィック望海さん、ボリスは彩風さんと続いてほしかった。・・・と結構な数の人が思ったと思うな。
今回の轟ラヴィック、ボリスが香寿さんでジョアンが月影さんなら違和感なかった。とても格好良き大人の哀愁背負ったドイツ人男性だったもの。だから周りも同年輩なら十分魅力的で素敵で世界に浸れたと思うの。周りが若くて声の張りと艶が違うのが・・・轟さんはもともとそんなに美声ではないけど、それとは違う年齢を感じる。轟さんの上にだけ年月が流れていて、見ていてしんどい。私、轟さんと同世代だもん。
ラヴィックなら望海さんにとても似合ったと思う。新しいラヴィックが見れたのに、と思うとそれが残念。



という感じで、轟ラヴィックの所為で初演のイメージが付きまとい、記憶処理するのが難しい。やっぱり同質のメンバーじゃないなら再演しないでいい。再演はまったく違うメンバーでやるほうがすっきりする。
という再演の真理がわかったような気になりました。



かんぽ生命 ドリームシアター
ショー・パッショナブル
『Gato Bonito!!』
~ガート・ボニート、美しい猫のような男~
作・演出/藤井 大介


開演前に、にゃーにゃ―と大勢の猫の鳴き声がする。集団で啼く猫は知らないので、びっくりする。この後、どうやら全編「猫」が登場するらしい。そういえば「凱旋門」と同時代の昔、「美麗猫」とうショーもあったなあ~と思い出す。

もしや全員ネコミミ?と一瞬不安になったけれど、ネコミミは一部の方だけだった。6匹の子猫と王様猫(管理職猫)2匹、あとは朝月さんとピアノの鍵盤猫くらい?結構いるようだけど、望海さんをはじめとする主要スターさんはつけていなかったのでほっとした。
歌劇を見ていると、役名は猫。でも普通の素敵な歌劇衣装でよかったです。劇団四季の「CATS」みたいなのは、技術的には素晴らしいけど宝塚では絶対ヤダ。

プログラムは買ってないけど、忙しくて見に行くのが遅くなり、ルサンクや歌劇が出版されたので、情報があるのでちょっと順番に書く。


第1夜 猫たちの饗宴
一番驚いたのは、幕開きのせり上がり。普通トップスターかと思うやん。違ってもトップ娘役かと思うやん? なんと組長。梨花さんがせり上がりでスポットライトで出てきて一曲お歌いになった。なんかもう退団か専科へのお戻りが決定しているのかと心配になるほどの出番に驚いた・・・。いまだかつて組長の幕開きせり上がりは見たことがないから、盛大な餞別かと思ってしまうわ。あーびっくりした。そして暗転、次にオケボックスから銀橋に登場!かっこいい!咲奈さん!? 咲奈さんはオシキャットだそうな。ワイルドでかっこいい猫だ。
かっこいいけど、トップさんはどうしたん?という気分になった。今回の望海さんは省エネなのか。登場後すぐに舞台上のベッドで寝そべってるし。猫~!


第2夜 賢い猫  
賢い猫・コーニッシュレックス咲奈さんと、アメリカンカール朝月さんのカップルが歌い踊る。最近この2番手コンビが定着してますね。朝月さんはネコミミでいかにも猫な衣装。3組の黒猫カップルが後ろで踊る。なかなか素敵だ。朝月さんの衣装ももっとシックでよいと思うのだが・・。後ろでピアノの鍵盤に白と黒の鍵盤ねこ。ここくらいかな?ネコミミ祭り。若い子猫たち、可愛かった。


第3夜 しなやかな猫 
望海さんは猫名がなく、神出鬼没のガート・ボニート。訳したら「美猫」とでもいうのか。ほかの方はみんな猫の名前がついてるけど、望海さんだけは最初から最後までこの美猫であった。ここはアダルトに、アビシニアン真彩ちゃんと踊る。このトップコンビのこういう雰囲気好きって大人っぽい場面。
あとから大人っぽい男役が黒燕尾で出てきて踊る。ここの振り付け好き。
真那さんのスタイルの良さが目立ちますなあ。腰の位置が高い。
歌うのが、煌羽さんと久城さん。文句ないが、真那さんにも歌ってほしい。


