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OSK南座「レビュー in KYOTO」 [観劇感想(OSK)]

京都南座「OSKレビュー in KYOTO 」
2013年8月10日(土)12時 1階7列センター

京都の夏は暑いです。先月祇園祭の頃に行って茹だりました。
そして今日は南座でOSK。熱いのです!体温を越す外気温より熱い舞台が心地よい。

素晴らしい舞台です。4月の松竹座で感動しましたが、今回も期待にたがわず。
トップ3の完成度の高さはいつも通りですが、今回は若手3の台頭が目覚しい。
真麻さんのダンスは目が離せず。パントマイムは「本職ですね?」というほど。
悠浦さんの歌!1場面を担当し、これまた凄い美声で豊かなソロを聴かせてくれる。
楊さんをロケットボーイとするラインダンスは、「これがラインダンスなのね・・!」と
目が覚める思い。ラインダンスで震えるほどの感動を味わったのは初めてです。
これもDVDが欲しい!(南座は出ないそうですね・・・超残念・・)
本気で目が足りない。見るところが多すぎる。あれほど激しく踊って、あれだけ歌える。
全員がそう。凄い。

桜花さんの1幕お芝居での可愛らしさ。本領発揮の2幕の最後の歌には涙が出る。
高世さんの苦悩は絶品。2幕の龍は本物みたいに美しく切ない。桐生さんとの龍の場面は
10分ほどのショーの1場面なのに、背後に2時間のストーリーが見える。
桐生さんのマント捌きにはうっとりした。コメディも上手い人だけど、シリアスも美しい。
3人ともですが、マントってこんなに美しく翻るものなんだ!!と感動。

本当に素晴らしい公演でした!! もっと見たい。明日が千秋楽とは。

ではもっと詳しく。
「Love Traveler~幻の蝶を追って」 潤色演出 吉峯暁子

昔々の作品の再演だそうですが、全然古臭い感じはしませんでした。
言われないと分からないくらい素敵な、ストーリーのあるショーといった感じ。
(宝塚の「ノバ・ボサ・ノバ」と同類?こういう感じが流行ったのかしら?)

南の島に暮らす少年エディ(桜花)が、NYからきた少女エレン(朝香)に再会すべく、
島育ちの親友カルロ(桐生)とNYへ。
島に滞在する挫折を味わった青年クリス(高世)、NYで苦しんでいる恋人(牧名)。
放浪のクリスを追いかけ、5人は世界を旅することに。
旅の間に彼らの絡まった人間関係がほぐれていく・・。

ショーなのにお芝居で、お芝居なのにショーだった。役は5人しかないけれど、
その他の人も出番が多い。まあほぼ全員全場面出ている印象ですが(笑)それぞれの
場面で芯を取る人が違っていて、若手さんにも見せ場やソロが用意されている。
だから「役が無い」なんてことは全く無く、見所十分。

NYでは真麻さん。劇団の振付師の役ですが、振付師が一番上手い!!!
センターでがんがん踊る。凄いや・・・。最初の登場(南の島の全景群舞)から
その上手さで目立ってましたが、なんか凄すぎる。ダンスの分からない私がみても
目が釘付けになるほど上手い。・・オネエな振付師、最高でした♪

次はベネチア。仮面舞踏会で壇上からキラキラ衣装の王子様登場、悠浦さんです。
凄い・・スラリとスタイル抜群なのは知ってましたが、キラキラ王子様衣装が似合う。
そしてソロ。幾分高めですが、素晴らしく透明な声で聞かせてくれます。最後のほうは
もう!久々に「若手スター」さんの歌で感動した。(歌が超上手い大和悠河さんな印象)
こんなに歌えるの!? 凄い。無理に声を低くしないでいい、このまま美声で歌って。
もっともっと聴きたいと思いました。

ベルリンは退廃した隠避な雰囲気で、美女たちが椅子で妖しく踊る。
その後、豪華で大人なレビューが。高世さんってこういう感じが似合う。カッコいいの。
またまた真麻さんの踊りに目をうばわれるも、蒼音さんも視界に飛び込んできて目立つ。
次の場面=結末へ話を進める占い師(美月)がイイ味出してたわ。

