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宝塚雪組「ベルサイユのばら~フェルゼン編」 特別バージョン青 [観劇感想(宝塚)]

宝塚雪組「ベルサイユのばら~フェルゼン編」特別編~青
2013年4月28日(土)15時 2階3列上手


宙の凰稀かなめさんオスカル星の柚希礼音さんアンドレベース雪組 という
公演を見ました。一週間もある特別編です。大劇場では1週間は短期のようですが、
実はバウホール公演などと思えば、フル公演レベルに長いんですよね。
この特別編『ベルサイユのばら~フェルゼンとオスカル編』といってよいかと思います。

さすが他組トップが2人ということで、大変盛大に出番があり、衣装も演出も豪華で
お二人とも凄く似合っていました。
特に出番の多いオスカルは、物語上の主役といっていいほどの出番と役割。
女らしいオスカルで、「男装の麗人」という単語がぴったり。(背が高すぎるのが難ですが)
アンドレは荒々しく力強く、あの時代の平民パワー溢れるエネルギッシュな影でした。

やっぱり「ベルサイユのばら」はオスカル(とアンドレ)が主役なのか・・と思いました。
アントワネットが出てくれば主役ですが、最初と最後以外ほとんど出てきませんので
今回はオスカル主役といえるでしょうね。

初めてみるにはそれで良いんだな~と思います。
「宝塚のベルばら」を楽しみに来たなら、それで満足できるかもしれないなあ。
オスカルとアンドレが凄くゴージャスに、誰もが知ってる場面を上演してくれるから。

ただ、雪組ファンとしてみると見所が激減。だって雪の役者さんがが背景なんだもの。
フェルゼンの壮さんが目立っていたぐらい。あとは出番少ないけど見せ場のある
アントワネット(愛加)と、1幕2幕とも出番のあるジェローデル(夢乃)くらいしか
活躍の場が無く、他の人は皆「その他」と言う感じ。なんだかな・・。
私は1回で十分です。


すでに雰囲気漂ってますが、全く好意的ではない感想です。ご注意ください。もちろん
特別出演のお二人にではなく、特別のために破壊度がさらに増した脚本演出に、です。
そんなの今更・・・と思う方も多いと思いますが、それでも放置できないっ!









「ベルサイユのばら~フェルゼンとオスカル編」


1幕はだるいまま。余り特別公演を感じさせないくらい、従来通りだるい。
オープニングで、オスカルとアンドレがセリ上がりで「愛あればこそ」を歌い上げるが、
まあ各組トップの見せ場と思えば、タカラヅカスペシャル並みの豪華な演出も納得。
冒頭から続くこの場面までは、本当に豪華絢爛で「これがタカラヅカよ!!」という
攻撃が続く。目もくらむ美しさと豪華な迫力というのか。眩しくてクラクラする(笑)

しかし、とてもとても削って欲しかった専科様による説明場面は、ちっとも減っておらず。
あんな盛大な説明台詞の洪水、いらん。111人+2名の総勢113名(内トップ男役3名)と
いう豪華な役者が揃ってて、それでも舞台上に2名(専科含む)だけの、説明台詞の応酬
連続技には、すでに苛立ちを超えて眠気を催すほど。
(1回聞けば十分なので、リピーター対応ではない場面なのだろう。動きもないしね~)

脚本は同じながら、オスカルとアンドレ、ジェローデルの3人の場面になると、
なんだか既視感が・・これ、少し前の星組の陣容・・・なんて思いが頭をよぎる。


1幕は割りと雪バージョンと相違を感じないまま終わり。2幕へ。
2幕が凄かった。冒頭3分のスウェーデンの花祭り、それに続くフェルゼンのソロ。
そこで一旦終わる。続く場面から50分程は、「オスカルとアンドレ編」が上演される。
オスカルとアンドレの見せ場が連続して続き、場面に名前のついた有名シーン
「毒殺」「今宵一夜」「アンドレの死」「バスチーユ」が怒涛のごとく連続し、
バスチーユのオスカルの死で幕・・と言う気分だった。明らかに1つのお芝居が
この50分で演じられ、終わっていた。
それはかつての星組トップ2番手による
星組『ベルサイユのばら~アンドレとオスカル編』だった。
この息の合いっぷりは、コンビといっていい。なぜ当時やらなかったのだ!?
プログラムの色も青だしね。通常版は緑表示で、龍さん特別出演の回は黄色表示だもの。

