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OSK「ドラキュラ」 [観劇感想(OSK)]

OSK「ドラキュラ」
2017年11月26日(日)12時 大丸心斎橋劇場  段上がり下手


OSK久々の大丸心斎橋劇場。この劇場は見やすいので好きです。
「ドラキュラ」。開演前にプログラムを買ってみていたところ、
最初の方にしか役名が書いてない。写真が大きい人だけ。つまり4人。
「え?登場人物4人!?まさか~」と思っていたら、そのまさかだった。
えええええ2時間の1本もので、登場人物4人、そのうち1人は直接関係ない。
結局3人。一人の女を巡る、時空を超えた単純な三角関係。そういう話だった。
北林先生・・・ちょっと・・・と思ってしまったのでした。


201711ドラキュラ.jpg

ネタばれあります。
そして「良い公演だったわ~」「感動した」って方は読まないで~とご注意申し上げます。




Dracula ドラキュラ
【作・演出】北林佐和子

【出演者】
悠浦あやと・恋羽みう・愛瀬光/朝香櫻子(特別専科)
りつき杏都・登堂結斗・すばる未来・壱弥ゆう・彩ひとみ・雪妃詩・紫咲心那・蘭ちさと・渚美怜



ブラム・ストーカーが書いた「ドラキュラ」。この主人公ドラキュラのモデルになったのはワラキアの領主ヴラド・ツェペシュ、ヴラド三世。「ドラクル(竜)」の仇名を持つルーマニアの英雄ですね。15世紀に生きた彼を主人公にして、18世紀末(現代)を舞台に描いた時空を超えた三角関係。
ヴラドの妻は敵の策略に嵌められ自害してしまい、自害した魂は天国の門をくぐれないとのことで、彼女の魂が彷徨うことになった。そのため彼も再び妻の魂と巡り合うまで天国に行かずに現世にとどまることにする。悪魔と契約(?)して。肉体を朽ちさせないために、悪人の生き血を啜って生き延びる。・・・このあたり、ひそかに法律で裁けない悪人退治してるんなら、社会に貢献してるんでは・・いい奴じゃん!とか思ってしまった私。まあ悪人というより、小悪党って感じでしたけど。地位も身分もない風来坊が簡単に殺せる相手となれば、大物じゃないのかもしれない。本当なら、政治家や貴族などの司法も庶民も手を出せない悪党を襲ってほしいところですが、そこまでお願いするのは無理っぽいですね。ここでちょっと意外に庶民的だな~なんて思った。そういえば、吸血をミーナに非難されたヴラドさんは「いつもは血を溜めておいてコップに少しずつ飲んでるんだ!」なんて言い訳してましたからね。なんかみみっちい・・いえ、堅実なんだよね!って。大物襲って己が危うくなったら困るもんね、愛しのエリザベートに再会するまでは、堅実が大事。暗くて内弁慶で健気な努力家か~って、ヴラド氏の性格を分析してしまう。なんだか、ミーナが「可哀想で見捨てられない」となった気持ちがわかる気もする。俺様風で威勢がよさそうだけど、本当はとっても善人で、寂しがりのわがままな子供なんだよね~ヴラドくん。19世紀のミーナの恋人ジョンも、不遇だけど健気な努力家で前向きな善人だから、ミーナはこういうタイプに弱いのか。見捨てられないんだよね。
ヴラドもジョンも、二人とも(根は)善い人で自分を全身全霊で愛してくれている。ミーナは、どちらにも「この人には私がついていてあげたい!」って思ってるみたいで。でもより可哀想なヴラドを選ぶ、って結末に見えた。この三角関係を2時間見ました。
ワラキア王ヴラドと契約する悪魔は出て来ないけど、天使ガブリエルが出ていて、「永遠の命」と引き換えに、様々な制限を課すんですね。は!彼が契約した悪魔って、ガブリエルか?!
ガブリエルが一番性格的に怖かったし、裏表あって計算高くて、威圧的だった。彼女がすべての黒幕みたい。
登場人物4人は、こういう感じでした。ドラキュラってこんな話やないよね。違うタイトル付けたらよかったのに。


