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宝塚花組「メランコリック・ジゴロ/EXCITER2018」全国ツアー [観劇感想(宝塚)]

宝塚花組「メランコリック・ジゴロ/EXCITER2018」
2018年12月13日(木)13時 愛知・刈谷市総合文化センターアイリス 1階4列下手
2018年12月15日(土)14時 梅田芸術劇場メインホール 1階中ほど下手通路


「メランコリック・ジゴロ」も「エキサイター」も好きな作品。どちらも花組・真飛さん時代に通っていたので思い入れがある。「メランコリック」は初演も見てるけど、通っていたのは真飛さんの再演のほう。
それがまた花組である!!というので、絶対見たいと思い頑張った結果、熱い友情のおかげで2回も見ることができました。2回見れてよかった~もっと見たかった。まだまだ粗削りなんだけど熱量が高くて、熱くて若くて勢いがあって、なにもかもが新鮮で、夢中になってしまう舞台でした。

トップを務めた柚香さん、歌が上手くなって!と思いました。ダンスは良いし容姿は綺麗なので、歌がな~とか思ってましたが、私はこのくらいのレベルなら真ん中で大量の歌でも大丈夫!と思うレベルにあと一歩まで迫ってました~(褒めてる)。スーツ姿がかっこいいし、ショーも熱く真ん中で素敵でした。その相手役は水美さんですね。こちらもかっこいい!ダンスは素晴らしいし、歌も普通レベルに聞かせてくれるし。お芝居でもショーでも大活躍。本当にかっこよかった。ヒロインは2名、華優希さんと舞空瞳さん。可愛く娘役らしい守ってあげたいタイプの華さんと、歌にお芝居に既にヒロイン完璧でダンスは一人でキレキレに踊りまくる舞空さん。すごいわ花組。

あとでたっぷり書きますが、全体的に勢いがあって熱くてとっても感動しました。こういうのって宝塚では久しぶりに感じた!好きだわ。

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サスペンス・コメディ
『メランコリック・ジゴロ』-あぶない相続人-
作・演出/正塚 晴彦

「1993年に安寿ミラ主演の花組で初演、2008年と2010年には真飛聖主演の花組で、2015年には朝夏まなと主演の宙組で再演された名作コメディ」なんですね。朝夏さんのは見てないけれど、ほかは全部見た。この作品、ヒロイン不要というか、ほぼ男役1&2で進む話なんですよね~トップと互角みたいな男役2番手(真矢みきさん、壮一帆さん)がいて、トップコンビが男役1&2という感じの時に合う作品。
今回は若い花組同期コンビが担当。同期ならではの親友感はとても素敵。お芝居のセリフがもう少し間で笑わせてくれたら最高。ちょっと早口怒鳴りセリフが多すぎて(本来そんな多くないはず)年齢を経た私の耳に聞き取り辛いこともあった。まあセリフも筋もほとんど覚えているから問題なかったけどさ。スタン、ちょっと短期で怒りすぎ(笑)
あのロングコートにレトロ気味のスーツ、柚香さんも水美さんも似合うわ~ポケットに手を入れるのが正塚作品の定番男性ですが、二人ともスーツの上着前から手を突っ込んでましたね。花組の男役さんはみんなそうだな~って思いつつ見てました(正塚芝居の多い月組は違ったような気がする)。あと椅子に座ったときの足の組み方。この2点がカッコよくできないと、正塚芝居は嵌らない。今回二人ともかっこよく決まってたよ~こういう「さり気なく普通にかっこよい男(現実にはいない)」の仕草を見るだけで、ドキドキするのが正塚芝居の味わい方の一つ。
そしてセリフは「うん」「ああ」の連発。柚香さんの「ああ」はまだ改良の余地があると思うが(私見。もっと含みを持たせた大人の男になれると思うの~かっこいいから期待値が高くなる私)、舞空さんの「うん」はとっても可愛くて、可愛さが削減されがちな正塚作品ヒロインなのに、きちんと宝塚ヒロインしていた。水美さんはちょっと叫びすぎだったので、もう少し控えてオーバー目な仕草と間でやりとりすれば、年寄りの耳に優しくなって嬉しい。あの謎理屈で己の道を突き進む熱い芝居はスタンらしくて好き。こちらもレトロなスーツ姿が似合ってかっこいい。顔と声は水美さんのほうが好み(超主観)。そしてティーナらしい華さんが可愛くて。あの大声でわんわん泣く場面ですら嫌味でなく可愛かった。芝居が上手いなあと思いました。
今回主要の4人も若いけど、周りもとっても若い。若い人が多いうえ、今回メンバーでは上級生でも、本来その役をする役者レベルからすれば「かなり若い」といえる。だから全体が若い。特にカフェの客とか通行人とか「その他役」の方が若すぎて、新人公演のように見えてしまった。これ、主要4人はそのままでも、周囲をもっと上級生で固めれば、新人公演には見えないと思う。正塚作品は周囲の役名のない人達が雰囲気を作る作品だから、やっぱり全員の、特に脇を支える方の熟練レベルって大事だなあって思いました。さらに、このお話はノルベールとフォンダリとカティア(とベルチェ刑事)くらいしか大人がいないので、右往左往する若者に対し、この3人が話を締めなきゃならないのに、その3人に若い硬さを感じてしまったんだわ。
(改めて、轟さんのディナーショーの4人をこっちに回していれば・・・と悔しく思うのでした)

