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宝塚月組「舞音/GOLDEN JAZZ」東京 [観劇感想(宝塚)]

宝塚月組「舞音/GOLDEN JAZZ」東京
2016年1月7日(木)13時30分 1階17列センター


今年の初観劇は宝塚月組東京公演から!先行きがよろしいわ。
大劇場で一度だけ見て、もう一度今度は絶対に1階席からみたいと思った公演。
チャンスがあったので(東京出張)、1階センターで見てきました。

やっぱり見え方が違いますね。1階からみると「もうひとりのシャルル」の
役割が分かりやすい。「もうひとりの」より「ファム・ファタール」のように感じた。
そしてソンと張夫人。もうソンさんが最高!これは素晴らしい役だ。
ストーリーを知ってから見ると気づくことも有り、2倍楽しめました。

ショーは、これは結構好きなタイプのショーです。音楽が好みだし、各場面のつくりと
場面転換、場面の入れ方もいい。お気に入り場面もある。
前回は「インフィニティ」を思い出したけど、今回は「カルネヴァーレ」を思い出した。
まあ要するに稲葉先生の作品ってことだ(笑)で、私は稲葉作品は好きなようだ。

やはり2度見ないと味わえないことが有ることに気づきました。ちょっと反省

では新たなる発見を。
月舞音横.jpg


「舞音」

大劇場で見たときは、2階後方のすみっこから見ました。
そのときは、よく見えないのと龍さんと美弥さんが遠目に似ているのもあり(似せてるし)、
「もうひとりのシャルル」の存在がよく分からなかった・・というか紛らわしかった。
だから次に見る機会があれば、1階センターから見たい!と思ってた。

で、今回は1階センター(中ほどやや後ろ?)で見ました。
そうすると、シャルル(龍)ともうひとりのシャルル(美弥)の違いがよく見えて。
意図がなんとなく分かるような気分になりました。
私には、「もう一人のシャルル」というのは、『風と共に去りぬ』のスカーレットⅡや
『ブラックジャック~危険な賭け』(古いな・・)のBJの影とは違い、
シャルルの内なる声ではないように感じました。
どちらかというと「ファム・ファタール(運命の女→男の場合はなんと言うのだ?)」
のように、インドシナという一種の迷宮に踏み込んだシャルルと異界へと
導く人ならぬ存在に見えた。神か魔かわからないけど・・「それ」は
シャルルと同じ姿をとり、シャルルにも見えないけど、同じく「見えない存在」
である観客にだけ見える。見えざる神(か魔)の手が見える感じというか。
ちょうど、荻田先生の幻想的なショーに通しで出てくる矢代コウさんのような存在。

もう一人のシャルルはほとんど台詞が無い。ラストに一言だけだったような。
最後の彼(もうひとりのシャルル)の台詞は、内なる声じゃない。
あれは「神の啓示」のようだ(セットや演出効果もあるけど)。
彼は、シャルルの心の声でもなければ、シャルルと対話することも無い。
シャルルを翻弄しシャルルを異界の迷宮に導く役割を持っているように
感じましたわ。彼の人生を確実に破滅させた、でも彼は真実の愛を得たことで
満足している。この「もうひとりのシャルル」の「仕事」を最高神はどう
判断するでしょうね? と、「もう一人のシャルル」が神に投げかけているような
そんな深さも感じました(うがちすぎ?)

このストーリー。「もうひとりのシャルル」無しでも成立する。
でも、彼を配したことで、破滅と愛、どちらを重視するかが明確になるのでは。
(景子先生は、「愛」重視ですね)

2度目を見ると(1階から)新たな発見があってすごく楽しめました。
もう一度今度は前方で見たい・・けど、もう東京にいけないので終わり。
あとは映像で見るのを楽しみにする。


その他、やっぱり前回も素晴らしいと絶賛した ソン(宇月)と張夫人(憧花)。
このお二人の存在感、素晴らしいな。そこにマルセル(輝月)、ホマ(海乃)が
入り、さらにクオン(珠城)がいる。シャルルとマノンの豪邸の場面ですが、
すごいですよね、あの場面。あとから警察(星条)まで突入してくるから
素晴らしく濃いお芝居になってると思います。あとは張夫人のお店の場面。
シャルルがクオンにカモにされる場面も、クオンの最期の場面も、凝ってる。
というか、多分私の好みなんでしょう。大変素晴らしかったです。
私はやっぱり「真実の愛」にすべてを捧げ、破滅さえも幸福なシャルルより、
「愛」を拒絶し信じず、絶望のうちに破滅したクオンに惹かれます。

