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宝塚雪組「るろうに剣心」東京 [観劇感想(宝塚)]

宝塚雪組「るろうに剣心」東京
2016年4月14日(火)13時30分  2階10列センター


東京出張が突然決まり、突然決まったので準備が(もちろん仕事の後の準備だ)
全然できていないままの出張。だが観劇の神は居たようだ。
前日夜。「明日一緒に居く人が急に都合悪くなってしまって~」という情報。
ということで、導かれるまま雪組を見に行くことになりました。

久しぶり(でもないか)に見る雪組。特に変更は無かったように思う。
今回は初めて2階センターからしっかり見たので、最後に全体を見ることができて
色々分かったことがあり、楽しみ倍増。なにより加納さん(望海さん)の台詞の
深さを感じ取り、しみじみ。今作品、最初から最後まで加納さんの心境に浸った私

ですが、やっぱり加納さんが一番書き込まれているように思えるのだわ。
加納さんが剣心を語る場面が、一番感慨深い。本作品のテーマこれやん?と思う。

あとは望海さんの歌が素晴らしく心地よい!とか、四乃森さんカッコいい!!!とか
斎藤さん、素敵・・とか、剣心(影)の動きが美しい!とか、いつもの感想(笑)。

最後だけど、勝手解釈(ネタばれ・・かどうかは小池先生のみぞ知る?)あります。

201602雪るろうop.jpg
↑公式HPからオープニングの抜刀斎

4度目の観劇後、「るろうに剣心」のテーマを語る回。

もう散々語っているので、いままで語り足りなかった場面のみを書きます。

では、今回これがテーマだと思った場面と台詞。
それはやっぱりクライマックス。プチガルニエでの戦いの場面。

現在の自分=不殺の剣心(赤い着物)と過去の自分=人斬り抜刀斎(蒼い着物)が戦う。
これは舞台では、赤=早霧さん、青=永久輝さん と2人の剣心が戦う様子が
観客に見えるようになっている。が、その場に居る加納さん(望海)と薫ちゃん(咲妃)には
剣心ひとりがのた打ち回って葛藤し、自分で自分と戦っている様子が見えている(に違いない)。
加納さんは、阿片でのたうちまわり意識混濁する剣心に、「お前の本質は人斬り抜刀斎」と
囁き続け、過去の栄光(幕末の頃の人斬りの数々)を吹き込んでいるんだろうなあと。
遠くで薫が、「あなたは剣心、不殺の誓いを忘れないで」なんて叫んでるんだろうなと。
加納さんは阿片の効果を熟知しているし、己の勝ち(つまり青い剣心の勝利)を確信して
いたに違いない。このまま阿片の力を使って、「人斬り抜刀斎」を手駒にするつもりなのは
明確だった。
でも、まさかの事態。赤の剣心が勝ってしまったのだな。阿片の力を覆して。
加納さんはそりゃあ驚いたでしょう。
だから「・・・まさか、打ち勝ったのか!?」という驚愕の台詞につながるのですよね。
阿片に勝つ信念があるなんて思いもしなかった。金と麻薬で人は絶対に堕ちると思っていた。
ここの加納さん、信じてきたもの全てが覆されたような表情で。
今の自分が拠って立つ土台、全てが崩れ落ちるような表情をしてますね。
いったんは、阿片が足りなかったか効かなかったかというような台詞を言い、
再度阿片を足さなければ・・と善後策を取るような表情をし、台詞を言うのですが、
その直後、はっと気付いて「まさか・・」の台詞につながる。
ここの望海さんの芝居が本当に素晴らしい。(私はここ絶対DVDは表情アップでね!と思う)
これこそが、本作品で一番言いたかったことなのだと思ったのでした。
もちろん、ここから最大のテーマにつながるんだけど。つまり剣心の強さ、不殺の誓いの重さ。
その後ラストに剣心がいう「周りの人々の小さな幸せを守りたい」につながるの。
「真に人々の幸せをもたらすものは、政府の政策だけではなく、市井の人々が互いに幸せを
思いやるその想い」であるという重大なテーマがより一層明瞭に輝くのですね。
剣心の生き方そのものが、メッセージなの。

飄々とええ加減に生きているようで、強く固い信念に基づいて生きている剣心。
それが明瞭になるのが、上記の場面・加納さんの台詞。これを全て感じ取った斉藤さんも、
この後の場面で、「剣心を見直した」という表情、今までとは違う尊敬の念が現れた表情で
見ている。(無言だけど、顔がちがってるよ)


と、私は大変感動しながら、この場面を見ていたのでした。
ここまで土台を揺るがされた加納さんは、「ジェラール山下」としても生きていけないですよ。
だからあのラスト。同じ思いを感じ取った斉藤さんの変化も見所。
蒼紫さんたちも何か感じたことでしょう。その後居ないので分かりませんが・・。
薫も(多分)。回りの対応が変化する中、全く変わらない剣心。いいねえ。
(あ、変わってない人が一人居た。金が信念の観柳さんだ。
彼の信念も剣心並みに堅固だと思う。)


やっぱり小池先生ですね。すごく面白いお話でした。
ストーリーが盛りだくさんなので、一度見ただけではここまで味わえなかったと思う。
雪だから何度も見に行って(普通は2回)、「ん?これは・・?」と思って更に2回みて
心から味わえました。
今作品、最初から最後まで、私の中では加納さんが主役でした・・本当に壮絶な人生だった。
うん。朱音太夫が生きていていたら、その後の人生は変わったんだろうなあとは、ずっと思う。
加納さん。すごく印象的で魅力的で、目の離せない人物でした。


加納役の望海さんと、斉藤役の彩風さんのお芝居、私には絶品でしたわ。
はあ、堪能した!満足。


ここんとこ予定変更しまくりですが、雪組がもう一回見られたのは良かったかな。


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