台詞回しが仰仰しく(言ってる内容は、割と庶民的というか、よく聞くと「は?」ってことが多い)、時代がかった感じ。ジョン以外の3人がね。あ、時代劇だっけ。18世紀末って、「1789」と同じ時代?服装からは「ドラキュラ」が書かれた19世紀末かと思ったわ。ジョンだけ現代風な話し方だね。話は上に書いた通り、割と単純目の三角関係。ストーリーは予測できる。ある意味、思った通りに展開した。
2時間でこんな単純なストーリーですが、エピソードはそれほど多くなく、フィナーレも少なめ。いったい何で時間がかかったのかな?と思うと、その他の出演者9名による状況説明場面だったか。全員で出てきて暗い舞台で全員が歌で説明するの。それがとっても多かった印象。9名の下級生も、舞台に出てると言えば出てるけど、暗いし被り物してたりするし、全然誰が誰だかわからない状況で、ちょっと残念。もっと「集団」ではなく、「個人」で話を進めるエピソードがあればよかったな~って思いましたよ。宝塚の木村信二作品の「動く背景コーラス」みたいな扱いだもの。


照明と装置がしっかりあり、映像が大活躍!舞台は転換しないのでそのままですが、映像を駆使して場所や時代を変えていました。それは今までのOSKではあまり見ない手法だったので、とても良かった。舞台が暗すぎるのが難ですが・・宝塚の正塚先生の舞台レベルに暗いし人がいない。話の内容は、台詞に突っ込みたくなるような場面も多いのに、肩震えてしまう。みんなシリアスにしていて暗いし・・笑ってはいけない雰囲気。私はもうちょっと明るいほうが好き。

こんな感じでした。「ドラキュラ」は暗い話だろうけど、単純で暗すぎたのが、あまり好みではなかったようです。あと9人もいるのだから、もっとエピソードで進めても良かったのでは? 3人+1人の台詞と、背景9人の説明コーラスだけで進む三角関係は、なんだか物足りなくて。

あとね、ドラキュラが主役でタイトルロールだから仕方ないけど、自分で自分のことを説明する場面が多くて、「いいわけ」というか「わがまま」にしか聞こえなくて参った。このストーリーなら、ジョンを主役に、ジョン視点で語れば、ヴラドの哀しさも苦しさももっと共感できたのではないかと思う。ジョン主役なら、ヴラドが「とっても美味しい2番手」という役になったと思うのだけど、ヴラド主役だから、ダーティヒーローというにはあまりに人物が小さく見え(描かれている台詞とかが。だって守ってたはずの国も捨て民も捨て、結局「妻」に固執してるだけだから、どうしても矮小感が。テーマが「愛」っていっても壮絶な歴史背景や領主なんて立場を入れると、妻「だけ」への愛が相対的に小さく感じられてしまう私。ダーティヒーローが観客に共感を得る壮大な理想や夢、同時代人が理解できない崇高な理念や展望がないからさ)、なんだかな~って思った。ドラキュラが主役なら、彼とともに生きる従者を登場させ、代わりに語らせるとか、主のために狂信的な行動をとってヴラドが悔恨するかとかなら、まだヴラドに共感できたかもしれないのに・・自分で語ったら「言い訳」「開き直り」にしか見えないよ。

もう一つ疑問。ドラキュラ氏がエリザベートの魂を持つ女性をどうやって探していたのか?今回はデザイナ-として発表したウェディングドレスが切っ掛けになったけど、あれを彼女が見てなかったらどうしたんだろう。時々いろいろな職で世間に出たようですが、400年間どうやって彼女を捜してたんだろうね? やっぱり上流階級の社交場に華やかに出入りして、寄ってくるそれらしい美女に近づく方が確率高いような気がするんだけど(定説通り、美女を襲いまくるの。エリザベートの転生じゃない美女はご飯になる)。このドラキュラ氏は、引きこもり気味なうえ、食料として良い小悪党を探すために庶民の事情に詳しいようなので、どうやって「彼女」を探していたのかがよく分からない。時が来たらガブリエルが教えてくれるから、その時までじっと待ってたような気もするくらいだ。・・ああ考えちゃダメなんだな。

