SSブログ

松竹座「道頓堀パラダイス」初日 [観劇感想(その他)]

松竹座「道頓堀パラダイス」初日
2014年9月13日(土)13時 2階6列センター


OSKの設立時代のお話でOSK現役生(&OG)出演で、舞羽美海さん主演。
初日を観てきました。ストーリー自体はベタな感じで、先の展開が予想通り。
予定調和だけど、ほんわかハッピーエンドで、安心して楽しめる。
暗転も結構長めで新歌舞伎座風ですが、劇の最初と最後にあるレビューショーの場面が
大変良かった。とくにフィナーレのほうは本格的で、娘役だけのショーならこんな
感じになるのか!!!と新鮮な驚きとともに観ました。



舞羽さんは可愛いし美人だし踊れるし、お芝居できるので主演に納得。
しかし先日『レディ・ベス』で元娘役の主演って凄い見たことないわ!!と思っていたら、
まああっというまに舞羽美海さんが元娘役で主演でしたわ。すごい快挙ですよね。
OSKから現役の舞美りらさんが同期生役で目立ってます。レビュー場面はさすが!!
凄い存在感で、すぐにわかります。やっぱ舞美さんのダルマ姿は値千金だね。
そして2番手娘役といえるのが、キンタロー。さん。スタイルはともかく、凄く踊れて
びっくり。実はあとの二人(舞羽&舞美)とのあまりのスタイルの違いに、登場のときは
「お笑いシーンか?」と笑いたいところだけど、しっかり踊るので笑えないって悩む
感じでした。普通に踊れるスタイル難の女優さんって感じで、お芝居に溶け込んでました。

脇もしっかり固めてて、なかなか面白いお話でした。松竹座の公演って感じかな。
まあ松竹座さんもこれだけ「OSKはここが出発点、OSK日本歌劇団は今も活躍中」とか
言ってらしたので、もっと関わって、「松竹座」でOSKの定期公演、春も秋もしてほしいです。
次やるときは主役もOSKの人にして欲しい。舞羽さんは好きだけど、作中の春子の台詞、
「宝塚を受けたくて、受けられなかったのでOSKで頑張る!」とかあると、やっぱり
「あなた宝塚の子やん」と、もやっとしますから。



「道頓堀パラダイス~夢の道頓堀レビュー誕生物語」
脚本:池田政之   演出:わかぎえふ


配役とか見ただけで、ある程度はお話の展開が読めますが、その通りです。
期待は裏切りません(笑)。新歌舞伎座とか松竹座は、あまりお客様を驚かして
度肝ぬいちゃうと危ないですからね>客層。(時々客層が違う公演もあるけど)
というわけで、予定調和のハッピーエンドは見ていて実に気楽に楽しい。
出演者の演技力もレベル高かったし、最後のレビューショーは本職連れてきただけの
ことはあって、見ごたえありましたもの。OSKのラインダンスが見られる!。
(キンタロー。さんがラインダンスに入りたいみたいですが、アレはレベル高いぞ。
舞羽さんでもかなりの練習が必要そう。元が宝塚だししばらくやってないだろうし。
というレベルの足上げだ。・・・でもちょっと見てみたい気もしないでもない:笑)


では順番に。

春子(舞羽美海)
母がカフェのダンサーで自分も宝塚を目指していたが、ちょうど受験のときに母が
亡くなり諦めていた。そこへ、松竹歌劇団設立のお知らせチラシをみつけ、チャンスを
掴み、松竹楽劇部(のちのOSK)のスターを夢見て努力する少女。
健気でかわいい。こういう「ひたむきな美少女」の役は舞羽さんにぴったり。宛書だ。
これ、松竹の偉い方に舞羽美海さんのファンがいて、「彼女の主演ありき」で考えた
お話では?と思うほど。ぴったりはまってる。いきなり娘役主演もすごいものね。
嫌味なくいい子なので、見ていて清清しくなる。ツンデレな優等生・櫻子や、
嫉妬から意地悪しちゃったお嬢様・桃子との友情も、自然な感じでよかった。
一個だけ。お稽古場で、桃子が櫻子に意地悪して(というか冤罪で犯罪者にしようと
してた!)、それを春子に見抜かれ指摘されるのだが、春子が「許してあげて」
「みんな仲間よ」と説得する場面は、なんか宝塚音楽学校ではこんなのしょっちゅう
あるんだろうな~と妙なリアリティを感じてしまった(笑ってらんないけど)。
もともと舞羽さんは芝居上手いし、歌も声が透明で綺麗だから、ソロの歌も、もう少し
慣れてくればもっと聞かせてくれると思う。今日は初日で緊張の方が勝ってた。
ショーではさすがのドレス裁き。舞美さんと踊る場面は、ほんと眼福。どちらも綺麗。
動きが滑らかで凛としてて。これぞ娘役!!という可憐さが出てました。