第4夜 猫祭り 
ヒョウ柄のメインクーン朝美さんと女子たち。朝美さんはヒョウ柄でオラオラ言ってるのがめちゃくちゃ似合う。
この場面後半は、男役化粧カツラなしで女装する(ボディラインで女装だ!)の咲奈さん、彩凪さん、朝美さん、永久輝さんが望海さんに迫る。なんか、みんな美人やな~と。普通の女装より素顔っぽいほうが女っぽくて美人なのは、元が良いからなのね~と納得する。あまりにボディラインがはっきり出る衣装は、ラインダンスのダルマ衣装より色っぽくてドキドキしてしまうわ。背中もぐっと空いていて、デコルテもしっかり見える。腰の羽が思いやりだね。カツラもないから、普通に美人が踊ってるって感じで、目のやり場に困る?最初は「カツラ忘れて出てきたの?」ってびっくりしたけど(笑)
でもすごく中性的で、「男役の女装」よりドキドキして、私の中で盛り上がった。


第5夜 すばしっこい猫 
真ん中で歌ってるの久城さん?って思ったら、あたり。すごい!嬉しい。一緒に出てきたのは、沙月嬢、真那氏、笙乃嬢、煌羽氏という中堅重鎮メンバー(変な表現)。サービスが良い。煌羽さん、お芝居からすごい露出で驚く。ここにきて急上昇なのか?


第6夜 楽しい猫 
黒猫のタンゴの曲に乗って望海さんが客席降りてきてアドリブ。私が見た日は「新人公演に行くの~」と言っていた。私も行きたかったよ。夜の会議がなければ。そしてチケットがあれば。
別の日、大雨だったので「雨が降って寒いでしょう・・そんな時は~俺の傍においで♪ギュッと抱きしめて暖めてあげ~るから♪SUPER VOYAGERじゃなくて、にゃ~♪」と。アカペラで主題歌歌われましたが、音程も声も見事でしたわ~♪
その後、マンチカン朝美&永久輝、真彩猫が登場してくれた。望海さんのアドリブに合わせて、反応しているのが可愛い。そして反応しつつ、望海さんのアドリブ終了と同時に、瞬時に銀橋上でポーズをとる。その動きの敏捷さに驚き!猫だ~あの敏捷さは。


第7夜 激しい猫 
この場面が一番印象に残った。アフリカンっぽい総踊り。昔OSKで荻田先生が初演出したとき(2015)にこういう場面があり(あの時はヒョウ柄)、すごく好きだった。
こういう激しく踊るアフリカの大地な踊りは大好き。ガンガン息もつけないくらい踊って見せてくれて嬉しい。アフリカのネコ科をイメージしてる場面かな。こういうダンスが今の雪組で見れるとは!最近は月で見るのが多かったな~こういう場面。たいてい愛希さんの場面。今回は真彩さんが頑張ってセンター張ってた。
彩凪さんが銀橋せり上がりで歌い、咲奈さんがセンターで踊る。かっこいい!
サルエルパンツの衣装だけど、この場面全員すごく踊ってると思う。見惚れる。
DVDで何回も見直したい場面だ。


第8夜 野性的な猫 
管理職の王様の歌から。ところで、王様猫の奏乃さんと女王様猫の梨花さんは、どの種類の猫なのだろうか?白猫だけど、種類が書いてない。ガート・ボニートと同じく、全編でてくる神出鬼没の猫だから?普通の猫じゃないんだな~帽子もかぶってるし。このお二人はネコミミをつけている(奏乃さんはシルクハットにも耳がついてる)。ネコミミの白い子猫たちを率いてくるし特別な存在なのだ。王様猫のお化粧が凝っていて猫の王様らしい。目と髭が凝ってるのよ~
白猫ロイヤルファミリーの次は、ヒマラヤンの永久輝&星南+彩の若者トリオが水色衣装で登場。そのまま男役の皆様が紫衣装で大階段。これはベンガル猫らしい。体の大きな猫ばっかりだ。かっこいい場面が続く。大階段がネコミミでなくてよかったとしみじみ。


