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映画「ももへの手紙」 [映画鑑賞]

2012年5月6日(日祝)
映画「ももへの手紙」
なんばパークスシネマ 



GW最終日、映画に行きました。
子どもが行きたいといっていた「ももへの手紙」です。

感想は、あまり盛り上がりは無く、妖怪の存在も行動も???ですが、
ラストシーンは泣けます。これは物語ではなく設定で泣く感じですね。

これ劇場だから最後まで見たけど、家のTVで見てたら、途中で席を立ったかも。
それくらいストーリー展開がタルイ。我慢の末、最後の最後の5分で泣かせる。
脚本が甘い。基本設定はよいのに、物語の展開に説得力が無い。全然ない。
妖怪の存在が謎の上、行動が悪い。こんな奴らに来ていらんわ!と思わせては駄目じゃ?
常識的に反社会的行動を賞賛してるし・・・それOKしたらあかんやろ・・と思う場面が
結構あった。あまり共感しない。ほんと、ラスト5分だけだな、良かったの。
有る意味、劇場じゃなかったら味わえなかったので、良かったのかな。


以下ネタバレあります。


父と喧嘩して、ヒドイ言葉を投げつけたまま、父が事故死。
その父の遺品からでてきた「ももへ」で始まる書きかけの手紙。
娘ももはこれを持って、母とともに母の実家のある瀬戸内の小島へ。


このシチュエーションだけでもかなり辛いよね。
今回の話、ももちゃんもかなり辛い思いをして、耐えてる。母は自分の事に精一杯で
娘の寂しさや苦しみ(父との最後の喧嘩)に気づかず、ひとりで放置。
これは明らかに母の気遣いが足りないと思う。友達もいない知らない土地に放置って。
しかも夏休みに転校したら、学校にも行かないし友達ができるわけないのに。
それなのに最後に母に「おかあさんの気持ちを考えずにごめんなさい」と言うのだ。
なんて出来た子なんだ!小学校6年生なのに。
母がかなり幼くて頼りないからか、しっかりした良い子だった。
まあもともと父との喧嘩の原因も、父と母への思いやり溢れる好意だったからな。
基本的に良い子なんだ・・・こんな子いるのかなあ?いるんだろうな、世の中には。


その母。あの島は自分の出身地と言うわけではないのか?両親は居ないのか?
実家扱いの瀬戸内の小島で、叔父叔母の家(敷地内隣家?)に世話になる。
高齢の叔父叔母だよ?
叔父叔母には子どもはいないの?あのみかん農家をどうするつもり?
あとを継ぐつもりなの? ももの将来は? 何も考えてないの?
この人、専業主婦だったんだろうな、ろくに働いたことなさそう。全部夫任せか。
「東京の自宅マンションは売った」という台詞があったので、東京に自宅があり
夫が業務中の事故死ならかなりの保険金が入るだろうに、娘も小6と大きいのに、
それでも娘と2人東京で暮せなかったのか? 
まずここで、「情けない/頼りない」という印象があった。
瀬戸内の小島より東京のほうが仕事も多いはず。子どもの教育も都会のほうがいろいろ
選択肢が多く・・小6にもなれば交友関係もあり、地元を離れたくないだろうに。
なのに何でそういう選択する???・・・と母として小一時間問いただしくなった。

島にきてからも娘の挙動・言動が可笑しくなったりしたのに、全然無視。
話も聞いてやらず、頭ごなしに叱るだけ。コレじゃ駄目だ。自分のことしか見えてない。
健康不安もあるようなのに、わざわざ医者が1人しかいない小島に行って無理するとか
な~に考えてるの?とまた説教したくなる。
挙句、娘に無理させて・・・・この話、娘はかなり成長し、精神的には母を超えた。
天国の父も分かっていて、娘に激励と感謝の手紙を書いたのだろうと思う。
母は当てにならんから、娘がんばれ!と。
母はさっさと再婚したほうが良いでしょう。
誰かに頼らないと生きていけないタイプの女性に見えました。