ってことで、この物語、私はあまり主役ヴラドに共感できなかったのでした。ミーナ嬢の「見捨てられないわ」という気持ちはよくわかったけど、「私がついていてあげなきゃ」タイプの男性は私の好みのタイプではないので、共感はできなかった。


ヴラド(悠浦あやと)
性格は上に書いた通りで、俺様風に威張ってるけど、その実、ガブリエルに手綱を締められて、厳しい生活の中、エリザベートにいつか会える日を願って堅実に生きている根暗な努力家さんに見える。長く生きてても、友達いなさそうだしなあ。・・「可哀想で見捨てられないわ!」というミーナの気持ちを分かりやすくするための性格設定なのかしらん。あまりかっこよくない主人公ですね(悠浦さんはかっこ良いかも知らんけど、ヴラドはかっこよくないと思う。冷静に考えて、ヴラドの外見があちゃーだったら、同じ台詞でも話の展開は違うと思うくらいだ。当然、客席の共感度もだ。)
ビジュアルは綺麗。でもほっぺがとてもふくよかで、悲哀というか苦悩というか飢餓感ってのか、人の血を吸わないように自制して、日の当たらぬ場所で生きている・・っていう風には見えなかった。いっつもお腹いっぱい?って体格に見えたのが残念(仕方ないのかもしれないけど、それならそんな設定いらんやん)。だから15世紀にワラキア王として戦場から戻った場面が一番似合っていてかっこよかった!この人は華やかで生気のある役の方が似合うと思う。衣装も豪華な方が似合う。
美しい悠浦さん、今回のビジュアルは今一つ・・・私の好みではなかった。綺麗なんだけどね。幸村も上道(「鬼ノ城」)もビジュアルから素敵♪♪♪と思ったのに、今回や「ロミオとジュリエット」のベンヴォーリオ、「カンタレラ」のホアンには今一つときめかなかったのは、なぜか?と思うと、やっぱり黒髪ストレートに踝まである引きずる衣装が良いのだと思い当たった(プリメールのレオナード王子は金髪でも短髪だからすっきり見える)。今回は中途半端な長さでバサバサ風。たまに銀髪。これが好みじゃなかった。長いマントがあったけど、黒一色にしか見えないし、私が好きな「似合う!美しい!」って思う衣装とは違ったような気がするの。
あの髪の色、ワラキア王は黒髪、ドラキュラは銀髪、ならわかるけど、そういうわけでもなさそう・・なぜたびたび色を変えたのか、私にはよくわからなかった。すみません。

そして声。やっぱりもう透明な声は出なくなったのですね(泣)。今回は特に、低く暗い陰鬱な声を出すためか、台詞声はしわがれ気味の濁った声になり、歌声も重く伸びが無い。この声、歌い方、好みじゃない。なぜ悠浦さんの美点を封印するのか?って思ったくらい。

