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宝塚宙組「逆転裁判3」 [観劇感想(宝塚)]

宝塚宙組ドラマシティ「逆転裁判3」
2013年1月12日(土)12時 後方センター



初めて見た「逆転裁判」、うわあ面白い!!
「これからどうなるの?」「真犯人は?」とストーリー展開にわくわく。
久々に舞台でミステリーを楽しみました。
それに「蘇る真実」が大テーマだけど、もうひとつ「親子」と言うテーマもあり。
なかなか凝った重層構造のストーリーでした。現象と心情が重なり、考えさせられる。
テーマも心情も、ゲーム風のコミカルな動きの中にも、
しっかり表現してありました。これ秀作だわ。

エッジワース氏は父も息子もカッコいい。素晴らしい遺伝子だ(笑)
エッジワース母は背の高い美人で、息子の長身が頷けるし(笑)
ヒロインは可愛いくて、友人(知人?)氏は明るく陽気で見ていて楽しくなる。
喫茶店の人はお客さんも店員さんもみんな個性的で、見ていたくなるの。
なかなか見ごたえのある舞台でした。これは面白いねえ~♪
謎を知ったので、もう一度ゆっくり伏線をたどりつつ、見返してみたいな。





「逆転裁判3」 鈴木 圭 &カプコン

実は「逆転裁判1」も「2」も見ていません。
娘はCSで見て大変気に入ったらしく「絶対に3を見る!!」と激しく主張していた。
ということで、見に行きました。今年最初の観劇です。

私は1と2を見てないから、分かるかなあ~と思っていたけれど、全然問題なし。
娘に聞くと、音楽やら台詞やら、1と2に絡めていた場面ががあったらしいが、
分からなくても全然気にならなかった。3から見てもOK.
あ、登場しないけど名前が何度も出てくるフェニックス・ライトの存在(名前)くらいは
知っていたらいいかな、程度。(今日はフェニックス・ライト氏が客席に座っていましたが)

ストーリーは、ミステリーでありつつ、なんとタイムスリップ物。
マイルズ・エッジワースがフェニックス・ライトに敗れて自分を見失い、放浪している。
という場面から、自分の根っこ、つまり憧れていた父の実像を知り失望と対決を通して、
再び自分を取り戻し、「検事」にも戻る、と言う感じなの。
そのエピソードが秀逸で凝ってて、面白い。筋も通ってるし。
これは脚本にカプコンさんのスタッフもかなり参加したのでは?と思われる。
裁判だけでなく、事件と被告の関係も重層構造となり、マイルズの心に迫っていく。
かなり凝った脚本だと思う。
ま、謎解きが「えええ!!!」というほど、簡単でしたが(笑)
そこは時間と登場人物という制約があるのでOKですわ。


では謎解きには触れないように、頑張って書きます。


マイルズ・エッジワース(悠未
背が高くてカッコいい。そして強そうだ。いままで敵役だったらしいけど、正義感に溢れ、
ヒーローとして十分成立する性格みたいですね。一本筋の通った人物は気持ちがいい。
派手な衣装に身を包み、特徴のある堅苦しくも愛すべき真面目な台詞回し。根はいい人だ。
フェニックス・ライト氏もこういうライバルが居るからこそ・・なんて思ってしまった。
このゲーム、人気があるのがわかったわ。ゲームはしないけど、欲しくなってしまった。
あまり関係ないけどさ。マイルズ・エッジワース氏って、衣装がめちゃ派手ですが・・
誰の趣味なの?子供のころから派手だった。父も母も普通の服装なのに・・・。

今回は、自分の根本が揺らいでいて、そこから再び自分を取り戻す・・という心の動きが
はっきりと見て取れた。凄いね。悠未さん、上手い。歌も歌えるし、押し出しはいいし、
あの派手な衣装も着こなして、ゲームっぽいコミカルな動きの中、シリアスに決める。
すごく力のある役者さんだなあと思った。真ん中で凄く輝いていた。


