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松浦の太鼓 [観劇感想(その他)]

2007年12月13日(木) 国立劇場 「松浦の太鼓」
12月13日(木)17時公演 1階10列センター

社会人のための歌舞伎入門「松浦の太鼓」

初 歌舞伎。
いままで敷居が高くて近寄ったことの無かった歌舞伎ですが、新感線の染五郎さんに惚れて、これは本業?の歌舞伎も見てみたいと思ったのでした。でもまだやや敷居が高かったので、「社会人のための歌舞伎入門」に飛びつきました。

いやー面白い。歌舞伎ってこんなに笑えるものだったのね。
眠ってしまったらどうしましょ・・と心配していたが、心配無用。夢中で見ているうちに、あっという間に幕でした。最初に講談師の方から約30分の解説があって、余計にわかりやすかったこともありますが。懇談も面白いですね~こっちも初めてだけど、すごく面白かった。

講談師 宝井琴調

松浦鎮信(中村吉右衛門):吉良邸の隣のお屋敷のお殿様。好人物。
宝井其角(中村歌六):俳諧の師匠。
大高原語(市川染五郎):赤穂浪士のひとり。
源吾の妹 縫(中村芝雀):原語の妹で松浦の屋敷に仕えている。

7時開演。6時半過ぎに劇場に到着し、チケット引き換え。ネットで購入して機械で自動発券できるので大変入手が簡単でした。まず第1ステージクリア。
さすが「社会人のための」と銘打っているだけあって、仕事帰りの人が多い。着物姿の奥様方が見当たらず、スーツ姿のサラリーマンや仕事帰り風のOLっぽい人が多く、スーツの私も浮いてません。優雅な和食が食べられるお店がありましたが、そんな余裕はなく。待ち合わせていた友人Yと売店弁当の柿の葉寿司を10分で食べて中へ。情緒ない・・・でも生ビールをジョッキで飲んでるおじさんたちも。忘年会が歌舞伎ですか??
中へ入って幕を見るとーーーなんだかお茶漬けが食べたくなる(笑)。

台詞が予想より近代化されていてわかりやすい!
でもやっぱり漢字(単語)が難しくてなかなか耳で聞くだけではわからない。
入り口でもらった脚本をちらちら見る。手元が明るく、動きがゆっくりなので、脚本を見ながらでも十分観劇できてありがたい(脚本がないとつらかったかも)。
舞台装置もトンカントンカンという音がちょっと・・でしたが、幕の向うは大変美しいセットで、これはこれで感動しました(宝塚とは違った意味で「静」の美しさを感じた)

ストーリーも驚いた。「それぞれの忠臣蔵」と銘打ってあったが、まさか吉良家の隣家の話だとは。「それぞれ」すぎる・・。作者の発想の素晴らしさに感動。
松浦の殿様は「近所で大事件が起こって興奮している野次馬おじさん」という雰囲気で、憎めない本当に楽しいおじさまだった。いや役者の力量なのだろうけど、ちょっとしたやり取りやしぐさなんかから、殿様の日常が伺えるような、ほのぼのした雰囲気。ストーリーだけ読むと主役は源吾さん(染五郎)だと思ったが、見るとやっぱり松浦の殿様(吉右衛門)が主役だった。殿様から目が離せなかったもの。

途中、師匠が言いかけた「下の句」に興味津々なのを隠そうとするあたりや、討ち入りの太鼓が聞こえてきたときの嬉しそうな様子! 本当に毎日わくわく待ってたんだなあ・・。
助っ人に行こうと思うなんて、なんていい人なんだろう(周りは大変だろうな)。
隣家に行くだけなのに着替えて馬の用意しているうちに終わってしまうし(これは部下が止めたくて時間稼ぎしてたんだろうなあ)、がっかりしてると、ちょうど討ち入りを終えた源吾さんがやってくる。(別に松浦の殿様を尋ねてきたのではない)「飛んで火に要る夏の虫」という諺が浮かびました。源吾さんから、気になる話を詳細に聞きだす・・その嬉しそうな様子。殿様から目が離せません!!

作られた当時とは観客が共感する場所の素地が違うんだろうけど、現代の目で見ても(多分、全然ポイントは違うのだろうけど)大変楽しかった。
しょせん関係の無い人にとっちゃ、「松の廊下」から「討ち入り」という一連の流れはすごい娯楽だったんだなあ。現代なら毎朝ワイドショーが追っかけている事件って感じ。江戸の市井(?)の様子が伺えて、めちゃくちゃ面白かったわ。

以下、歌舞伎素人の観劇後の馬鹿会話。
Y「あの殿様、あのあとも当分退屈しないよね」
E「毎日お客を呼んで、討ち入りの話をすんのよ」
Y「まるで見てきたように。いつのまにか自分も助太刀したことになってたりして」

E「殿様、ワイドショーがあったら、絶対に『彼らならやってくれると思ってました』とか、喜んでインタビューに答えてそう。各局全部出そう。」
Y「きっと討ち入りを待ってる間は、隣の家の様子を伺ってたと思う。買い物に行く隣家の女中捕まえたりして。『誰か来ないか?何かないか?』みたいにさ。」
E「部下の5人にも、『なんかないか?』とか毎日問い詰めたり。俳諧にも付き合わなきゃならんし、部下も大変そうだ。・・・なんかサラリーマンみたい」
Y「せっかく助太刀に行く気まんまんだったのに、終わってて残念だっただろうね。でも源吾さんが来て万歳!やん。生情報聞き出せて。めちゃ嬉しそうに聞いてたもん」
E「あれ、もうちょっと討ち入りに時間がかかってたら、浪士たちが吉良家の門を出たら、馬に乗った隣の殿様が『あっぱれ!』って立ってたんだよね」
Y「・・・なんか笑える。」(場面を想像して爆笑してしまった)
現代では笑ってしまうんだが(私たちだけ?)、江戸時代に上演されていたときは感動の場面だったのでしょう。殿様が嬉しそうに報告聞いているのも「主君のあだ討ちができてよかったよかった」とう意味なのだろうけど、どうも「へええ!それでそれで?」という野次馬好奇心に見えてしまう、現代人の私・・。まあ見るほうが楽しめりゃいいんだよね(汗)

以上、楽しむポイントが(大幅に)外れているかもしれませんが、大変楽しく観劇しました。
終演後は「歌舞伎がこんな楽しいんなら、また行きたいね」と話すほど。
もう一度「社会人の入門講座」に行って、それから本式?に挑戦したいと思います!
『いつかは着物を着て歌舞伎を見に行く』という遠大な計画を立てました。

今回歌舞伎を見に行くに当たり、まずはNHKの幼児番組「からだであそぼ」の歌舞伎体操DVDで基礎を学んでから行きました。私は歌舞伎を良く知らなかったのに、子供には見慣れたもので、「市川染五郎」は「野村萬斎」や「神田山陽」「柳家花禄」と並んでよく知ってる有名人らしい・・歌舞伎も狂言も講談も落語も身近になってるみたい。
最近の幼児番組は、古典文学や古典芸能にも力を入れていて、本当にいい番組を作ってるなあ、と思います。大人も夢中で見てしまうものが多い。
「歌舞伎たいそう」ついでに「今日の作法」のDVDも買ってしまった。勉強になるなあ。今度は「日本語であそぼ」シリーズも買おう。コニちゃん(小錦)のハワイアン「いろは歌」がすっごくいい感じなの。
着付け習いにいこうかなあ・・


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