あとダニエルとスタンのコンビ(やフェリシアやティーナ)がとても良かったので、休憩時間に邪念が沸いて困った。この二人で「太王四神記」が見てみたい~似合いそう!とか「虞美人」の項羽と劉邦も合いそう~とか。あら真飛さんトップの作品が多いな。柚香さんと水美さんで、男役1&2がライバルで対等に戦うものが見たいのかもしれない。(「黒い瞳」もだけど、これは歌の底上げが必要なので後々で)。華さんが桜乃彩音さんを思い出させる娘役さんだからかもしれない。なんか雰囲気が似ているような気がするのだわ。

十分長いけど、これから個別にまだまだ書く(笑)

ダニエル(柚香 光)
ジゴロで生活している苦学生。パトロン(レジーナ)がいるのに隠れてバイト(アネット)して破綻。本来の生き方じゃない、望む人生じゃないっていうのが冒頭良く表れてました。ダニエルの生活を支え、振り回しているのはスタンのような気がしますが・・・悪気はなさそうだし、親友だと思うけど、ダニエルは基本まじめだし、一攫千金を狙って軽く生きるスタンと縁を切ったほうが真っ当に生きられるのでは・・・?なんて思いました(笑)。機嫌悪いスタンが邪険にするティーナにも優しくてフォローしていて、善良なイイ人だなって思う。
突然現れた妹フェリシアにも優しく対応していて、いつ惚れたのか分かりにくかったけど、大事に思っているその気持ちが強くなっていったのは伝わってきました。妹じゃなく恋人として愛しているけど、フェリシアは兄として慕ってくれているから、兄でいなきゃならない。実際に兄妹ではないと分かってからもそのスタンスが崩せなくて、言葉の裏の感情が全部伝わってきて、とってもときめきました。柚香ダニエルのお芝居良かったわ。スタンとの掛け合い、フェリシアへの気持ちの変化、必死で生きる姿、本当に真摯で素敵なダニエルでした。なぜ彼が貧乏で苦労しているのかわからなかったけど、普通の家庭に生まれていたら、普通の善良な人生を送りそう。そのあたり、普通や金持ちに生まれても放蕩しそうなスタンとは違う。アントワンに成りすますのも、切羽詰まってスタンに乗せられたからだしね。そのために降りかかってきた火の粉、きっちり被って責任取りました。誠実な男だ、偉い!さすが宝塚のヒーロー役。柚香さん、ダニエルだった。
柚香さんを初めて認識したころ(研3あたり?)は「この子!歌と芝居とダンスが上手くなったら素敵!」って思ったけど(失礼)、どうにかなってきたから、本当に素敵になられました。もう立派な2番手さんですね。


スタン(水美 舞斗)
ダニエルの親友で、一攫千金を狙い明るく軽く、他人にやらせて自分はそれに乗るという賢い生き方を、計算ではなくナチュラルにしている人。常に自然体だから嫌味がなくて、ダニエルも頭抱えつつも親友になっているのだと思われる。「貴族の出」とわざわざ言ってるので(言わないと分からないが)何となく楽天的なのかな~なんて思う。水美スタンは貴族の出には見えないし、別に不要なセリフではないかと感じた。初演の宛書セリフが結構残ってますね。彼はどんな家に生まれても、一発でかいことしよう!として、借金作ってそうだ。つまり、今と同じだ(笑)。
短気で気分屋で怒りっぽいのはいいんだけど、ティーナに八つ当たりはちょっとなあ・・怒鳴りつけられるティーナが可哀そうに見えてしまった。彼はティーナよりダニエルのほうが好きそうに見えたわ。恋人より親友のほうが大事な高校生男子か!って(笑)
スタンもかっこよかったし、ダニエルと対等で友情が見えて、(ショーでは更にだけど)立派な2番手さんの役目を果たされていました。本公演でも出番が増えて役割が重くなってるけど、ますます期待したい人です。