インド。なぜか最終地は情熱の大陸インド。
若い娘役さん達がおなか出したインドな衣装。みんな腹筋凄いねえ・・・
娘役さん達の腹筋が見事に6つに割れてる?うおお真麻さんのおなかも見たかった。
インドな踊りで、激しく踊るうちにエディとエレンは本当の恋人に。
そして熱くてもういいやってなったのか(笑)クリスとジェニファも
素直になって元の鞘へ。最後の場面にカルロだけ相手無し・・。
ハッピーエンドで踊り狂ってって幕。いいわあ。

そうそう全編通して「幻の蝶」(舞美)が出てくる。これがまた可愛いし踊る踊る。
『春のおどり』の人形役だったよね。この人も凄いな。

主な5人について書いてないわ。
エディ(桜花)は可愛い。あれ10代?というくらい可愛い。ぷんと拗ねたり。
エレン(朝香)と二人、なんて可愛い10代カップルなんだ・・と思う。
エディは思い込んだら一直線で、エレンが照れてるのかな?素直になれば
ぱっとまとまる可愛いカップルでした。
そして苦悩の人クリス(高世)。まあ屈折した挫折感のある男が上手いねえ。
都会を逃げ出し、仕事を逃げ出し、違う仕事で本人的には前向きに生きている。
でも心の底には?という人物。彼を結果的に振った形のジェニファー(牧名)。
彼女が待ち合わせの空港に行かなかった理由は、最後まで語られず。
最後はもうそんな過去のこと、どうでもよくなってたものね(笑)>2人とも。
3カ国を巡るうちにほぐれた二人の赤い糸。素直になれてよかったね。
なんかくっついてきた頼りになるカルロ(桐生)。激辛アイスをベルリンで見つけたから
彼的には満足なのだろうか・・? あんなにイケメンなのに相手が居なくて勿体無い。
ラストの笑顔に、インドで激辛カレーを堪能されたのだと思っておきます。



というわけで、あっという間のお芝居ショーでした。大満足。




レビューアドベンチャー 「ネクストステージ~夢を叶えるSong & Dance」
作演出 北林佐和子


こちらはショーだけど、一部、本式のお芝居のクライマックスだけを抜粋した場面もあり
90分のお芝居も見た気分になれた。もちろん「ショー」なのでがんがん踊る。
OSKの皆さん、2時間踊りっぱなし?それであの水準は凄すぎる・・。


ネクストステージ
幕開き前に、悠浦少年が現れパントマイム。壁にぶち当たり、鍵を見つけて開幕!
幕が開いたら黒マントの男役さん。トップ3が暗い赤の入ったマントで登場。
このマント捌きが絶品。重量のある長いマントを、まるで生きているように美しく捌く。
「翻る」というのはこういうことか、と思う。漫画みたいに、一番美しい角度で回る。
凄い技なんだろうなあ・・やはりトップ3は後ろの若い方々よりマントの捌き方が上手い。
後ろの方も悪くは無いけど、比べるとやはり違う。前の3人は素晴らしいお手本だな。
このマント捌きだけで、もう満足して帰れるほど(イヤほんとに。でもこれは序の口なのだ:笑)

天空のマリア 
来ました定番。高世さんは三角関係で苦悩するのが似合う。絶品の苦悩顔。
高世氏を巡る婚約者・折原嬢と一目惚れの恋羽ちゃん(推定)
これもさ、これだけで話できるよね、60分くらいの。これは要約版って感じ。
(一度本気で高世氏の三角関係モノの芝居を見てみたい。本気のシリアスモノよ)

We love MJ
次。これが絶賛もんの真麻さんのパントマイム。かばんが宙に浮いているとしか思えない。
真麻さんって念動力をお持ちなの?というほど素晴らしいかばんの動き。
いくら彼が引っ張っても、空中で微動だにしないのよ!!!一点固定という雰囲気。
あれは本職のパントマイムで食べていけるのでは?と思うほどでした。
もうどう絶賛していいか分からないほどのモノを見せていただきました。
で、時間に追われる堅気の(ちょっとしょぼくれた)サラリーマン真麻氏ですが、
ストリートダンサーたちとぶつかり、もめてダンス対決。勝つんだよね(当然:笑)
そしたら、なんかマフィアのボスたちが出てきて、抗争? 
実は真麻さんばかり見ていたので、ストーリーが把握できてなかった(不覚)
カッコいいマフィア達のダンス対決の傍で、かばんを拾って時間を気にしつつ
あわてて立ち去る真麻氏の姿を見送ってしまいました・・・。