櫻子(舞美りら)
「同期生で成績トップ」役だけど、納得の練習場面。一番足が上がって綺麗に見える。
最初から自分に実力あるから済ました感じで、他の素人娘を馬鹿にした感じで出てきた
けど、実は舞台を愛し仲間を大事にする中身は熱い優等生ツンデレ少女。
いい役でした。が、もっと出番があってもよいのでは?と思った。最初余り出ないの。
フィナーレのダンスは、ラインダンスのセンターを勤めていた。やっぱり
舞美りらちゃんの売り物はあの超絶バービー人形のスタイルだから、ダルマ姿に
しないと!!!という気持ちが良くわかった。腰の高さ、足の長さ、ほんと最高です。
このラインダンスは舞美さんをセンターに、現役4名とOG4名の計9人で踊りますが、
さすがOSK!というラインダンスです。
あとの娘役の正装というべき白いドレスのところも素敵だけど、舞美さんもちょっと
変えてあげて欲しいな。舞羽さんがラメ入りキラキラドレスはOK,,キンタロー。さんも
ドレスは一応同じだと思うけど、髪飾りが違う。舞美さんだけ、主要3人のなかで
他と同じなので・・髪飾りだけ変えて欲しいな。もしかして、ラインダンスから
早替わり変更できないからかな? とにかく舞美さんも可愛いかったです。
しかし舞美サンの役名が、「櫻子」って・・なんか意味するところあんの??


五所川原桃子(キンタロー。)
凄い目立つ。登場すると必ずフルネームを名乗ってくるくる回る。しかし綺麗に回るのだ。
軸がぶれなくて、しっかりしている。体型がちょっと難有ですが、かなり綺麗に踊る。
調べると社交ダンスを本格的にやっていらしたとか?ダンスシーンに違和感なく、
「合格」も納得の実力ですわ。(容姿スタイルはともかく、実力派枠ですね)
お芝居はなかなか。ぶっとび令嬢設定なので、少々浮世離れした勘違いな感じが素敵。
しかしフィナーレのレビューでは、舞美・舞羽・キンタローと並ぶと、もうなんか。
同じ種類の人間とは思えないスタイルの差が明瞭に浮き立ち、ちょっとなあ~
ダンスは踊れてますが、多分群舞に慣れてないのでしょうね。列に戻ったりするのに
もたつきを感じました。まあ初日だし、これからに期待。


鏑木先生(国広富之)
宝塚の設立功労者で、松竹の社長が引き抜いて松竹楽劇部の立ち上げも頼んだ・・って
本当なのか?知らなかった・・・OSK史を今度買って読まなくては。
なかなかカッコいい役です。春子の病院の場面の受け答え。それを心配そうに見ている
春子と、なんだか妙な事態?と悟って不安げに見ている櫻子と桃子の表情も良かった。
ここが一番のクライマックスですね。あ、梅やでの大将との会話も良かった。ベタだか。
粋に去っていく姿もさり気なく、ダンディなオジサマ役、とても素敵でした。


「梅や」の大将(曽我廻家八十吉)
春子のお父ちゃん。小料理屋「梅や」をやってます。昔からやってて、春子の母が
従業員でやってきて結婚したらしい。いまは姉とやってる。結構流行ってる雰囲気。
(いや劇中、ほかに客は居ないが。松竹の社長が贔屓にしてるんだもんな)
このお父さんも、春子が可愛くて可愛くて仕方ない様子が伺える。何があっても
春子を幸せにするぞ!という決意が感じられて、娘思いのいいお父ちゃんだった。
もちろん春子のほうも、お父ちゃん大好きっこに見えたよ。ラストシーン、
楽屋というか舞台の袖(上?)まで「お弁当届けたから、皆で食べや」といいに来て、
「もう!お父ちゃんてば、こんなとこまで。恥ずかしい」と怒る春子が幸せそうで。
いい関係だな~と思いました。いい役者さんでした。


その姉(山田スミ子)
いろいろと複雑な事情を御存知の春子の伯母さん。お父さんの姉で、娘が一人。
春子とは伯母も従姉も大変仲良し。父との間を取り持ってくれてます。
どっしりしたいい伯母ちゃんです。春子は幸せやな・・春子の母も幸せやったと
そりゃあ鏑木さんもこの人たちを見ていて思っただろう。


松竹の社長(高田次郎) 
松竹の社長、松と竹の双子の兄弟?!本当なのね。驚いた。知らなかった。
本当の人情派の社長のようで、貫禄ありました。社長がいろいろと松竹楽劇部、
少女歌劇について語りますが、「ほんまにそう思っててや~松竹さん」と思いました。

