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新歌舞伎座「水戸黄門」 [観劇感想(その他)]

新歌舞伎座講演、順番が逆ですが書いた順に載せました。もう公演終わってます~


新歌舞伎座「水戸黄門」
2013年3月30日(土)16時 3階3列


連日になるけど、広告ポスターみたときから気になってた「水戸黄門」
好きなんだわこの話。明日で終わる。・・近所なので行ってきました。

ああテレビそのまま!!という感動が。時間はテレビより長いので話が凝ってる。
定番ははずさないのが嬉しいね。安心して見ていられる。登場人物それぞれの心境が
かなりしっかり書き込んであり、「???」な行動をする人は居なかった。
脚本がしっかりしている。舞台の演出はセットがとっても凝ってて沢山あって豪華。
まあ舞台転換に時間がかかるのは新歌舞伎座だから仕方ないけど、さすが水戸黄門、
長い転換が終わったら、イキナリ水戸→長崎だった。これはやられた。

最後にはフィナーレと称する25分の歌謡ステージがあり。
助さん&格さんによる主題歌、飛猿さんが2曲、最後にご老公様が3曲という構成。
ご老公様、76歳とは思えぬ良い声。凄い声量あるし声も綺麗だ。
飛猿さんの歌を聴いたのは初めてですが、上手いです。
助さん格さんは若いイケメンでヨロシイ。

TVと同じで、それでいて舞台パワーアップ版で楽しかった。



「水戸黄門」 脚本:古田求 演出:金子良次 美術:中嶋正留



お話について(超あらすじ)
長崎から長崎奉行の不正を訴えに来たお藤。それを聞いて長崎に行くご一行。
長崎では、奉行が無理難題を押し付け、一番の貿易商である貴船屋(お藤の家)を
取り潰そうとしている。さらにお藤の姉・千鶴を妾によこせと。
怒った千鶴の婚約者・数馬が奉行を狙撃。奉行は助かるが逃亡した数馬を助けるご一行。
貴船屋の主は牢に入れられてるがご老公様が会って事情を聞き助ける。
その隙に、奉行所のラスボスに唆された貴船屋の女将が賊を店にいれてしまう・・
抵抗した番頭の嘉助が惨殺される。同じ頃、数馬は再度奉行所へ侵入、
千鶴と逃げようとするが、そこで千鶴に拒まれ、奉行の真意を聞かされ、改心する。
さて、ラストは奉行所にて。印籠登場、大団円。失恋助さんだけが可哀想~で幕。


ご老公様(里見浩太朗
テレビと一緒だ。水戸黄門って42年になるんだって。私が物心ついたころには
放映してたんだ。子供の頃、これが松下電器の提供と知り、
「松下幸之助様がやりたいことをテレビにしている」と思っていた。
諸国の小売店を歩きまわって、「この印籠(松下のマーク)が眼に入らぬか、
先の会長、松下幸之助様であるぞ!頭が高い!控えおろう~」
をやりたいんだと思ってたなあ。どーでもいい話だ。



助さん(原田龍二)と角さん(合田雅史
イケメンの若手。カッコいいわ~立ち回りもしっかりしてたし。
若者の出演は嬉しいね。舞台に勢いがでる。
それぞれキャラもしっかり立ってるし、TVでおなじみの顔が嬉しい。


飛猿(野村将希)と千太(三波豊和
安定のベテラン。千太さんは話が楽しくて。MCも担当。飛猿さんは立ち回りが凄い。
こっちもテレビのままだ。そういえば、長崎の名所名物解説がなかったな。


貴船屋の次女・お藤(石川梨華
この子、子供ね。もう思ったことが頭通さずに口から出てる。泣いて言えば何とかなると
思ってないか? 割と自分勝手な思い込みによる自分勝手な行動も多いし。
この子がお店の跡取りって、嘉助も死んでしまった今、貴船屋の未来は暗いぞ。
なんか見ていてイライラするキャラでした。まあストーリーを進める役回りだからね。
さらに輪を掛けて、女優さんの声が聞きにくい。一人なんかトーンが違う。甲高いのか? 
私の好みではない声で、参った・・。顔は可愛いんだけどね~。
頼りになる婚約者を失い、少しは大人になるんでしょうか・・。


貴船屋の長女・千鶴(佐藤藍子
美人で大人なお姉さま。しっかりしてて大人なの。妹よりずっと大人びて、結構年上か。
妹のように思いつく→すぐ行動ではなく、しっかりじっくり考えてきちんと行動している。
お奉行さまの計画に賛同し、彼の心の苦しみを思いやることが出来た人。これ、本気で
お奉行さまも惚れてしまいそう。行儀見習い花嫁修業としてお奉行様に仕えるそうですが、
それは表向きで、実際は政治改革を手伝いそう。しとやかに見えて、芯のしっかりした
娘さんでした。ちょいと妹と似た直情径行の夫の手綱、しっかり引き締めてください。
いや~美人で、華やかな着物が似合う。上品で良かったです。