グレゴリー・エッジワース(蓮水
マイルズの父で、彼が幼少の頃に事件に巻き込まれて亡くなっている(らしい)。
今回の舞台がタイムスリップしたのは、ひとえにこの父の活躍を見せたいがため。
それほど、父の役割は重要だった。父も弁護士として成功を続けるうちに自分を見失い、
恋人のサラには、「あなたは変わった」と愛想づかしされかけていた。
そんなときに、正義の検事マイルズ・エッジワースに出会い、法廷で対決することで、
彼もまた自分を取り戻した。
これによりサラとの仲も持ち直し、無事マイルズが生まれるのだろう・・と考えると
マイルズの誕生には、マイルズ自身がものすごく大きな役割を果たしてたのね!?
この後、父は息子の憧れの弁護士となる・・のでした。
この父と息子、基本的な考え方は似てる。母も大人し目だけど、正義感ありそう。
カッコいい素敵な弁護士さんでした。

蓮水さん、素敵だ。私の好みの美形なの。トレンチコートとソフト帽が定番衣装なので
ちょっと顔が見づらかったけど、雰囲気がカッコいいの。あとちょっと台詞の声が
割れなくなって、歌が上手くなったら言うことない(言ってるか:ごめんね)
今回、マイルズとの掛け合いデュエットがあったけど、ちょっと弱かったかな~って。


サラ(伶美
グレゴリーの恋人、結婚真近?という雰囲気。しかしサラのほうは、初心を忘れ、
裁判での勝ちにこだわるグレゴリーについていけないものを感じていて・・と言うところ。
常識的な大人の女性。冷静で知的で、恋人を愛しているけど、彼が道を踏み外していると
感じ、それについて迷っている、という雰囲気だった。
マイルズとの対決の後のグレゴリーに、ちゃんとその変化を見取って、
再び愛情を取り戻した。きちんと人を見ている女性ですね。素晴らしい。
父を幼くして失ったマイルズ、この母がきちんと教育したから?と思った女性でした。

伶美さん、美人。大人の知的な美人が似合うなあ。ショートカットが女らしくて似合う。
なんというか、いわゆる「可愛いヒロインタイプ」とは違う、大人のヒロインタイプ。
私の好み。(もっと歌が上手かったら)『エリザベート』役で見てみたいタイプの美女。
フィナーレのドレスでも、一番目立っていた(私には)。こういう大人な美人は好きだ。
この人のお芝居も好みだから、あと歌だけ。期待。


アリソン(すみれ乃
今回のヒロイン。うわー謎を伏せると書きにくい人だ(笑)。父と二人で亡命してきて、
酒場でダンスを踊っている。でも父に殺人の嫌疑がかけられて、無罪を信じて、
通りすがりの(!)マイルズ・エッジワースに弁護士の紹介を頼む。
検事について、偏見を植え付けら得ていたけれど、「正義を追究すること、真実はひとつ」
というテーマの下、彼女も証人として勇気を出して証言し、真実は明らかになる。
そして・・・マイルズといい感じになる。が、その後はどうなっただろうね?
マイルズはタイム・トラベラーで時代が違う人だから、結ばれないのは明白。
まあ、あの事件のあとだし、力強く生きていったことと思います。

最初黒塗りでフラメンコを踊りながら出てくるので・・・すごい既視感。
なんだか夏に花組で見たなあ~と思いだした。それはおいといて。
ダンスはカッコいい。歌も『記者と皇帝』よりずっとよくなっていたと思う。
(あまり歌う場面なかったような気もするけど、気にならなかったのでOK)
今回は若い役だったけど、ぶりっ子乙女ではなかったのでよかった。
冒頭とか、役割とか、もう少しアリソンに場面があったら正塚作品のヒロイン風。
よく考えれば正塚ヒロインくらい、暗く背負ってそうなのだけれど、(場面もないし)
それほど重いものを背負っているようには見えない。
ヒロインとして真ん中に置くには少し軽かったかも?それはこの作品のヒロイン役を
果たしているのが(役回り的に)グレゴリー・エッジワースだからかもしれない。
それが脚本演出の意図なら、それでも納得できる。が、私の好みはもう少し存在が
重くてもいいなあ~でも重くなりすぎるのも嫌だしな~