で、ラストシーンの後。その後のシャルル。
シャルルは中国(別の世界)で新しく女の子と暮らすだろうと思うのは変わりませんが、
その女の子は、黒髪の孤児の幼い少女で、名前も無い。愛を信じない暗い瞳に、
シャルルは彼女を「リエン」と名づけて引き取り、愛を注ぐ。いつか「リエン」も
彼に心を開き、やがて父娘として、娘が嫁ぐ日までずっとずっと惜しみなく愛を注ぐ。
そんな光景が想像できました。近いのは『レミゼラブル』のバルジャンとコゼットかな。
とりあえず、何があっても自分からリエン(マノン)の元(天国)に行くことは無い、
いつかリエンが迎えに来てくれるまで、自然死するまで「リエン」を愛し続ける。
シャルルが得た「真実の愛」の結末はこんな感じのイメージ。
まあ、あってるかどうか分からないし、私の勝手なイメージです。はい。



ショー「GOLDEN JAZ」

結構好みのショーだと分かった。「インフィニティ」みたいにアカペラがあり、
歌詞の無い暗めの本格アフリカな場面があり、幻想的な場面もありとなかなか好きだ。
(極彩色の陽気なアフリカンは好みじゃないけど、暗い呪術的なアフリカンは好き)
そして今回衣装を見ていてなんか思い出したのが「カルネヴァーレ」だった。
(調べてみたら、これも稲葉先生だったので当然かもね)
そのカーニバルの場面を思い出したの>珠城さんのチェロの場面。

プロローグの「ゴールデンジャズ」が「ゴールデンデイズ」と同じイントネーションだ
とか思ってしまう古い脳みそですが、プロローグも勢いあって好き。
しかし、開演前に「お客様と一緒に盛り上げていただく・・静かに云々」という
アナウンスがしつこいほどありますが、あれ必要でしょうか? 普通やんこれくらい。
『フットルース』(ペンライトもって本格的に振付けされて踊った)や
『リオデブラボー』(ポンポン持って客席で踊った)を経験しているので、
「タンバリン持ってる人もいるけど、みんな静かで大人しいやん・・普通や・」と
事前アナウンスの強硬な注意事項から恐れていたのに、拍子抜けしたのでした。
本当に、あのアナウンスを聞いた時は、「よほど本格的に踊るのだな・・付いていけるか」
と浮かないか内心恐れていたのだ(フットルースのとき全然付いていけなかったから)
星組は行ってないが柚希さん時代はコンサート等が多かったので、大層盛り上がってた
と伝え聞いており、そーゆーのを想像して実はおびえていたのだ(笑)
よかった、私も普通に参加できて!>劇場アナウンスで脅さないでください~!

あと幻想的で色っぽい場面で、またもや美弥さんが龍さんの影のような役を
やっていて、なんかお芝居とかぶりまくり。やっぱり似てるよ>雰囲気。
ここの朝美さんが美しくて釘付け。

アフリカン場面、センターで踊る愛希さんにも釘付け。「クリスタル宝塚」の
コッペリアで感動したけど、ほんとダンスが素敵だ。だから風花舞さんを思い出し
『CANCAN』再演して欲しいなあ~って思うのだな。
愛希さんならあのピスタッシュの32回転ができそうよ。

黒燕尾まで楽しく見ました。なかなか素敵。
見てると全員いる場面ではいつも、朝美さんと暁さんが対で目立つところで使われている。
なんか思い出すなあと思ったら、昔の星の朝澄さんと真飛さんだ!(古いですね)
龍さんと明日海さんも同じかも知れないけど、その時代あまり見てないからごめん。
美しい朝美さんと可愛い暁さん、男らしい珠城さんの両側として私は大変好みです。
上手く使って盛り上げて欲しいですね。

フィナーレの曲(プロローグも同じだけど)インパクトがあって中毒になりそうに
印象的な曲。着メロにしたいわ。
大変万満足したショーでした!やっぱり東京で見てよかった♪
午前中の会議ありがとう!!!

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