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宝塚月組「ベルサイユのばら」明日海オスカル編 [観劇感想(宝塚)]

宝塚月組「ベルサイユのばら~オスカルとアンドレ編」明日海オスカル編
2013年1月27日(日)15時 2階16列下手サブセンター 



久々の「ベルサイユのばら」です。
前回みた花組の「ベルサイユのばら(どんぐり編)」がちょっとトラウマで
もういいか~と思っていましたが、縁あっていってきました。


鈴木圭先生、かなり頑張った?!
ここ最近見た中では、かなりかなり原作に忠実に戻っている気がした。
植田歌舞伎は健在だけど、鼻に付くほどではない程度に減少していたし、
植田調の台詞も、ところどころには残っていたが、数えられるほどに激減。
これは・・・これはすっごく頑張ってくれたんだ!!と嬉しくなった。
幕前の二人台詞の多さには辟易するけど、ストーリーに必要な会話なので
許容範囲だ(まだちょっと多すぎるけどね)
原作漫画の台詞が、たくさん復活している!(漫画、ほぼ全部覚えてるもん)
鈴木先生が演出に入ってくれて、よかった。本当によかった。
最後の馬車が飛ぶ場面は、「これか・・!」と肩が震えて仕方なかったけど、
あれは外せなかったんだね・・。まだ見られるよ、良かったよ。

オスカルとアンドレ編、と言うとおり、W主役と言う感じでしたね。
私が見たのは、「明日海オスカル、龍アンドレ」というパターン。嬉しい。
映像ではなかなか見られないので、こちらを見たかった。
そしてCSの映像で見るより、お二人とも嵌っていた。こっちの配役の方がいいと思う。

しかし、月組さんは前回が「ロミオとジュリエット」で今回がこれ。
下級生に出番ないやん・・可哀想に、と思ってしまいました。





「ベルサイユのばら~オスカルとアンドレ編」 
原作:池田理代子、脚本演出:植田紳爾 演出:鈴木圭


オスカル:明日海、アンドレ:龍


久々の「ベルサイユのばら」ですが、曲は過去の名曲をそのまま使用、
懐かしかったです。曲が流れると、当然のように以前みた光景が脳裏に再生される・・。
でも思い出したくないような場面は無くなっていたので嬉しい。


冒頭、少女がいっぱい出てきて、子アンドレが出てきたときにゃ、どっからから
マリーズが現れて、どんぐり出てきそうで、怖くて怖くて(酷いトラウマだ)
その場面が過ぎたら、あとはまあ・・・普通の「ベルサイユのばら」でした。
変な夫人たちもいなかったし(アントワネットもルイ16世も居なかったけど)、
不要な会話もなかったし、よかった。

幕の前での二人の会話が、すごく多くて・・あれをもう少し減らして欲しかったけど。
それでも無用な場面やエピソード、無用な人物が居なくて、本当によかった。
原作漫画のダイジェストという雰囲気で、原作回帰という作り。
私は漫画は連載当時から毎週「マーガレット」を心待ちにしていた少女(笑)だったし、
宝塚は初演の榛名さんのときから見ている(実は記憶に無いけど)。
当時それほど違和感を感じなかったので、原作から遠くなかったのだと思われる。
今回も、原作を読んでることが必須という感じですが、
「『JIN』レベルのダイジェストだけど、原作読んでたら十分楽しめるね」
という程度に納まっていた。ここ数年の「ベルばら」は原作逸脱が激しすぎたのかも。
とりあえず、「ベルサイユのばら」と思って見に行って、イメージを損ねない、
怒りを抱かないのは大変よかった(これが褒め言葉とは・・以前が酷すぎたのだ)


話題の「空飛ぶ馬車」は・・・出てきた瞬間「これか!!!!!」と絶叫したくなる。
すごいよ、すごい。今日は2階奥から見たけど、あれ1階前方席からみたら
自分の上空を飛ぶの? こわい、怖すぎる。
私は前回の雪ベルばらの飛ぶペガサスは見ていないのだが、花「太王四神記」のラスト
シーンで使っていたクレーン装置が見えた。同じものだろう。ぎこちない動きも同じだ。
あの時も、彩音ちゃんが必死でしがみついて歌っていたが、今回も明日海さんが
必死で歌っていた。女役をするほうの立ち位置がより怖いのかも知れない。
ガクンって動くものね、見てるほうも怖いよ。なんでアレを目玉にするか?と思うが、
スーパー歌舞伎を意識したのかも。とかいろいろ推察しつつ、目が離せなかった。