ネクスト・エイジ
傷ついた王子様(桜花)と騎士たち(高世ほか)という雰囲気の物語。
なかなか幻想的。素敵だったが、目が足りない。記憶容量も足りない・・。

チェリー・ガールズ
ラインダンスな衣装で登場。しかし皆さん素晴らしい曲線美ですな>おみ足。
スレンダーなのはもちろん、腕も脚も細い。ラインダンスの衣装でアレって凄いや。
歌も踊りも可愛く上品で美しい。もちろんダンスは当然上手い。
私は城月さんが一番好みの美人さんかな。
舞美さんがくるくると華麗だった。恋羽さんの声も綺麗ね。



龍になった男(配役:リョウ(高世)タイガ(桐生)セトナ(牧名))
ここここ!90分のお芝居のクライマックスシーン(推定)。
簡単なナレーションで、お芝居のあらすじ(80分分)が語られる。
そこからスタートなのですが、それでも皆さんお芝居が上手いから筋が分かる。
途中からなのに、前半の80分のお芝居のエピソードが想像できるんだわ。
キャラクターもしっかり分かるし、龍になりつつあるリョウの苦しみも、
親友を追い詰めてしまったタイガや、自分の所為でリョウを苦しめたセトナの苦しみが
伝わってくる。ちょっとした台詞から、セトナがリョウを選ばなかった理由まで分かるの。
3人の気持ちが本当に切ない。湖でリョウを見つけた2人、3人が再会し、語り合い
そこからラストに向けてのクライマックス10分間という場面。盛り上がるわ。

そしてこの場面、演出が凄い。感動的に上手い。
巨大セットや装置を使わず、人だけを使ってこんなことが出来るのね!と感動した。
群舞の男役さん達が龍の高世さんの衣装(外側)と同じ柄の衣装をきていて、
彼らの動きがまるで龍。高世さんが頭で、他の方々が胴体に見えるの。
だから、「そこに龍がいる」というのが見える。凄い演出だ。
龍の高世さんも、龍のときの声は、いつもと違い低く水底から聞こえるよう。
ほんの短い場面なのに、90分のストーリーが見える素晴らしい演技力。
「龍になった男」という、このお芝居、見てみたい・・。


フィナーレです。
まずはロケット。ロケットボーイの楊さん。パントマイムでロケットダンサーを
引っ張ってくる。今回は若手3のパントマイムが入ってるんですね。
そしてロケットダンサーたち。楊さんも加わって踊るのですが。
これが「素晴らしい」という以外の言葉が見つからない。
脚が上がるのは当然ですが、一糸乱れぬ揃い方。
足を上げる高さが均一なの。もちろん速度も角度も。
だから恐ろしいほどの一体感。脚を挙げる速さやタイミングはとてもスピーディ。
なのにこの揃い方。そりゃ背筋がゾクゾクするわ。ラインダンスの真価を見た。
正直、ラインダンスで涙が出るほど感動したのは、初めてです。

次に桜花さんと朝香さんのデュエットダンス。いつもながら桜花さんって
なんでこんなにピンクのキラキラ衣装がお似合いなのでしょうね。
資質が王子様役者なのでしょうか?これぞ歌劇のトップという雰囲気が完璧です。

定番の黒燕尾も、ラインダンス同様揃い方が見事。手の角度は当然、指先まで。
もう素晴らしすぎて、声も出ない。

桜花さんのソロが、涙が出る。舞台に立てて嬉しい、お客様に感謝するというような
内容なのですが、「決められた歌詞を歌っている」のではなく「心のままを歌っている」
という感じが伝わってくる。桜花さんの想いが溢れてきているような。
歌が上手いのは上手いんですが、それだけではないからこその感動のような気がします。
前回の心斎橋公演のときのフィナーレの歌も素晴らしかったですが、最近の桜花さんの
歌を聴いていると、耳で聞く以上に心で聴ける気がします。

