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近鉄アート館「蝶子と吉治郎の家」 [観劇感想(その他)]

近鉄アート館「蝶子と吉治郎の家」
2015年1月10日(土)17時 桜花さん 


今年の初観劇はなんとなく・・当日急に行くことになりました。
近鉄アート館「蝶子と吉治郎の家」というお芝居です。
桜花昇ぼるさんが役代わりで出演ときいていたので、承諾(すごい理由・・)
行くことにしました。北林先生だしね。
「100周年の宝塚」と「93周年のOSK」と「102周年の吉本新喜劇」をごちゃまぜ
したお話とか紹介されていましたが、確かにそのとおりでした。
基本ちゃんとした人情話で、やっぱり北林佐和子先生の作品だなあ~!という感想。
ぜんぜんわかんなんですね(笑)後ほど詳しく書きます。
そうそう桜花さん、やっぱりスターですね~キラキラ度が変わらず凄いや。





「蝶子と吉治郎の家」 作演出 北林佐和子


昭和初期の大阪・道頓堀を舞台にしたプチミュージカル入り人情喜劇。
笑ってうっとり笑ってほろり・・・という感じでしょうか。
ラストの落としどころ(結末へのもって行き方とういかテーマ設定)はさすが
北林先生だなあという雰囲気に納められていました。
途中、あまりのむちゃくちゃな混ぜっぷりに、どんな結末つけるの???と
不安になったものですが、見事な着地でした。
ただ3つの要素を均等に入れようとした結果、途中がちょっと散漫になった感じが
あったのは仕方ないですね。登場人物が少なく、制約が多い感じがしたの。
「この要素を使って、お芝居(ミュージカル)を作って」といわれた感じ。
変な例えですが、「3人の来客が持参してくださった食材を全部つかって、夕食を作って」といわれて、なんとか家人とすべての客が楽しめるお食事を出しました!ってイメージ。
(これ褒めてるつもりです。)


簡単に書くと。
小間物屋のぼんぼん(吉治郎)は惚れた芸者・蝶子と駆け落ち。貧しい暮らしをしているが
ぼんぼん体質はそのまま。貧乏神が居心地がいい~とくつろげる家庭。
そこへやってくる(吉治郎が連れてきてしまう)半玉芸者のパンダ奴、
彼女は生き別れの妹を探しており、それが歌劇のスターらしく?! 
この二人が無駄に煌びやかに巻き起こす大騒ぎ。巻き込まれる夫婦。
これが解決したら、今度は滞納家賃の取立てに来る大家さん。
実は因縁の過去有りのおばあさんで、この人が決着をつけてくれますわ。
進行役とも言うべき貧乏神も、実は重要キャスト。いい味付けです。
泣き笑い人情劇というのは吉本定番、そこに華やかミュージカルで味付けしてて。
結構、面白かったです。


吉治郎(西川忠志)
ぼんぼんで浮気で借金で、でも無駄にいい男なので女が離さないという困ったタイプ。
まあ昭和初期まではよくいたようなタイプです。あとこの吉治郎は、性格が良い。
優しいというのか、この時代の男にしては大変女性への思いやりがある。
そこが女をひきつけてしまうのかしらね。結局、ずっと貧乏そうだけど、
幸せに生涯を全うしそうなタイプの人でした。
西川さん、初めてお芝居見ましたが、上手いわ。ミュージカルだから歌ってましたが、
歌はそこそこ・・かな。もうちょっと歌えると嬉しい。
「吉本」担当の場面では貧乏神を相手にちょっとネタを披露してくれてました。
ご両親が有名人だからお顔を知ってますが、上手く父と母を混ぜたお顔なんですね~
なんとも絶妙なイイ男が出来上がるんだ!と感動しました。吉治郎の雰囲気がぴったり。


蝶子(紫とも)
暗い過去ありで、どうしようもないぼんぼんに惚れて尽くしてしまう気風のいい元芸者。
それがぴったり似合ってました。紫さんは宝塚時代、一路さんの相手役で1作見たことが
あるだけなんで、ほとんど記憶が無いのですが、昔のトップ娘役になる方は、これだけ
お芝居できて歌える人だったよね・・と、違うことを思ってしまうほどでした。
もう結構なお年だと思いますが(失礼)可愛いし綺麗だし品もあるし、さすがですね。


