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新歌舞伎座「天童よしみ 昭和を歌う」千秋楽 [観劇感想(その他)]

新歌舞伎座「天童よしみ 昭和を歌う」千秋楽
2014年9月17日(水)13時 2階2列センター


毎年恒例、新歌舞伎座公演「天童よしみ」でございます。今年も当然行きました。
家の近所に新歌舞伎座が出来て以来、いろいろと公演を見てみましたが、定期公演では
「天童よしみ」と「舟木一夫」は外せない!が私の結論。面白いんだ。


ネタバレは控えめですが、あります。千秋楽特別編です。
今回のお芝居もすごく楽しかった。天童さんには良い脚本家がついているのか、
御本人が目を通して、良い作品になるように意見を言っているのか、いつもレベルが高い。
ストーリーは予定調和ながら、どんでんがえしや早替わりや二役のトリックもあり、
楽しく笑って笑って、観劇後が爽やかですっきり帰れる。
今回も楽しかった! そしてまた、ちゃんとイケメン枠も確保(笑)目にも優しい。
若い役者さんもちゃんとメインに入れているから、古臭くならないしスピード感も確保。
ストーリーはグダグダしない、大阪人らしく笑いは個々簡潔に、連続攻撃で(笑)
場面転換も、結構すばやい。というか、上手い!幕の使い方がよくて、スムーズなの。

ショーでも若いダンサー(男性)を侍らして歌うときの素晴らしさ。憧れるわ~
歌唱力は圧倒的だし、いつも帰りにCD欲しくなる(まだ買ったことない。ごめんなさい)
ほんと素晴らしい声ですね、あれだけ歌ってしゃべって、声が全然ぐらつかないとは。
今日は千秋楽で、特別にいろいろついていた(見ると30分ほど延長していた!!)
この後、同じ演目が明治座に行くようです。まだまだパワーアップするのか?!



第1部
「痛快!歌謡時代劇~乙女心二人模様~」
脚本・演出 池田政之


あらすじは。大阪の材木問屋・天松屋の若旦那・吉松(天童)は商売には向いてないから、
と家出中。そこへおとっつぁんが亡くなったとの知らせ。ねえやのお袖&+αが迎えに。
妹・およしが一人で頑張る店へ戻る。店を則らんとする元番頭がのれんわけした黒々屋。
しかしそこの息子2人(清太郎&幸次郎)はおよしが好き。美人の母も絡んで因縁有?
黒々屋は、大阪城修理を機会に東京進出を狙い、城代(仲本)にすりより、長男と城代の
娘を結婚させて足がかりにする計画。そのためには天松屋がじゃま。でつぶそうと画策。
それを暴くのが幕府・老中派遣のの隠密・・いろいろ絡まる人間関系。しかし!?

・・・とまあ、こんな感じですわ(笑)。重要ネタバレを避けて、軽く結末を書く。
黒々屋の旦那も誤解からの恨みで実はいい人。清太郎とおよしは両思い、
清太郎のお見合い相手のお嬢さんは幸次郎に一目惚れ。丸く収まりましたな~♪
という感じ。これに+お袖と黒々屋のおかみさんには大きな秘密有(笑)

主演の歌ありき!なコメディのわりに、しっかりとストーリーが練られていて
人間関係が複雑で重層構造。しかし客層に配慮して、ちゃんと道案内も用意してある。
親切設計だ。脚本が凄いんだわ。もちろん演出も凄い。場面転換もいい、セットも素敵だ。

まあ私はすごい楽しかったです。天童さんの芝居のクオリティも高いし、
劇中歌(ハンドマイク使用で熱唱)もまたすごいレベルだしね。
歌のはいる唐突感は、一般ミュージカルの比ではないほどですが、
(だって突然ハンドマイクだもん)それも笑いの一要素だ。処理が上手いわ。


吉松(天童よしみ)
材木問屋の4代目。が、商売苦手やと放浪中。旅姿の渡世人風。一応、父急死の
知らせに家に戻り、黒々屋の陰謀を暴き、妹の幸せを見届け・・って感じ。
妹の方が出番と役割多いかな? なんでわざわざ二役で・・・というと、
おそらく、男役で「股旅姿」で歌う歌を歌いたかったからではないかと思われる。
そのくらい歌は吉松が歌っていた。汀さんが「男役が段々かっこよくなって」と
言ってらした。男役でも「旅姿のぬいぐるみ」のように可愛らしかった。


およしお嬢さん(天童よしみ二役)
こちらが主役、吉松の妹で、天松屋を継ぐ元気のいいお嬢さんだ。
先に見てきた母が「お人形みたいに可愛いで!」と言っていたが、確かにその通り。
振袖姿になると、いつもながら「ぬいぐるみの人形」の様に可愛らしい。
決してバービー人形ではない。でもぬいぐるみでも「お人形さんみたい」には違いない。
この芝居では、吉松とおよしが二人で話す場面とかあって、よく出来てて面白かった。
よく考えたなあ、すげー!が、これは明治座のために、ここで明かさないでおく(笑)
このおよしお嬢さん、黒々屋のイケメン兄弟に取り合いをされるのだ。モテモテなの。
190センチほどある兄弟が、およし(推定150センチ?)を挟んで頭越しに、
まったく障害物なしに口げんかできるのだ(笑)
とにかく、「およし、羨ましいぞ」という感じの役です。


