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宝塚星組「黒豹の如く/Dear DIAMOND」 [観劇感想(宝塚)]

宝塚星組「黒豹の如く/Dear DAIMOND!!~101カラットの永遠の輝き」
2015年3月3日(火)11時 2階15列はしっこ


やっと星組を見ることができました。
柴田先生の新作だから、すごく期待していたんです。
いや〜期待通り。胸が切なくなるような、見るだけじゃなく
聞こえない台詞を聞き、見えない心のうちを見るお芝居。
行間にたっぷり書き込まれている大人の物語だ。
こんな素敵な作品を、放っておいても売り切れる柚希さんの
退団公演にもってくるなんて・・チケット取れないよ(泣)

ショーも、私の好きな大介先生!という色合いとセンスの良い衣装、
場面設定も(ほとんど)きちんとしたショーの定番が盛り込まれ
とても楽しかった。こういう色彩のショー好きだわ〜

ということで、たとえどんな作品でも完売したであろう柚希さんの
退団公演なのに(大げさじゃないと思う)、お芝居もショーも
とても良い作品だから、チケットが全然ないという状況に
なってしまうのですよね・・
もう一回じっくり見たかったです(でももう無理)。


ネタばれ皆無とは言いません。気をつけましたが・・ご注意ください。長いです。

ミュージカルプレイ
「黒豹の如く」
作 柴田侑宏、演出振付 謝珠栄


行間から溢れる想い・・・そういう「みえない」ものを感じられる脚本
そして、そこに佇む人物の心象風景を表現するコロスや背景、
大きな時代の流れのなか、個人の努力でどうにもならない流れの中に
翻弄される人々、彼らが織りなす複雑な人間関係。
どうしようもない立場、遣り切れない想い、無言で交わす視線の中に
言葉にならない気持ちが溢れ出す。

久々に、「余韻を楽しむ大人の物語」を見た気分です。
脚本、演出、完璧です。
ストレートに台詞で説明する脚本とは正反対、
語っている言葉と思っていることが正反対、くらいの深い脚本でした。
その複雑な脚本をわかりやすくしているのが、演出の効果。
結構な心理劇(登場人物の心理を読まなきゃ面白くない!)のに
コロスや照明の使い方が素晴らしくて、観客にわかりやすい。
できることなら、何度も繰り返してみたい。その度に新しい発見が
ありそう。終演後、感想を簡単に語れないような、そんなお話でした。


ま、冒頭の時代背景や、主人公と恋人がおかれている状況(前提)を
語る場面が、2場面ほどちょっと説明台詞ばかりでしんどいかな。
前提が省略されてるし(結構複雑なのに)いきなり再会から入るから
どうしても説明しなきゃならなくて、あの場面はああなったんでしょう。
あと30分いえ15分あったら、きっと説明じゃなくて場面になったと思う。

となると、幕開き冒頭の16世紀の海賊場面は要らなかったんじゃないか、
と思えるのだ。これはサービス場面なのかな・・・と思ったり。
物語の世界を離れ、「柚希礼音」という大スターの退団公演としてみたなら、
こういう華やかでかっこいいコスチューム活劇の場面を見てみたい!
という要求はそりゃあ大きいでしょうから。
とはいえ、最初幕があがって「・・16世紀のスペイン」とナレーションが
入り、海賊が出てきたときは、「あれ?これ16世紀の話だっけ・・」、
「現代の軍服風なポスター見た気がしたけど、前の公演?」などと
自分の記憶力を疑ってしまいました。
もし退団公演じゃなかったら、この場面はなくて、二人の恋人時代の
場面(セルバンテス号デートと別れ)だったかもしれない・・などと
想いを馳せてしまいました。
私にとっては、この冒頭の海賊場面だけは、ちょっと異質に感じましたが、
後は文句なしです。
海のコロスは『ガラスの風景』を思い出してしまいました。
(そういえば『ガラスの風景/バビロン』はどちらも秀作でDVD購入に
全く躊躇しなかった作品でした。あの時代の星は大好きだった)
コロスだけじゃなく、人の使い方のスケール大きくて、効果的で
とても素敵でした。謝先生の演出は美しく情感があって、好きだわ。