フェリシア(舞空 瞳)
田舎の図書館で働くお嬢さん。おっとりして育ちがよさそう。新聞記事を見て兄に出会う。最初は兄だと信じ切って本当に嬉しそうにまとわりついていて可愛い。やがて、自分が歓迎されていないと気付いて、兄に気遣いながらの2人のシーンが可哀そうで・・そりゃダニエルも罪悪感に苛まれて、何も言えなくなるよね。ここからあと事件に巻き込まれていく中で、ダニエルへの感情が変化していく様子がちょこちょこと見えて、なかなか興味深い。最後は「兄じゃないけど、兄みたいに頼っていいよ(絶対に頼ってくれ)」って言われるんだけど、その時のフェリシアの顔を見ていると「絶対に二度と連絡しない!」という決意が感じられる。ダニエルもそう感じるから、しつこくしつこく繰り返す。「兄みたいに」を感じてさらに頑なになるフェリシア。もうお兄ちゃんと思えなくて、ひとりの男性として好きだから、だから自分じゃない恋人がいるだろう彼には二度と会わないって決意。そこからの一連の、すれ違う感情がハーレクインロマンス定番で萌える。 正塚先生やるなあ。
ということで、舞空さんはお芝居が素晴らしかった。今回は正統派ヒロインではないけれど、この人ならどんなヒロインでもできそう。可愛いし品があるし声も良くてお芝居が味わい深かったです。
あと、初演の森奈みはるさんのイメージが強い役だけど(どんくさいとか、子ザルみたいとかいうセリフが・・・)舞空さんは「おっとり上品」に見え、子だぬきであっても子ザルには見えませんでしたので、セリフ変えたほうが良かったのでは?と思うのでした。


ティーナ(華 優希)
顔も性格も可愛くて力いっぱい女なんだけど、陰湿とか打算とかいやらしいところがない。自分の感情に素直で可愛い女の子のティーナ。華さんのお芝居がとっても良かった。ティーナに計算とか見えたら終わり、華ちゃんは単純で我儘だけど健気で可愛いティーナだった。だからスタンに適当に扱われて可哀そうに見えちゃったのだわ。スタンもっと大事にしなさいよ!って説教したくなる(逆に怒鳴られそうだけど)。もちろん軽快に人間関係薄く生きているスタンが正直に感情を表すのは、ダニエルとティーナだけなので、ティーナへの愛情はかなり深いと思われる。ダニエルもわかっているから、スタンの思いを言葉にしてティーナに伝えてフォローに回る。ほんとお互いのことがわかってる親友だな。
冒頭のマチウを脅す場面でも、ティーナは脅しているつもりはなく、スタンに言われた通り話をしているだけ。共犯ではない。彼女は性善説の人なんだろうな~騙されても傷つけられても、悪意に気づかず「うわーん」ってひとしきり泣いて、あとは忘れそう。付き合うのは大変だけど、楽しそう。スタンの好みはかなり変わってると思う。
華さんはティーナにぴったりでした。スタンとのカップルもダニエルを入れた3人でも、綺麗にはまって見えました。可愛いのに、あの振り切れた役は素晴らしい。うわーんって泣く声まで可愛くてよかった。


浮浪者(ノルベール)高翔 みず希
謎の浮浪者。もう再演重ねてるからいいと思うけど、フェリシアの父なのね。休眠口座の広告が出る人物ノルベール、アントワンとフェリシアの父で大強盗。なぜ妻子のいる田舎ではなく、都会で浮浪者してるんだろう。田舎では目立つから?妻と娘のことは気にならなった?たまには見に行っていたのかな?と謎はあれど、最初から意味ありげにうろうろしているし、キーマンだなあと分かる。初演の名優・未沙のえるさんのイメージが強いので、高翔さんはすっきり綺麗すぎるように思えてしまった(いえ、未沙さんがキチャナイんじゃなく・・・浮浪者の振りしている時間が短そうな感じというか)普段は小奇麗なサラリーマンしていて、たまに浮浪者の格好して偵察しているような雰囲気。絶望感や後悔、落ちぶれ感が薄いの。そりゃフォンダリも気づくってば。
組長さんに言うのもなんですが、新人公演風味が漂ったのは、ノルベールが薄かったからというのも大きいのでは、なんて感じたりしたのでした。誠実で名家の執事的な高翔さんの持ち味とは違っていて、薄汚い訳アリ浮浪者成分が薄かった。高翔さんはダンサーで芝居の人じゃなかったけど、ね。


フォンダリ(羽立 光来)
謎のおじさん。ずっとノルベールを探していたのでしょうか?結構な年月で、執着を感じる。ノルベールのことを敬愛しているようだし、分け前の件だけで探していたのではないように感じた。本音は、分け前よりも、また一緒にわくわくする大仕事をしたかったのではないかと・・・そう感じました。
かなりエキセントリックで豪快な役ですが、こんな大役の羽立さんを始めてみました。ちょっと堅そうに感じたかな~変な表現だけど、私はフォンダリにはもう少し馴れ馴れしい不気味さが欲しい。