アンディ・ルイス(風羽
フラメンコのギター弾き。この人がよく分からなかった。
核心に触れるので書きにくいけど、あれほどの地位にある人物が政治亡命して、
なんで不法移民扱いなの?なんで怪しい酒場でギター弾いてるの?
彼はやりたいことがないの? 父の汚名を晴らそうとは思わないわけ?
父は偉大だけど彼は小物なの???と疑問が満載だった。
あと、アリソンの父に見えず・・。せいぜい兄だよ。もう少し貫禄と葛藤が欲しい。
鍵になる人物の割りに、扱いが軽かった。存在も軽かった。
彼とアリソンをもっと書き込んであれば、この二人にもっと存在感があれば、
さらにいい作品になったと思う。(が、2時間で足りないかも知れぬ)


裁判長(寿
ただの裁判長ではありませんぜ!という偉大な人物。物語上も大変重要人物ですが、
最後に一気にもって行きましたね。存在感が凄いの。さすがは組長。
それだけに、・・・アンディとアリソンがね。対比して軽いのだわ。
とにかく、驚きました。裁判長氏の思考と、マイルズの推理に。
ひとつ疑問。裁判長の素顔、みんな知ってたんだ?


バッド刑事(愛月
トレンチコートの似合う髭の刑事。渋くて素敵。・・外見は。
一本筋の通った正義派の刑事さん。台詞からすると、結構年齢が行ってるようなんだけど。
たしかに外見はそうなんだけど・・若い。軽い。もう少し渋さと人生の重みが必要。
トレンチコートは羽織ってるけど、その上に哀愁が乗ってないの~。惜しい。
実に惜しい。頑張って低い声を出していたけど、無理を感じるほど若い。
もう少し年を重ねて力量が付いたらいい役者さんになるかな~と思いました。


ラリー・バッツ(凪七
最後になってしまったけど、とっても印象的なマイルズの友人(いえ知人)。
明るくて愉快で、今を楽しむことに一生懸命。軽く楽しく生きてます!って人物。
タイムスリップしても驚かず馴染んでるしね。柔軟性があるよ(マイルズもだけど)。
彼はその軽いノリで、意外と重要な証拠を提出している。粋な脚本だ。
とってもゲーム的な人物だったけど、素敵な人物造詣だった。
分かりやすい人物っていうのもあるけど、上手いなあと思った。



いろいろ書いたけど、すっごく満足。楽しかった。もう一回みたいくらい。
宙組は大劇場以外の公演を見るたび、いつも「わあ綺麗な子がいっぱい♪」と思う。
なんでなんだろ?大劇場では組子に出番が少ないのか?魅力的な方が多いのに。
『銀河英雄伝説』も楽しかったけど、これも楽しかった。これから宙も注目だわ!



客席にフェニックス・ライト氏
今日は客席に、蘭寿さん、蘭乃さん、春風さんの3名がご観劇。
最後のカーテンコールを期待していた(当然でしょ~)
やはり幕が開くと「今日はフェニックス・ライトさんがここにいます」って
言うような挨拶があり、なんと検事は「立ってください」と要求。
ライトさんの右には「アリソンの姉妹」と左に「アンディの息子?」と紹介。
3人を立たせ、スポットライトに大拍手。更には、『「異議あり!」をお願いします。』
ええ、ここでやるの~?とうリアクションの蘭寿さんでしたが、そこはプロ。
「異議ありっっ!!!!!」(決めポーズ付き)。マイク無しにもかかわらず、
客席後方までよく聞こえました。それを受けての舞台上ではみんなで検事ポーズ。
・・盛大に会場沸きました。
検事さんは、本家本元のライト氏の「異議あり!!!」に大満足し、
その場で自分たちも「異議あり」と全員で決めポーズをするはずだったことを
すっかり忘れてしまったらしい。
大満足のエッジワース氏の横で、今日の声かけ?に選ばれたアリソンとアンディが
むなしく立ったまま・・・
控えめにアリソンが言う「私たちは・・」。そこで思い出したエッジワース氏。
急ぎ「ではお客様もご一緒に」と。エッジワースとライトと両氏と一緒に
盛大に「異議あり!!」を叫ばせていただきました。ああ楽しかった。
今日の11時の回は、超お得でした♪
(しかし私たち母娘、蘭寿さんとの観劇日遭遇率が凄く高い。何回目だろ?)