悠浦さんの悪役は好きで見たいけど、悪役なら「迷い」を持たない役がいい。「鬼ノ城」望月上道、「プリメール王国」役替わりの魔術師クロード、どちらも迷いが無かった。スッキリ悪を突き抜けて欲しい。白い役なら苦悩も似合う(でも好みじゃないけど)、道を踏み外せないからだ。でも黒い役なのに暗い苦悩を前面に出されると鬱陶しさを感じた。吸血鬼になっても善良でいようとしていて、それが暗い雰囲気と自分一人の苦悩につながってる。その苦悩にも共感し難く・・・激情に駆られたとはいえ、自分でその道を選んだんじゃないの?って。私が書くなら、エリザベートの転生待つ間も、「神を呪って」この異形の身になったのだから、そういう行動をとっていただく。そしてエリザベートの魂を持つ女性と出会って初めて、間違い(神を呪った事)を悔いる・・・ってな感じにしたい。黒を極めて欲しいな、その方が最期の浄化が効果的だと思う。このドラキュラ氏、15世紀に神を呪う場面以外は、ずっと暗く悩んでいるのだもの。その悩みが「後悔」みたいですっきりしないのかな>私。正直なところ、見ていて気分的に疲れた(私にはジョンの迷いの無い明るさが救い)
白黒どちらにしろ、きっちり目的に向かって突き進む人物が好きですね。ま、私の好みの問題だけどさ。悠浦さんの役作りは好きだけど、今回の役作りは全然共感できず、好みではなかったんです。


ジョナサン(ジョン)・ハーカー(愛瀬光)
19世紀ロンドンに生きる上流家庭の三男。大学の歴史学の教授でしょうか。とても穏やかで人の良い感じの努力家さんに見えます。生きるの死ぬのの大恋愛はできそうにないけど、穏やかな老夫婦になれそうなタイプ。結婚するならお勧めですよね。
ミーナとの出会いとか描かれてなかったけど(見たかったよ)、お人よしのジョンが困ったところをミーナが助けてあげたのかな?なんて想像してしまう。ジョンは腕力もなく地位も権力もなく頼りない男(と自分で思ってる)だけど、それでもミーナは彼の誠実さを頼もしく感じているに違いない。そんな微笑ましい二人の日常が見えるような。
意を決してプロポーズして、お返事が「あのウェディングドレスは私のためのもの」なんていわれたら、全力で手に入れたいよね。面識ない有名デザイナーのお家をいきなり訪ねて、彼が大事にしているドレスを手に入れようとするあたり、勇気があると思う。あの暗いヴラドとちゃんと会話をして、心を開かせているし。人当たりも良いんだ。
ミーナが失踪した後、自分の持てる力全てで探し、遠いワラキアまで追いかけている。行動力もあるやん。イイ男だよジョン。
この暗い話のなかで、ジョンだけが明るかった。舞台の上も、ジョンが出ている場面だけ、照明が明るい感じがしたくらい。女性が一目ぼれするようなタイプのモテ男ではなく、実直で地味な歴史の教授。でも善良で思いやりがあり一緒にいて気持ちが良い人。愛瀬さんはそれを体現していたように思います。愛瀬さんの演技力は凄いわあ〜と思いました。歌も素敵でしたし♪


