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OSK「狸御殿~狸吉郎勝舞編」千秋楽 [観劇感想(OSK)]

OSK「狸御殿~狸吉郎勝舞編」千秋楽
2016年3月21日(月祝) 16時 平土間センター

ちょっと遅くなってしまったけど、やっと書き終えましたので。

千秋楽を見てきました。あっという間ですね。今回は2回しか見れず。
初演よりもテンポが良くて、あっという間に楽しく終わってしまう感じ。
サスペンス風味もあって、退屈しない。結末を知っていてもわくわくする。

今回、真麻さんと悠浦さんの歌とダンス、楊さんの役作り、一回り大きくなった
感じがしました。まあ贔屓目入ってそうですが(笑)
では2回目に気付いたことを。

前回書けなかったネタばれ満載です。




「狸御殿~狸吉郎勝舞編」


幕開き。上手から登場するカルロスを見ていた(やっぱ好みなんで、目が行く)。
そしたら舞台上で、カルロスの満面の笑顔攻撃を受けた腰元の藍莉ちゃん
くらくらと倒れて、ドン兵衛さんに支えられていた。藍莉ちゃん、やるな!
気をつけてみていると、2幕のダンス対決場面でも、真ん中でかっこよく歌い踊る
カルロス様のお姿に、ぽ~となっている(ここは他の女子も男子もだが)。
藍莉ちゃんのように幼さの残る可愛らしい女子まで落すとは・・さすがカルロス様。
きぬた姫も一目惚れでしたが、その他の腰元女子も一目惚れでなぎ倒していたカルロス、
自身の台詞通りの周りの反応に、「さすが、イスパニア、ラテンの狸は違う・・」と
納得したのでした。大人の男の余裕まで見せてましたよ。なにあの余裕!?
カルロスは絶対に初演より包容力のある「大人」になってる。
メイン場面。ダンス対決のはずが、彼の主戦力は歌なんですが、その美声にまたうっとり。
(・・というかカルロスは絶対に歌で更に人をタラしてると思うの。いつも満面の笑顔で
豪放磊落に明るい彼が、このダンス対決場面ではやたらシリアスな顔でシリアスな歌詞の
歌を思わせぶりに熱唱するから、そりゃあ女子はそのギャップにも萌えるよね>私のこと)
悠浦さん、本当に迫力あるいい声になって。初演より低めになりましたが、
透明感のあるイイ声で、安定した音程と声量で歌われていたと思います。
ああ、私もカルロスにタラされてますわ~~卒倒しかけた藍莉ちゃんと同じ心境(笑)


狸吉郎様も、イケメン度が3倍くらいアップしていた(服装髪型は大事だ)。
カッコいい~♪ きぬた姫のことを言えないわよ、お黒さん!って思うくらい。
ダンス対決場面では、もう独壇場。カルロスは歌も付いていて、ストレートに響いてくるが、
狸吉郎は、ダンスでお黒に語りかけてたものね。シルクハットをお黒姫に渡すところから
それから後、ずっとダンスで台詞を言ってる。何があったか、どう思ってるか、全部ダンス。
真麻さんに掛かると台詞(言葉)いらないんだね。ダンスで会話しちゃってる。
すごい表現力だなあと感動しながら見ていた。
多分、この場面(ダンス対決場面)で、お黒さんに事情と現在の心境を全部語った。
お黒さんも受け取った。
(カルロスときぬた姫も受け取ったみたいだったけど・・観客にも伝わってた)。
ここ凄い演出で、これができる役者も凄いや。さすがクライマックス場面だ。