では人物別に少し。


オスカル(明日海)
オスカルがオスカルだった。凛々しいけどちょっと女らしく素直でまっすぐで、
性格が可愛いオスカルだった。お顔も美しくオスカルのイメージぴったり。美しい。
だが!やっぱり朝海さんに似てる・・ふとした表情とかそっくり。芝居まで似て見えた。
この人、もっと芝居できるよね・・?今回3役だから、作りこめてないんだと思うけど、
こんなところまで似なくてもいいのに、と思った(あ、朝海さんはトップ時代は
ほとんど見てないので、トップになってから芝居が上手くなってたらごめんなさい)
あと明日海さんに限らんのですが、主要人物で台詞がすべる人が結構いたね。
ベルばらなので、台詞を聞き取れないと話しについて行けない!というモノではないので
支障は無かったけど、オリジナルだと厳しいだろうなあと思いました。


アンドレ(龍
声も低めで黒髪が似合ってて、カッコいい。CSでみたオスカルより、似合って見える。
ロミジュリのときも思ったけど、逆パターンのほうがいいのに・・。
今回もすっきり「アンドレ編」にして役代わりなしにすればよかったのにと思うほど。
それに、ロミジュリと同じなんだけど、トップが2番手役をすると、2番手役の衣装が
やたらとキラキラするので違和感ありあり。
アンドレは平民で、オスカルとは身分違いで・・という設定なのに、オスカルレベルの
キラキラ衣装。何この違和感。気持ちは分かるが、アンドレのキラキラ度は抑えて欲しい。
衛兵隊でなくても、「オマエ、何勘違いしてんだよ!?」と悪態つきたくなります。
龍アンドレはとても似合っていた。この方は息継ぎの音がよくマイクに入るようなので
(私は気になるの~)そこさえ無けりゃ、いいのになあと思います。
ところで、アンドレはやっぱり銃弾14発で死ぬんだね。つい数えてしまいます・・。
今回、龍さんの声が香寿さんに似てると思った。台詞回しも似てる。
ブレスがよくなったら、もっと歌もよくなる?と思いました。
上手いんだけど気になるのよ~浸れないのよ~


アラン(星条
主役二人の次に目立ってたのがアラン。荒くれ男がぴったり。ガタイもいいし、
この人に殴られた前の上官は社会復帰できなかっただろう、と思わせるほどの迫力。
衛兵隊は、一応オスカルに付いていく!ってスタンスらしいが、見ていると
どうもアランに付いていってる様だ。アランが「オスカルについてく」と言ったから
オスカルに従ってるだけに見える。アランの影響力が強烈。強そうでしたね。


ジェローデル(珠城
目立ってた。アランとほぼ同等くらいに目立つ役。
ジェローデルってこんなに出番あったのか。まるでアンドレのようにオスカルを
影で見守ってるじゃないか。また大きいし衣装派手だし、目立つんだよね。
ジェローデルのイメージからすると、ちょっと明るすぎるイメージだった。
ほっぺがふっくらしすぎてるような・・髪型も「ジェローデル」ではないし。
オスカル・アンドレ・アランはイメージ通りなので、ちょっと違和感。
ジェローデルは、もっと貴族的な優男って思ってた。


ベルナール(美弥)&ロザリー(愛希
物語のスタートからベルナールは記者であり、彼が「黒い騎士」である場面がないから
見せ場が激減。これは残念。1本立てにしても、ここからスタートできなかったのね。
(そういえば、彼が記者だというのは原作読んでるから知ってるだけで、
舞台見ただけじゃ、反政府主義者の武器商人みたいだったな・・いいのか?)
ベルナールの出番の少なさと比例して、既に彼の妻であるロザリーの出番も少ない。
大変大変少なかった。出るときはパリの下町の場面で2人一緒、ほぼ2-3場面か?
メインストーリーのオスカル&アンドレをしっかり描いたので、
ベルナールとロザリーは割を食ってしまったようだ。今回は仕方ない・・。