バロット(飛龍 つかさ)
一発屋のバロットは、頭が単純で人がイイ、ティーナの男版といえる人物。彼なりに誠実で、妻のルシルを熱愛し、犯罪者であれど父を尊敬し、理解できなくても忠実に指示に従っている(きちんと完遂できるかどうかは別)。バロットの偉いところは、自分をよくわかていて、周りの信頼できる人の言うことを素直に聞くことだな。彼なりの誠実さと愛情が見えるから、憎めないしチョイ役に見えない。かっこいいしね!
飛龍さん、バロットを的確に表現してくれて嬉しい。飛龍さんお芝居でもショーでも3番手格で大活躍ですね。優男系の柚香さんや水美さんとタイプが違うがっしり系なので、とってもいい感じに目立ってました。


ルシル(真鳳 つぐみ)
バロットの妻。姉さん女房なのかな。頭も良くてしっかりしていて裏も読める。行動力もある。フォンダリが信頼しているのは彼女のほう。バロットはおまけに見えた。こんなしっかりした女性がなぜあのバロットと?と思うけど、単純で裏表がなく誠実だからでしょうね。一途に愛してくれているのが常時伝わってくるもの。かなりきついルシルですが、それでも愛一筋で寄り添うバロット。バロットが熱愛で、ルシルはツンデレですな。愛情が見えるいいカップルでした。


カティア(鞠花 ゆめ)
ホテルの女主人。大変訳ありで過去にいろいろありそうだけど、今回は語られない。それを感じさせるだけ。その「大人の女」感を出すのが大変。フォンダリとの数少ないセリフから、それを醸し出す。語られない二人の過去、フォンダリの過去、ノルベールの過去。客席に想像させなきゃならないの~これは大変な役だと思う。若者4人(とルシルとバロット、マチウ)がバタバタするコメディだからこそ、大人3人はがっちりしっとり芝居を締めなきゃならない。鞠花さんは美人女主人で好演していたけど、フォンダリも若くカティアも若く、ノルベールはすっきりしているし、とても大変だ。この物語この3人が結構大事なんだなあって思いました。


ベルチェ(冴月 瑠那)&ロジェ(和海 しょう)
フォンダリを追い続ける刑事コンビ。こちらも年配のベルチェはフォンダリたちとの因縁がありそうなのだけど、あの少ない場面で刑事の性を出すのが大変。ロジェは若い刑事で、今どき感を出す役目。若者チーム。比較的出番が少ない刑事ひとつとっても、役目が重い。
今回はこの二人に年齢差や感性の差を感じられなかった。かなりの上級生と若手を組ませるといいかな~と思いました。


マチウ(一之瀬 航季)
弁護士。可愛いティーナに言い寄ったことをネタに、スタンに脅され詐欺の片棒担がされ、さらにそれをネタに脅されている。こう書くとスタンってかなりの悪人だな(笑)。怖い奥様がいるのに、カーニバルでもまたティーナによって来たりしていて凝りてない。スタンに追い詰められる気弱さ、ティーナへの懲りないヘタレなところなんか、ドタバタっぽくて素敵。マチウの一之瀬さんも目立っていた。

シュザンヌ(雛 リリカ)
マチウの怖い奥様、カーニバルの場面しか出てこない。図書館のフェリシアの上司と似たタイプですね。しっかりした気のきつそうな奥様でマチウが尻に敷かれていて、だから軽くて可愛いティーナに惹かれるのですね。分かります。


レジーナ(華雅 りりか)
ダニエルのパトロン。美人のお金持ち。未亡人かな?有閑マダムなのはわかる。今回はあまり年配女性に見えなかったので、ダニエルのジゴロ感が薄い。自由気ままに生きている上流階級の奥様なので、ダニエルからユベールに浮気して、やっぱりダニエルとなったときに、横にいたフェリシアを完全無視。ここはさすがって感じ。で、フェリシアのほうが身を引こうとしていることからして、年上ながら「商売相手」に見えない年齢の美女だったのよ。ダニエルは本気の相手(フェリシア)を見つけたから、レジーナを手厳しく振る。その後のレジーナの「しょうがないわね、お幸せに。次いこう」っていう態度、余裕があって素敵なお姉さまだ。


ユベール(高峰 潤)
テニスの選手でレジーナの新しいつばめちゃん。すっごく若かった!!レジーナってば!と思った場面(笑)