では個別に。


アントニオ・デ・オダリス公爵、海軍大佐、参謀長(柚希)
スペイン海軍の名門公爵家出身の海軍士官。優秀で男らしく、貴族嫌いの
部下たちからも実力と誠実な人格でもって尊敬されている。
現在は「参謀長」と呼ばれる優秀な軍人。長身で男らしい美い男だけど、
かつて引き裂かれた恋人を想い、いまだ独身・・。
この設定!ただの貴族のぼっちゃんではなく、普通のナイスガイでなく、
名門出で有能な士官で、平民の水兵からも慕われ尊敬され、何もかもに
恵まれたように見えるのに、どこか暗い陰のあるいい男。たまらんね。
台詞からすると、30代後半ってところ?絶対に若造じゃない、大人の男。
柚希さんがこんなに素敵に見えたのは初めてだ(大失礼ごめん)。
こういう深い想いを抱える大人の男もできる役者さんだったんですね・・
歌も聞かせてくれましたし、熱さを秘めた歌声でいいですよね。
物の分かった大人の男の、内に秘めた情熱が垣間見えると、
キュンとします。→おばさま殺しな役ですね(笑)殺されましたよ私。
彼が、スカウトされて断る場面も、また大人の余裕を感じさせる。
つまり、「金額を聞かされていたら、危なかったよ」と腹心の部下である
ラファエルにいう場面。この人ならそんなことは絶対にあり得ない。
そう思う。だけど、人間の弱さを知っているからこそ、そういう台詞が
出てくる。彼自身、金で自分が揺らぐとは思ってないけど、自分の信念に
取り付かれた独善的な人物ではないから、この台詞。いいわあ〜たまらんわ。
(金で揺らいだ部下や友人でも許してあげられる懐の大きさを感じるね)
万事こんな調子で、素晴らしい余裕を見せる大人の男だ。だけど。
恋人との場面だけ、彼の余裕が少しばかり失われる。それがまた・・・!
という感じで、最初から最後までかっこいい男でした。最高だ。
ラストシーン、明るい旅立ちで終わりなのですが、私は彼が戦死しそうな
気がして仕方なかった。旅立つ彼を見送る人々へ見せる笑顔、これが最後の
彼の姿のような気がして・・だから明るい旅立ちの場面なのに、涙が
でてくるんだよね・・その後の悲劇が予想されて。なんで悲劇がくると
思うのかしら? それも素晴らしい脚本演出効果? 
とにかく、最高級の作品でした。
これで退団できる柚希さん(&ファン)が羨ましくて仕方ない・・。


カテリーナ・デ・ラミレス侯爵夫人(夢咲)
名門の令嬢で、かつては若い海軍士官と恋愛して幸せだったにも
かかわらず、家の事情で別の貴族と結婚。その夫とマドリードで
暮らしていたが、夫が亡くなりバルセロナへ戻り、かつての恋人と再会。
この「かつての恋人」を操りたいがために、カテリーナが利用される・・
心の奥底で忘れられずに居た恋人と、再び出会い、想いが溢れる。
かつての恋人に迷惑は掛けたくない、だけど・・・そういう大人の女性。
多分、一度彼(アントニオ)と別れ、別の男性(ラミレス侯爵)と結婚した
時に、きちんと自分の中で気持ちを整理したはず。だけど思いがけず早く
夫を亡くし、またアントニオと出会ってしまった・・その心の葛藤。
自分は他の男性と結婚したが、アントニオが独身を貫いていてくれたことに
対する嬉しさ、決して他人に言うことができない思い。
多分三十代(アントニオと同世代)の大人の女、分別ある未亡人が
背徳的な恋に飛び込むまでの葛藤と、大人しい容姿と反する激しい恋心。
こちらも柴田作品のヒロインらしい、「大人の魅力」に溢れた女性です。
が。私の好みからすると、もっと台詞と感情の乖離を見せて欲しかったかな。
夢咲さんは、わりとためらい無くアントニオに気持ちを見せていたので、
もう少し、未亡人の体面や、亡くなった夫への後ろめたさなんかを見たいな
と思ったのでした(2階後方だから見えなかったというのではないと思うの)
多分、亡くなった夫もとても良い人物で、もし生きていたら平凡で穏やかな
結婚生活を、それなりに幸せに続けていたと思われるので。
(この物語、夫が生きている設定のほうが、もっと切ないね。
夢咲さんも退団だから、未亡人設定になったのかしら?なんて思ったり。
深読みしすぎですね。でも深い感情設定がありそう・・)
夢咲さんは、就任年数からすれば「大人の女性」が似合う年頃なのですが、
ご本人の持ち味が、「可愛い少女(大人になっても可愛い、裏表ないタイプ)」が
似合う感じなので、柴田作品の複雑な感情の女性はしんどかったかも。


