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宝塚花組梅芸「Ernest in Love」 Aパターン [観劇感想(宝塚)]

宝塚花組梅芸「Ernest in Love」
2016年2月13日(土)12時 梅田芸術劇場 1階22列センター


はじめてみました「アーネストインラブ」。面白いお話で、古きよきミュージカルで、
大変楽しめました!なにより、登場人物全員歌が上手くて、芝居が上手い!
完成度が高いです。主役4人の輪唱が、安心して聞いていられました。
歌詞が明瞭で分かりやすいし、音程も声も綺麗。
全員が揃ってレベル高いなんて、素晴らしすぎ♪
なんという安堵感。可愛くて上手くて、素敵な作品を、素敵に見せてくれました。

今回は役代わりがあるそうですが、基本のAパターン1回しか見られない。
しかしこのキャストがぴったり嵌っていて大満足。
(といいつつ凰月アルジャノンも見てみたい気もする・・・)

201602花アーネスト.jpg

再演ですが、重要ネタばれありますので、ご注意ください!

ミュージカル 『Ernest in Love』
Book and Lyrics by ANNE CROSWELL
Music by LEE POCKRISS
原作/オスカー・ワイルド 脚本・作詞/アン・クロズウエル 作曲/リー・ポクリス
日本語脚本・歌詞、演出/木村 信司 翻訳/青鹿 宏二
“ERNEST IN LOVE is presented through special arrangement with Music Theatre International (MTI).All authorized performance materials are also supplied by MTI. 421 West 54th Street, New York, New York 10019 USA Phone: 212-541-4684 Fax: 212-397-4684 www.mtishows.com”


19世紀末のイギリスを舞台に、若い貴族の男女4人が織り成す、誤解とすれ違いの恋物語。
あの時代を舞台にした良くあるパターンの物語ですが、軽い気持ちで単純に楽しめる。
観ていて思い出したのが『アリスの招待状』という大変古い雪組バウ作品。
原作が同じなんでしょうね~(高嶺ふぶきさんと和央ようかさんだった。ストーリーほぼ同じ)

悪い人は出てこないし、裏も無く、明るいコメディでとっても楽しい気分になれる。
そして今回何より嬉しかったのが、メインの4人とブラックウェル夫人と執事の6人全員が
素晴らしく歌が上手いこと。本当に感動的。誰一人「へにゃっ」となる人が居ない!
主役の4人みんな可愛くてカッコいいのに、綺麗な声で歌ってて。
花組、絶好調ですね。歌えるトップに歌メインのミュージカルは正しい選択。
でもたまにはコメディじゃないシリアスもお願いしたいな~。
今日明日海さんと芹香さんの歌を聴いていて、『黒い瞳』いいんじゃない?と思いました。
あの名場面、そりの場面の掛け合い歌が決まりそう。白と黒で似合うかも?うわ見たい。
邪念から横道にそれました。では感想を。


アーネスト(明日海りお)
冒頭のおたおたとプロポーズに悩む姿から可愛い。なんと可愛い好青年なのでしょう。
おばさまに狙われそうなタイプだ(笑)←レディ・ブラックネルはお好みではなかったようだが。
思案の果てに実行したかっこつけたプロポーズ、相思相愛の嬉しそうな顔、
そして意外としっかり者の婚約者に振り回されるうろたえぶり。どれも素晴らしい。
明日海さんは本当に芝居が細かい。表情やしぐさに細かく感情表現してくるから、映像で
じっくり観たいタイプ。もちろん生の舞台で見るのも素敵だけど、オペラグラス固定になって
しまう危険がある。(お顔も美しいので、くるくる変わる表情を眺めるのがまた楽しいんだ)
何よりも歌声。やや高めの声だが透明感があって美しい。いまの宝塚で一番好きな歌声かも。
本当に聞きほれるイイ声をしている。しかもちゃんと歌声に芝居を乗せているから
感情移入しやすいし、歌詞台詞もすんなり入ってくる。・・・あら絶賛ですね(笑)
私、歌えて芝居できるトップさんは大好きなので、今後の花組公演には期待大だ。
(でも次ミーマイなんですよね。似合うと思うけど、もっと違うタイプを観たいのであった・・・)


