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劇団☆新感線「Vamp Bamboo Burn!」梅田 [観劇感想(その他)]

劇団☆新感線「Vamp Bamboo Burn!」
2016年10月28日(金)12時 フェスティバルホール 3階4列センター

3時間25分。新感線はいつも長いが、今日も長かった。
休憩は20分なので実質3時間5分、アンコールがあったので、結局三時間半は越えた。

今回は、私の好みじゃない新感線だったな・・・シリアスとギャグの割合の話。
シリアス部分が少ない。そして何よりテーマがよく分からない。
見終わって「なんだったん・・・?」と思ってしまった。
部分部分は楽しいし笑えるのだが、3時間もの長編を見た割に
「作品が持つ伝えたいもの」が私にはわからなかった。

どうも宮藤さんの脚本は、私の好みではないようだ。
この作品、気に入ってる!良かった!という方は読まないほうがいいですよ。


201610VBB.jpg

終わってるけど、ネタバレあります。
「Vamp Bamboo Burn!」
脚本 宮藤官九郎
演出 いのうえひでのり


平安時代と現代が交錯し、生まれ変わりやエイリアンやヴァンパイアが
入り乱れて、ごちゃごちゃドタバタコメディ?―――で正解?

平安時代の方は、竹取物語ベースで、エイリアン侵略の話はわかりやすいけど
その後がない。エイリアンの親玉(?)の最後があれでいいの?
エイリアンって地球人に転生するの???と大疑問。
分裂した光るナメクジって、何?霊的に取りつくの?ウィルス系なの?
そしてヴァンパイア。もとから住んでるの?仲間なし?もとは何?
平安時代で増やしたのは藤志櫻ひとりだけ??1000年後にはあんなに
爆発的に増やしているのに、1000年間は増えず?増やさず?

現代編は、新宿歌舞伎町のやくざの話になってて、1000年前との関連が不明。
沖縄がやたらと出てくるし、それぞれのエピソードの関連性が
さっぱりわからなかった。
脚本が私の思考や感性と合わないので、(私の頭の許容範囲を超えた・・)
何がどの伏線になってるのか、あまりよくわからなかった。
テーマ自体がわからなかったので、伏線がなんだかも
その関連もほぼわからなかった・・・いろんなパロディというか
風刺がでてましたが、そういうのが楽しむポイントなんでしょうね。
3時間ひたすら、生田斗真さんって、イケメンやなあ~かっこええわあ~とか、
やっぱり栗根さんの声って素敵~とか、橋本さん歌上手いわ~ちょっとミュージカル?
んで現代編はちょっと吉本新喜劇入ってる?高田聖子さん、吉本芝居やん。
とか思いながら見てました。(雑念だらけやね)


<1000年生きている方々>
藤原藤志櫻(生田斗真)
藤原氏の御曹司でかぐや姫に振られてヴァンパイアにされる。
現代編では1028歳のビジュアル系バンドのボーカリスト。
平安時代に死に別れた恋人(かぐや姫)の生まれ変わりを探して1000年、
とか言ってますが、平安時代に振られてたやん?恋人?と突っ込みかけた。
あんなにイケメンで金持ちだったのに、なぜ・・?そこまでほれ込んだのか不明。
そして1000年間どうやって生きてたのかも不明。1000年もたてば人生観変わる
と思うのだが、平安時代と全然変わってない。1000年寝てたんじゃないか?って
ほど性格が変わってない。
結局、何がしたかったのかよくわからない人物像でした。
平安時代の衣装も、現代の衣装も大変お似合いの美形だったので(歌もよかった)
いろいろと振り回される美形を楽しむ舞台だったのだと納得しました。


劣化藤志櫻(インディ高橋)
血液が足りなくて栄養失調状態のTHOSHIRO。ずっと特殊メイクなので
誰だか全然分かりませんでした。まあ一人でやるにはタイミング的に無理なので
劣化版が必要だったのですね。でも劣化する必要があったのかしらん・・って
思うほどご都合主義な劣化でしたね。ドタバタ担当お疲れ様って感じです。


虫麻呂(右近健一)
いつから生きているか不明なヴァンパイア。まったくまったく謎の老人。
存在が謎で、行動原理も謎で、最後に何か解き明かしてくれるのかと思ってたら、
全然なにもなかった。ただの賑やかし?


とおる(冠徹弥)&くにお(教祖イコマノリユキ)
かぐや姫の同僚のエイリアン、歌手。エエ声ですね。最初から最後まで歌い倒して
くれました。彼らの当初の目的はどうなったのでしょうね?途中で消えていた・・。
結構な文明のありそうな宇宙船に乗ってきたのにね。
彼らと橋本さんと生田さんのおかげで、「ミュージカル」でした。


<平安時代の人々>
かぐや姫(小池栄子)
地球侵略に来たエイリアン。・・・のわりに普通に婿選びして、何してんの?
と思わないでもない。挙句に緑の細胞となり果てて1000年?
または地球人に転生? しかも分裂して? 全くよくわからない生態です。
生態もだけど、何を考えているのかさっぱりわかりませんでした。

蛍太郎(神山智洋)
藤志櫻の従者で、かぐや姫を射止めた男。1000年眠っていたヴァンパイア
現代編に居ない・・と思ってたら、転生してない(死んでない)
凄いキーマン??と思ったら、一瞬で終わった。ちょっと・・!
もう少ししっかり解き明かして欲しかったです>いろいろと。
イケメン枠で芝居もよかったし。だがサービスが激しすぎる。脱ぎすぎ。
(宮藤氏の脚本は男に脱がせるよなあ。私は好きじゃないのよねえ)