バスチーユ前からベルナール(早霧)やアラン(彩凪)が頑張っていたが、
出番も役割も少なく、オスカルとアンドレの圧倒的な迫力と見せ場の前に歯が立たず。
(雪版でも、この唐突なオスカルとアンドレ編はあったけど、その後にまたフェルゼンの
立ち回りとか合ったし、時間も短かったからマシだった。本気で「フェルゼン編」なら
オスカル回想については「バスチーユ」だけでいいと思う。そしてフェルゼンと
国王一家のヴァレンヌ逃亡事件エピソードを入れるべし。・・アンドレが可哀想だけど)

2幕Aオスカルとアンドレ編が終わって壮さんが出てきたとき、思わず時計を見た。
2幕が始まってから50分以上経過していた。前回大変楽しんだスウェーデンの国境破り
の立ち回り場面がすっかり無くなり、フェルゼンのソロも無かった。
「行け行けフェルゼン」はあったが、それすらなかったら何とも言えない気分だったろう。
ようやく2幕Bフェルゼン編が始まる。「行け行けフェルゼン」から「牢獄の王妃」。
最後に王妃さまの見せ場「断頭台」で終わり。

そしてフィナーレが15分、まずは初舞台生のロケット。衣装が可愛いなあ。
(OSK「春のおどり」のロケットを見た後では、さらに振付の簡単さが目につくわ)

フィナーレにもオスカルとアンドレによるデュエットダンスがあって、美しい。
なんというか凰稀さんの女役は、素晴らしく美しく、男役が女役をした際に漂う
違和感が全く無く、普通に美しいので驚く。全くもってお似合いの豪華なダンスだ。

やっと残り10分を切ったところで、雪組スターさんたちが出てくる。
雪組による黒燕尾「オマージュ」が無かったら、私は耐えられなかったかも知れない。
というか、何組公演を見に行ったか、分からなくなっていたと思う。
(私にとって壮さんは花の人のイメージが強く、まだ慣れなくて・・お披露目だもんね。)
ここでやっと気を取り直せた。そのままパレードで幕。
パレードでオスカルとアンドレに歌が無いのが違和感あるほどだ。
全然役割がない未涼さんが歌いながら降りてくるから、知らない人が見たら、
凄い違和感だろうなあと思う。「あの人何の役だっけ?」って。
地味な役でフィナーレいい位置に立ってたら、そりゃ組長かって感じだよね。

当日は、柚希さんのファンクラブで何かあったのか、柚希さんへの拍手がものすごく
大きくて。星組では普通の拍手なのかもしれないけど、久々に聞いた爆竹拍手に驚いた。
もちろん凰稀さんへの拍手も大きかった。まあ特別出演だからな。

とまあ、こんな感想でした。脚本演出に見るものが無い「ベルサイユのばら」では
好みの出演者にロックオンしてないと、リピート観劇は辛いな・・としみじみ。
ほとんど出番の無い下級生のファンの方は大変ですね・・。ほんと1回で十分よ。
それでも今回は、真那さん、帆風さん、朝風さん、桃花さん、白渚さん、沙月さん、
星乃さんを見つけた。ほんっと「見つけた」状態なのが哀しいわ。


