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梅田芸術劇場「ロミオ&ジュリエット」 [観劇感想(その他)]

 「ロミオ&ジュリエット」 梅田芸術劇場 
2011年10月9日(日) 17時30分 2階2列上手サブセンター


小池先生のファンなので「ロミオ&ジュリエット」を見に行ってきました。
感想は・・
小池先生は宝塚と外の世界をきっちり分けて演出していらっしゃるのね!
宝塚版は、ロマンチックに清く正しく美しく、少年少女の純愛で演出されていた。
今日の梅田芸術劇場版は、アダルトに現代風にやや複雑な感情を絡めて演出されていた。
私はどちらも有りだと思う(好みでいえば、宝塚雪版が一番好きだ。フィナーレあるし)
どっちの場合も、幻想的かつ立体的な演出が素晴らしかったです!!

あと教訓。
ケータイがあったってITが発達してたって、人間のすることにミスは付き物。
連絡と確認をしっかりと!!(笑)


では詳しく。ネタバレありです。

ロミオとジュリエット

ストーリーと楽曲は宝塚版(とフランス版)とほぼ同じ。
曲は一部音程が違ったり編曲されていたり、新曲があったりしました。
やっぱり宝塚の音程のままでは男性は歌いにくいのかな?と思ったり。
女性もかなり低いキーで歌っていました(宝塚娘役のキーが高すぎなのだろうけど)

主役の二人の歌(ロミオとジュリエット)以外は、素晴らしく歌えていて感動的。
乳母とジュリエット父のお二人、声がいい!歌がいい!芝居がいい!!
ロミオ母、ジュリエット母もどちらもビジュアル歌ともに素晴らしい。
神父様も大公もいい味出してる。大公の歌が増えてて、かなりいい声でよかった♪
ベンヴォーリオは2番手役レベルの出番と歌(もともと役の比重が大きいんだよね)。
ティボルトもいい声だし、星版であったソロが全部あった。
マーキューシオも歌えてる(マーキューシオの歌、初めてちゃんとした音階で
聞いたような気がする^^;)歌がある人はみんなよかったわ!
いやロミオとジュリエットも歌えてはいたけど、周囲が余りに素晴らしいので
ちょっと見劣りしたのかも・・。またロミオのビジュアルは素晴らしく美しかっただけに
ジュリエットが大変地味で、目立たない容姿なのが非情に残念だった。
ドレス裁きもいまひとつだったし・・所作もあまり女の子らしくなかった。
(娘役じゃないからだろうけどね^^; 寄り添い系が・・・なんだわ、芝居も歌も)


では個別に


ロミオ(城田優)
大変背の高いロミオでした。ひとり突出している・・・。でも美しい・・
歌はまあまあ歌えているように思えたけど、一部全然だめやん・・なところも有り。
2幕の幕開きはイマイチ。決闘場面でのベンヴォーリオとのハモリが美しくない。
なんというかソロはいいけど、誰かとのハモリがいまひとつな印象。声が響かないのだ。
ジュリエットとの歌も綺麗に聞こえなかった。
・・・やっぱりこういうのは宝塚のほうが上手いのかも。
役としては、あまり少年ぽくなかったので、「そんな刹那的になる年でもあるまいに」と
思ってしまうことも。電話嫌いなので携帯があっても役に立たないという設定はよかった。
ちゃんと最初に伏線が貼ってあり(ロミオは電話に出ないとか、留守電聞かないとか)
たとえ携帯があっても、すれ違いは起きるんだなあ・・という教訓を得ました。
だから(携帯があるから)余計に「ちゃんとケータイ確かめろよ!!」と思ってしまう。
思い込んだら突っ走る、うっかりさんのボンボンに見えてしまいました・・。
(ロミオってもともとそんなキャラだったけ?なら正解だな)

ジュリエット(フランク莉奈
地味。オペラグラスで見たら、超地味。ロミオがあれだけ美しいんだから、
ジュリエットもそれなりの美少女を用意して欲しかった。
(自由に配役できる外部なんだから、歌える美少女探してくださいよ~)
歌は歌えていえるけど、デュエットが綺麗じゃないし、ドレスの着こなしも美しくない。
膝折しなくてもいい背の高いロミオ相手なのに、なぜか猫背っぽい。姿勢がよくないわ。
ミニスカートのドレスが多かったけれど、立ち姿が綺麗じゃないから、美しさが
半減したのかもしれない(と、大変厳しい目で見てしまい、同伴者に怒られました)。
お顔が大層地味で(まだ言う^^;)、これなら、雪組公演で話題になった
もうひとりのジュリエットさんがこっちに出てもよかったのに・・と思ったほど(あの子は外向き)。
最後のご挨拶も、あのドレスにあの挨拶は・・男だ。誰か教えてあげて~と思った。
このジュリエットは大変(私にとっては)不評でした・・・
しかしジュリエットが携帯電話持っていたら、この悲劇は回避できたのだな・・。
お父さん、16歳にもなってるんだから、携帯買ってあげたらよかったのに。
ま、厳しそうなご家庭でしたけど。