フィナーレは豪華に。場面のセンターを張れる強力なトップ3に加え、
今回から若手3が独り立ちできることを示し、スターが倍増したような豪華さ!
実際「スター」と呼べる方が豊富だなと思いました。この6人のほかに、蒼音さんも
目を引きましたし、香月さんも目立ってた。あと今回出てない緋波さんも居るしね。
(緋波さんのスターとしての実力の程は、外国人観客を乗せて躍らせたという実績を
もって知ってます。詳細は「意外なところでOSK ~APIRA2013KOBE」参照ください)

娘役さんもトップを明確にしていないからか、みんなが華やかで可憐で、
色とりどりの花が咲いているみたいで、豪華さが倍増する気分。
今回は朝香さんと牧名さんがトップでしたが、折原さんも素敵だし、城月さんも
ヒロインに十分。恋羽さんや舞美さんもいるし♪(→大分分かるようになった)

とにかく、大満足。出演者のレベルが高い。演出のレベルも高い。
装置や衣装の豪華さを味わうのも楽しいけれど、
感動するのはやはり「人」なのだと改めて感じました。
誰が歌っても安心して聞いていられるから構えなくていいし、ストレスないし、
目が釘付けになるほどのダンスが見られ、
短いショーの1場面から物語りに浸れ、
心に響く歌が聴けて。
もちろん美しさも味わえる(OSKって人数は少ないけど、美形度は高いと思うの)

今回も大満足。最近のOSKはハズレなし!!誰にでも自信を持ってお勧めできます♪


いや~読み返すと絶賛ですね・・春の松竹座公演から、ほんとハズレ無しに感動してます>OSK

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hanihani

本当に楽しいですよね♪

今回はちどりさんが開催された「勝手に前夜祭」に参加させていただいたおかげで
昔のOSKのVIDEO学習も済ませたり、色々と気持ち的にも
東京のディープなOSKファンの皆様の空気にも触れて個人的に
気持ちが落ちかけたなか、アップすることが出来ました。
やっぱり仲間がいると、盛り上がるよね(笑)


骨折のほうは、見た目は元気そうなんですが、
実はまだ階段を下りられないので
先に南座で観劇した友人に「高島屋の中に入れ」と言われて
地上に出て受付の方に「南座はどちらに」と伺って一人で頑張っていきました。

京都が暑くて死にそうでしたが…

公演がほんとに楽しくて、あと10回くらい観たい感じでしたね♪

だんだん顔が判ってくると面白いし、ごひいきの悠浦さんは
なんか抜擢されてきてますよね☆ふふふ

そして今回は高世さんにすっかりはまりました。

ヤンさんみたいな雰囲気で声もヤンさんの声を太くして
歌をうまくしたかんじ?!(笑)

初めてスターさんだぁ~
きゃぁーーー!!となりました。

今度DSとかあったら、行きたいです。是非声を掛けてください。

三越劇場は雪組全国ツアーとどんかぶりで、
13日の金曜日にさぼって行くしかないな(泣)

今回はランチは予約して花曼さんでしたっけ?
あちらで優雅に景色みながら懐石弁当をいただきました。
美味しくて、ゆったり出来るし楽しかったです。
by hanihani (2013-08-13 10:44) 

えりあ

hanihaniさん

南座公演楽しかったですね♪ 
私は新参OSKファン(もう名乗ってしまう)ですが、まだファン友達が居ないので独学中です。東京にディープなファンの皆様がいらっしゃるのですね!大阪ローカルと思ってたので(大失礼ですね)びっくり!

骨折まだまだ大変そうですね、毎日暑いのでお気をつけてくださいね。9月は忙しいし!

高島屋?の件がよく分からないけど、優雅な懐石弁当も知らなかったけど(惜しいことした)、いろいろあるんですね。京都はよく出かけているのに意外と知らなくて。ああ2~3日ゆっくり京都に泊まって観光しながら優雅に観劇したかったなあって思います。

高世さんの声、素敵でしょ!お芝居は轟さんに似た感じで私はお芝居も好き。高世さんのCDはお勧め。聴いてて気持ちがいいの。今度DSがあればぜひお誘いします。
あと悠浦さんも出てきたね~って感じで。もちろん真麻さんもばーんと出てきたね。楊さんも目立つし。次世代も楽しみ♪
もちろん9月も心斎橋に出かけます!

by えりあ (2013-08-13 22:09) 

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