では役代わりの方々について。

オスカル(凰稀
かなめさんだ・・という印象。涼風さんに容姿も芝居も似てる!すごく女っぽいオスカル。
私はこのタイプのオスカルは好きではない・・女々しく感じてしまい、「そんなに辛いなら、
女に戻ればいいじゃない」と思ってしまうのだ。
「私は女だから・・」と弱弱しい感じで言われると、(また力強い雄雄しいアンドレが
傍に居たりすると余計に)守ってオーラ全開になり、見ててイライラする。
そんなに回りに守ってもらわないといけなくて、甘えて心配掛けるくらいなら、
とっととドレスに着替えて嫁に行け!と思うんだな。
見た目は軍服着て凛々しくしてても、中身が全然凛々しくない。原作とイメージが違う。
私の思う「男として育てられたオスカル」じゃないの。しぐさに女の心情が出すぎなんだ。
大変美しいオスカルでしたが、私の好みではありませんでした。
(中身まで凛々しい早霧オスカルのほうが好きだ)
あと背が高くて、スタイルいいのはいいけど、フェルゼンよりも大きいのはちょっとな。
まあなんだ、全体的に小柄な雪組をベースにするからの違和感ですね。
凰稀さんは元々雪組の方なのに、なぜこんな違和感があるのだろう・・背が高いから?
お芝居がちょっと違うのかも・・今回も相手が柚希さんだからか、なんとなく星風の
お芝居だったように感じました。それはそれで合ってるんだが、雪組っぽくないのが
余計に増幅されたのかもしれない。


アンドレ(柚希
雄雄しく力強く、平民パワーに溢れるアンドレ。「オスカルは俺が守る!」というのが
態度でも雰囲気でも分かる。常に傍に居て守ってる。頼りがいがある強い男だね。
でもあまり思慮深そうには見えなくて(すみません)。とりあえず、理屈抜きで
オスカルについていく、オスカルを守る、愛してる!!!というパワーを感じる。
強くて熱い男。(私このフレーズはいつも夢乃さんに使ってるな:笑)
私の好みではないですが、凰稀オスカルとはぴったり似合っているし、
今回は直前に「毒殺」シーンがあるから、このアンドレでいい。納得できる。

私はさ~もともと「毒殺」から「今宵一夜」のつながりが、納得できないの。
アンドレが愛するオスカルを殺してまで自分のものにしたいと、毒入りワインを用意し、
行動するまでの葛藤を書かないと、あの行為はただのストーカーでしょ?
大事な前半部分・・・オスカルの意に染まない縁談がきて、ただの女に戻され普通の
貴族に「ジャルジェ家の令嬢」として嫁がされる。それは男として育てられた凛々しい
オスカルの死を意味する。だから男の魂も持つオスカルをそのまま殺してやり、
一緒に死のうとアンドレは思うんだと・・彼が守り仕えるのは男の魂を持つオスカル
だけなんだから。どこかの貴族の奥方になったオスカルはもうオスカルじゃない。
その時点でいまの光輝くオスカルは殺されてしまい、存在しなくなる。
アンドレは、ただの貴族夫人になったオスカルに仕える気は全く無いんだから。
オスカルにその気がなければ、そうされてしまう前に殺してやるのが・・と思った?
(またアンドレ的事情からすれば、失明が目前にあり、いつまで自分が傍で守れるかも
自信がなくなってきて、やや自暴自棄になっているところもあり、理性が飛んで・・
って感じかしら。魔が差したのよね、失明という事情がなけりゃそんなことする男
じゃないわ、アンドレは。)
アンドレの葛藤のこの重要部分が無いと、ただの犯罪者ストーカーに見えるんだわ。

で、そのときは正気を取り戻して未遂に終わる。でもその直後に、「今宵一夜」でしょ?
まるで何も無かったかのように「オスカル、どうした?」と部屋に入ってくるアンドレに
凄い違和感。あれは無かったことなの? 態度、ふつーじゃん・・アンドレもオスカルも。
でもオスカルは覚えてて「貴方の妻に」と言い出す。

それは前半部分のアンドレの葛藤と思いやりを知って、アンドレの想いを知ってこその
オスカルの台詞だと思うの。男として育てられたオスカルとして生を全うする決意をした。
だけど、そのままの自分を受け入れてくれる男性(アンドレ)が居て、彼と人生を一緒に・・
という女として生まれた幸せも手に入れる、そういう場面。そのままの自分でも女として
幸せを得られるっていう、彼女の人生にとって凄い意味の深い場面だと思うんだけど。
(だけど・・ばっかりなのは、原作はそうなのに、舞台では省略が多くて不明瞭だから)