アネット(春妃 うらら)
地主の娘でダニエルが商売相手にした女性。スタンと組んで結構貢がせたんだろうな。ダニエルとスタンがコンビでやってる商売はこれか~と思う相手だ。(このアネットが出てくる冒頭場面、「SAY IT AGAIN」を思い出す。そうだ、あれも男役二人主役だから、この二人で見てみたいな。再演したらいいのに。)


セラノ(峰果 とわ)
カフェのバーテンだけど、やたら存在感があった。芝居の間もうまかったし、ダンスもいい。

イレーネ(乙羽 映見)
フェリシアの働く図書館の先輩。上手いわ~!と感動した。畳みかけるイレーネのセリフの間が素晴らしい。この場面でちゃんと説明できないフェリシアに「どんくさい」(おっとり)が見える。このほんの短い一場面でフェリシアの故郷でも生活を感じさせてくれた。


というわけで、「メランコリック・ジゴロ」、周りが新人公演風味ながら、かなり楽しかった。真ん中4人は十分本公演レベルで(変な言い方)、私は大満足。全国ツアーでなければ、何回も見たかった。DVD(BD)を買いたいと思いましたもん。



スパークリング・ショー
『EXCITER!!2018』
作・演出/藤井 大介

こっちも「2009年と2010年の花組公演が大好評を博し、2017年に花組全国ツアーでも上演された人気作の再演。」なんですよね-私は大劇場版(つまり真飛さん)しか見てないです。2009年版と2010年版を混ぜた感じで作られていたと思います。このショーは好きだな。
今回、芝居とショーが好きな演目で、花組だったので見に行きましたが、思ったよりずっと良かったです。すっかり柚香さん水美さん、華さん舞空さんのファンになって帰ってきました。

第1章 夢の革命(プロローグ)
幕開きの若手3人枠は、飛龍つかさ、高峰潤、一之瀬航季。昔は朝夏さんと望海さんと鳳さんがしてたのよね・・・って客席に望海さんがいらしたので、感想をお聞きしたかった。さてプロローグ、衣装がいい、色彩も素敵。人数が少なくなったけど、このプロローグ場面は大好き。トップの柚香さんが一人舞台に残り、2番手の水美さんが階段を下りてきて二人で見つめあう(?)場面が良かった。これは通いたいと思える場面。水美さんに妙な色気があって(壮さんにもあった)いい場面になっていた。ちなみに未涼さんが気だるげに歌った箇所は、和海さんが担当。思い入れある場面だ。
娘役トップがラインダンスメンバーと踊る場面は、歌詞が違う。ちゃんと宛書。華さんにあてて書いてあったと思うが、忘れた。聞き取れたので(笑)ちゃんと「ああ華ちゃん用になってる!」と思ったんだけど・・残念ながら忘れてしまった。(彩音ちゃんと蘭ちゃんとでも違う歌詞だった。細かい!) 今回、華さんがほとんどトップ娘役場面を担当していたけれど、彩音ちゃんを思い出した。美人で(芝居が上手くて)雰囲気が素敵な娘役さんで大好きでした。華さんにも期待。


第2章 美の革命(ファッションショー)
高翔さんのデザイナーに、付き添いは鈴美椰さんと三空さん。
1のロココなドレスは和海&華雅、いい声。2のマーメイドドレスは千幸&真鳳。初めて歌詞が分かった!、3のチャールストンは太凰&春妃、やっぱり難しい歌なんだ。4の宙トップコンビが担当したのは一之瀬&双葉、可愛い。5のロックは飛龍&乙羽、こちらも初めて音程が分かった。
という感じで、大変楽しかった。高翔さんもデザイナーなんだから、ぶっ飛んだヘアスタイルにしてほしかったです。このモノクロいろいろ衣装はセンス良くて好きだった。けど3のチャールストンのフリンジドレスだけデザインが変わっていた。元のほうが足が長く綺麗に見えると思うのでもとに戻してほしいところ。


第3章 男の革命(チェンジボックス)
ずっと続いているんだ! 初代社長のマリン(悠真)さんと2代目社長?の発明者・Mr.SO(壮さん)。そしてボックスでチェンジしたMr.YU(真飛さん) とリオ・ボーイ(明日海さん。前回見てないのが悔やまれる)の肖像画が掛けてあった。今回のMr.REIはMr.SOの弟なのか?髪型が同じ。
で、最初はイケイケ社長なんだけど、チェンジボックスが故障して(そりゃ10年も使ってるし)、超修理人のビューティ・マイティ(水美)が修理してその功績で社長に。Mr.REIは故障チェンジボックスでダサダサになり追い出された。すごい会社だ。修理されたチェンジボックスで、またイケメンに戻ったが、社長に復帰できるのだろうか。この物語、ずっと続いていることに驚いた。もうずっと続けてください。ああ悠真さんにこちらに出演してほしかったなあ~と思った。(芝居もね。今回芝居の上手い上級生を「蘭陵王」に集めすぎだと思うぞ~)
ところで、華さんはプリティ・ハンニャなのね。フラワーちゃんじゃないんだ。そしてクイーン・ハリーナ(羽立)は美声でブーなところから、美人のクイーン・ヒットンへチェンジ。パン屋のおばちゃん(もとはホットドック売りのかわいこちゃん)とか地味に出てきていて、細かい配慮が行き届いている。いろいろ面白かったです。しかし、Mr.SOの発明はすごいものだったんだな~
この場面、宝塚ファンに楽しめるポイントが盛りだくさんで、隠しコマンド見たいだった。逆に初見の人に感想聞いてみたい。


