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星組「THE SCARLET PIMPERNEL」 [観劇感想(宝塚)]

宝塚星組「THE SCARLET PIMPERNEL」 6月27日(金)13時 2階15列センター


以前、宙組の「Never Say Goodbye」を見て、大変感動した。DVDを買って何度も見ている。
外部の舞台でぜひ再演して欲しいと思ってる名作のひとつだ。
今回、同じワイルドボーン氏の作曲と聞いて、大変期待していた。
しかもトップは安蘭さんという歌の人。これで期待するなと言う方が無理。

で、8月のチケットを買っていたが、どうしても待ちきれず、ひとりでこっそり見に行ってきました。
(以前の宙Neverは楽近くがMy初日だったため、通えなかった・・)
結果、期待通り、それ以上の素晴らしさ。何度も通いたい!!こっそり通うぞ!

予想以上に素晴らしく、曲の美しさ、歌詞の深さ、演出の妙(小池さん最高!)、衣装の豪華さ。
肝心の歌について、安蘭さんは期待通り。
遠野さん、なにより柚希さんが予想外に素晴らしかったのだ。
特に柚希さん、あれ誰??と思うほど(ごめん)の迫力の歌。
お芝居も、安蘭&遠野はもともと上手いと思っていたけど期待以上! そしてここでも柚希さん、エルアルコンのルミナス演じた人と同じ??・・うそ!見違えるほどの上達振り。
ほとんのどキャスト全部に何らかの意味があり(ソロもあり)、人物に無駄がない。これもNeverと同じ。Neverと違うのは「豪華さ」で、これぞ宝塚!!と言うところ。これは外部の舞台でなく、日本初上演が宝塚で大正解。一見の価値あり!ですわ。

今回、neverを参考に、2階最後列のセンターから見ました。やっぱり美しい!
この作品はセンター後方から見るのがお勧め。
ストーリーについて。時代は「ベルサイユのばら」と「レ・ミゼラブル」の間。
ベルばらであんなに理想に燃えて立ち上がった市民たちなのに、結局、貴族の圧制に変わったのはロベスピエールの恐怖政治。なんてこった。オスカルは草葉の陰で泣いているだろう・・と言う時代。このあともまだまだ政治的混乱はつづき、レミゼの時代に突入して、また革命するんだよね。ショーブランにはすでに後の時代のジャベールの片鱗があるし。
宝塚ではベルばらがメインだったから、その直後のこの時代は結構衝撃だなあ。
そういう意味でも大変興味深かった。


<パーシー(安蘭)>
お気楽な遊び人のイギリス貴族。実はScarlet Pimpernelその人。
フランス革命後に意味なくに処刑されているフランス貴族を亡命させる正義の人。
「正義の人・紅はこべ」と「遊び人の馬鹿貴族」ついでに「謎のベルギー人軍事顧問」という一人3役をこなさなきゃならない難役。
さすがは安蘭さん、上手い。3役とも素晴らしい。正義の人より馬鹿貴族のほうが印象に残ったが(出番も多かった?)仲間と一緒に歌う明るい歌が多く、大変楽しいいコミカルな役作りが印象的。新妻を疑うところや、愛を取り戻すところの心の葛藤も、手に取るように伝わって。
謎のベルギー人はパーシーとわからないくらい別人な役作り。あのベルギー人の怪しさ―なんでロベスピエールは信用して側近にしたのか?ショーブランも信用してるし。ま、口が上手そうだけど(笑)。演技力も期待通り◎。本当に引き出しの多い役者さんだ。歌も定評どおり絶品。だが、実はパーシーの歌よりショーブランの歌の方が持ち味に合うかも、と思った。安蘭ショーブランも見てみたい。やっぱり黒イメージ?(^^;)


<マルグリット(遠野)>
平民出身のフランスの大女優。革命初期は女闘志。が、その後は転向し女優として大成し、まんまとイギリス貴族の正妻となりロンドンへ。うーん、人生の達人!素晴らしく羨ましいぞ。
遠野さんはお芝居上手いと思ってました。ええ「Cross road」のキンキンした少女からしっとりした大人の女になり、大成したなあと感慨深い。マルグリットは人生いろいろ経験してきた女性。決して少女ではない成熟した女なのが良くわかる。過去がいろいろにじみ出てきて、とても深いわ>遠野さん。歌もびっくりした。外部の舞台のヒロイン女優みたい。特訓したのね。