松竹の従業員(番頭さんと社長秘書さん)
なかなかいい味出してて、物語を暖かくしてました。特に番頭さんはストーリーに
絡まないので、もう息抜き場面担当(笑)笑かしてもらいました。
若い秘書さんのほうは、切れ者!という感じで、これからの松竹を背負っていきそう。
後にどこまで出世したのかが知りたいくらい。


楽劇部の先生方
日舞、洋舞、洋舞助手、演劇と4人出てこられます。洋舞の先生は技を披露し、
なかなか楽しいレッスンでした。皆さんいい味出してらっしゃいますね。


今回、役者さんの大阪弁がかなりナチュラルで、違和感無し。
大阪の子(関西出身)ばかりを集めたのかしら。舞羽さんの大阪弁なんて始めてきいたわ。
宝塚ではずっと遠慮してたのね・・まわり、未涼さん以外は関西人じゃなかったもんね。
道頓堀の劇場でやるんだから、似非関西弁は厳しい。大変ナチュラルでよかったです♪


一番のラストシーン。彼女たち松竹楽劇部の一期生の初舞台です。
「これが後のOSK松竹歌劇団となります!!」と言って出てくるのが元宝塚の美海ちゃん
というのは、ちょっと違和感が・・めっちゃありました。「この子宝塚の子やん」と
言いたくなる。いいんだけど、そこはせめて舞美さんとかも一緒に出しておいてよ。


フィナーレにかなり長い目のショーがありました。
本格的なショーなんですが、全員娘役。それにも違和感というか・・不思議。
ドレスの娘役さん総踊りの後、つい後ろからの黒燕尾の男役が集団で降りてくるような
期待をしてしまう。美海ちゃんが一人で歌ったあと、後ろから音月さんが出てくるような
錯覚に囚われる。男役が居ない舞台って、見慣れなくて、なんか物足りない。
やっぱり両方必要だな~としみじみ。いったいいつ頃から男役ができたんでしょう?
宝塚でも初期の写真をみると、娘役ばかりだしなあ。
とにかく。桜花さんは既に退団されてるんだから、教師役かなんかで出てもらい、
最後に燕尾で出てきて、舞羽さんと舞美さんを相手に踊ってあげて欲しかった・・。
とまで思ってしまったほど、物足りなさを感じてしまった(笑)
「男性」じゃなく「男役」が必要なので。少女歌劇だもん。

具体的には。最初は黄色いドレスで、キンタローさんを中心に軽く踊り、
次は舞美さんメインのラインダンス。総勢9名です(OSK現役は5名+OG4名)
他の現役生は、榊紫之さん、実花ももさん、美月あんじゅさん、桃葉ひらりさん、
OGは鈴峰ゆいさん、柑奈めいさん、愛奈かれんさん、妃那かれんさん。
凄いラインダンスでした。この場面はさすがOSKしか出来ません(OG含め)。
次に舞羽さんのソロ歌。(ここで音月さんの幻覚がみえ、期待してしまった・・)
ラインダンスに出ていた人たちが白いドレスに着替え、その後全員が踊るのですが、
真ん中で踊るのは舞羽&舞美。ダンスもドレス裁きも、どちらも美しい。さすがだ。
後から、ラインダンスに出てない5名が登場、4名は大きな羽扇で後ろに立ち、
キンタローさんは前の二人(舞羽&舞美)と並び、3人となる。・・ここで同じ白い
ドレスを着た3人の並びを見て、「体型って大事だ」としみじみしてしまいました。
宝塚でもOSKでも見たことのない体型。新歌舞伎座なら観るかな・・というスタイル。
それが一緒にちゃんと踊ってる!!本公演では(宝塚でもOSKでも)決して
見ることのない光景でした。それはそれは不思議な幻想空間。
ある意味で、大変珍しいショーを見ることができた。面白かったわ・・・。



人気ブログランキングへ

nice!(1)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:演劇

nice! 1

コメント 2

hanihani

どうしよう、すっごい面白そう!!!

そうでなくても舞美さんがいなくて寂しい三越劇場だったのに(笑)

そのせいかロケットなかったな…

23日にOSKを捨てて、こっちにしようかな?

迷うわ…
by hanihani (2014-09-16 14:13) 

えりあ

hanihaniさん

面白かったですよ!三越のほうのショーはラインダンスないんですね。
プログラム読むとかなりストーリー性の高そうなショーみたいですね。
23日こられるんですね。心斎橋もも松竹座もWでいかが?
心斎橋と道頓堀はすぐそば、場所は近いですよ!
by えりあ (2014-09-16 22:51) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。