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宝塚月組「グランドホテル/カルーセル輪舞曲」 [観劇感想(宝塚)]

宝塚月組「グランドホテル/カルーセル輪舞曲」
2017年1月2日(月祝) 15時 ぴあ貸し切り 1階5列センター


年明け一番は宝塚。新生月組。久しぶりの「グランドホテル」。
宝塚の「グランドホテル」前回は何年前だっけ?涼風真世さんの退団公演。
それは受験などでしばらく遠ざかっていた宝塚を数年ぶりに見に行った時。
誰が誰だかよくわかっていなかったので、
「・・なんか、男爵のほうがかっこよくて主役に見える???」
と大変疑問に思いました。今日、その疑問が解けました。
やっぱり男爵が主役ですんなり嵌るんじゃないか・・と。
オットーはW主役に見えないこともないけど、カッコよさから言うと男爵だよな、
と当時から思っていたことを今日も思いました。
そう、今日もオットーも主役と言われたら主役かも?と思える出番と役割。
初演も素敵でしたが、今日はもっとがっちりとキャストが嵌って見えました。
曲も良くて耳に残るし、舞台の使い方が「グランドホテル形式」という様式が
できたほど、見事なんですよね。セットがほとんどなくて動かないんだけど、
場面が変わって見えるという、画期的な方式。・・宝塚にはもったいないけど。
大変気に入りました。これは役替わりも見たい!!

そしてショーの方はこれまた、「これぞ宝塚」という典型的な宝塚らしいショー。
ちょっと珠城さんにはキラキラひらひら過ぎる場面もあり、・・・眩しかったですが、
黒燕尾なんかは正統派で、美しく優雅ながら硬派で素敵な場面に仕上がってました。
稲葉先生と気づかなかったくらい、中村B先生的な「古き良き典型」を取り入れた感じの
オーソドックスで落ち着いて見られる素敵なショーでした!


では順番に。

201701月グランドホテル.jpg



ザ・ミュージカル
『グランドホテル』
GRAND HOTEL, THE MUSICAL
Book by LUTHER DAVIS  Music and Lyrics by ROBERT WRIGHT AND GEORGE FORREST
Based on VICKI BAUM's GRAND HOTEL
By arrangement with TURNER BROADCASTING CO.
Owner of the motion picture "GRAND HOTEL"
Additional music and lyrics by MAURY YESTON
Original Direction and Choreography/Production Supervision TOMMY TUNE
脚本/ルーサー・ディヴィス  作曲・作詞/ロバート・ライト、ジョージ・フォレスト
追加作曲・作詞/モーリー・イェストン
オリジナル演出・振付、特別監修/トミー・チューン
演出/岡田 敬二、生田 大和
翻訳/小田島 雄志
“GRAND HOTEL, THE MUSICAL is presented through special arrangement with Music Theatre International (MTI).
All authorized performance materials are also supplied by MTI.
421 West 54th Street, New York, NY 10019 USA Phone: 212-541-4684 Fax: 212-397-4684 www.MTIShows.com”


「グランドホテル」自体は映画から舞台に、いろいろなところで上演されているので
もう言うことはない。このお話自体、含蓄があってとても好きだ。
名セリフが多い。ほんと後から思い出して、しみじみ噛みしめる台詞がある。
そして音楽が大変耳に残る名曲。帰りも頭の中をぐるぐるする「グランドホテル」
宝塚では再演が無かったけれど・・なぜかな?と思ったが。
ぴあの司会さん曰く「宝塚です!豪華な衣装とセットと照明と、そして生演奏!
お楽しみください」って言ってたくらい、宝塚の良さはこのあたりにあると思う。
「グランドホテル」って、衣装は宝塚の中では地味目、セットはほとんどなくて
盆もせりも動かない。照明は暗めで、宝塚の売り物がほとんど使われてない。
だから再演がなかった?ビデオ化できないのも大きいかしらん。
もうひとつ。宝塚の売り物「大人数」も使えてない。登場人物は10人もいない。
ほとんどがボーイとメイドと電話交換手。うーん・・やっぱり宝塚向きじゃないかも。