ビクトル・アラルコン公爵(紅)
実業界の大物で、現在の政治体制に不満があり、新しい時代を考え、
(それで儲けようと思ってるのもあるが)行動的に動く強い男。
彼の中に、国境は無い。愛国心も無い。あるのは彼の理想と、それを
実現するための駒。彼は誰も愛してないし、何も信じてない。
アントニオだって、いつもどおり最後は転がせる駒だと思っていた。
多少の手ごわさを感じても、最後は思い通りになると。ところが
アントニオが今まで出会ったことの無い「強い」男だったので、
アラルコンのほうも本気で戦いたくなって・・というのが物語りか。
彼は、遊びみたいに楽しんでて、アントニオとは本当に嬉しそうに戦う。
本気で戦える相手が見つかって、自分の構想が邪魔されているにも
かかわらず、楽しいのだ。(というのが脚本上からみたアラルコン公爵)
その彼が、ただの小さな駒と見ていた女に・・と言うラストシーンが
たまらなく素晴らしい展開だと思った。
本当に巨きな男、自信家で尊大で、繊細で人間不信で、という人物。
上にも描いたけれど、かなり「人物が大きい」ようなんだけど・・。
ごめんなさい、紅さんのアラルコン公爵は、脚本(台詞)から感じる
人物と少し違って見えた。なんだかアラルコン公爵の上にまだ誰かボスが
いそうな感じに見えたのだわ。上手くいかない苛立ちとか、そういうのが
「ボスになんて言えばいいんだ(焦り)」って感じで、中間管理職のように
見えてしまった。もっとどっしりと構えていないと、ラスボスに見えない・・
紅さんは動きすぎかも? 余裕が感じられない気がする。
ボスというのは最終決定件のある人物、特に独裁的な大人物ならば、
窮地でもイライラうろうろしないほうが(内心も)、貫禄あるように見える。
もともと線が細く翻弄されるのが似合うタイプだから、かなりしっかり
迫力を出さないとボスに見せるのは難しく感じてしまいました。
2番手だからって、持ち味に似合わない役ばかりはもったいない。
これ紅セバスチャンとか紅ラファエルとかでも面白いかな~と。
2番手でも敵役を全然しないで、親友役ばかりでトップになる人もいるんだし。
紅さんも似合う役にしてあげたい。ってかそっちを見たい。
となると頑張ってもらうのは十輝さんなのか・・?


アルヴィラ(妃海)
アラルコン公爵の愛人(自称?)のナイトクラブ「ケルベロス」のダンサー。
底辺から這い上がって、公爵の愛人の座をつかんだ女性。アラルコン公爵に
とっては小さな小さな駒に過ぎなかった。退屈しのぎかもしれない。
だけど、アルヴィラにとっては違う。公爵は世界のすべてであり、彼を
失うことは世界が滅ぶこと。だから絶対に何があっても他人に渡すわけには
行かない存在だった・・ということを、アラルコン公爵自体がまったく
かけらも気付いていなかったことが、あの結末を招いたのですね。
思いつめた雰囲気、張り詰めた空気、アルヴィラのまとう空気がとても鋭く、
彼女の気持ちがとてもよく伝わってきました。

妃海さん、上手かった。妃海さんは次の娘役トップですが、アルヴィラ役は、
普通はそういう立場の新進娘役スターがするような役ではなく
(普通次期トップ娘役ならモニカ役を当てると思う)、情念の見える難しい
女役だったと思う。この迫力、素晴らしかった。歌も上手くて、ダンサーで
なく、歌姫設定でもできましたね。情念の歌も台詞も大迫力で、彼女が
トップになったとき、かつての(「ガラスの風景」を上演したような)
私の好きだった星組が戻ってくるかも?と期待が高まったのでした。