千鶴の恋人・数馬(大沢樹生
医者を目指しているそうだが・・なんか一本気すぎてコワイ。お藤と同類だ。
途中、千鶴はお奉行さまとくっつき、お藤が和馬と一緒になるのかと思ったくらい。
似たもの同士は上手くいかないかな。・・とりあえず千鶴の苦労が増えそうなのは
間違いない(笑)。まあインテリの割には熱い男でした。
もちろんいい男だしね(助さん格さん、数馬さまに嘉助と若いのもイイ男ばっかり)


貴船屋の女将(芦川よしみ
もと芸者の後妻さん。最初は悪い奴なの?と思ったけれど、違った。
真剣にお店のことを考えて、継娘達の幸せも考えていた。
ただ、あまり頭が良くないらしく、真の敵にまんまと騙されてしまい・・って、
愚かな女の悲しさが出ていた。真剣に頑張ってるけど、回りはそれを認めず、
だから余計に一人でやってしまい、事態がさらに悪くなるという悪展開。
なかなか色っぽい年増美人。根は良い人で、多分お店ではいいお姐さんだったのでしょう。


貴船屋の主人と番頭の嘉助
ここにもイケメンが!まあ嬉や。出てきたときから、下のお嬢さんお藤と親密で
信頼関係が伺えた。頭も良くて真面目で・・何も無ければ素晴らしい主人になった人
だと思う。残念ながら、有事というか乱世には弱いタイプ。優先順位を間違えて、
忠義のためにあっさり命を落としてしまいました・・・。
あのおっちょこちょいの妹娘を店の跡取りにするには、彼との婚約が必須だったろうに、
いったいこの後どうなるのか、実は貴船屋さんは頭が痛いことだろう。


長崎奉行 山岡様(田村亮
これこれこの役が大事なのよ~!
ご老公様とは旧知で、彼のイメージはとても真面目で真摯に政治に向う良い男。
だが、お藤の訴えから聞く山岡は全然違う悪奉行。
ご老公は、かつて自分の目で見た山岡とお藤が言ういまの山岡のギャップに悩みつつ、
長崎へ。これ、山岡が「知ってる男」でなければ長崎まで行かないだろうし、いい伏線だ。
実は!という理由があり、彼もまた悩み戸惑い苦しみながら、政治と向き合っていた・・
とわかって、ご老公様一安心。「ワル」の振りしつつ、実は・・を出すのって大変。
なかなか素敵でしたわ!私が千鶴なら、本気で惚れてこっち選ぶ。


長崎奉行の配下・内藤様(江藤潤
でました真の敵。こちらは最初から最後まで、大変素晴らしい悪役ぶり。
悪代官って素敵。いないと話が始まらないものね。見た瞬間分かる悪役って大事。
素敵な悪代官様でした。



と、TV(特番レベル)をリアルで見られて面白かった。
立ち回りも若い役者さんが多かったので、迫力あったし、大満足。
ストーリーもきちんとつじつまがあって、複線があり回収され、なかなか凝っていた。
もちろん「水戸黄門という制約」はしっかり守ってました。
行って良かった!


が。劇場下のお店の福引で当たった無料客が団体でいて・・うるさいの。
これTVじゃないから、そんな大きな声でしゃべらないでよ~と思う。
鼻かむのも咳きもくしゃみも、生理現象だから仕方ないけど、ちょっとは配慮しよう。
ここはお茶の間ではない・・と、開演前の注意事項に入れて欲しいくらいでした。

同じ3階席でも、有料客用に多少良い場所を残してあるようで、その配慮は感謝。
まあ安い回数券ですけど。





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hanihani

毎回面白い感想だぁ(笑)

私は大学生の頃にこういうものを次々に観て
商業演劇とはなんぞや
座長芝居の極意
とかを学習しました。楽屋に行くと里見さんは手ぬぐいと
和菓子のお土産をくださるので大好きでしたねぇ~
by hanihani (2013-04-17 12:05) 

えりあ

はは~ありがとうございます(笑)

学生の頃にこういうことを学習されてたんですね!
凄いや。里美さん、MCでもいい人そうだった・・イメージどおりの方ですね。

ラスト、出演者みんなで客席におひねり(お菓子?)を
投げたんですが、それも同じ趣旨かな(笑)
さすがに3階には届かないので、何だったのか不明。

by えりあ (2013-04-17 21:47) 

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