とはいえ。
今回は、きっとすんなりキャストが決まったんだろうな・・と思える嵌り具合。
(初演の時は揉めたらしいですよね~疑問に思ったので、あとから調べた)
初演は見たけど、ビデオもないし詳細までしっかり覚えてないけど、
今回の方が嵌ってる、と思えた。
男爵とバレリーナのカップル、簿記係とタイピストのカップル。
この二組、はた目から見た幸福度が逆になってしまいました。
4人の人生が交錯するホテルで、それぞれの人生を鮮やかに描きだしました。
彼らの人生の背景を彩やかに色取りするのは、ホテルにいる人々。
すべてを見る傍観者、虚無感を抱えたナビゲーターのドクター。
背景に徹するはずの従業員なのに個人の人生を鮮やかに印象的に語るフロント係。
バレリーナに寄り添う思惑のある女。
己の欲望に忠実な実業家。
悲喜こもごもという形容詞が当てはまる。「グランドホテル」というホテルで
ひととき人生が交差する人々。主役は「グランドホテル」。
観客も、ホテルの片隅でじっと彼らを見ているドクターと同じ視点で見ることができる。
どこからかやってきて、どこかへ去っていく人々。グランドホテルだけは変わらない。
最初と最後のドクターの台詞、「相変わらずです」がすべてを象徴しているような。
どんな悲劇も、どんな幸福も、「グランドホテル」にとっては、瞬きする間の出来事。
海外原作作品ですが、なぜか諸行無常というようなそんな無常観を感じる作品です。



フェリックス・フォン・ガイゲルン男爵(珠城りょう)
男爵は、貴族らしく育ちの良さと要領の悪さがにじみ出ている好青年。
体格がよく品のあるハンサム(ナイスガイ?)、大人の男です。
形容詞でいうと、美青年よりハンサムが似合うの。イケメンでもないの。
若さゆえの愚かさはあるものの、大人の落ち着きもある。貴族らしい悠然と
した雰囲気も持つ。誰もが魅了されるイイ男ですね。でも軽くない!
育ちの良さゆえに、悪に徹しきれず、身を滅ぼしてしまいました。
彼がもっと擦れた悪人だったら、さっさとネックレスを奪い、オットーの
財布を奪い、借金を返したでしょう。いえその前に借金なんてなかったはず。
もっと上手に立ち回りしたたかに生きられたはず。でも彼はそれをよしと
しなかった。貴族の誇りがあり、相応しい人格を持って生きていたから。
だからエリザヴェッタと本気の恋に落ち、フラムシェンを救いに行き、
卑劣な男と戦って命を落としたんですね。好人物ゆえの悲劇。
そのあたりがとても明瞭でした。真面目で悪くない、でも引きずられやすい。
彼の気高さと弱さがよく見えました。
そして。彼は時代に追い詰められ破滅したんではないかと思いました。
第1次世界大戦直後、チャールストンの流行。なんか思い出す・・・
『タンゴ・アルゼンチ―ノ』(99年花)が同じ時代の敗戦したドイツ貴族の没落を
描いていた。タンゴからチャールストンへ。価値観の転換。ドイツの没落。
男爵も、同じように金銭的に没落し、貴族の矜持や価値観を奪われたのかと。
まだ若いから、あがいてさらに泥沼へ陥ってしまったのか。
それゆえに追い詰められ破滅に追いやられたのか。
あと1年生きていたら、どうなったのか。
(さらなる悲劇しか思いつかないところが、哀しいなあ。)
いろいろ想像が膨らむ人物像でした。