お袖(汀夏子)
天松屋の女中さんで、吉松とおよしの姉や、育ての親。すっきり背の高い美人だ。
途中ちょっと、ヅカネタもあったり(これは役者さん全員に持ちネタをつけてた)
ちょっとだけなので、楽しかった。こういうの、しつこいと嫌になるけど、程よい。
この人もいろいろ衝撃の告白があり、ただの姉やでは終わりません。さすが汀さん!
そういえば、入り口前にテーブルが出てるのが見え「なんか会のチケ出しみたい」とか
思ったら、やっぱり「汀夏子」という立て札があった。何年経っても・・なのねえ。


黒々屋(加納健次)
元番頭で独立した後、いろいろと嫌がらせをしてくる・・らしい。が、何で今?と
思わないでもない。でもそこ突っ込むと話が進まないので(笑)
悪役か!?と思いきや、実は情けな~な役。とご自身でも最後のカーテンコールで
おっしゃってた。貫禄あるし、本気で悪役も出来そうな感じでした。


その妻(奈良富士子)
美人だし、旦那と一緒に居るとなんかシリアス時代劇!?な雰囲気も。
息子二人もイケメンだしな~黒々一家は別世界?という体型でした(笑)
「笑いを取る役はじめて」とのこと、確かに笑いをとっていたが、凄い台詞をさらっと!
この夫婦、この親子、一家・・面白かった。


長男 清太郎(合田雅史)
江戸で修行をしていたらしく、彼だけ関西弁ではない。はっきり言って長身イケメンだ。
だから関西弁じゃなくても全然構わない、そのほうが良いくらいだ。
弟と二人、時代劇の建屋内セットにはいると、「天井、低っ!」と思ってしまう。
(天童さんを挟んで、ツインタワーのようでしたわ。)
商売についても真っ当で、父のやり方を批判し、弟とも仲良く家のこともちゃんと考え、
なかなかイイ男ですね。息子としてもいい息子だ。今回誰も悪い人がいないんだよね。
ちょっと拗れただけ。悪意がない。だから見終わってからも気分がいい。
清太郎さんもとても素敵でした。いや~ほんまにええ男やわあ。
そうそう、水戸黄門の助さんされてたんでしたっけ。ものすごいええ声で、「この方を
どなたと心得る!」「この○○が目に入らぬか!」「一同頭が高い!控えおろう!」と
決め台詞を全部言ってくれました(笑)


次男 幸次郎(室龍規)
兄より更にちょっと背が高そうな弟、この兄弟に着物着せるのは大変では・・。
弟は「俺だって東京いきたかったのに~」とか兄ちゃんに文句言ったり、甘えたり
可愛い。弟ならではの要領のよさを感じさせる。素直で可愛い息子だ。
きっと兄貴の店と上手く連携して?要領よくやっていきそう・・と思った。
室さんはショーも出てました。ダンサーの方と同じように凄い踊ってて・・あとで
紹介されましたら、元関ジャニの方とか? カッコいいし可愛いな~
そこで気付いた。実はこの公演、楽屋待ちに若い女性が多かったのだ。
(私は楽屋口の前を毎日通る。)それで「天童よしみさんって若い女の子にもファンが
多いのねえ~」とか思ってた。もしかして!?あの若い若いお嬢ちゃんたちが待って
いたのは、室くん?!!とこのときはじめて思い当たったのだった。
(いや合田さんかもしれんが。天童さんの可能性もゼロではないだろうけど・・さ)
天童さんも可愛がってる様子だったし、はっぴ姿で「一声一代」のCDを手にして
笑顔でポスターを振る様子を見て、「本当に可愛い奴め・・」と、私も思ってしまった。
ちなみに、ダンディな洋装の合田さんは、「よしみちゃん人形ストラップ」を密かに
身につけて居る様子。あれ魔よけになるらしいねえ。やっぱ私も欲しいわ。


大阪城代(仲本工事)
とぼけた味の殿様。最初、城代と黒々屋の場面は、「悪代官と悪徳商人の密談」という
時代劇のそのままであった。とぼけた味が素敵な殿で、黒々屋同様、実は悪意ないし。
最後には「わしゃあわからん・・?」って可愛いんだ。確かに、複雑な人間関係。
しかし!推理の得意な山村紅葉さんが整理してくれますから、心配御無用。
ラストシーンは殿と一緒に聞いていれば間違いなし!という観客代表のような方です。
ドリフネタも所々にちりばめてありました。しかし、今の子(ジャニファンとか)は
ドリフのネタ、判るんかな・・・?あれは私が小学生くらいの頃。「全員集合」は
毎週欠かさず見ていたものだが。まあ大半の客にはわかっただろうから問題なし。
73歳とか、年取られましたね・・・本当に久しぶりに見ましたが、とぼけた持ち味は
そのままでした!