ベンヴォーリオ(浦井健治
ロミオが顔スタイル良すぎなため、隣に居るとビジュアルが辛いものがあったが、
それでもベンヴォーリオはかっこよかった。
すごく良い役で、宝塚版よりティボルトとマーキューシオの出番が少ないから、
相対的に比重があがっていた。2番手役。それに応えた仕事をきっちりしていた。
浦井君はもともと好きだ。この役をする人が好みなのかもしれない(笑)
声が大変よろしい。しっかりと響き明朗で聞きやすい。
ロミオとはもるとベンの声しか聞こえないほどだ。
よく考えれば、最後まで生き残り、締める役目も請け負うこの役は、かなり美味しい。
1幕の「世界の王」で雪版ほど一人歌う歌詞がないとか、2幕の「狂ってる~♪」の
「る~」が高音にならないとか、「どうやって伝えよう」の最終部分が高音にならないとか、
両家対決場面でダンスが無いとか、結構喧嘩に参加してるけどめちゃ弱いとか(笑)
まあ私のベスト・ベン様と比べていろいろと違う点があったが(まあ雪版は女性だし)、
それでもベンはかなり印象に残る役だった。私、「ベンヴォーリオ」が好きなのかも・・。

ティボルト(上原理生
男っぽいティボルトで、力強かったです。マーキュシオをはずみで殺してしまい、
どうしようかと思案している風であり、だから隙を点かれあっさり殺されたみたいだった。
(星も雪も、ティボルトは「ふん、殺してやったぜ、スッキリした」って感じだったの)
ちょっと大人だね。この後どう対策とるか、落としどころは?とか考えているみたい
に見えた。その隙を点かれたから、アッサリ一撃で殺されてしまったのね・・と。
星版であったソロ曲が全部復活していた!!扱いはマーキュシオと同じ比重だけど、
ソロが多い分、出番が多かった。歌も大変よかった。
こちらのティボルトは(星同様)絶対に「伯母と関係がある」、と言い切れるね。
あらゆる女と遊んでるって感じも。今までみたティボルトで一番大人だよ・・。
思い込みの激しい大人って、切れやすい少年同様、怖いよね。

マーキューシオ(石井一彰
マーキューシオの歌、初めてちゃんとした音程で聞いたような気がした(ごめんね)
そうか!こういう曲だったんだと「マブの女王」を聞いて思った。本物の男性でも
低音が大変そうだったので、そりゃあ女性ならこの音辛いだろって思いましたわ。
今日のマーはモンタギューの一族じゃないのがよくわかった。
ロミオの親友度もベン>マーと言う感じ。マーはどちらかというと悪友だね。
出番もさほど多くなく、割とアッサリ目にお亡くなりになり、以後登場せず。
若い遊び人って感じ。モンタギューの若者たちとつるんでるのが楽しい感じがした。

乳母(未来優希
素晴らしい!同行の夫が絶賛したのが乳母。一番上手いと。
この人元宝塚、でもトップじゃなかったけど、というと、
「もったいない、宝塚は人の使い方が悪い」と憤慨していたほど。
雪の乳母の「オバサン」らしさと、星の乳母の歌の上手さが合わさって、さらに歌がUP!
低音を響かせつつ、高音まで綺麗な声でした。宝塚時代の迫力は衰えるどころか更に倍増。
素晴らしかったです。余り踊ってなかったけど、最後のアンコールで若者を率いて踊って
くれて、それが素晴らしくて嬉しかった。(同時に大鳥れいさんも同じ振りで若者を率いて踊り、
それも素晴らしかった。)