ミーナ・マリー/エリザベート(恋羽みう)
18世紀末ロンドンに生きる自由な女性ミーナ・マリー、15世紀のワラキア王妃エリザベート。この二人の魂を持つ女性。
18世紀末に生きる女性なら、職業婦人ではないでしょう。良家のお嬢様に見えるし、職業婦人ではなくても世話焼きで面倒見の良い情愛深い女性なのでしょうね。世間一般では「女にもてない男」だけど、ジョンのやさしさ誠実さ見抜いて結婚を承諾している。包容力を感じるイイ女です。少女ではなく女性の年齢ですよね、もしかするとこの時代の良家の子女ならちょっと婚期を逸している?と言われそうな落ち着いた大人の女性。「自分で決める」をモットーに、結婚も親ではなく自分の納得する相手を選びたかったみたい。ジョンは嬉しかったでしょうね(家柄は釣り合いそうだから反対はされ無さそう)。
が、ヴラドのウェディングドレスをみて、前世?の記憶がよみがえる。前世というと仏教になっちゃうので魂の記憶というべきかな。400年の間魂は肉体を持たなかったんだなあ・・・気の長い話だ。エリザベートの記憶が蘇っても、ミーナの記憶も気持ちも忘れない。そこが凄い。強烈な過去に取り込まれず、自我のキッチリした女性だったのですね。
エリザベートが夫ヴラドを愛した記憶を持ち、400年の間浅ましい姿になりながらも自分を求めてくれたことを知り、ヴラドに心揺れる女心。でもミーナとしての記憶は、小悪党とは言え人の命を奪う行為を続けてきた男を許しがたく、またルーマニアまで救いに来てくれた優しいジョンと夢見た未来も忘れられない。そういう三角関係。彼女の中にエリザベートとミーナの二つの記憶二つの人格があるみたい。だから二人の男どちらも選べなくて。
結局、エリザベートの愛の記憶と、現在のヴラドの哀れなまでの愛に気持ちが傾き、過去の因縁に巻き込まれたジョンの生存ために、ヴラドを選んだ…ように見えた。でもヴラドとは一緒に生きられないのですよね。ガブリエルの言い分だと。「愛を得て(=エリザベートの魂と巡り合えたら)、魂が救われる(彼女に殺してもらえれば)」ってだけ(結構ひどい)。つまりエリザベートの魂の持ち主に殺してもらえたら、ヴラドは死ぬことができるだけ。エリザベートの魂は、ミーナの死とともに天国の門をくぐれるでしょう。二人が一緒になれるのはそれから。今すぐ一緒になるには、ミーナも誰かに殺してもらう必要がある? ヴラドも最後は気づいて一人で死を選んだ・・のかな。彼女を託せる良い男(ジョン)も傍にいたし、そこは決断しやすかったかも。ヴラドはずっと自分のことしか見えてなかったけど、最後になってようやく、周りが見えるようになったように感じた。
ミーナは本当に良い女でした。この後、ジョンと結婚して、穏やかに幸せに年を取り、天寿を全うしたジョンを見送り、たくさんの孫に囲まれて天に召されるとき、その時に再びヴラドに会えるんだろうな、ってそんな未来を想像してしまいました。

恋羽さん、ヒロインです。落ち着いた大人の女性だからこその三角関係ですね。若い娘役には難しそうな役。ドレス姿もとても綺麗でした。フィナーレで魅せたドレスの裾裁きも本当に優美。歌も絶品。本作で一番美しい歌声(ソロは3人しか歌わないけど)。このヒロイン力、これで退団なのが本当に残念です。今回残る4人の若い娘役さんには、恋羽さんのヒロイン力を受け継いで欲しいです。


ガブリエル(朝香櫻子)
このお話の黒幕。大天使らしいけど、大悪魔も兼任なのか、天使と悪魔は表裏一体なのか。とにかく、出番が多く一番迫力がありましたね。黒い豪華なドレスが大変お似合いで、威圧感と黒幕の雰囲気がビシバシと漂う。圧倒的な存在感。厳かな台詞も怖い。ヴラドすら彼女を恐れるように見えましたし。
それが一転、ジョンの前に現れるときは、少年の姿? 可愛らしい幼い子がかわいく話して「うふふ」とか「くすくす」と笑うのですが、それが怖い。ジョンはなんとも思わない様子ですが、見ている客はガブリエルだってわかっているので、とっても怖い。すごい驚しい演出でしたね。
朝香さんは、桜花さん時代は可愛らしい役が多かったし、こういう演技派お手のものなのでしょうけれど、あの重厚なガブリエル様の二役いえ変装と考えると、本当に背筋が凍る。容姿も声も自由自在な人外の存在だというのが強調されてます。専科のベテランさんに子役というのも凄すぎる。
ヴラドは最初から最後まで、ガブリエルの手の中でした。さすが神の使い、大天使。権力も能力も半端ないです。さすが朝香さん!