ラファエル・デ・ビスタシオ海軍少佐(真風)
アントニオの腹心の部下で、現在は彼の配慮で情報部に居る。
アントニオとは公私にわたり信頼関係を感じる。
可愛らしい恋人も居て、スペイン海軍の良心というか理想像というか、
そんな存在に見えないことも。多分、アントニオとカテリーナに対する
幸せの象徴がラファエルとモニカなんでしょうね。
アントニオよりかなり若く、その分生真面目で融通が利かない感じ。
その固さも判って彼を大事に思い育てている気がする>アントニオ。

真風さんのラファエル、私はもう少し生真面目さが見えるといいなあと
感じました。アントニオと対比する存在だから。大人の男に対するから
若さゆえの生真面目さをもっと前面に出してもいい感じ?
立ち居振る舞いに軍人らしい堅さ(ぎこちないほどの)がもっと見えると
いいかな~と思いました。動きの堅さがね、ラファエル>アントニオ>
バンデラス侯爵 ってなってるからラファエルは固いほど面白いかなって。

ラファエルは、次期を担う若手スターが演じるに相応しい役ですね。
そういう位置づけに見えた。真風さんはそういう役が多く、また似合う。
端正で品があり、正々堂々と順調に王道を行くスターだ。
しかしそろそろ若手スターを卒業する時期なので、一度どっしりした役も
見てみたいなあ~とか思いました。


モニカ(綺咲)
そのラファエルの恋人、カテリーナの後輩。皆に可愛がられ愛されている。
まだ世の中の汚さや人の裏側を知らないような、そんな可愛らしい女性。
裏表のない彼女と話をするときのカテリーナの複雑な感情、モニカが
ラファエルのことを語るときの見たままの幸せそうな姿。この対比。
とても面白かったです。
モニカは可愛くて愛される若い女性で、まさに期待の新進娘役のための役。
今後、綺咲さんは重要な位置につくのだろうなと思いました。


アロンソ・デ・バンデラス侯爵(英真)
アントニオの叔父様。海軍の退役軍人で、登場人物の大半にとって大先輩。
アントニオのよき相談相手と言う感じで、大人の男の余裕と貫禄を見せ
つけてくれました。(作品違いですが、月バウ『バンディート』に出てきた
ランベドゥーザ公爵(一樹)に通じる大人の余裕、遊び心って奴かしら)
いずれアントニオもこの叔父様のような素敵なおじさまになるのかな~と
思いながら見てました(アントニオ自身も自覚せず憧れてる?)


セバスチャン・デ・ディアス子爵 海軍大佐、司令官(十輝)
アントニオの同期生で親友。現在は司令官。アラルコン公爵に近づき、
部下に心配される・・いろいろあるがここでは書けない。
背が高くてイケメンの海軍士官で、まあモテモテ?しかし彼も貴族なのに
下士官に心配されているし、いい上官なんだろうな。
そういえば、海軍士官、全員うしろに貴族の称号がつくね。
そりゃ下士官以下の水兵たちが、上官を嫌うはずだよ(笑)
今回、アントニオとセバスチャンの設定がかなり、中の人にリンクしてて
ラストシーンはじーんときました。再演されても不思議は無い良い作品で、
再演ではこういうリンクはないでしょうが、無理の無い設定で、さりげなく素敵だと思いました。


イレーネ・クラベス(万里)
カテリーナ夫人やモニカお嬢様が贔屓にしている洋装店オーナー、
そしてセバスチャンの母。息子と苗字が違うし、貴族なのに働いてるし、
お母様は訳ありなんでしょうか?最初、なかなか立ち位置がつかめなかった。
カテリーナが信頼している人物で、なかなか包容力のある女性。
彼女がセバスチャンの母であると言う設定は必要なのだろうか・・?
母には見えないし。
普通にカテリーナが信頼する年上の女性(働く階級)でよいのでは。と
思ってしまいました。カテリーナが信頼するに値する素敵な女性でした。


このくらい。あとは「セブンシーズ」ですか、海を表現したダンサー。
このダンスが見事で、登場人物の心象風景を見事に表現されてました。
この演出も役者も素晴らしかったと思います。