婿候補ということで、クリシュナのことも。
一番純粋に参加していた唯一の人。実は、きぬた姫の婿候補は最初から最後まで、
クリシュナ一人しかいなかったんだよね。この事実を知ったら姫、激怒しそうだ。
(自分も結婚する着ないくせに:笑)
だから最初から最後まで独り相撲のクリシュナ・・インドから4人も連れてきて、
頑張って踊ったのにねえ。カルロス、狸吉郎と候補者3人踊った後でも、
自分がダンスも優勝で姫の婿になる!と信じていたのにね・・・ってその自信は
どこから!?と突っ込みたくなるほどの「前へ!前へ!」という積極性。
ライトが当たってなかろうと、台詞が無かろうと、もう前進あるのみ!(笑)
クリシュナ、ちょっと松岡修三が入ってるみたいだ。熱いぞ。
姉姫がカルロス、妹姫が狸吉郎と。この決着に、諦めついたのかな~。
この人が、この後どうしたのか、大変気になるのでした。ま、インドに帰ったか
またどこかの婿リンピックに参加しているか?熱く前向きに生きていることでしょう。
と、香月さんらしい役作りでした。
真麻さんとは別の意味で「台詞が聞こえてくるような」芝居をされてましたね。
そのリアクションの大きさも、いつもの香月さんだけど、「インドの人だ・・」
と妙に納得するほどぴったりだった。


きぬた姫。ヒロインですが、初演より少し幼くなった?カルロスが大人っぽくなったから?
相対で幼く見えたのかしらん。可愛い台詞が増えたからかな・・我がままぶりも、幼さゆえに
見えるし、姫のわがままは共感できるから嫌じゃない。ほんと「根は素直」なんだと思う。
こりゃカルロスの手のひらで転がされそう・・可愛いやん、姫。大事にして貰えそうだし、
なかなか良縁をつかんだのでは。先祖の言い伝えは正しかったね(笑)
白藤さんもお芝居上手い。こんなに幼くて可愛い我がまま姫を、絶妙のタイミングで
笑いを入れつつ表現してくれるなんて。これがあのベルガ様(カルディアの鷹)を演じた
役者さんだとは思えない。幅広いわ。もちろんダンスも歌も上手い。
正直、あまりヒロインタイプの方ではないと思うけど、芝居で魅せてしまうんだわ。
本当に何でもできるんですね。


お黒さん。健気で可愛い田舎娘が本当に似合う。姫様衣装ももちろん似合うのですが、
恋羽さんはなんだか今回「薄幸な雰囲気」をまとっているので、泥棒で飲んだくれの兄さんに
苦労させられている妹、身分違いの恋に腰が引けている田舎娘の心情がとてもよく
伝わってきた。そういう「幸せから一歩引いた」空気をかもし出している。
狸吉郎が一目惚れするのも納得するほど、可愛らしい健気さ。
兄さんが溺愛するのも納得の可愛らしさだ。→絶対に兄さんが一番、お黒を愛してるな。
この兄妹の関係を見ていると、お黒がいかに愛されて育ってきたかが分かるわ。
きぬた姫とお黒さん。どちらが幸せに育ったかといわれると・・お黒さんと答えたくなる。


鼓平太兄さん。今回は峯不二子な紅蜘蛛にかな~り色っぽくたらしこまれていた。
が、兄さんてば妹が同じ場所にいるからか、かなり健全。愛瀬さんならもっとエロく
誑し込まれることもできたはず・・「狸御殿」なのに18禁になっては困るからか?
今回、狸吉郎とカルロスが前作より大人っぽくなっていたし、蜘蛛蔵も紅蜘蛛もそりゃあ
えらいオトナになってるし。全体にアダルト狸御殿になっていたので、実は兄さんにも
期待したが、・・・兄さんはイケナイ・オトナにはなってなかった(笑)
相変わらずお黒が大好きで、大事にしている。でも義賊の(というより盗賊の)DNAには
逆らえないところが、困った奴。この後の狸生が一番読めない狸だ。