エリザヴェッタ・グルーシンスカヤ(愛希れいか)
引退興行を繰り返す年増のバレリーナが、これまた愛希さんにぴったり。
あの落ち着きとバレエ的な動きの美しさ。バレリーナと言われて納得できる動きです。
或る意味オットーと同様に、生きることに疲れ、焦り、くたびれている女性。
命の期限が見えたオットーは、人生の中で一度もなかった輝く日々手に入れようと、
エリザヴェッタはかつて持っていた栄光の日々を取り戻そうと、どちらも焦っている。
どちらも、現状は(精神的に)くたびれた中年。ふたりとも男爵と出会って光を
得ることができた。そう考えると男爵はこういう人物に光を与えるのに長けた
人物なんですね~才能があるというのか。二人に光を与え、自分は闇に沈むのが
皮肉と言えば皮肉だ。男爵は光の中に生まれ、光の中を生きてきただろうに。
エリザヴェッタは、いつ男爵が永遠に来ないことに気付くのでしょう?
ラファエラがそばにいて気付かないようにごまかし、それを不安に思いながらも
知らないふりをして、ずっとずっと気づかないふりをして、生きていくのでは
無いかと思います。引退興行を続けながら。


オットー・グリンゲライン(美弥るりか)
オットーの美弥さんは、涼風さんを思い起こさせる役作り。
簿記係というぱっとしない仕事を失った冴えない死にかけの病気の中年男なのに、
素直で可愛くて、純真無垢。「死ぬこと」と「死」の違いを理解して、人生におびえる。
純粋に男爵に感謝し友情をはぐくみ、フラムシェンへの暖かい愛情を注ぐあたり、
とても魅力的な人物になっていました。やっぱり主役を張れる人物だ。
プライジングのところで働いていた簿記係、台詞を聞いていると、財務諸表を分析し、
企業価値を正当に評価することに長けているような・・実は凄い能力を
持っているのではないかと思いますよ。この後も自力で財産を築いていけそうな。
気が弱かっただけで、今回男爵のおかげで自分の力で大金を稼ぐことができたから
今後はトレーダーとしていけるかな?妻子もできたし・・と希望のある未来を
予感させました(でも1928年なんですよね。なんか翌年が怖すぎて闇だ。)
最初の絶望感、生きる事、何もなさぬまま死ぬこと、それを恐れて恐怖と絶望で
いっぱいになった男が、男爵にとりなしてもらってグランドホテルの泊まれ、
彼の勧めで投資して儲け、彼の紹介で美しい若い女性を得るまでが描かれる。
オットーの表情の変化がとても見ごたえがあった。美弥さん、上手いわ・・。
間違いなく、もう一人の主役だと思います。


フラムシェン(早乙女わかば)
女優を夢見る若いタイピスト。恋人(愛人?)に資金をねだって断られ、捨てられ。
焦ってプライジングの秘書という名の愛人に採用されたが・・。
それでいいのか???と自分でも迷いがあるようだ。
お金持ちで身分のある男爵にも目がくらんだが、彼が紹介してくれたしょぼくれた
中年男こそが、彼女にとって「白馬の王子様」だったんですね。
誰の子かわからないおなかの子供ごと愛してくれる男なんて、そうそう居ない。
投資の才能もあるようだし、お金もある。フラムシェンは、金に目がくらんだのでは
なく、オットーの広い心に感謝し、彼の裏のないストレートな好意に愛情をもった・・
と感じました。綺麗で頭の軽い打算的な女性。それでいて純真で一途。
オットーによって愛を取り戻した若い女性、がぴったりでした。


ヘルマン・プライジング(華形ひかる)
アメリカに妻と子がいて、会社が倒産の危険にある。なのにドイツで愛人を雇おうと
している。1000マルクと言ってるけど、実際に払ってないし・・払う気もなさそう。
フラムシェンと上手くやったあとは、あっさり約束を反故にして捨てそうな気配。
オットーのことも、使えるだけ使って、病気になったらあっさり解雇?薄情です。
悪党というより、欲望に忠実な男なんですね。情欲も金銭欲も。うーん、えげつない。
だから天罰というか、殺人犯として刑務所送りへ。殺した相手に社会的地位があり、
フラムシェンが男爵に有利な証言をするだろうから、プライジング氏の人生は
終わりました。
欲望に忠実なエロおやじ、薄情な経営者、もっとやらしくてもよいくらいです。
初演は箙かおるさんだったかな、元祖エロおやじだ。