妖怪3名:いわ、かわ、まめ。どんな素性の妖怪だか、全然分からないまま終わった。
天国の父依頼の見守り隊だという感じだったが・・見守るよりも邪魔してなかったか?
窃盗や器物破壊なんかの軽犯罪を繰り返し、ももに迷惑を掛け捲っていた。
挙句に彼らの行動が原因で、母子が喧嘩し、台風の中娘が家出、母は発作を起こして。
さらに娘は台風の中、荒れ狂う海の上を通り隣の島まで行ってくると飛び出す始末。
全然見守ってないし。邪魔してるし。二人とも死にかけてるじゃないか。本末転倒。
私が天国の父なら、天の神様なら、激怒するレベル。
クズ妖怪ですな。ま、最後には違反しながらも、もも(と無関係の母の知人)を助け、
なんとか面目を施したって感じ。それも嫌々行動したんですが(笑)
・・・と、今回、主要3妖怪が全然よくなかった。全然ももに感情移入してない。
特に「かわ」は終始ももに冷たく自分本位だった。「いわ」がまだももへ同情があり
思い入れがあったかな?「まめ」は特に何も考えてなかった印象。

しかし。
妖怪達がいなけけりゃ(ももに姿が見えなければ)、母と娘はぎくしゃくした関係のまま
そのまま時を過ごしていき、・・・・いずれ母が「わたし、再婚するわ」と言い出して、
ももは「東京の大学へ行くから」と島をでて東京へ帰る・・という未来が見える。
そのまま、ももは東京で就職し結婚し、もう島には戻らない気がする。
母と娘は心が通わないまま、理解しあえないまま、そのまま別々の人生を生きる。
・・・って気がするので、妖怪はそこをほぐしたのかなと。そのための駄目妖怪か。
そう思うと、あの駄目行動にも役割もあったのかな~と思えるのでした。


一番納得いかなかったのが、クライマックスの場面。
母が発作を起こし、ももが郵便配達の幸一さんと、大橋を渡っていく場面。
そこ、止める!止めなきゃ!幸一さん、なに子どもに丸め込まれてるの!!
叔父さん叔母さんも、止めなきゃ。台風の高波大波で、橋の上まで波がきてる。
人間なんて、簡単に波に攫われて海の底だってば。子どもの足で橋を歩いてって
どんだけ歩く気?医者がこの台風のなかどうやってくると?考えなしか!!
妖怪ドームがなければ、二人とも確実に海の藻屑になってたわ。
母も「今すぐに死ぬ」っていう発作でもなさそうだし(苦しそうではあったけど)
なのに、そこまでする? 大人なら、「おかあさんの傍にいてあげなさい」と
止めるべき。なのに、一緒になって・・・まったくもう。それがいい場面のように
描いてある事に不快感が湧き上がった。この物語を書いた人、駄目だ。分かってない。

普通の大人なら、雨の中ずぶぬれで帰ってきた子には、直ぐに着替えさせる。
風邪引くじゃないか。「いいっ」と本人が言ったって、叱り付けても着替えさせる。
それをそのまま。タオルかけてやって終わりって・・。
叔父叔母にとっては、姪のいつ子だけが可愛くて、その娘は縁が薄いのかしらね。
ももの気持ちは分かるけど、ここは止めるべきだった。ももを心配してやるべきだった。
あの場面・・あのシチュエーションであれをクライマックスに持ってきた作者はアカン。


大変辛口で申し訳ない感想ですが、ラストの父からの手紙だけは泣けた。
父はまともな人だったんだろう。母は父に頼りきって生きてきたんだろう。
出番の少ない父にだけ、父の家族への想いにだけ、共感して泣けた・・・。
あの手紙で、父と娘は和解できた。この先、娘の心に父は生きる。
こんな妻と娘を残して天国へ行かなければならなくなった父の無念に、泣けた。



技術的な話も。絵があまり美しくなかったし、人物が可愛くなかったな。
もうちょっと可愛いほうがいい。台詞も、やや棒風味(もも、母、少年など)。
あとで見たら芸能人。やっぱりプロの声優さん使おうよ。



GW最終日で、館内はいっぱい。親子だらけだった。皆、何を思ったかな。
うちの娘は「感動した」と言っていた。が「あの子すごいイイ子やね」とも。
自分はあんないい子ではないと暗に語っていたのが・・子どもから見ても
「良く出来た子」過ぎる主人公だったのかな・・・
ちょっとは見習って欲しいもんだが望み薄・・・?(笑)


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