そして蜘蛛蔵。えらいガラ悪うなって。「関西弁の」と言うてたけど、あれ河内弁やん・・・。
と実は大阪東部出身で河内弁ネイティブの私は思ったのでした。
河内弁って、普段絶対に使わないし、しゃべらないけど、心の中で使うことは多いし(笑)、
意味理解も単語選びも、ヒアリング、発音・イントネーション、完璧だもん(自慢か私)。
蜘蛛蔵さんの微妙な河内弁を聞きながら、
「小学4年で東京から引越ししきて、クラスに馴染むため、頑張って河内弁を話してる中学生」
みたい・・・と思った。別に中学生に見えたわけじゃないけど。
そして。おそらく私同様河内弁ネイティブで(八尾は本場)、決して心の中以外では使わないだろう
悠浦さんの指導があったのだろうか・・あの二人が河内弁を使ってる場面を想像し・・物陰から
こっそり見てみたかった、などと邪念を抱いてしまいました。
蜘蛛女‘Sも、実花さん以外は関西らしい。しかし河内はおらんだろう。普通の関西弁だ。
(関西弁と一口にいっても、実は種類が多いのよ。私は本当は河内弁だけど、家でも使わないし、
外(仕事)で関西弁使うときは、便利なので商人言語の船場言葉しか使わんわ)
しかし。ああいう妖しく綺麗な男が、粋がって河内弁を使ってるのを見ると、萌えますね。
変な趣味みたいだけど、あの河内弁じゃ怖くないし、可愛い♪と思えてしまうの。
楊さんは大変だったみたいですけど、私的にはとっても愛おしい蜘蛛蔵になっていた。

蜘蛛蔵といえば、そのカツラというか豪華盛り盛りのあのヘアスタイルにメイク。
もはやどうなっているのか分からない蜘蛛蔵のヘアスタイル。美しい顔に描いた蜘蛛の巣。
両手の甲までびっしりゴシックな絵柄。すげーと驚く。いつもながら楊さんの外側からの
役作りは素晴らしい。本当にセンスがいいと思う。いつも、他の人がしたらどうなるか?
というヘアメイクを「美しい!」レベルでやってのけ、妖しい雰囲気を作り出す。
蜘蛛女さんたちも、前回より一層レベルアップした頭領に合わせて、モリモリにしていた。
紅蜘蛛さんも「どーなってんの?」というヘアスタイルに「誰???」というメイク。
つい先月まで健気で清らかなルクレツィアを演じていた人とは思えない。素晴らしい。
みんなとても凝っていたけど、私は実花さんの、リボン風の髪型に蜘蛛!というのが
インパクトがありつつ分かりやすくて可愛らしかった。

さらに蜘蛛蔵について書く。もう終わったから書くけど、本筋が変わる原因は全部、蜘蛛蔵。
彼が、狸御殿乗っ取りをたくらむ豆之丞と組んで、邪魔な狸吉郎を殺害しようとする。
というか、豆之丞と契約前に、蜘蛛蔵の「誘拐計画」を邪魔したから殺そうとしている。
実際成功しかけるし。邪魔したのは兄さんだ。
蜘蛛蔵・・・詐欺・窃盗・空き巣といった軽犯罪の小悪党集団かと思いきや、営利目的誘拐
(これは前回からだけど)についには殺人・・・? 重犯罪やん。何かを越えたのか?!蜘蛛蔵。
殺人は未遂に終わったけど、簡単に「殺人毒入り蜘蛛の巣」を使った攻撃するあたり、実は
殺し屋・・?という雰囲気も。殺人企てながら「悪びれな~い」態度がプロっぽい。
いやん、実は凄い悪党なの?と、ドキドキしながら見てました(危ない私)


というわけで、狸吉郎は一度死を覚悟して、カルロスに遺言言ってるしねえ。
ここで終わるのか?!と思ったよ。その大事なときに鼓平太は走っていなくなるから、
また何か企んでるのかと思いきや、解毒剤を取りに行くという良い人ぶり。
2回見ないと味わえないわ、この場面。
そしてその後、狸吉郎とカルロス、きぬた姫、鼓平太は相談し、乗っ取りを阻止する
ための計画を立てるのだな・・・。あの方法は、お黒さんが可哀相だし、それを告げる
カルロスもつらい立場だ(博愛主義者っぽいのに→その後の立ち回りで、女性を相手にして
倒してしまうと、「ごめんなさい」「痛かったですか」と必ず気遣う台詞があった。男相手には
一切無い。この天然女たらしめ・・と思いましたです)。狸吉郎は劇的な登場になるけど。
「お黒を泣かせる計画たてるなんて、狸吉郎ひどいわ(狸吉郎の立案か不明だけど)」と
思ってしまったが、そのお蔭で、シリアスな表情のカルロスが見れたのでよいか。
は!立案は、きぬた姫かも・・?(笑)