最終夜 美しい猫 
フィナーレというかパレードの持ち物は「ねこじゃらし」。ものすごっく猫が喜びそうな猫じゃらし。それを両手に二本ずつ降りながら。
うちにも何本かある猫お気に入りのおもちゃそっくり。カラフルな色で1本200円くらい。うちにいっぱいあるから、家でパレードごっこができそう。でも確実に猫がじゃれついてくる。断言できる。フィナーレには本物の猫グッズを使ったのか!と感動した。


というわけで、「猫をイメージしたショー」は危惧したチープさは無く、かっこよく熱くて面白かった。本物の猫なら、昼間はたいてい寝ているからショーにならないので、猫が活動する夜のイメージなんだけど、アダルトなイメージで作ってあったような気がする。
あとは・・私もネコミミつけて観劇したくなった。販売グッズに小さいネコミミ売ってくれたら・・・なんて思うほど。パレードの猫じゃらしでもいいや。あとで活用できるし。
ショーはすっごく楽しくて、何回も見たいです!


超個人的事情ながら5~6月は1年で一番忙しいので、6月に雪組大劇場公演はつらいわ~見に行けないやん。行けるころには終わるやん!と八つ当たり。
猫ショー楽しかった!帰宅してうちの2匹とショーごっこ♪



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はるか

こんばんは。
どうも凱旋門の評価があまり芳しくなかったのですが、えりあさんのブログを観て嗚呼......となりました。
確かにラヴィックは轟さん(初見でした!)に似合いますし、時代という理不尽を背負わされたが故に漂う哀愁も見事でした。
時代背景も大きな戦争の間なので、あの雰囲気に合致している。
(ゴールドベルクがアメリカ行きのビザが下りずに自決してしまったのも夫婦で安全な暮らしができないと絶望したせいであり、ルートが別の男に走ったのも先は長くないからいっそってこと?と思ってしまったり、フランスがナチスの侵攻に早々に白旗を振ってしまったことを考えると収容所行になった移民たちの先は明るくないでしょうし)
でも、失礼ながら望海さんでも似合うのでは?と。
轟さんよりもずっと年下の真彩さんが見事にジョアンを演じていたのは確かですが、やはり一人だけ時の流れが違うなあとは初見でも思いました。
個人的には美穂さんがレビューに出演しないのがちょっとびっくりしました、ますみ組長がイントロで歌ってるのももちろん。

ショーは猫からここまで連想できるのかあと藤井先生のセンスに脱帽。
必ずしもラテンではないのですね~ジャズ(TDSのビッグバンドビートというショーに似たような場面があるのですが、リニューアルしてからはどうかな......)からアダルトまで幅が広い。
銀橋を全員で渡る場面は「その発想はなかった!」と思いました、真彩さんのドレスがとてもお似合いで。
仕草やちょっとした小物から猫を想像できるつくりなので、CATSみたいなのじゃなくて安堵しました(笑)。

次回は花組なのですが、原田先生のお芝居も初めてです。
映画を観ているみたいと評されているようですが、日本もの(ショーでも)になると真価を発揮すると伺っているのでとても楽しみです。
by はるか (2018-08-18 17:27) 

えりあ

はるかさん

凱旋門、物語としてはまあ良いのですが、やはり虚構世界なのでその大前提(登場人物が同質の虚構世界にいる)が崩れるというのは、世界を破壊するのだと思います。
初演はラストシーンが「パリ解放」でした。今回はその場面がカットされていてない。あの暗い時代が終わった!というカタルシスも得られないラスト。時間の関係か残念でした。
そして、このブログを書いた後初演のDVDを見直してみたら、ホテルの人々とヴェーベル先生の場面(セリフ)がかなりカットされている。だから余計にモブ化。ボリス(とアンリ)に場面を与えるためか、脚本にも歪みが出て、作品の完成度を落としてしまったように思います。普通に改善して再演しても、名作と評価のついた初演を超えるのは難しいのに、なんでまた~って気分です。

猫ショーは楽しかったですね!東京でもう一度見る予定なので、楽しみにしてます。

次の花組、良かったですよ!原田演出が良いほうに効果を発揮してまして、私は気に入りました。お楽しみに~♪
by えりあ (2018-08-20 22:53) 

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