後の9名はその他大勢。中では3名が少しだけ役割がありました。あと一人、事故死した子の役をした娘役がいたのですが、誰だかわからなくて。

エリザベートの侍女、彩ひとみ
15世紀編で、エリザベートに報せを持ってくる侍女。とはいえ、何かするわけでもなく、奥方様を止めるわけでも助けるわけでもなく。知らせをもってくるだけって・・彩さんもこの作品で退団なのだから、もう少し役をなんとかさあ・・と思った。唯一「侍女」と名があるので、ほかの8人より配慮しましたってことなのだろうか。
ショー「ハイダウェイ」の一場面、城月女主人と穂香侍女の場面の侍女の方が、役割も出番も大きいと感じるほどだ。もう少し役割が欲しかったです。まだ彩さんがどんな娘役かも知らないうちに退団ですから、最後くらいは印象に残る役を見たかったです。
あ!本作で書くなら、ガブリエルの変装の子役、あれは朝香さんでなくてもよいと思うので、朝香ガブリエル様の侍女か、小天使、使い魔(?)のような存在で、若い子を一人付けておいてもよかったのに、と思います。(ガブリエルの子役、あまりに怖いし、違う人の方が好いわ)


ロンドンでヴラドの殺される小悪党1りつき杏都、小悪党2登堂結斗
この二人は、モブ衣装そのまま、ただヴラドの語りのなかで、殺される前に小悪党ぶりを披露する。その時の登堂さんの表情が、いつもの端正でまじめな表情ではなく、女をだまして絞り上げる悪党の表情になっていたはさすが!と暗い舞台をオペラグラスで凝視して、感心した。この方も演技力あるのに、今回ちょい役以下。上で書いたヴラドの従者役、登堂さんに演じて欲しいわあ~と勝手に配役。背が高いので群舞でも目立ちました。久しぶりに舞台で拝見しましたが、正統派のスッキリしたお顔で好みだ。もっとドラキュラな衣装を見たかったわ・・・。りつきさんも銃乱射してて、狂乱な雰囲気を出していた。もっと使ってほしい。二人とも、折角の少人数のお芝居なのに、とても残念な使われ方でした。

そうだ!すばるさんが、なんだか痩せてかっこよくなってて驚きました。プログラムの写真からかっこよくて、「誰?」と思ったくらい。お化粧も綺麗になりましたし、舞台で見ても(オペラグラスで暗い中凝視)やっぱり以前よりスッキリ綺麗になってる。嬉しいですね~
壱矢さんは「鬼ノ城」で、素晴らしい芝居を見せてくれたので、今回も期待していたのだけど、そういう場面が皆無で本当に残念でならない。

さらに後の4人の娘役さんは、それすらない。全然わからない。とてもとても残念だ。この少人数のお芝居、やはり全員使って欲しい。下級生が覚えられないわ。


短いフィナーレがついていた。このチケット代なら、あと15分フィナーレがついていても良いのでは?などと意地悪なことを思うほど、短い。無いよりは良いけど、短すぎる。事実上のトップ娘役である恋羽さんのラストステージなのだから、フィナーレに彼女メインの場面を付けても罰は当たらないよ!ファン喜ぶよ!って誰かアドバイスして欲しかった>劇団関係者さん。


というわけで、私としてはストーリーに演出に脚本にフィナーレにと、不満がいっぱいな公演でした。一回しか見てないので違ったらごめんなさい〜けど、一回でいいや〜な気分なの、私にはしんどい演目。
不満ついでに言うと、ポスターだって最後まで「衣装写真」を使った通常のポスターが無かったし。恋羽さん最後だから、相手役は悠浦さんだしうっとりするほど綺麗なポスターを期待したのに。ストーリーよりもビジュアル押しの公演なら、必須じゃない?矛盾してるよ~って。思いだすほどに不満がたまる。
気分を変えて次の「三銃士」に期待だ。お話が明るそうだし、はやみ先生だから、みんなに役を付けてくれそうだし。衣装ポスターは出してよね!


不満のあまり大変な長文になってしまいました・・・悲劇でも暗くても、共感できて、観劇後に明るい気分になれる作品が好きだなあ〜と思いました。私わがままですね。




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