グウェンドレン(花乃まりあ)
しっかり者で可愛い性格。おろおろするアーネストを、ちゃっかり操縦している様な(笑)
プロポーズ「させる」場面からそう感じておりました。それが田舎にいってから、セシリィと
の超都合のよい連合・解散・連合という展開。またもやうろたえるアーネストへの牽制と
彼女の思う通りへの誘導。いや~可愛い顔してしっかりしてるお嬢さん。
さすがあのレディ・ブラックネルの娘!(15年待たずとも、母のような貫禄が出る?)
グウェンドレンが奥様なら、おうちは安泰だ。アーネストは浮気ひとつできないだろうが。
可愛いアーネストと(いろんな意味で)お似合いのカップルとなりました。
そういえば、アーネストとグウェンドレンって実は従兄妹なのね。ラストの告白で、
夫人が「貴方は・・私の・・・」の後、息子って続いたら『哀しみのコルドバ』になる~と
恐れたが、この物語が悲劇的展開を迎えるはずがないので、ほっとした。
きっとグウェンドレン嬢もほっとしたことだろう。しかも「アーネスト」という名前に
大層こだわっていたようなので、本当に良かったですね。セシリィに勝ちました(?)
(でも今度はセシリィに先に息子が生まれて、アーネストって名前を付けられたりしそう?:笑)
花乃さんは声が綺麗で歌えるし、美人だし言うこと無いね。あのドレス似合ってます。お帽子も。
(というかさ。帽子が無いって悩んでたけど、ドレスと共布で作ってあるやん!!と突っ込んだわ)


アルジャノン(芹香斗亜)
放蕩者っぽいおおらかさがぴったり似合う。でも良い家の出身だと分かる漂う品のよさ。
あの時代の衣装がとてもお似合い。体格が良いので、あの「食べてばかりの役」がしっくり
くる。でも、食べながら話する場面も有るし、食べてすぐ動いたり。
今日はむせて咳き込んでしまい、アーネストがお水を渡してくれました。
毎日アドリブも有りそうだし、楽しそうだけど舞台上で飲み食いするのは大変だ~! 
彼がむせないように、美味しいサンドイッチを注文してあげたい。私ならきゅうりはごめんだが。
芹香さんも上手いわ!お芝居も歌も。しかし、観るたびに歌が上手くなってるように思うのが、
凄いよね。本気で感動したわ。明日海さんと全然違うタイプなのが、いいコンビに見えて、
なんか観ていて楽しい。友情、ライバル、敵対。・・・いろいろな作品が作れそう~♪
見てみたい~♪と観劇意欲の湧く二人です。
そうそう、芹香さんは体格がよくて男らしいけど、フィナーレのピンクの衣装が似合っていた。
きっとお顔にほんのり優しさが見えるからではないかと思う。
「この人に守って欲しい!タイプの男役」って感じが素敵な方ですね。


セシリィ(城妃美伶)
アーネストが田舎で後見人をしているお嬢さん。まだ18歳の小さなセシリィだそうだ。
だからドレスもヘアスタイルもちょっと子供っぽい。だが、簡単に放蕩者のアルジャノンを
落とす辺りなかなかのやり手。ウェンドレンとのやり取りなんか、したたかさの片鱗が見える。
ちょっと思い込みが激しい感じだが、アルジャノンのように数々の遊びを尽くしてきた男には、
そこがいいのかもしれぬ。実は資産家だしね。
セシリィも可愛くて歌えて、大満足。4人の輪唱場面はかなり印象的。
4人で一番歌が心配に思うのがセシリィなくらい。セシリィもちゃんと歌えるんだけど。
普通なら心配御無用な人です。2番手娘役さんですね、花に来てよかったね!


執事レイン(凰月杏)
堂々たる進行役の執事さん。冒頭はほぼ独壇場。素晴らしい歌で導入部を占める。
貫禄があるし、丁寧な物腰で、名門貴族の家に仕える下級貴族かと思ってしまいますわ。
一応平民なのですよね? 舞台できゅうりをかじっていた・・!きゅうりアレルギーの私には
到底できない役だと思いました(役が回ってくることは絶対ないですが。私には衝撃的場面)
凰月さんの歌もいいねえ。なんとなくアルジャノンも想像できる感じ。
芹香さんと体格とか雰囲気が似てると思うの。花組のショー見てて分からなくなるのよ・・。