第4章 愛の革命(クラブ)
ここのダンス好き。舞空さんが娘役を率いて踊っていた。彩音ちゃんの赤いドレスは華ちゃん。ちょっと太ももが魅惑的すぎるので、もうちょいストイックにしてもらってもいいなあ(蘭ちゃんはストイックすぎた。彩音ちゃんレベルが好き)。ここも飛龍さんが3番手役で大活躍。迫力あるし存在感もあり歌も上手い。いい人材だなあ。ドリームガールズの3人娘が、歌今一つ迫力がなくて、舞浜に持っていかれたの?と思う出来でした。ちょっと残念。ダンス場面は人数少ないしあんまり揃ってないけど、この場面の雰囲気はよく出ていて、やっぱり最高と思えたので良かった。


第5章 命の革命(ハバナ)
この場面は、ダンサー蘭乃さんのために作られた娘役が率いるダンス場面。舞空さんが踊り倒す。本当に素晴らしいダンスで、惚れ惚れした。宝塚には珍しい、OSKでよく見る自立型娘役だ。一人踊るダンスで輝ける娘役。愛希さんもそうだったけど、舞空さんはちゃんと娘役として立ってるとこが違う。(私の中では愛希さんはショーでは男役みたいに感じるときがあったから。まあ主観ですけどね)。この冒頭場面、本当に感動しました。柚香さん水美さんもダンスが素晴らしいので、このメンバーでダンス満載ショーをやったらいい思うの。
問題は歌だ。柚香さん、ここまでは「上手くなった~これなら真ん中で歌ってもらって大丈夫」と思っていたのですが、ここの歌はアカンかった・・・。真飛さんは歌がうまかったんだなあ~と今更ながらしみじみした場面です。スローで伴奏もなく、声で歌を聞かせる曲は避けたほうがよさそう。すぐあとで和海さんが同じ曲を歌うのですが、「そうそうこれ、この曲よ」と思ってしまったよ。全部影ソロしてあげて欲しかった・・観客のために。


第6章 明日への革命(ハバナ終焉からフィナーレ)
そのハバナのラストは2010年版。和海さんが名曲を歌ってくれたのでよかった(未涼さんの歌はほとんど和海サンが担当していた)。歌い方も素敵で良い声。
今回のショー(芝居もだけど)は、トップと2番手が圧倒的で、3番手以下はあまりはっきりしない。ともかく、トップ2番手が出ずっぱりの印象。娘役も同じくダブルヒロイン。3番手はほとんど飛龍さんであったが、最後の階段は冴月さんだった。飛龍さんは3人組の筆頭だからだな。人材を多く使うショーで嬉しい。男役総踊りはあまり揃ってないけどかっこいい。そしてデュエットダンスは2組。柚香&華、水美&舞空でしたが、途中パートナーチェンジもあり。どっちも似合うけど、私の好みは、最初の組み合わせ。柚香さんは華さんとのほうが男らしく見えた。水美さんは舞空さんと組むとさわやかに見えた。(個人的には、舞空さんは一度雪の彩風さんと組んで踊り倒してみて欲しい。咲奈さんは自分でも踊るけど、パートナーを躍らせるのが上手いと思うの。組が違うけどスペシャルで実現したらいいなあ~)
ともあれ、珍しい2組平等のデュエットダンス。ほんとトップ2番手の比重が変わらない感じでした。4人主演って雰囲気。言い換えれば、4人とその他ってメンバー。こういうのも面白いですね。男の友情物は面白いし、ヒロインも増えてたくさんの人に見せ場があるので、こういうのも好き。
エトワールは未涼&桜バージョンで、当然に和海&乙羽。妥当です。一之瀬さんが華雅&春妃を両手に、次は飛龍さん単独、Wヒロイン華&舞空(同じドレス)、そして小さい羽根付の水美さん、大羽根の柚香さん。やっぱりトップの相手役は水美さんだったんだ!と確信した階段降りでした。