そういう場面なので、「アンドレの妻と呼ばれたい」は間違ってる。
「妻になりたい」だけで「妻と呼ばれたい」は願わないはず。
他人に認めてほしいって、明日死ぬかも知れない場面でいう台詞じゃないと思うんだけど
なあ。他人はどうでも良くて、二人の関係をちゃんとしたいってだけだと思うのだけど。
この辺の脚本の粗さと無神経さには、なんだかなあ~と思ってしまう。
(この時代の池田理代子さんのほかの漫画読んでみてよ。キャリアウーマンとして
結婚せずに仕事に生きる女の、若く可愛いうちにさっさとイイ男と結婚して仕事を
辞める女への葛藤と妬み、仕事へのプライドが、ものすごい複雑な心理で描かれてるから。
男は、彼女の仕事は評価しても、女=妻候補として対象外という、その悲壮感。
だからキャリアウーマンのまま、仕事をしたまま妻にしてくれる男=アンドレの
稀少な存在が凄いのよ!! 植田の爺様、この女心、お分かりかしら?)

前半部分のアンドレの葛藤と、それを察したオスカルの人生転換の場面がないから、
「ほかの男に取られるくらいなら、殺してやる!」というストーカー犯罪男と、
「私のことを殺したいほど好きなのね!なんて愛されてる私!」という駄目男好き女
のカップルに見えて、すごい嫌なの。オスカルとアンドレはそんなじゃないんだから!!

・・というわけで、私は「毒殺」場面が無いほうがすっきりと好きです。
今回は雪バージョンに「毒殺」が無く、特別版にはあったから、比較できたために
この不快さの原因が分かった。こうやって書いてみてすっきりした。
どんな『ベルばら』であれ、「毒殺」場面は、前段が無い限り不要だと思ってます。


はあ、長く語っちゃった。純粋雪バージョンは「毒殺」が無く、見ていて不快感も少ない。
さらには未涼アンドレの包容力溢れる理性的な役作りでは、魔が差しそうにないし(笑)
「毒殺」場面があったら、人格崩壊しそうだもの。ここは無くてよかったと心から思う。
特別版は、それこそ「特別!名場面ダイジェスト」としてみるのが正しいんだろうなあ。
でもそういうのは、100周年記念スペシャル特別公演として、通常公演外でやってほしい。


女らしい凰稀オスカルには強い男の柚希アンドレがぴったり嵌っているし、
凛々しい早霧オスカルには大人の未涼アンドレがあっている、と思います。


ベルナール(早霧
ロザリーがお姉さんなのはそのままですが、それでもロザリーに叱られているようには、
見えなくなった。若くて情熱的で革命に燃え、一直線に行動しそうなタイプに見える。
民衆とのバスチーユの場面、最初にソロが出来ましたね。無かったら、2番手なのに
ソロのワンフレーズも無しになってしまいますもの(だから頑張ってね)
1幕はほんの1場面ですが、2幕は出番が多くて、なかなか活躍していました。
牢獄の場面は、きちんと「頑張ったんですが・・残念無念」という感じも良く出て
いました。しかし・・やはりベルナールには「キラキラが似合う」タイプは合わない
ような気もする・・「黒い騎士」の場面がないからか、彼の影の部分が見えないの~。


アラン(彩凪
彩凪さんはアランが似合っている。元貴族の荒くれ衛兵隊のリーダーの雰囲気有。
でもまだ、リーダーというより代表だよねえ。(いや月のアランが凄すぎたのかも。)
願わくば、もう少し声に迫力がほしいところ。声が可愛いと言うか割れると言うか。

アランが出ている場面は、大抵その他衛兵隊の隊員たちも出ている。
アランの本役は彩風さんで、彩風さんは特別版では衛兵隊の一人をしている。
すごく馴染んでしまってて、アランの本役がそこに居るのが分からないって・・
そこまで存在消さなくても・・・と思ってしまう。もっと主張していいのに。

実はこの衛兵隊の場面、アランがどっちでも、鳳翔さんがリーダーに見える
大きいし押し出しがいいし、声も良く通る。なんだか偉そうに見えるんだよね(笑)
凰翔アラン見てみたかったわ。