そして今回もまた思った狸御殿の人々
侍たち、腰元たち。君たちはいったい誰に忠誠を誓ってんの?
きぬた姫が正体を明かすまで、豆之丞に従うのは分かる。
だけど、姫が正体を現したら、そりゃ姫に従うべきでは・・?
なのに城代家老や姫に逆らって、豆之丞の言うことに従うとか・・
「豆之丞さん、すでに最高権力者やン!」と思ってしまいました(笑)
ま、ここは時代劇お約束の、その場で上位者に命令を出されたら、ともかく従ってしまう
哀しい家臣のサガということにしておきましょう。
今回は蜘蛛蔵もかっこよく出てきますが(だから余計小悪党感がない)、敢え無く自爆。
悪になりきれない蜘蛛一族。悪い狸は居なくて、大団円。

前回より全体的にオトナっぽくなり、かっこよさが増した「狸御殿」でした。



終演後。出演者全員のハイタッチがありました。
全員香盤順に一列に並んでて、こっちもテンション上がる。覚えてるとこだけ書くね。

小さくて可愛い藍莉ちゃんから、すっかり覚えた壱弥くんと朔矢くん。りつきくん。
美月さんに「プリメールの・・」というと、パトリシアって言う前に、
両手を握って上下に振って笑ってくれました。あの役大好きだった。
実花さんには、自分の頭をさして「飾りが素敵」って伝えたつもり。伝わったみたいで嬉しい。
みんな蜘蛛の飾りつけてたみたいだね。それぞれ工夫があって、近くで見れて楽しかった。
舞美さんの飾りやメイクも凝ってた。赤を使ったどぎついメイク、色っぽかった・・。
香月さんはもう真正面から、シェイクハンドって感じで、「クリシュナ熱いよ」だ。
白藤さんと恋羽さんは、片手。片手で着物(打ちかけ)の裾を持っていた。
あの着物衣装は大変ですね。近くで見ると重そうだし、豪華な着物だった。
楊さんのメイクが!顔もだけど、手まで凄かった~!もっとじっくり観たいほど芸術的。
この人の外側からの役作りは、特集本を作ってほしいほど凝ってる。
悠浦さんのイケメン振りを間近に見ると、やっぱり藍莉ちゃん状態になる(笑)
凄いインパクトですな。満面の笑顔につられて、倒れずにこやかにタッチしてきた。
(ふと思った。『カンタレラ』でハイタッチがあったら、ホアン状態?「僕なんて・・」
と目を伏せながらタッチしてほしい→変態みたいだ、私。でも興味ある)
そして真麻さん。着物の色柄がシンプルになって、でも豪華で素敵。
最後に、緋波さんと朝香さん。一瞬だけど、楽しかった。

大満足な一日でした。うわ、ちょっとだけのつもりが長い。。。

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コメント 2

こんにちは

えりあ様の感想を読んで気づきました。昨年との違いを端的に表現する言葉、アダルト狸御殿。そうです、みんな大人っぽくなってました。スッキリしました。ありがとうございました。
ハイタッチ、どうしてもお顔だけ見つめてしまうのですが、次の機会にはえりあ様みたいに髪飾りや衣装にも目を向けたいです。なかなか難しいですが。。。
by こんにちは (2016-03-30 09:00) 

えりあ

こんにちは様

スッキリに役立ってよかったです!(笑)
ハイタッチ、私はお顔を見つめるのが恥ずかしくて、前の人との関係で時間ができると(数秒ですが)、つい衣装やら髪型やら、視線をずらしてしまいます・・・お顔を見つめられるほうが、私には難易度が高い~!!じっくりみたら、腰元藍莉ちゃん状態になりそうです。。。
by えりあ (2016-03-30 21:42) 

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