出演者に対する宛書を強く感じますが、再演されても不思議の無い作品。
これが柴田作品のクオリティ。脚本でいえば、ストーリーの精緻な複雑さ
と格調の高い台詞。昔の映画のような「メロドラマ」(賛辞)でした。
ほんと、久しぶりに行間のある物語、格調高い大人のドラマを見た気分です。



ダイナミックドリーム
「Dear DIAMOND!!~101カラットの永遠の輝き」
作演出 藤井大介



私の好きな大介先生のショーだ!って思いました。
衣装の色彩、センスが素敵。大人っぽく洗練されて美しいの。

DIAMONDOがテーマですが、「REON」と叫んでいたような・・やたら見た。
REONがテーマは過去にやったので、今回はタイトルから単語をはずしたけど、
内容からはずせず、ですかね。
最初、退団のショーなのに名前が入ってないなんて珍しいと思ってたら、
やっぱり中には満載でした(笑)

柚希さんは本当に素敵なトップになられましたね。
しみじみしながら見てました。途中、リベルタンゴがあって、私の記憶の中
『グレートセンチュリー』という星組のショーが蘇ってきた。
この時のダンスがまた素晴らしくてね>リベルタンゴ。稔さんと星奈さん。
そういえば、あの東京公演で「すごい踊れる新人がいる!!」と騒いだな~と
懐かしく思い出しました。新人なのにソロダンスの場面もらってたんだよね。
プログラムで名前確認したし、それ以前に異例の抜擢に注目したもんだ。

『ノバボサノバ』のドアボーイの衣装と場面が出てきて。柚希さんの初舞台、
ノバボサぐるぐる回し(雪月続演の半年間、ずっと初舞台ラインダンスしてた)
を思い出し・・また懐かしい。私が見たある日の公演、ラインダンスで脚の
羽飾りを落とした子がいて、見事にさりげなくさっと拾ったのを目撃した。
初舞台生なのに、余裕あって機転効いてすごいわ~と感心した。
それ柚希礼音って子だよ、とあとで教えてもらったことを思い出す。

ってな感じで、私の記憶層が刺激される構成になっていた(笑)。
歌もね、どんどん上手くなっていった印象で、今回はすごく聞かせてくれた。
公演(の歌、特に)をひとりで引っ張っていた印象が強い。
凄く偉大なトップスターだったんだなあ。しみじみ。

あとは雪バウ『インフィニティ』で活躍していた「輪」が使われていて、
「おお、ここで蘇っていたのね!いい仕事して~」と輪に語りかけてしまうほど。
懐かしさ満載。


プログラムを買ってないので、覚えているところと印象に残ったところのみ。

ダンス場面が結構ありましたが、柚希さんのダンスはやっぱり目を引く。
なんだか迫力があって、引き付けられる。だけど、その両側がやや迫力に
欠ける気がする・・毎回。柚希さんの両側、踊れる人で固めてガンガンバシバシ
(花『コンガ』のように)踊ってるのを見てみたかったなあ・・なんて思いました。
今回も、上から見てると、両側が、うーんと思う場面が結構あってね~。

ラストの黒燕尾。やっぱりラストはシンプルなのが素敵・・!曲もダンスも
スタンダードでとても良かった。が星組は結構個性が強くて、ばらばらなんですね。
ま、これは見るほうの好みと慣れの問題でしょう。

娘役で言えば、夢咲さんのドレスが、お芝居から似たようなのが多くて残念。
前のほうが短くて後ろが長くなってるタイプのドレス。
ラストだし、オーソドックスな場面だったら、しっとりしたロングドレスが
いいなあ~とか。可愛いタイプだから、短いほうが似合うのかも知れないけどね。
綺咲さんも可愛い娘役で、この先期待。
妃海さんは芝居では難しい女役を素晴らしく見せてくれたが、ショーになると
これまた素晴らしい歌声を聞かせてくれた。可愛いタイプでもなく(ほめてる)、
落ち着きのある人なので、期待の「大人の女」ヒロイン誕生か?!
私はこういうタイプは好きなので、期待度大。
あとはわかんない。ごめんなさい。

歌ですね、これを書くとまた怒られそうだけど。
柚希さんの歌は素敵だ。聞かせる。上手い。迫力ある熱い声も好き。
だけど後が・・紅さん、真風さん、十輝さん。夢咲さん。
私には、うーん、な歌い継ぎ。妃海さんでやっと聞かせてくれる。
あと一人、男役で歌える人がいるといいなあと思いました。
礼さんの台頭を待つ状態なのかな。