エッジワース・キューピー
幕間にロビーを見ると、「リピーター購入の方にエッジワース・キューピープレゼント」
との案内が。駆けつけてみてみると・・チケット、ちょびっとしか残ってない。
しかも平日ばっかり。これは無理・・キューピーは諦める。
となりで『南太平洋』のチケットも売ってた。キューピーは無いし、チケットは手配済み。
その間にあるはずの『ブラック・ジャック』は無かった。完売なのはいいことだ。
が、「ブラック・ジャック・キューピー」が凄く欲しい。キューピー売ってくれないかな~
と思いつつ、ロビーを去った。



逆転裁判効果?ヅカ効果?
この日は娘は塾だった。でもチケットが取れたので、出かけた。
なぜか連番になってなくて、席が離れてしまいばらばらの席。
まあ観劇マナーはちゃんとしているので、大丈夫だったと思う・・。
会場では偶然お友達に出会い、緊張しつつヅカファンな会話をしてもらっていた。
ヅカファンは初対面でも年齢差があっても、共通の話題がある。凄いなあ~
親子とも、とても楽しく過ごさせてもらった。

で、帰り道。大変楽しかったらしく、かなり興奮して感想をしゃべっていた。
そのままコインロッカーに放り込んでいた塾バッグを背負って塾に行かせたが、
今日のテストはこりゃ駄目だろうなあ~と思っていた。
夜。迎えに行くと予想通り「頭の中、蘭とむフェニックスとともちんエッジワースが
主題歌ずっと歌ってて~」と言う。テストは?と聞いたら、驚いたことに
ほぼ満点とのこと。なんでだ??いつもこんな点ではない。
どうやら幸せパワーで算数の問題がすらすら解けたらしい。
ありがたや、ありがたや。

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パクチー

おはようございます。
我が家の息子は、現在中学3年生の受験生。
去年観た「オーシャンズ11」の再演が決まり、観劇を熱望していますが、
初日の翌日にすべりどめの受験、
その翌日に大本命の受験、
千秋楽の翌日に本命の受験と、
かなり難しいことになっています。
「お母さんだけ観るのはずるい」と言われていますが、試験を受けるのは私じゃないので関係なく、観劇予定。
娘さんのように、幸せパワーで頭が冴えるなら、観せてもいいかなと思います。
馬の鼻先にぶらさげた人参のように、大本命に受かったら、嫌というほど観せてあげる、と言っているのですが。


by パクチー (2013-01-14 10:20) 

えりあ

パクチーさん

こんばんは~息子さん中3ですね。それは大変。受験シーズンですもんね>花公演期間。
「オーシャンズ11」は勢いあって面白いので、見たいでしょう・・これはやはり大本命の合格通知を手にしたあと良い席で見せてあげてください!
私も塾程度なので、見せてますが、そろそろ来年度は受験生なので・・パクチーさん家を参考にさせていただきます。(当然私はこっそり行きますが、それをどう正当化または誤魔化すのかが課題かも)
うーん他人事ではない。息子さんの合格をお祈りしてます!!
by えりあ (2013-01-14 21:59) 

hanihani

逆転裁判3は2に比べてかなり骨格がきっちりしているので

カプコンのほうで手直ししてくれたとか、

台本を先に書いてくれたかどちらかと思います。

お稽古が昨年のうちにすっかり終わってたというし…

鈴木圭先生があんな破綻ない本をかける人だとは思えないわ。

ということで、これからは宙組もご贔屓にしてあげてくださいね~


で、20代の友人が50代の私とふつうに話ができてるので
娘ちゃんとも私は宝塚な話題さえすれば、会話は成立しますわ。

テストが100点だったんだってよーーと報告しておきます。
試験前にまた握手してもらおう(爆笑)

by hanihani (2013-01-15 13:45) 

えりあ

そうですね~やっぱりカプコンさんのの手がすっごく入ってますよね。
原作有の作品なら、作品をよいものにするために、このくらい手も口も出して欲しいもんですね、遠慮せず(笑)
悠未さんは安定しているし、安心してみてられました!

やっぱり1に脚本2に演出、そして役者の演技力で満足した作品が出来ますね~私、大満足です。
by えりあ (2013-01-18 00:16) 

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