<現代>
竹井京次郎(中村倫也)
新宿歌舞伎町のホストクラブのナンバーワンホスト。かぐや姫の転生。
彼はかぐや姫の記憶があるのか?トーシローに構っているよね?
でもかぐや姫は彼が好きじゃなかったのでは・・よくわからない。
そう、この話、前世と転生後の関連がよくわからない。感情がつながってない。
だから人物以前に混乱する。
結構歌があって歌えていたし、イケメン枠。ただ良い場面のセンターソロを
ももクロの衣装で・・というのは、ファン的にどうなんだろう?と心配になった。


黒霧島(栗根まこと)
蛇の目組の若頭。栗根さんがシリアスな役をやってる・・のは嬉しかった。
この人の声が一番通りが良い。どんな小さな声でも3階の端までしっかり聞こえる。
だから大好きな声。芝居も好きだが、今回は役が大きいのか小さいのかわからん。
最後になんかやってくれると思ってたのに、そうでもなかった。
まあ話自体に落ちというかテーマがないので、栗根さんといえどどうしようも
ないのだろう・・私的にはそう解釈するしかない。だってあの脚本。
今回はシリアスな栗根さんが堪能できたのでよし。


照屋(橋本じゅん)
沖縄のプロデューサー? 沖縄の音楽が大量に流れ、劇中劇コンサートなどで
盛り上げていた。この劇中コンサートのためにこの設定があったのか?と思うほど。
要するに生田さんたちにかっこいいコンサート場面が必要だったから?
胡散臭い音楽プロデューサーでしたが、役割が今一つ・・なんだったの?
取りつかれて?って・・・なんかご都合主義すぎて。新感線のいつもの深さが
全然感じられなかった(脚本)。
橋本さん、出番多いわ、歌うまいわ。って思っただけ。


マダム馬場(篠井英介)
前世が分かる占い師。前世が見える占い師。転生が大事なので、この役目は必須。
なぜ男性が演じるのかわからないけど・・
怪しい雰囲気だったけど、善人だった。


看護師長サカエ(高田聖子)
劣化したトーシローに血液をくれる。トーシローをヴァンパイアと知って
愛している?ように見せている女性。本当に好きだったのかそうじゃなかったのか
実はわからなかった。高田さんのお芝居で意図が読めなかったなんて、悔しすぎる。
トーシローを叩きのめすだけの存在か? 最初吉本新喜劇の女優さんかと思った。
びっくりしたわ~高田さん。

アリサ(小池栄子)
看護師、サカエの部下。お爺さん好き。かぐや姫にそっくりで、
生まれ変わりかと思わせつつ、違う。やがてヴァンパイアになって大暴れ。
よくわからない存在だった。

徳永ゆうき(徳永ゆうき)
鉄オタの駅員、かぐや姫の転生。駅員の真似?と歌が上手い!と思ったら本職か。
「普通の人感」が凄かったです。

蛇の目百三郎(村木よし子)
組長、99才。なぜ99歳の組長が必要だったのかわからない。
この人の所為で吉本新喜劇に見えた・・効果も大きいかも。

ホボカタハルコ(山本カナコ)
理研の研究者。エイリアンとヴァンパイアの「混ぜるな危険」を発見する。
「あります!」って言いながら盛大に踊ってたけど。
これパロディにしてええの‥?と思った。ちょっとアウトでは?



あらまあ、書くと不満だらけだ。安くないチケット代で3時間半使って、
それで「テーマが分からない」状態だったので、私は大変不満に思ったのだな。
主演の生田斗真さんは、事前のポスターよりずっとカッコよかったし、
歌もへたくそ!っていう人が居なくてストレスは無かったけど、何よりも
脚本にストレス満載でした。私の感性と合わなさ過ぎて・・。

小道具の使い方や、映像技術はいつもながら素晴らしいなあ~と感動。
セットや道具にお金かかってるね!って思います。
ただ、衣装はいまひとつ。特に平安時代。安っぽすぎる・・・3階から見て
ペラペラに見えてしまった(普段見ている宝塚が豪華すぎるのだが)


今回、何を誤解していたのか、私の好きな「いのうえ&中島かずき」コンビだと
思い込んでおり、見ながら「中島先生・・どうしたん???」と思っていました。
帰ってからよく見たら脚本がちがうやん!!中島先生じゃないわよ。
そりゃ「どうしたん」って思うわ、別人やもんね(笑←単に私が馬鹿なだけ)
で、宮藤官九郎さん脚本。「蜻蛉峠」の脚本も同じだと読んで、納得。
私、あの作品もよくわからなくて好きじゃなかったんですよね・・・。

次回から、しっかりスタッフを確認してからチケット取ろう!と思いました。
脚本・演出は大事だわ~やっぱり好みはここに一番出ますね。
次に役者の演技(解釈・役作り)かな? 好みがありますよ。
芝居・歌・ダンスは最低限のクオリティを確保してくれたら
ストレスなしで見れるので(これは宝塚以外では心配してないけど:笑)
その他ってことで。自分の感性に合うか合わないかって、重要だと改めて
認識しました。

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