あと印象に残る役としては

ブイエ将軍(越乃
いい役でしたね、今回唯一の悪役というか、オスカルと対立し追い詰める役。
越乃さん、いい味出してた。彼は悪役が似合う。


ジャルジェ将軍(汝鳥)&夫人(花瀬
オスカルの両親ですが、お父様、悟りを開いたような枯れっぷり。
お母様は、お姉さま方の誰よりも美しい。ドレスも一番豪華。
美貌のオスカルの母としては、ぴったりだ。・・・と言うことで納得する。
汝鳥さんのせりふが一番はっきり聞き取れましたね(私には)。


マロングラッセ(憧花
この役も怖れていた・・が、私のトラウマほどの嫌らしさは無かったので良し。
でもアンドレの実の祖母にしてはヒドイ・・という台詞は残っていた。
このあたりが嫌だなあ~と思う。マロングラッセってもっと愛すべき存在なのに。

全体に貴族と平民の垣根が、低い。なんというか、革命する必要ないのでは?
というほど。ジャルジェ家では貴族も平民も、主人も使用人も平等なんだなあと。
それはマロングラッセの存在がそうだから。
こういうエピソードが満載だと、貴族に対する平民の革命(支配層の交代と制度改革)
のはずが、金持ちに対する貧乏人の一揆(資産の強奪と徳政令要求)に見えてしまう。
これじゃフランス革命じゃなくてロシア革命になるよ~と思ってしまう。
邪推しすぎだけど、マロングラッセがしゃしゃり出てきて、現代の価値観で話を
されると、ものすごい違和感を感じるのであった・・・。
このあたり、演じる役者のせいではなく、すべて脚本演出の所為ですよね。
もう少し、テーマと背景設定から原点に返って欲しいもんです。



フィナーレは、やっぱりジャズとかタンゴ。もうこれは定番なのか。
タンゴは許せても、ジャズは許せん、というのは心が狭いのか。趣味の問題か。
明日海さんメインの男役の場面は素敵だった。ここで終わって欲しいくらいだ。
ロケットは衣装が可愛くて、フランス革命の時代らしくて良い感じだ。
明日海さんの女役は、化粧が男役のままなので、美しいのに漂うオカマ感が残念だった。
化粧換えする時間が無いのは分かるので、これは諦めよう。
これ、オスカル役が娘役をするのかな? 以前にもあったと思うけど忘れた。


パレード、ちょっと驚いたのは、星条さんと珠城さんが一緒で、次に美弥さん一人。
そういう序列なんだ・・・。ふーん。全員羽根なし。
大羽根がないと宝塚を見た気がしないが、「ベルばら」を見たので宝塚を見たといえる。



時々眠気を誘う場面もあったけれど、最後の馬車で目が覚める。
椅子から落ちる歌の人はいないし、龍さん明日海さんは上手いし、
ほかもみんなそこそこ歌えるからいいんだけど、印象に残る歌が無かったような気がする。
名曲揃いだけど、浸った歌が無かったからかも。
全体に薄い気がしたのは、頻繁な役代わりの所為では?と思うのでした・・。

感想は、「あ~宝塚のベルばら見たわ」って気分。そのままだ(笑)


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コメント 1

ぽん太

はじめまして
突然のコメ 失礼します・
先日 東京で公演を見てきました。
私はベルばらは安奈淳さんのオスカルから見てきました。
今回も オスカル&アンドレ編ということで見てきたのですが
なんだか・・・
「名も無き英雄になってください」って ロザリーの台詞はないよね
とか
マロングラッセ ふくよかじゃないし とか
アントワネットが出ないベルばらってあり?? とか
フェルゼンと喧嘩別れ??
とか ツッコミどころ満載のような気がしました
最近の宝塚のスターさんたちのことは全く知らなくて
ベルばらだから見に行ったようなものなのですがね・・・
残念だったのが オスカルの死にかたというか
打たれたあとの倒れ方が残念でした。

by ぽん太 (2013-03-10 20:51) 

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