神父(安崎求
アロマとITが好きな神父様。小池先生らしくていいわ。
本当はマッド・サイエンティストにしたかったのでは?と思った〔笑〕→ジュリエットが
サイボーグ化されてしまいそうだ(^^;)
神父様とロミオのやり取りは、こっちのほうが好き。自然なんだわ。神父様も歌がよい。
渋い声でした。しかし神父さまのIT好きなのはロミオだって知ってるだろうから、霊廟に
忍び込む前に、神父様に確認取れよ!(ネットカフェ行け!)と思ってしまふ・・。
神父様もさ、携帯嫌いのロミオにメールするなら「開封確認」設定しておかなきゃ。

キャピレット卿=ジュリエット父(石川禅
素晴らしい声、石川さんの声も大好きだ。この硬質な感じがステキ♪長いソロで堪能した。
このストーリーでは、ジュリエットはこの父の娘じゃないのね・・複雑だ・・。
宝塚版では「お前の頑固さは私に似たのか~♪」というところが、「実の娘と思って♪」だ。
別にこの設定は不要にも思うが(原作がそうなのか??)・・逆に邪魔。
ジュリエットが父親の実の娘でないのを知り、それでも大事に育ててくれた父に
反抗するというのが、・・・なんか納得できない。それなら似たもの頑固親娘のほうがいい。
ジュリエットが思慮の浅いバカ娘に見えてしまうのだわ。

キャピレット夫人=ジュリエット母(涼風真世
美しいお母様ですが、夫と愛のない結婚をして浮気をされ、傷ついて結婚(男性)不信と
なった・・ではなく、しっかり浮気して娘を産んでました(おい^^;)
アダルトな設定ですね・・上にも書いたけど、この設定は不要だよ・・。
それを結婚前の娘に告げるところがもう。
最後、ジュリエットに「話があるの」と来ますが、一体何のお話だったのでしょう。
「結婚なんて適当にして、浮気すればいいのよ」でしょうか?ロミオはティボルトの仇で
大嫌いのようですが、そうでなければ、手引きしてくれそうな理解のある母でした。
歌は相変わらず素晴らしいです。でもティボルトの件とかもっと怒りが出るといいなあ。
やっぱり声が優しいのです。

大公(中山昇
いや~大公の歌、シッカリ聞きました。歌が多くなってる。ティボルトとマーキュシオが
死んだ後、大公が「ヴェローナ♪」と幕開きの歌を再び歌う。この歌の意味が深く心に
響く場面です。この演出はよかった。こっちのほうがいい。
大公もまた良い声で。黒いロングコートに黒い帽子。なんか「悪魔」みたいな服装。
それが低音で歌うから(部下も居ないので孤独)、「魔王」みたいに感じました。
この人が「死」の上司?って感じです。

死(中島周
素晴らしい雰囲気でした。ダンスも上手い。感動的に上手い。
髪がばらばらと顔にかかるのがいい。暗い化粧と背中の十字架がいい。この雰囲気。
これぞ死だわ! この死は空中に浮いたり、最後は十字架になったりと大活躍。
身体的にはかなりハードな役に見えた。でもすごい大役。
ロミオより一回り以上小さいのが不満といえば不満。〔ロミオがでかすぎ?〕
なんか死は大きいイメージがある(刷り込みか!?)
最後のカーテンコールでは、ジュリエットの前に出てきたから、やっぱり大きい役なんだ。
(ちなみに、その前がベンヴォーリオね。マーとティボはもっと前に2人で。順番にこだわる^^;)

モンタギュー卿(ひのあらた)と夫人(大鳥れい
なんかお似合いのご夫婦でステキでした。ロミオの両親は円満と言う感じ。
モンタギュー夫人も歌が上手い(モンタギュー卿は歌う場面がほとんどない)
迫力のある髪型とドレスでしたが、それでも十分美人が堪能できる。素晴らしい。
ドレス裁きはさすがの上手さ。やっぱり宝塚の娘役!(どっちかというと女役だったが)


以上。今回は衣装は
モンタギュー家が白黒キリン模様。ご両親は薄ベージュ。
キャピレット家が赤系の豹柄。ご両親も真紅のジャケットに豹柄ドレス。
なんでそうなったのか分からないけど、モンタギューは青じゃなくなってました。
衣装は初演の星が一番よかった。
セットも言葉遣いも衣装に合わせて現代風になってました。
衣装もセットもちょっと簡素な感じ。宝塚が無意味に豪華なんだろうか・・。

幕開きは「マインドトラベラー」のセットを思いだしました。あれもこんな感じ。
久しぶりに小池先生のオリジナル(マッドサイエンティスト物)が見たいわあ。
・・・と今回の「ロミオとジュリエット」を見て思いました。


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