レディ・ブラックネル(悠真倫)
グウェンドレンのお母様にして、アルジャノンの伯母様。超重要人物。
知らなかったんです・・驚きました。なんてぴったりなの。ちょっと太めの貫禄ある体格が、
マダムっぽさをかもし出し、それなのに素晴らしいソプラノ。歌が上手いのは存じていましたが、
女役の声でも素晴らしく上手いのですね!あのみょうちくりんな歌詞でも感動的です。
といいつつ実は内心大爆笑でしたが。
だって「ハンドバッグは母親じゃない♪、手荷物預かり所は父親じゃない♪」って何その歌詞???
何でみんな平常心で聞いてられるの?と必死でこらえて客席を見渡してしまったわ。
ハンドバッグの精?を大勢従えてこの歌詞を真面目に歌うまりんさんと、
そういわれて真面目に悩むアーネスト明日海さんに、もう肩が震えて仕方ありませんでした。
ま、真面目にいうと、アーネスト本人の責任ではないこと(生まれ)で結婚を反対するのは
ちょっと・・と思いますが、この時代の貴族だし、しゃーないな~と古典を見る気持ちで
みれば、レディ・ブラックネルの厳しい態度も納得です。
現代モノなら、アーネストがどんな生まれでもどんな名前でも(これはグウェンドレンへ)
「彼」を愛したのなら、それを貫くべきだし、アーネストも中身で勝負すべき・・・なんて
思います。ま、これ古典だから!まだ女性差別がないだけ良い作品だと思いますもん!
唐突ですが・・、まりんさん。いつかゾフィー皇太后様を見てみたいです。


プリズム先生(花野じゅりあ)
セシリィの家庭教師の先生ですが、実は超重要人物。って、この方失踪中だったの?!と驚く。
どういう経緯でセシリィの家庭教師になったのか分かりませんが、あのバッグは見たことが
なかったのですね?同じ家の中にあったのに。
セシリィの後見人であるジャックの生まれ育ちも聞いたことがなかったのですね?
おうちの中に謎がいっぱい、ミステリーハウスなんですね。
ブラックネル夫人が娘を追いかけてこなければ、永遠の謎だったのかも。
これぞ運命の不思議(ご都合主義ともいう:笑)

それより。なぜ自作の小説(全3巻)と主家の赤ん坊を入れ替えたのでしょう?
なぜそれを駅に預けたの?駅で誰も気付かなかったの??と謎は山積みですが、
そこは追求されませんでした(笑) 多分物語的にどーでも良いことなのでしょう。
アーネストが、身元のはっきりした貴族の子で、本名が「アーネスト」だったから
それですべてが丸く収まるのだ。
(しかし・・アーネストは誰にも似てなかったんだろうか?弟は親の名前も覚えてないし、
顔も忘れてそうだ。伯母も義弟の名前忘れてるし?凄い家族だ・・。
プリズム先生も大事な小説を紛失した理由や過去の行動を全く覚えてないような・・
いや伯母様みて逃げたっけ、覚えてた? そこで逃亡したなら、赤ちゃんのことは
気にならなかったのだろうか・・・、それ以前に、アルジャノンの母は行方不明になった
長男のことは弟に何も言ってなかったんだろうか?うおーやっぱり謎が多すぎる。
考えてはいかんだな。・・もう大団円だから細かいことはいいんだよっ!!)

じゅりあさん、ぴったりでした。もともと芝居が上手い方なので、安心。
とぼけた役も上手い。さすがのベテランさんですね。


チェジャブル牧師(夕霧らい)
プリズム先生と良い関係の牧師様。牧師だから結婚できるんですよね~
彼がいなければ、セシリィは一人にならず、アルジャノンと出会い
恋に落ちることがなかったでしょうから・・ここでも運命の不思議が大活躍。
髭が怪しい牧師様でした(笑)


登場人物はほぼこれで全部、あとは「市民」「村人」「召使」。役が少ない。
役の無い人が多くて、無駄に豪華さを感じる(いや最近OSK見てるから、
凄い大勢必要なミュージカルを12人程度でこなしてしまうのを見なれてしまいました。
半分に割ってもこの大人数に感動する。さすが宝塚だ。
契約上かもしれんけど生演奏だしね。舞台の上の鳥かご楽団も素敵)

上質なコメディ・ミュージカルを見た~♪ と楽しい気分で帰りました。



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