<客席降り>
プロローグでほぼ全員の客席降りがある。刈谷のときは、通路から遠かったので、見ていただけだけど、それなりに近くで見れて嬉しかった。だが!梅田では通路に座れたので、下手通路を通過するほとんどの方にハイタッチをさせていただきました。嬉しい!誰かわからないけど男役さん、通過する一瞬なのに「ぎゅ」ってしてくれたので感動。娘役さんのほうは手袋しているしタッチって感じ。値千金のお席でした。(→BD買って誰か確かめよう。)

あともう一度、クラブの場面後に柚香さんと水美さんだけの大変濃い客席降りがある。舞台上では飛龍さんと一之瀬さんが残る(でも1階席にいたら舞台観ている暇なかった)。本公演ではトップ3(真飛・壮・愛音)が銀橋から大変な色気を振りまいていたが、今回は客席降り!いや~濃かったです。近くで見ていたんですが、あれはされたら困るよね。対応ができずに記憶が飛びそうだ。(私はかつて男役時代の醍醐せしるさんにされて記憶が飛んだことがある。最後の男役公演だったので超貴重な体験。今も忘れられない)。そういうお客さんを大量生産していた場面でした。
私が見た回、水美さんが誰か(ジェンヌさん?)に構いすぎて時間を超過していまい、すごい勢いで上手客席通路から本舞台下手まで走り抜けたのを目撃しました。ちゃんとかっこつけながら走って、最後のポーズに間に合ったよ!すごい。
私が見た回は雪と花のジェンヌさんがいっぱいで、わかったのは望海さん真彩さん凪七さんが3人並んで座っていたとこだけ。ほかにもいっぱいいた。

というわけで、全国ツアーの客席降りは濃くて楽しい。ほんと全国ツアーって感じで、客席もきゃあきゃあ言ってました。私はびっくりしすぎて声でなかったけど。
今回花組4分割一応全部見ました(舞浜だけライビュビューイング)。すっかり花組好きになってしまったので、次も行く。楽しみがまたひとつ増えました!

プログラムも買いました。見るとやっぱり柚香さんの次には水美さん。1ページあるコンビ写真は柚香&水美。ここでも、相手役は水美さんで間違いことを確信。かつてこれほどヒロイン扱い?された男役同期はみたことないわ。新しい形態でなんか楽しい。
ところで一之瀬さんあんなに活躍したのに衣装写真ではないのね。ここは昇格してあげて欲しい。かっこよかったもの。今回覚えた飛龍さんが誰かに似ている・・・とずっと疑問だったが、帰宅して分かった。去年退団したOSKの男役の香月連さん(の若いころ)だ。芝居上手で濃いお顔の感じが似てる。あーすっきりした。このお二人もこれからどしどし活躍してほしい。
あとDS組の綺城さん。こっちに欲しかったよ~。そして「蘭陵王」組の帆純さん。休養中の亜蓮さんの復帰も。花組も人材豊富ね~これからの活躍を期待しています。まずは「カサノバ」のチケットを取らなければ!

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hanihani

花組全国ツアーは楽しかったですね~

私は珍しくトータルで10回も観ちゃいましたよ、本当に本当に初日の神奈川に比べて梅田はとても成長していました。
1ヶ月でのこの成長はすごいなぁ、若さって素敵☆と思いました。
「伸びしろ」って言葉を実際に感じられて嬉しかったですし、
梅田千秋楽では色々な意味で1ヶ月よく頑張ったよ!と泣きそうになりました。いや、どんな立ち位置だよって感じですが。
柚香さん、芝居が繊細になってきたし。

そうそう、梅田では芝居の間とかしぐさ自体が変更になっていました。多分正塚先生がいらして、再チェックがはいったかなと。
なので、マイティがセリフを怒鳴り過ぎとか、客席降りの二人が
ホストみたいで品がないとか色々言われていますが、これは演出なんだよと思います。先生たち2日間毎日ご覧になっていましたし。
マイクが不調だったので音響的に何か問題があったのかなと。

さらに今回はメインのお役を知り合いの生徒さんがやるっていう私の長い宝塚人生でも数少ない経験をすることが出来ました。
普通の時には、ご存じのように脇役で安定の歌声(笑)の方を応援しているので、ひげ良かったとかあまり心にナイフを突き立てるような感想は頂かないので穏やかにすごせていました。
しかし今回は神奈川以降ご覧になった友人知人から、もう直球でナイフ突き立てられてへとへとになりましたよ~

ネットでも実名を挙げて「これは私の個人的意見です」の一言で
あなた何もの?みたいな意見が沢山書かれていたし。
blogってさ、「これは私個人の意見です」と一言いえば何を言ってもいいよって世界だったっけ?
いや、ダメダメな部分をあげへつらってもいいから、少しでも
良かったなということを感じたらそれも書いて欲しかったなぁと。
さらに私個人にメールくださった方々は結構そのblogをご覧になってるようで、似たような意見の持って行き方が多くて「元ネタはあれか!」なんて推測できてちょっと笑えましたが(*_*;

ほんと温かい感想でありがとうございました。

私も気になった人のことを書いておく。
峰果 とわさんは芝居もショーも大活躍でしたよね。
チェンジボックスの時におかまのメイクさんが可愛くていいよね?
芝居は強面も出来るし!

