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BSP「新選組 暁ノ章」 [観劇感想(その他)]

BSP「新選組 暁ノ章」
2018年1月21日(日) 12時 ナレッジシアター(グランフロント大阪)下手前方


ちょっとご縁があって、初めてブルーシャトルの公演を見に行きました。
存在を全然知らなかったのですが、教えてもらってからYOU TUBEなどで見てみると、
OSK風な感じ(時代劇だけどちょっと異次元風の衣装とセリフ回し)
さらにダンス総踊りがとってもかっこよくて!これは見に行くべし!と行きました。

行ってよかった!!面白かった。出演者全員が男性! いつも見ている宝塚OSKの逆。
女性だけの劇団だって「男」役が主役だし、男役ばかりの演目もあるくらいなので、
登場人物の9割以上が男性でも違和感なし。男性の群舞は迫力があるし、
何より皆様とってもイケメン揃い!!いまの若い男性は、女性が演じているのかと
思うほど美しいですねえ。何度か「実は女性の男役?」と思ったくらいの麗しさ。
「女性が演じる理想の男性」好きの私が見ても嵌りそう。

これは次の公演から、見逃したくない劇団入り。
・・・ああまた一つ世界が広がってしまった。

201801BSP新選組3.png
ブルーシャトルプロデュース
「新選組」暁ノ章   近藤勇の大志、芹沢鴨の後悔
脚本・演出・照明:大塚雅史/音楽:和田俊輔/主題歌歌唱:新良エツ子
振付:藤川美伊菜/殺陣:ドヰタイジ/衣裳:植田昇明/音響:とんかつ
総合プロデュース:砂岡 誠/制作:柴田惠美子
企画・製作:ブルーシャトル/主催:劇団ひまわり


初めて知って初めて見に行った劇団なので、だれが誰だか全然わからないのですが、とにかく役と役者が嵌っていてイメージぴったり。時代背景は「そのくらい知ってるでしょ?」という感じで結構端折られていたけれど、何とかわかる。新選組の隊士やあの時代を詳しく知っていればいるほど楽しめそうだ。私も漫画や舞台で一通り知っていてよかったと心から思った。
1話が1時間だし、視点が違うから時が統一されていないし、背景を知らないととわからなくなるかもしれない。ま、日本人なら知っておくべき常識の範囲なのでしょう。(宝塚でも時々ある。そのくらい知ってるよね~?って脚本。だから慣れてるし、宝塚でも新選組は良く出てくるからね:笑)


「新選組」の4人の隊士を描いたオムニバス形式
1つが1時間で、1公演2時間2つ、暁と宵で2つずつの4つの物語が完結する、という形式。なんて斬新なんでしょ。その企画が面白くて、ちょっとネットで調べてみると、YOUTUBEにいろいろ出ていて、公式PVまであって、それがかっこよくて!
私がYOUTBUEで見たのは「真田幸村」。あまりのかっこよさに幸村好きとしては、これは見たかった・・・!と悔しさ満載でした。それで、もう後悔しないために新作「新選組」を見に行く気になりました。


幕開きというか(幕がないんだけど)、すべての黒幕さんが提灯?を持って客席から登場し、彼の動きに合わせてだんだんと客電が落ちていく始まり方は、秀逸。
最初から最後まで、この劇団、照明が素晴らしく美しく効果的だった。セットもほとんどないに等しいのに、照明(と人の動き)でいろいろな場面を作り出していく。OSKも同じ劇場を使っていたくらいだし、セットもあまり無く人で場面転換しているので共通するけど、照明の使い方が全然違う。BSはあまりにも照明の効果が大きく美しい。「脚本・演出・照明」と名前が入るのが理解できるわ。

それから群舞の素晴らしさ。男性ばかりが数十人で激しく踊る。女性の男役が踊っているかのように美しく、力強く迫力があった。けれど上品なところが素敵。OSKの群舞も素晴らしいけど、こちらも引けを取らない美しさ。目が離せない。
すっかり引き込まれていた群舞。その後、一人ひとりの誰が何の役かわかるようにセリフが進んでいき、役者が「役名と役者名」の名乗りを上げていく。すごい親切。

ストーリーは4つの視点からあの時代を描くような感じで、ほかの話の伏線がバシバシと出てきていたように感じた。近藤勇の話に土方歳三、芹沢鴨の話に沖田総司のエピソードが結構入っていて、これは「宵ノ章」を見なくては!と思った。脚本もかなり練ってあり、齟齬が生じている場面はなかったように思う。(見ている最中に思わず突っ込んだ個所はなかった。これは素晴らしい→私にとっては大変嬉しい。)
2時間10分で、休憩時間はわずか10分。こんな短い休憩時間初めて。役者さんほぼ出ずっぱりなのに、休憩10分て・・。男性は体力があるのだな。