オッテルンシュラーク(夏美よう)
第1次世界大戦で負傷して厭世的な気分のお医者様。ホテルの片隅でずっとずっと
通り過ぎる人を眺めて、シニカルな台詞を浴びせている人物。
誰も助けない、誰にも関わらない。観客と同じ視線の傍観者。ホテルそのもの。
そういえば、初演では汝鳥さんでしたっけ?ずっと舞台で座ってて、暗くて寝そう・・
とかいってらしたのを思い出しました。
要所要所で歌ってナビゲートしてくださいますが、エエ声ですね。歌詞も明瞭。
素晴らしいナビゲーターです。


エリック・リトナウアー(朝美絢)
フロント係です。男爵とは懇意で、家庭のこともお話ししているくらい親しい。
そして今現在妻が出産中。でも病院に行くと解雇されるので、
頑張って働いている(現代の視点で見ると、結構なブラック企業ですね)。
でも気になって仕方ないので結構私用電話している?(笑)
ラストに、彼が生まれた息子に向かって歌う歌は、この作品の中で一番明るく
力強い歌だと思います。光だけを見ている。
オットーが男爵から預かったシガレットケースを、エリックの息子に贈る場面。
あの夜交錯した人々の人生は、すべてを見ていた男爵のシガレットケースに凝縮され
男爵の光の部分の象徴として新しい命に引き継がれた場面。グッときました。
たぶんエリックも同様に感じ入ったんだと思います。
オットーは男爵の光の部分しかしらない。その光の部分、「男爵」の象徴たる
シガレットケースへの思いをくみ取ることができる人で、それゆえ彼の望み通り
エリックの息子へ贈った。エリックも男爵とオットーの気持ちを受け取った。
だからフロント係なのに「クリンゲライン閣下にお車を!」という台詞が出る。
冷静に仕事をしているふりして、感情高ぶってベルボーイの仕事取ってるし(笑。
この台詞にオットーは他人に敬意を払われる存在であることを初めて実感し、
感激し、生きている意味を実感したと思いました。男爵からの最後の贈り物だ。
なんとなく、エリックの息子の名前は「フェリックス」ではないかと思いました。
朝美さん、きりりとした姿勢と眼鏡が、まじめで善良なホテルマンらしかったです。
やっぱり美形だけど、平凡なホテルマンに徹していて見事でした。


運転手(宇月颯)
とっても目立っていて、ふたりでいるときは男爵より高圧的な態度。何者 ?と
みたら「運転手」。そうか男爵に金を貸している黒幕が監視役指令役に送り込んだ
のですね。彼は登場人物のなかで一番の悪党。小悪党ではなく、悪党。
倫理観が非合法なんです。男爵を追い詰め、金を奪う。
相手が「男爵」でなければ、もっと非情に取り立てていたに違いない。
「男爵」という貴族の称号に価値を見出したから、まだ緩く取り立てていたのですね。
宇月さん、すっごく似合ってます。こういう卑しい悪役がかっこよくできるって素敵!!
いずれはプラウジングやドクター役ができる人物だと思います。


ラファエラ・オッタニオ(暁千星)
エリザヴェッタに寄り添う付き人のような女性。彼女のファンからスタートして
今では崇拝している、と表現してよいほど惚れぬいている女性。
女性同士であり、エリザヴェッタのほうはラファエラの複雑で熱い思いには
全く気付いておらず。熱心な支持者である付け人として付き合っている。
一方通行の想いが切ないラファエラ。さらにエリザヴェッタは彼女が
どれほど絶賛しても自信を失っており、かつての輝きを失いつつある。
そこへ現れた男爵が、一夜にしてエリザヴェッタに輝きを取り戻させる。
ラファエラはどんな気持ちで見ていたんでしょうね。
ラファエラは自分の気持ちよりエリザヴェッタの幸せを第一に考え、
男爵との恋を祝福する。そこで歌う歌。もっと深い想いが欲しいとこ。
やろうと思えば邪魔してぶち壊すこともできるのに。
愛する人の幸せだけを願う純粋な愛は、やはり尊いものだと教えてほしい。
この役、実は初演も(天海祐希さんなのに)再演もあまり印象に残らず。
役替わりで確かめてみたいです。
暁さん、お顔が童顔で可愛いからか、とっても化粧が濃いです・・
もっと生来の美しさを生かしたメイクの方がいいかな~と思いました。