春妃さんチャールストンのフリンジドレスは残念ながらスタイルが悪く見えるわ。
芝居の田舎娘ちゃんが芝居的にも勢いがあって素晴らしい(しかも
全体があか抜けてないところも)ので、なんとかしてあげて欲しかったです。97期が不憫だ…
乙羽 映見ちゃんも歌も芝居もうまくて、背が高くてスタイルも良くて素敵ですよね。大好きです。
今回も彼女の芝居でフェリシアの設定が理解できたし。

しかし、ひっとんは全然鈍くさくなくて、宙組のミリオンのフェリシア同様に設定おかしいよという感じを受けました(-_-;)
ミリオンは賢そうだったし、ひっとんは運動神経が良さそうで
「グズ」とか絶対に言われないタイプかな
給食を1番に食べ終わりボールを持って外に出て、昼休みは男子たちとドッジボールに興じているイメージ(笑)
カーニバルのどさくさに紛れて逃げるところ、1番のれいちゃんがものすごく足が速かったですが、その次にくるひっとんもすばしこくて、ラストのマイティが守る必要なさそうな俊敏さで陰に隠れてましたよね。

で、ひっとんの完成度の高さというか、全知全能っぷりはすでにハンナでも感じて、ひっとんにはききちゃんが似合うよとずっと思っていましたが、
たしかに雪組に組替して咲奈と組むのが観たい気がしてきました。
ま、同期の潤花ちゃんが抜擢されていますが、潤花ちゃんのセリフの声の高さとか新公の時の音程を考えてみると、バランスからも
雪組異動で咲奈相手役もよさそうな気がする。
ひっとんは早くトップにしないと
なんか手慣れたイメージがついてしまいそうな気がして、トップ娘役としては少し逸れてしまうのではと気にかかります。
一応雪組には真彩ちゃんとひらめちゃんもいるし、花組からきても
すぐになじめるように思えます。
彼女はちゃぴみたいにこれから海外ミュージカルに出て欲しいし、いやフェリシアじゃなくて「ファントム」新人公演でクリスティーヌやってくれても良かったかもなぁ。(妄想しています)
「海街」とか再演したら素敵ですよね。

次はタカスペで会いましょう(笑)
by hanihani (2018-12-19 13:29) 

えりあ

hanihaniさん

10回とは羨ましいですね!私が見たのは刈谷と梅田という最後のほうだからか、すごく良かったですよ。進化したんですね。若いわ。
今回の主役4人全員が気に入ったので、見ていて楽しかった。みんな似合ってて。あ、確かにおっしゃる通り、舞空フェリシアは運動神経よさそうでしたね(笑)どんくさい愚図娘には見えなかった。でも「おっとりお嬢さん」には見えたので、十分嵌ってた。ショーのハバナを見て、咲奈さんの海街を思い出したよ!一緒に踊ってみて欲しいわ。
ショーで書き忘れてるけど、プリティ・ハンニャ、可愛かった。この場面のMrREI社長とすごくお似合いで可愛いカップル。華さんも舞空さんも全然違う魅力でどちらも良かったので、Wヒロインもいいなあって思いました。
不満は「チャールストン」の春妃さんのドレス。なんであんなに丸く見えるドレスにしたのかな?以前はそんなこと思わなかったのに、スタイル悪く見えるよねー。あとはおおむね満足。

ブログって匿名掲示板よりはましだけど、非公開日記じゃないから、何を書いても良いわけじゃないとは思う。読む人がいるのだから配慮は必要よね。私はもともとは未来の自分のために(老後にDVD見るときの楽しみに)書き残しているので、楽しいこと素敵なことを思い出したいからね~いや、突っ込みも書くけど(笑)
自分以外の方にも楽しんでもらえてたら嬉しいです。

今年はタカラヅカスペシャルはDVD待ちなのです。OSKの荻田先生の「円卓の騎士」初日と翌日で連続で観劇するのだ。初日は絶対見たいし、タカスぺはチケット取れないし~荻田作品の大ファンだし、楊さん主演だし、って(笑)。タカスぺはあとでDVD見るのを楽しみにしてるね。もし私の夢の組み合わせ(彩風×舞空)があったら教えてください!


by えりあ (2018-12-21 00:44) 

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