一番驚いたのは、拍手しないこと。最後の最後、カーテンコールまで拍手がなかった。私には「ここは拍手じゃないの??」と思う箇所が何か所かあったのですが、周りが誰も拍手しない・・・ので、ここは周囲に従い、静かに音が出ない拍手(何それ)を密かにしてました。あんな見事なダンスのあとでも、拍手ないんだ・・物語の世界観を壊さないため?なんかすごい。徹底している。
最後にシャンシャン持って出てくるとか、ピンクのパラソル回すとか、決まりがわからないから、どこが終わりでどうしたらよいかわからず、とりあえず周囲に従っておいた。
久しぶりに「初心者」気分を味わえました(笑)

パンフが二千円で売っていましたが、パラパラと見せていただいたところ、役ありの方は全員見開き衣装写真。写真集みたい。これなら買いたいかも。・・と、終演後に買おうかなと思ったら、終演後は売店に役者さんが立つらしく、大変な長蛇の列だったのであきらめた。すごい商法してますね。役者さんが売り子さんしてたら、ついついいろいろ買ってしまいそうだ。考えてるなあ。


ストーリーについて
<近藤勇の大志>
近藤勇が試衛館に入門し、武士になりたい百姓の青年たちとともに熱い稽古を重ね、時代の波の中、彼らの情熱を向ける先を見つけるところまで。近藤勇のラストシーンから始まるので、回顧形式なのだけど、登場シーンで周りの人々のセリフで、彼の思いと周りの人々との関係、さらには時代背景がわかる。冒頭の「これ」を頭に置きながら、その後のストーリーを見ていると、いろいろとわかっていく(ような気がする)。
近藤さんのお話では、「新選組」ができるまで、がテーマのように思いました。新選組になるまでに、何とも複雑な背景と葛藤があったのか。近藤さんは人格者だ・・と思いました。
演出は「スカーレットⅡ」というか「モーツァルト!」というか、心の声の分身と語らいながら進むという方式だったかな(詳細は近藤少年の項参照)

<芹沢鴨の後悔>
こちらも回想形式ですが、すでに近藤さんの回で見ているので、そこは省略。近藤さんの回では近藤さん(試衛館チーム)から見た話でしたが、こちらは芹沢さんから見た話。何かを間違い、それを正せず、なぜか願いとは逆に突き進み、思いは全く伝わらず。何か別の意志が働いたように不本意な結末を迎える芹沢さん。それでも悪あがきをせず最後を迎える。近藤さんの回より、ずっと狂気の感じられる最期でした。
演出では、歌があった。ミュージカル形式? 歌といえば主題歌が女性の声なんですね~舞台にる人が生で歌わないこと、出演者ではない人が歌うことに慣れてないから、すごい違和感でした。


どちらの回も、吉田稔麿さんが影のように付きまとい、物語を進めていく。彼が二人、いえ隊士たち皆の運命をつかさどるように、ぴったりと背後にいる。すごい存在感で。彼の傍らには岡田以蔵。異彩を放つ風貌から、別の狂気が感じられる。謀略の相手、桂小五郎の3人の場面は、どこか暗く妖しい。
カーテンコールを見ていると、吉田稔麿氏がセンターだった。それぞれの主役4人を両脇に、真ん中に黒い着物に銀の帯の目立つ吉田氏。最後のあいさつも彼。彼が真の主役(?)なのだろうなあ・・と思った。(劇団の仕組みが全然わかってないから、推測ばかりでごめんなさい)

とにかく最後まで世界に引き込まれ、楽しみました。嵌りそう・・・


では一応(役者さんは全く知らないけど)未来の私のためにわかるところを書いときます。


<各回主役>
近藤 勇(山本誠大)
ああ、近藤さんだ~と一目でわかる風貌。頼りがいがあって誠実で、人格者。多くの弟子の人生を背負って悩んだり苦しんだりしている。でも絶対にそれを弟子たちには見せない。いつも力強くて、ついていきたくなる。指導者として素晴らしい人、それが近藤さん。見た目からイメージ通り(みんなそうだけど)、すんなりお芝居の世界に入れました。

芹沢 鴨(田渕法明)
ポスターの芹沢さんがえらくかっこよくて、イメージと違うわ~とか思ってた。けど舞台の上では、その話し方やちょっと派手めのお化粧?で、イメージ通りの芹沢さんになっていた。
かっこよくないというのではなく、シュッとしたかっこよさは芹沢さんじゃないのよ~粋で洒落で、どこか世の中を斜に見ているような、それでいて楽しげな雰囲気のかっこよさなのだ。(注:私のイメージ)
新選組でも芹沢さんは途中退場されてしまうためか、なんとなーく悪役っぽいイメージがあったためか、主役になった作品は初めて見ました。深いわ。今回「帰って調べよ」と思いました。