サンダー(綾月せり)&ウィット(光月るう)
エリザヴェッタ引退興行の興行主とプロデューサー
サンダーは田舎者(ハンガリー訛りと言ってたか?)で、普通に興業のことだけを
心配している。エリザヴェッタのことはあまり気にしてない。とりあえず舞台が
キャンセルになったら大損だから。エリザヴェッタ全盛期を知らない感じ。
ウィットのほうは、エリザヴェッタの扱いを心得、彼女に気を配っている。
たぶん、エリザヴェッタ全盛期からの付き合い。
だから客入りも興行収入というより、エリザヴェッタのために、
気にかけているような。・・エリザヴェッタ、世紀のプリマドンナって本当
だったんだなあ(失礼)と思ったのは彼の発言故。
二人は同じこと(引退興行)を気にかけているのに、見方が180度違って
常にコンビで出てきて会話しているだけに、その対称性が面白かったです。



こんな感じです。とにかく音楽が印象的で、歌も難しい旋律なのに、
きちんと歌い、歌詞を明瞭に聞かせてくれたのはとても嬉しい。
聞きほれる!もいないけど、もういいです、もいない安定した平均以上なので
とっても世界観に浸れて楽しめました。
ラファエラが謎なので、役替わりも見てみたい、と罠にはまりました。



モン・パリ誕生90周年
レヴューロマン
『カルーセル輪舞曲(ロンド)』
作・演出/稲葉 太地


なんか懐かしい・・?100周年の「花詩集」あれもモンパリとう同じモチーフ?
原点回帰だからか、基本に忠実で、宝塚らしいショーでした。

ショー開演前から、舞台上の木馬が4頭。星空の背景とあいまって、幻想的で美しい。
木馬たちはこのあとも要所要所で良い仕事をしており、大変効果的に使われていた。
結構本格的な回転木馬で、高かったんだろうな~と下世話なっことを思ってしまう
ほどの作りの良さ。誰も乗ってなかった(様に思う)からか、さらに幻想的な存在感を
放っておりました。

プロローグ。
モンパリだし、レビューの原点だし、宝塚らしいひらひらキラキラの洪水。
だから白馬の王子様的に、白と金のひらひら衣装はトップスターには必須なんだ。
珠城さんだけど・・。いや珠城さんは、硬派な黒のイメージだったから、なんか
こう違和感を感じたのは許してほしい。本当ごめんなさい。でもこんなの序の口。
このあと「これでもか!!!」というほど、攻撃が続いた。

宝塚のトップスターなんだから、レースにフリルに、キラキラした豪華な飾りとマント。
白と金の夢見る王子様なんだ!!という稲葉先生の理念がよくわかった。
それは正しいんだと思う。だけど私が、珠城さんはスーツにソフト帽が似合う、とか
黒のチャイナ風衣装とか、暗い赤い無骨な甲冑にマントとか、硬派な黒のイメージで、
そういうのに慣れていたもので、白と金の王子様は眩しすぎて大変戸惑いました。
でも見慣れていくと違和感もなくなってきたからいいのか(さらに失礼ですね。)
→そういえば、「グランドホテル」初演の男爵役の久世星佳さんも、王子様が
似合わなかったのを思い出した。『王様の休日』というショーで、金髪巻毛に
白タイツの王子様(王様)に紛されたのだが、あまりの違和感に・・。
ソフト帽とスーツに髭の似合う大人の男なのに~と抗議したくなったのを
思い出した。男爵役が似合う人に王子様はちょっと・・なんよ~?稲葉先生。

攻撃の第2弾は、中詰めのラテン。珠城さんが、黄緑のちょうちょ・・・。
なぜ?ラテンなら金色のフリル衣装でいいやん!ラテンの男っぽくオラオラ煽って!
ラテンならそれが似合う方でしょう?と思ったのに、幻想的な蝶ですか。。。
しかも黄緑って。・・私は今回稲葉先生のセンスと合わなかったようです。