場面で印象に残ったのが、おみこしが出てきて、うちわが出てきて・・のとこ。
スカイステージで見る「千秋楽の楽屋入り」の場面か!?というのがあり、
本当の楽屋入りはどうするつもりだろ・・と余計な心配してしまった。
ちょっとやりすぎな気もしましたが、星組ならこのくらいあってもいいか(笑)
と思い、楽屋入りは見に行かないので、見れて良かった~と納得。


一番大事なのが、客席降り
普通は盛大な客席降り場面は、2階は「さびしい・・・」という亀のように
首の伸びた客の背中を見るだけとなる。1階席への羨望感が充満する時間。
だが、このショーは違う。2階がお得席!!
2階に柚希さんがやってくるのだ。しかもゆっくりじっくり、タッチしながら。
もう2階席大騒ぎ。(私が見たい日は、高校生の団体がB席にいて、大盛り上がり)
あの2階通路両側のS席、スペシャルSS席だよね、ってくらいのお得度。
この時は礼音さんしかみてなかったけど、1階では普通にスターさんが通路に
客席降りしてらしたようだ。・・もう1階なんて見てる暇ないわ(笑)
客席降りのときに、2階に下級生が来てくれるというのは、過去何度もあった。
だけどトップスターが一人で来るなんて始めてみた。
素晴らしいわ!!これなら「おいてけぼり感」がまったくなく「1階いいなあ」と
いう羨望もなく、それどころか「2階でお得」と思える。
今後、客席降りは、このスタイルを踏襲して欲しいくらいです。


芝居、ショーともに、もう一回みたいと思った公演でした。
柴田先生と謝先生の作品、もっと見たいです~!





ここから更にたわごと。私の回顧録かも(笑)。

今回のお芝居。カテリーナを見ていて、みどりちゃん(大鳥れい)を
思い出した。あの、世の中を知った大人の女性の悲哀。少し寂しげな笑顔。
心と裏腹の言葉、台詞と態度の違い。最近は絶滅したような「大人のヒロイン」。
ああこれみどりちゃんで見たい!
でもアントニオは愛華さんとは違うかな・・アントニオはやっぱり礼音さんだな。
でも、今回私の記憶を刺激した『ガラスの風景』の香寿たつきさんと渚あきさん
なら似合ったかも・・なんて更にしつこく想像したり。
大人のトップコンビと言えば、轟さんと月影さんもそうだった。あ、似合うかも。
そういえば『凱旋門』も好きだったわ~これも柴田&謝作品だわ。
なんだか、大介先生がいろいろ懐かしいこと思い出させるから、お芝居まで
巻き込んで、いろいろ昔のこと(私のファン全盛期)を思い出してしまいました。
礼音さんの退団で、またひとつの時代が終ったなあ・・と思います。
私のファン全盛期からつながる最後のトップスターさんでしたから。




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パクチー

ごらんになったのですね。
うらやましい。
どうやってもチケットが用意できず、(定価以上では絶対買わない!!!と決めているので)、こういう時のためにスカイステージに入っているんだと自分に言い聞かせて、放送を待っているところです。

柚希さん、完成されたトップさんだと思っています。ロミオもできるし、ダニーも自然。どちらも、それが彼女の持ち味のように存在してしまうことに驚いていました。男役に求められている少年と大人の男性の両方が無理なくできるトップさんは、あまり覚えがないのですが。
ずっと見ていたい男役さんでした。
ちょっと、残念なのは、夢咲さんとのコンビ。夢咲さんも可愛い方だとは思うのですが、柚希さんの技量に歌もダンスもついていっていなかったように思えます。それも、あまり上達している様子もなかったし。
彼女の歌がどうしても苦手で、ロミオとジュリエットのデュエットなんて、他の娘役さんと一回でもいいから聞きたかったです。

柚希さんの舞台はほとんど観ていたので、最後が観られなかったのは残念ですが、えりあさんのレポートで想像しながら観た気になります。


by パクチー (2015-03-08 11:06) 