沖田総司(鐘ヶ江 洸)
今回は主役で見てないので、次回詳しく書けると思います。が。ビジュアルはイメージ通り。もう「男役」にしか見えない柔らかな美しさ。可愛らしさ。でも切れると天才剣士。どこにいてもすぐにわかります。髪型ポニーテールは沖田さんと土方さんだから目立つ。麗しい二人は目の保養になる。沖田さんは子供と遊ぶ場面とか、真剣に可愛くて惚れそう。何とも素敵な役者さんだと思いました。

土方歳三(田中尚輝)
登場場面からなんかかっこいい。実在している写真が超イケメンで、新選組の土方といえば美男の象徴のような方。期待を裏切りませんでした。いや~かっこいい!ポスターよりずっと素敵な土方さんでした。「宵」の主演が楽しみ。


<黒幕>
吉田稔麿(原田岳)
なんかやたらと意味ありげな表情が多いイケメン。黒い着物に銀の帯が目立ってお洒落。粋というのか、田舎隊士たちとは違う存在だというのを感じます。要所要所に出てきて、物語を動かしていく。彼に動かされた人たちは悩み苦しみ人生を終えたり狂わされたり。でも彼自身はすべて計算の上、みたいな顔ですんなり次へ行く。冷徹で、登場人物の中で一人だけ青い血が流れてるんじゃ?と思わせる人物。個人的には、超好きなタイプ。お顔も好み。


岡田以蔵(ドヰタイジ)
異様な風采で一人衣装が浮いている。吉田氏の傍にいて切りまくる・・・人斬り以蔵だもの。結構な迫力の人物で、斬りだしたら切れた沖田と変わらない狂気。それを普通に切れずに出してくるような気がした。お名前見たら殺陣の方ですね!さすがの動きです。


<その他印象に残った>
松平容保(小川勝也)
顔も端正で身分が高そうですが、声がよい!今回一番良い声だったと感じた。私の好みなだけかもしれないいけど、明瞭でよく通る美しい声だったの。なんか歌ってほしいくらい(希望)。清河八郎もやってらしたんですよね。後から知ってびっくり。

近藤勇の少年時代(小川丈瑠)
少年時代という割には全然似てなくて(笑;ごめん)。堂々としているし、大人になってからも「スカーレットⅡ」のように、近藤の傍でいろいろと話し相手になっている。(注:スカーレットⅡとは、宝塚ファンなら知っている「風と共に去りぬ」の主人公スカーレット-オハラの心の声として、観客には見えるが舞台上の人たちには見えない存在。主役スカーレットと相談したり言い争ったりしている。)よく考えたら、「モーツァルト」のほうが近いな。
全然似てない、子供というには大きな彼が、近藤さんの分身として相談に乗っているのは、見ているとなかなか妙な感じでした・・・もっと子供か、もっと似ているとわかりやすいかも。

斎藤一(中内天摩)
新選組隊士の中で、一番私にとって目立った方。静かで目立つというのがあるんだなあ・・と実感。周りは結構大騒ぎしていても、さすが斎藤さん、いつでも冷静で物静か、というより無表情。短髪なのも目立つ。

他の隊士も個性があったし、何度も見ればわかってきて楽しめると思うのですが、初心者が一度見たきりなので、そこまで覚えられませんでした。「宵」も見に行くので、楽しみにしてます。



というわけで。次に「宵ノ章」を見に行くまでに(日がないけど)できる限り、この時代背景を復習しておこう!と心に決めました。そして次こそプログラムを買う。売り子さんが劇団員さんだとドキドキするなあ~何買おう(財布が危ない)。




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hanihani

BSPって、東京で12月に見ようとしたらチケット完売してましたよ。
友人のお姉さんがこの中にいるイケメンにはまっていて
誘っていただいたのですが、9月で月組にデレデレしたりして
忙しい時だったので断ってしまい後悔してたんですよ。

そうか、やっぱり面白かったのか
劇団ひまわりだから芝居がしっかりしているらしいじゃないですかっ!
by hanihani (2018-01-31 02:21) 

えりあ

hanihaniさん

そうなんですか!もったいないことを・・・
東京完売、わかるわ~イケメンに嵌る気持ちも!宝塚ファンと
共通する部分もあると思います。宝塚よりOSKのほうが近いかな。
月組すっごい好きですけど、BSPもイケメンぞろいで、
ダンスレベルとお芝居のレベルが高かったです。

私はこのとき、花組公演はチケットなくてOSKは大きい公演がない時期だったので、うまく巡り合えました(笑)

by えりあ (2018-01-31 08:38) 

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