<ショーブラン(柚希)>
革命軍(ロベスピエール)の部下。亡命貴族狩りが正義だと思って忠実に職務をこなす人。
職務のためには昔の恋人(いまも好きみたいだが)を恐喝することも厭わない非情の男。革命前は貧民の出身でかなり苦労した様子。だからロベスピエールに疑問が生じるたびに目を背け、「貴族は悪、革命こそが正しい」という信念で生きてる。
ラストはパーシーに嵌められるけど、彼の信念は・・・変わらないだろうな。そこがジャベールとの決定的な違いで、だからこの後も生きていくだろうなと思うのだ。このショーブラン、ものすごくジャベール刑事(レミゼ)と重なった。生まれも職務も似ているし、衣装まで同じ?。昔は恋人が居ただけショーブランの方が幸せかも。歌も哀しい歌が多く。群集のなかで一人孤独に歌い上げる曲が多くて、切なかった。
レオンくん、素晴らしかったよ!!ダンスの人だと思い、歌も演技も・・・だと思っていました。前公演までそう思ってましたが、この公演で見方が変わりました。なんてカッコイイの、なんていい声なの、なんていいお芝居するの! いっぱいいっぱいシゴかれたんだろうけれど、ここまで伸びるとは。私は感動しました。(そういえば、Neverでも大和さんの成長に感動したのだった。すごいね)

<アルマン(和)>
マルグリットの弟。義兄パーシーと仲間の密談を聞いてしまい、思想に共鳴して仲間に。紅はこべチームのなかで唯一のフランス人であるため、フランスで工作するためパリへもどって捉えられ・・・結構なKey Man。
マリーと言うかわいい恋人がいて、この二人の愛の形と、マルグリット&パーシーの愛の形の対象形として描かれていて面白い。とてもまっすぐで姉思いの正義の人(拷問されても口割らないし)、恋人としても上等(あらショーブランはどうしてマリーを拷問しなかったのかしら?効果があると思うが>私の発想は鬼ですねーー;)。
和さんってNeverに出てましたよね。唯一2作品連続で出演した人。得るところが多そう。先の楽しみな新進スターです!

<マリー(夢咲)>
マルグリットの衣装係でアルマンの恋人のフランス娘。手に職があってしっかりして、男に頼らないけれど、ちゃんと支えていて。新生フランスの見本のような女性ですわ。
夢咲さんは月からですね。可愛い娘役さんで、トップの遠野さんが往年の月影さんにような「大人の女」ができる人だけに、「可憐な娘」さんは重要ですね。期待してます。

<ロベスピエール(にしき)>
フランス革命後貴族に代わって権力を握り、恐怖政治を実施した人。
「革命の精神」なんてなくて「共産主義の独裁者」のような雰囲気が・・。この人にもっと狂信性や葛藤があれば、もっといえばショーブランとこの人の精神的な葛藤があれば、もっとも面白かったかも・・と思った。そこまでは描かれてなかったのが、やや残念。

<ルイ・シャルル(水瀬)>
マリーアントワネットの末息子。ベルばらにも出演する唯一の役ですね。
フランス王太子として何不自由なく育った王子様が、両親を罪人として処刑され、姉とも引き離され、孤独に虐げられている・・「ベルばら」のあと、彼は苦労したんだな、と思うと涙が出る。フェルゼンよ、アントワネットを救えなかったなら、シャルルを助けてあげて欲しかった>ベルばら2001のラストシーンへ。可愛い少年で、彼もアルマンと並ぶお話を進める人物ですね。

<THE SCARLET PIMPERNELの仲間たち>
十把ひとからげな扱いでなくて良かった。それぞれ役割と位置づけがあり、恋人も居て、なかなか素敵だ。なかでも、立樹さんはやはり白い役、主人公の仲間が似合う。しいちゃんほど黒い役が似合わない人もないと思うのだわ。涼さんはどっちでもできそうだけど、今回は衣装が似合っていてかっこよかった。このひとコスチュームが似合うのね。

うーん、ショーブランにも仲間(というか部下)がいたが、あまり個々の活躍が無かったのが残念。
ショーブランは部下に慕われていたのだろうか・・いやショーブランはいつも孤独で、そうは思えなかった。だから部下の出番もなかったのかも。パーシーとはここでも対比されているのね。友達(信頼できる仲間)も恋人も社会的な地位も財産もなにも持ってないショーブランと、全部を持ってるパーシー。この後、ショーブランはパーシーを憎むでしょうね。でも治外法権で手が出せない・・ますます性格が歪みそう(^^l)なんだか私、かなりショーブランびいき? レミゼだってジャベールが好きなんだもん!

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