ランベスク公爵(未涼
わざわざ役代わりするほどの役ではない。貴族の一人で、台詞も一言。出番は2場面。
居ても居なくても全く支障が無いという役。なんと勿体無いことをするんだろうね。
一応雪組3番手なのに・・というか、あんだけ力量のある役者に、この役を振るか。
役代わりという名の、休養期間なのだろうかと思ってしまうほどだ(忙しかったものね)。
まあ宮廷服に白い鬘という背景役の定番の姿、探さないと分からない下級生のような
出番は、この方の下級生時代を余り注意して見ていなかった私には、新鮮だった。
いっそ民衆の一人とか花祭りとかにも積極的に後方で追加参加してもらったら良かった。
「未涼亜希を探せ!」とかやっているほうが、起きてられるわ。
あああ、役代わりならブイエ将軍やってほしかったなあ。

でもまだ出番があっただけましなのかも・・と思ったのが、蓮城さん
スウェーデン国境の場面がまるごと無くなったので、出番が無くなった。
役代わりも無し。・・・ちょっと忘れてない?と誰か言わなかったのか・・
特別公演時は、専科様のところに役代わりにすればいいのに。
大体もともと主要な役が10個ほどしかないのに、組外から5名は多すぎるから。
早霧さん、未涼さん、蓮城さん、ならルイ16世、ブイエ将軍、メルシー伯が
出来ると思う。(これで退団のルイ16世にはごめんなさい・・うーんと役代わりで
今回出てないジャルジェ将軍などいかがでしょうか?オスカル場面増えてるから。)
ま、今更言っても・・ですね。見ている間、考える時間が多すぎるのよ(笑)

特別編は、未涼さんと蓮城さんが余りに出番なさ過ぎて、ずーっと昔の役代わり公演
星組『我が愛は山の彼方に』を思い出す。あの時、カッコいい2番手チャムガ役他の
役代わりで、彩輝さんたちがチャムガのとき、本役の絵麻緒さんたちは休演だったん
だよね。あれは怒った。アレよりはちいっとマシだけど・・酷いわ>植田爺様。



フィナーレの「オマージュ」。
これは絶品だ。本当に素晴らしいなあ~と今日も思った。
この10分のために8000円払うのか・・と思うと泣けてくるが、無かったら
もっと泣いてしまう。(以前のは「EXCITER」が50分あったんだけどなあ・・。)
とりあえず、壮さん、早霧さん、未涼さんの三角形もとても美しく端正だった。
壮さんがびしりと抑えているように見える(目の効く人だよね~)。
雪組男役による黒燕尾は、本当に端正に上品で美しい(欲目か・・うっとり)
この特別公演では、新雪組のスタートだと言うことを忘れてしまいそうになるが、
このオマージュを見れば、次の作品に大変期待が出来る!
次の大劇場は、ぜひオリジナルのショーを!(中村B先生か稲葉先生、藤井先生で)




たわごと。
凰稀さんのオスカルは大変美しく、タカラヅカのオスカル(私の好みじゃないけど)の
典型みたいな感じでした。でも大きすぎてちょっと浮いている感じもあったので、
正直、宙組か星組でフル公演やればよかったのに~と思いました。
こんなに「オスカルとアンドレ編」が似合ってて、やらせたいなら、忙しいなか特別出演
なんて形にせず、宙でオスカル編をやり、星から柚希さんが特別出演すればいいのに。
(本役アンドレには、包容力の悠未さんや相性抜群の緒月さんがいるしね)
凰稀さんだって、特別出演ってレベルではない本公演主役クラスの出番ですから、
ものすごい負担だったと思うもの。(それでもあのレベルに持っていくのは凄い!)
そして『モンテ・クリスト伯』を雪組で見たかった。壮さんのエドモンは似合そうだし、
早霧さんの放蕩息子、未涼さん会計士、という悪役は嵌りそうだ。愛加さんも落ち着いた
演技が上手いからヒロインいけるぞ。(早霧さんの悪役、一回見てみたいなあ)
『ベルばら』は思考する時間がたっぷりあるから、そんなことを考えてしまいました。
真剣に見てると、腹の立つ場面が多いし、日本語間違ってる台詞が多いからね。
精神衛生上の対策として、意識の一部をよそに飛ばしてるんだ、無意識に。