煌光(桜花昇ぼる)Wキャスト
煌いてる!光ってる!・・いやほんと。常にミラーボールを背負って歩いているような
そんなキラキラ度がまぶしかったです。退団したてということで、まだまだトップスターの
オーラ全開でしたし、美貌も衰えてないような、そんな雰囲気。
チラシの写真は普通の黒燕尾ですが、舞台衣装は金の総スパンでロング金髪。眩しいって。
オーバーなキザりかたが、役にぴったりでした(けど歌劇のトップスター役の設定が・・
思い込みの激しい人って、それでいいのか?!そうなのか?・・ぴったりだが。)
声も歌もダンスも品格も完璧でした。(もっと紫ともちゃんと踊って欲しかったわ)
ほんっと本筋にはあまり関係ないというか、吉治郎と蝶子の性格を現す1エピソード
なんだけど、無駄に豪華で煌びやかで、いや~素晴らしかったです。
OSKと宝塚、担当場面まぜまぜですね。歌劇といえば「ベルサイユのばら」で
「オスカル様」なんだなあ~と、思った場面でした。桜花さん凄く似合ってたけど、
ちょっともやっとするわね、やっぱり。OSKの代名詞になる舞台が必要だと痛感。


ぱんだ奴(未央一)
*多分、未央さんだと思うが、白塗り化粧が厚くて判別できず(笑)
思い込みの激しい芸者さんで、吉治郎と縁があったことから押しかけ、大騒ぎ。
浮気相手なのに放り出せない蝶子が面倒見てあげ、結局夫婦が生き別れの妹を
探してあげるのだった・・。最後は見つかった妹と円満に退場。
この後パンダ奴さん、どうなったのかしら? 
しかし、すっごい遺伝子ですね!という姉妹でした。
容姿は恐ろしいほど差ありながら性格がそっくり・・(笑)


大家のおばあさん(風早 優)
*多分、風早さんだと思う。おばあさんメイクのため判別できず。
このおばあさんがストーリー上一番大事な人だった、この夫婦にとって。
決着をつけにきてくれたんだもの。家賃取立てできなかったけど、夫婦に引導を渡し、
そして幸せに生きられるように、示唆を残して去るのだ。
このしゃべり、間の取りかた。うまい!と唸りました。
(だから余計に風早さんだと思うのだった・・宝塚時代、お芝居上手かったもんねえ)


貧乏神(小久保びん)
開演、とぼとぼ出てくる貧相な姿に、いわれなくても「貧乏神」とわかるほど嵌ってる。
人間から見えない設定で進行役とも言うべき貧乏神だけど、実は重要キャストなんだよね。
これまた貧相ないい味をだしてました。西川さんと組んで小漫才してました。
このお芝居、大家さんと貧乏神がいないと収まらない。凄い設定でした。


月ちゃんと花ちゃん(HIROKAと田坂理恵)
歌劇の劇団員で、ほぼ煌光さまの背景担当。スターには崇拝する娘役が必須か。
時々、蝶子も吉治郎も動員されていたが・・。スターにはバックが必要だ。
カンカンの衣装で、可愛く踊ってましたが、歌劇の人ではないですね?>動きと体型。
と、ちらしによれば吉本の方でした。吉本も可愛い娘さんがいるんだなあ~と妙な感想。



後ね、テーマというか「あほ」という単語の意味が深かった。
「あほ」は大阪では褒め言葉になることも多いんですよね。独特の大阪文化単語かも。
「あほやなあ」と真剣に涙ながらに言われたら「叶わないかもしれない夢に向かって、
ものすっごっく頑張っている、それを認められた」ってことを意味したりする。
夢が叶わなくても、努力する姿勢が評価されているときに、使ったりする肯定的な単語。
「あほやけど頑張れ、あほやから頑張れる。」って。たいてい、「あほ」と声を掛けた人は
その「あほ」を支援してあげるのだ。好意的なニュアンスが含まれてます。
作中「あほはロマン」って台詞もありますが、まさにそのとおり。
これは大阪の人には分かりやすいテーマで、ほかの言語の人には難しいテーマかも?
なんて思ったり。いえ、だからこそこのお芝居が作られたんですね。
大阪の人に「あほやなあ」って言われても、それは褒め言葉であることのほうが多いので
怒らないでくださいね。ものすごく「可愛いなあ」と思ってるときとか、「こいつ助けたろ」
と思ってるときとか、そういうときに使います。
私だって「あほやなあ」のあとに「貸してみ」と続いて、手伝ってあげることに
なることが多いですから。なので「バカ」といわれたら怒るか反省するかしてください(笑)



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