えりあ

パクチーさん

私もやっとやっと1回だけ、端っこから見ることができました。何度でも見返したい名作なので、・・私も映像待ちです。
本文にも書いていますが、柚希さんは初舞台のころから注目されてて、それでここまで一気に駆け上がった!と言うのがすごいですね。当時からダンスは注目されてましたけど、歌も素晴らしく上達されて組を引っ張ってましたし、お芝居も、まっすぐな少年から陰影ある大人までできる立派な立派な大スターさんになられたと思います。
周りに(舞台上で)支えになる役者さんがもっといたら、どんな名作を生み出してくれたのか・・なんて思ってしまいます。相手役もちょっと変えてみると面白かったかもと思いました。夢咲さん歌と芝居は私も・・・ですし(最後まで変わらず:笑)、紅さん真風さんのダンスが弱くて残念でした。お芝居で言えば、悠未さん、未涼さんのように敵役ができる色の濃い人がいれば、また違った魅力も発見できた?と、欲が尽きません(笑)。


by えりあ (2015-03-08 14:39) 

モノトーン

お久しぶりです。
まっつ退団後、私もえりあ様と同じ気持ちで宝塚が少し遠い存在になってました。
それが今回の星組公演を観劇して、「ガラスの風景」を思い出し、また少しだけ宝塚に戻れそうな気がします。

あの頃の星組は今とかなり違って、歌上手い人が揃ってて、観劇がとても楽しみな時期でした。
「ガラスの風景」もそうでしたが、今回のお芝居も台詞の一つ一つに心があって、目を閉じると風景が見えてくるようです。

ショーの方もレオン君のファンへの気持ちがいっぱい溢れてて、まさかの2階席登場にはびっくりしましたが、いつも置いてきぼりされてる2階席も大満足の公演でしたね。
私もレオン君の退団で一つの時代が終わった感がありますが、それでも宝塚が好きなので、見続けて行こうと思ってます。
それも何よりも作品です!!
最近は再演ばかりで、新作が少なくなってて、おまけに1本物ばかりで、ショーが好きなものとしてはとても寂しい気持ちです。

えりあさん、「宝塚歌劇倶楽部」への登場おめでとうございます。
えりあさんには常々宝塚歌劇の作品を書いて頂きたいと思ってます。

by モノトーン (2015-03-15 14:15) 

えりあ

モノトーンさん

「ガラスの風景」思い出しますよね~あの作品も凄く好きでした。
最近はこういう作品が無いので(新作なんて本当に久しぶり)とても嬉しかったです。まっつさん退団後・・私はちょっと別の劇団に光を見出してましたが、ここにもまだあるわ~と言う気分になりました。まだ少ないけど(笑)。再演に一本物、その両方にはちょっとうんざりしましたよね>100周年前から。
ショーの2階への客席降りは本当にビックリ。長い宝塚ファン生活で初めてでした~礼音さん、素敵でした!!

そして最後に嬉しい言葉をありがとうございます。
宝塚歌劇、脚本の一般公募があれば、絶対になにか書くと思います(笑)
いつか来るかもしれない機会に備えておきます!(来るかな//)



by えりあ (2015-03-15 23:17) 

モノトーン

いつの日かえりあさんの脚本が上演されることを楽しみしてますね。
えりあさんのコメントはたった一度の観劇にも関わらず、何度も観劇されたかのように細かい所まで覚えていらして、ただただ感心してます。
それと作品に対する思いが私と同じで(私は思うだけで終わってしまってますが)、この思いを文章にしていただける方がいらっしゃるのがとっても嬉しいのです。
その時は是非お知らせください。
毎日でも観劇します。
by モノトーン (2015-03-16 21:39) 

えりあ

モノトーンさん

うわは、ありがとうございます。そんな日が来るでしょうか・・
もし万が一そんな日が来たら、ご招待します!
前提に仮定が山積ですが(笑)とりあえず頑張りますね。そして。
いつか「勝手に宛書」した古い作品(青春時代に書いた)をどこかに
載せて、当時の宝塚を知ってる人と笑って遊びたいです。

観劇に関しては、私はものすごく記憶力が良くなるようです(笑)
いろいろ感激して、それを誰かと話したくて・・でブログ始めました。
だから、そういっていただけるととてもとても嬉しいです。
ありがとうございます。

by えりあ (2015-03-17 23:13) 

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