その娘はぎ(おりもりお)
城代様の末のお嬢様。最初に出てきたときは、「なぜ私が商人なんかとお見合い!?」と
大変ふてくされており・・「ぶー」という書き文字が頭上に見えるほどの膨れ面、
それがまあ彼を一目見てからは恋する乙女に大変身。表情も動きもころりと変わって、
女心を見せ付けてくれました。本作唯一の「乙女」だよ。
最初みた振袖姿、「此花いの莉さんに似てる!!」と思った。何でここに?!だ。
(宝塚雪組『若き日の唄は忘れじ』全国ツアー公演、家老の娘・三緒様にそっくり)
まあよーく見ると違うんだけど、第一印象が似てたなあ。初舞台だそうですが、
結構上手かったです。可愛かったし。
おりも政夫さんのお嬢さんとのこと、天童さんが紹介されてました。


お京さん(山村紅葉)
謎のおっかけ(?)、吉松に掘れて姫路から付いてくる。でも実は?な重要人物。
山村さんの持ちネタは「2時間サスペンスの謎解き」で、複雑に絡み合った人間関係を
丁寧に整理してくれました。キリリとしてて、台詞も聞きやすいですね。
(というか、今回台詞が聞き取りにくかった人が居ないわ!みんなイイ声してたわあ)


丁稚どん
名前がわからないけど、お芝居でものっすごいええ味を出していた役者さん。
天松屋の、「ちょっと足りないデカイ丁稚どん」。昔の土曜日の吉本新喜劇でやってた
定番の木金堂で、必ず出てくる丁稚みたいなの(ああも~私もたとえが古いわ!)
結構重要なことをしてるんだけど、それと知らずにやってる。で一緒に驚く。
その抜けた具合が素晴らしいの。この丁稚どんがボケしてくれないと話が進まん役。
カーテンコールで見ると、あらまあイケメンやん?
天童さんも「丁稚にはもったいないええ男やねんけど」とおっしゃっていた。同意!



ラストシーンは全員で、『若いって素晴らしい』を歌い踊ります。フィナーレみたいなの。
それも凄く楽しかったし、フィナーレが付いてて「これで終わりのハッピーエンド」感が
味わえた。楽しい一幕だった。


第2部
「天童よしみオンステージ」
構成演出 長束利博

こちらはオンステージの名の通り、天童よしみさんが、舞台の上で歌いまくり。
演奏はいつものメンバーで、舞台上に居る。ちなみにお芝居のときもこのメンバーによる
生演奏だったらしい。さすがだわ!クオリティ高い。
天童さんも「生の舞台が一番迫力がある、生を見て欲しい」ってなことを言ってたように
思うけど、その通りだわ。
どの曲を聴いても、すごい歌声で、声だけじゃなく歌にドラマがあって。
私は『花筏』と『美しい昔』が好きかな。『一声一代』いいけど、私にはど演歌過ぎる。
あとは『あんたの花道』があって、これに客席から「そいや!」って合いの手を入れる。
練習したけど、千秋楽だけあって、客席の一体感が半端ない。
『ブルーライトヨコハマ』やら『瞼の母(芝居入り)』やら内容は濃い。
やしきたかじんさんから「俺の歌歌てや」と言われていたとかで『やっぱ好っきゃねん』
いろいろな歌を歌われますね。もしかしてミュージカルもいけるかも・・?なんて。
でもコブシの効いた『エリザベート』はちょっと驚くし、嫁姑の違う物語、明るく力強い物語になりそう・・あ、ちょっと見てみたいかも(と思ってしまった)。
エリザベートってお人形のようだし。けど「脅威のウェスト150センチ♪」か・・脅威だ。

途中、楽団それぞれのソロパートの見せ場あり。皆凄いけど太鼓の人スゲー!。
そしてダンサー4人の見せ場有り。ダンサーさん、みな凄いね!!感動したわ。
特にバレエの人。人間業じゃないのでは?舞台の上で「泳いで」たよ。

アンコールは再度『あんたの花道』それから、度忘れしてしまった、有名な主題歌。
お芝居のみの出演者も全員出てきて、8割くらいの人に一言ずつ。
そのお陰で、プログラムを買ってない私にも、役者さんのお名前がわかりました。
千秋楽を見たのははじめてだったけど、30分ほどオーバーしていた。
通常公演を見てないので(いきなり千秋楽よ)、どこからが違ったのか判らないけど、
特別バージョンだったらしいし、楽しくてお得だったわあ。

あとね、天童さんはとにかくMCが面白い!!!さすが近所の人!!(八尾やね)
トークだけでもお金払えそうな気配がするのに、あの歌やん、あの芝居やん、
そりゃ満員御礼だわ。とにかく、来年もまた行こう!とこころに決めた。



今日18日、前を通りがかると、看板は既に「GACKT  MOON SAGAⅡ」に替わっていた。
えらいカッコいいポスターだ。劇用前の幟はどうなるんかな?明日確認しよう。
来週は出演者がガラッと替わり、客層も一変しそうだな~私はこっちも行くけどね(笑)。


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