その前の場面、ラテンの序盤はスーツで2組(珠城さんと美弥さん)が戦う
バトル場面で、すごくかっこよかったので、油断してた。
珠城さん、マフィア風のスーツが似合うわ~♪って。ひとついえば、美弥さんの
スーツも、ちょっと色を変えてあげてほしいところ。他と一緒だもの。
ここで出てくる現地の男(アロハシャツの男役)がはだしで踊るところも好き。
ちょっと『ノバ・ボサ・ノバ』チックですよね。娘役の衣装もダンスも。
警官が出てきて、帽子をとってリレー的に移動させ、追いかける。とか。
朝美さんが美しくて眼福。

前後するけど、プロローグの後、娘役の場面となる。月組は愛希さんの存在感が
あるので、娘役だけの場面でも力があると思う。男役を率いて芯で踊れる娘役
トップの存在はすごいよね。ここで愛希さんと朝美さんが組んで踊ってた。
このほかも、朝美さん、珠城さんと組んだり、結構目立つ場面が!
組替え餞別!?と思う好待遇。どうせなら一曲あげてほしかった(欲張りな私)。
この次の場面、暁さんがメインの汽車の場面。ちょっとだけだけど、一場面
持たせてもらうのは凄いなあと思いつつ、次期スターなんだと納得。
すっごくすっごく可愛いです。フリルとレースの王子様が似合いそうな雰囲気(笑


後は覚えていえるところ(最初の方の印象が強烈で)

大階段の黒燕尾はとっても良かった。珠城さんがシンプルな飾りのない黒燕尾。
男役の基本衣装で、がっつり踊ってくれて。振付も男っぽくて好み。
娘役も正装的なドレスで一緒に踊る場面もあり。男役だけよりさらに男らしく
見えました。そうそう男役が階段降りてくる場面、左右は美弥さんと朝美さん。
ここでも朝美さん好待遇。でも最後の並びを見ていると、朝美さんも暁さんも
管理職の外なんですよね。つまり正式三番手ではないのか。管理職が異様に
内側にいるように見えました。

デュエットダンスも、お披露目とは思えない落ち着きで、しっとりといい雰囲気。
パレードは、紫門さん、宇月さんが一人降り。功労者ですもん。これは良いこと。
トップスター候補以外でも、貢献度の高い方にはこういう待遇が欲しいもの。
そしてスター候補の暁さん、朝美さんと続く。2番手美弥さんから大羽根。
堂々たる娘役トップの愛希さん。そしてここでもまた・・トップスターだもんね
という衣装の珠城さんでした。こういう宝塚正統派な珠城さんも良いですが、
私はやっぱり硬派でアンダーグラウンドな黒が似合うノワールなショーも見たいです。
と思いました。


ともかく。今年一番の観劇は満足度、大。
チケット譲って下ったKさんに感謝。ありがとうございました。

ああ~正月からすっごい長文書いてしまいましたわ。
まだ書かなきゃならない仕事の原稿が3本もあるのに~1行も書いてないのに~。
やっぱり「書きたいこと」が優先するのでした。今年もよろしくお願いいたします。




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ミカ

お正月、3日でしたっけ? カルーセル輪舞曲(ロンド)NHKで全部中継されましたよね! びっくりしました。
トシちゃんが結構目立ってたのでちょっと驚きました。
トップさんが変わると起用される人も変わるんですかね
by ミカ (2017-01-05 15:40) 

えりあ

中継!見逃した・・・・(><)
舞音でも目立ってましたよ~としちゃん。上手いし。
上が抜けたってのも大きいでしょうね。
でも月組、大劇場の看板?ロビーの写真、上の方がぎっしりで
びっくりしますよ。トップさんが後半にいるなんて珍しい。
暁さんはあんなに活躍して目立ってるのに、看板なし!とか。
これからもっと変わりそうな感じ。
by えりあ (2017-01-05 20:52) 

ミカ

トシちゃん、そーなんですね!失礼しました。
月組は1789以来NOBUNAGAしか観てなかったので・・知りませんでした (>o<)
贔屓の卒業や、いいなぁ~と思ってた人が次々専科などに行ってしまい私の中では月は
今一番観ない組になってしまいました。

by ミカ (2017-01-06 10:23) 

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