書いてて分かったけど、私・・こんなにもものすごく考え事しながら見てたんだなあ(笑)
恐るべし、ベルばら。



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コメント 4

ナオミ

えりあさん、こんにちは。ベルばら観ていないのに、えりあさんレポのおかげでお腹いっぱいになりました~笑
なんといえばいいでしょうか?1幕ゆるゆる、2幕こてこてみたいですね。
豪華なスターさんたちが観れるのは嬉しいですが、新生雪組お披露目なのでトップお二人の麗しい場面をたくさん観たいものですね~
それでその組のカラーや雰囲気をかんじますよね!
そして是非、次にベルばらをするならば、えりあさんに8000円の価値ありと言ってもらえる素晴らしい作品にしあげてほしいです~それなら私も観にいこう!!っと。

by ナオミ (2013-05-03 13:57) 

えりあ

ナオミさん

すみません~雪版はまだマシなので、機会があればぜひご覧下さい(ああフォローにならない)いつもながら、雪のお芝居はとってもいいんですよ~見てあげてください(哀しいフォロー)

1幕は東京からでも別人で作り直してほしいくらい。特出は豪華は豪華でしたけど、やっぱりオスカルとアントワネットが主役ですからね~名場面入れすぎで、お話が中途半端になって、なにがなんだか?と言う感じでした。
元々の原作はとても名作なので、ぜひ違う演出家で1から作り直してほしいです(同じ植田でも景子先生とか、小池先生とか)それならきっと1万円の価値があると思います~

by えりあ (2013-05-03 21:37) 

なのまる

こんにちは、初めてコメントさせて頂きます。

えりあさんの文章はいつもテンポが良くて、作品の背景や演出家の意図をくみ取って感想を書かれていらっしゃるので、とても楽しく拝見しております。

東京在住なのですが、ゴールデンウィークに大阪に泊まって雪組フェルゼンを観てきました。”相対評価”として「ストレスなく観れたなぁ・・・」と思いましたよ。

私もえりあさんと同じで、宝塚の毒殺シーンが苦手なんですよ・・・!有名な見どころになっているので、大きな声では言えませんが、毒殺までに至るアンドレの葛藤を描いていないから、ただのストーカー・・・を越して、サスペンス劇場の1シーンになってしまいますよ(涙)

原作とあまりにかけ離れていて、「オスカルが女心をわかっていない」というセリフに重きが置かれてしまっている気がします。革命が起きる寸前の張りつめた空気のなかで、もっと他に的を絞って書くことがあるだろうよお爺ちゃん!と叫びながら観てました。(あら、ストレスフリーとか言っておきながら)

えりあさんが原作との相違点、工夫点をいつも書いて下さるので、それを読んで改めて原作の偉大さを感じています。過去のベルばらを全部廃して、小池修一郎あたりに全編リニューアルという夢はありますが、きっと叶わぬ夢に終わるのでしょう・・・。

色々と文句はありましたが、早霧オスカル、まっつアンドレが想像以上に素晴らしかったので、そこは本当に観に行って良かったと感動しました。

またえりあさんの素敵なコメントを楽しみにしていますね。
by なのまる (2013-05-07 14:13) 

えりあ

なのまる様

わあ、ありがとうございます!
結構文句いっぱい書いたので、嬉しいコメントをいただけて、なんだかほっとしました。

「毒殺」場面についてのご意見、嬉しいです。名場面なんだろうけど、前提抜きではとても名場面とは思えず、いつも「・・」と思っていたのです。たしかにストーカーがテーマのサスペンス劇場ですよね(笑) 
革命前夜という雰囲気があまりにも無視され「愛」「愛」ばっかりなので、植田の爺様はなんて恋愛脳なんだ!と思ったり、いや「女は愛が一番って言っとけばいいや」って思ってる舐めてるだけか?と、言いたいことは山盛りです。小池先生に丸投げしてほしいですよね・・いつか、きっと(祈)

あんな脚本演出なのに雪オスカルとアンドレはとてもいいお芝居をしていて・・。フェルゼンもですね、あんな台詞を真面目に。雪組さんの頑張りだけが支えです。

私の長文にお付き合い下さって、ありがとうございました。

by えりあ (2013-05-07 23:10) 

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