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映画「ドラえもん~のび太と奇跡の島」 [映画鑑賞]

2012年3月27日(火)
映画「ドラえもん~のび太と奇跡の島」
TOHOシネマズなんば S1 


春休みといえば・・・毎春恒例のドラえもん映画に行ってきました。
今年は「絶滅危惧動物を保護している奇跡の島」が舞台で、
タイムスリップしたのび太の父がメインキャスト。

「生物多様性」がキーワードだった2010年に企画が上がったのかな?
と思える内容でした。ストーリーは今一番言われている「家族の絆」がテーマ。
かなり家族を思い、思われる場面がたくさんありました。
私の推測ですが、震災後当初の脚本が一部変更になったのでは・・?と。
そのため絶滅した動物に関する話が脇になってしまった感も。

去年の作品(鉄人兵団)が大絶賛の作品だったので、それに比べるとまあアレですが
盛り上がりに欠けるものの、見終わってほっこりするような作品でした。





脚本は前回と同じ清水 東さん。ちょっと期待してました。台詞がいいんだこの人。
子供向けだからかかなりストレートな表現ですが、「家族の絆」というもの、
親にとっての子どもの大切さ、子どもにとっての両親の大切さ、
そういうものが随所に盛り込まれており。
あまりにストレートな台詞なので、ちらっと隣の席の子どもを見たら
子どももこっちを見ていて、笑ってしまった(笑)

今回の主役はダッケ、2番手のび太。ヒロインはコロン(島の長老の孫娘)。
ドラえもんの道具が最低限に抑えてあり、スモールライトくらいしか使ってない。
タイムマシンもドラえもんのものではなく、島の管理人ゴンスケ所有のものを利用。
道具を使わず、気持ちで行動する。(そのため、結構ご都合主義も見えるが仕方ない)
「ドラえもんの道具がないと、何も出来ないの!?」とのび太を糾弾するしずかちゃん。
ジャイアンはさすがジャイアン、道具なんて無くても行くぜ!と言う男らしさ。
スネ夫はヒロインと一緒に人質になるが、「大丈夫、仲間が助けに来るから」と
仲間を信頼し、ヒロインたちを勇気付ける。やっぱり映画版はいいねえ。

今回の主役のダッケ(30年前から誤ってつれてこられたのび太父。記憶喪失の少年)が
のび助(大人)と同一人物とは思えないほど、勇敢で凛々しいヒーローになってる。
記憶喪失がいい感じに作用したか? 
ヒロインのコロンちゃんに「英雄ダッケ様!」と慕われていて、Wのび太といわれるが
のび太とはイメージが違う。昔の少年のほうが、野生の島では力強い感じもするし。
(昔っても、のび助は私と同年輩に描かれてたから、この少年が生きていた時代は
私の子ども時代と同じなんだよね。いわば「ちびまる子ワールド」だ。昭和の中頃ね)
今回ののび太は、父(とは知らないが)にいろいろと助けられるため
いつもの映画のび太よりも弱い存在に描かれていた。
しずかちゃんもヒロインではないため、出番と役割が少ない。
主役はダッケとコロンだもんね。ジャイアンとスネ夫は同じくらいに好演。見せ場有り。

本作は冒頭が、のび太と父の場面から、「のび太のパパものび太と一緒で情けない」と
仲間から揶揄されることから始まり、奇跡の島での活躍を経て、「やっぱりパパは凄い」と
見直すところで終わる。(この台詞はのび太の心の中だけ。)
少年のび助は「ダッケ」という友達として、みんなとは別れている。
ラストシーンは現代に戻り、のび太とのび助はいつもと同じようにママに怒られている。
冒頭とおなじ日常だけど、のび太の中では父の存在感が変わっている・・細かい脚本だ。
小道具として「カブトムシ」が全編にわたって上手く使われていた。これは見事。

・・・と、こんな感じ。のび太が生まれたときの嬉しさを思い出す両親の場面があり、
「うちの母ちゃんなんて!」「僕のママだってひどいよ」「あら私のママもよ」という
子どもたちの台詞があるが・・全員家族(特に母)を思い出して胸が暖かくなる、と
いう結論で会話は収束する。赤ん坊の頃に両親を亡くしたコロンがどう反応するか?と
はらはら見ていたら、「おじいちゃんを思うと胸があったかくなる」と育ての祖父に。
親から見てなかなか良い場面だった(子どもはどう思ったんだろ?)

今回はのび太チームに主役コンビ(ダッケとコロン)がいたので、
敵役のシャーマンや悪人3人組(タイムボカン?)はあまり特長が無かった。
金儲けのために、「ゴールデンヘラクレス」を捕まえにきたようだけど・・
あの金満家のボスと手下の3人は何だったんだろう???
どこから来て、どういう立場だったのか? 敵が明確でなかったので(敵に理がない)
ここらに盛り上がりに欠ける要因があったと思われる。
そもそも「ゴールデンヘラクレス」の存在自体が解明されないまま終わったし。
なんだか凄い存在らしかったのは分かった。それだけ。

ついでに「奇跡の島」は6500万年前の隕石で出来たエネルギー磁場が異なる不思議な島
という位置づけだったけど。あのタイムマシンで移動した先は何年だったのか?
それも謎。あの島の管理人はケリー博士という若そうな女性一人と言うのも謎。
保護しているといいつつ、一人で管理できるもの?
島に住んでいる人間(ロッコロ族)って何者? 明らかに古代風の衣装。
でもケリー博士の機械類や様々な機械や道具に全く驚く様子なし。
自然回帰をモットーとする特殊な宗教の未来からの移民(とその子孫)だろうか?
どうやってこの島に移動してきたのか?そもそもこの島は現代にも在るのか?
ロッコロ族も近寄らない遺跡って誰が作ったの?
全く謎。謎が多すぎて頭が混乱する(考えてはいけないのかも)
そもそも絶滅動物を保護する奇跡の島に、人間が住んでるってどうなの?

結局、絶滅した動物を保護するために使う場所(島)という趣旨だけは分かった。
ゴールデンヘラクレスが存在するから、既に絶滅した動物があの島で生き続けられる
と言うのも分かった。(だからあの島の時間はいつって?^^;)
基本の舞台設定はかなり無理があった。無理やり絶滅動物をだした感じがするほど。
脚本・・当初はどうだったのか?と気になったのであった。(単なる思い込みかも^^;)

まあ「家族の絆」がメインテーマで舞台は重要ではない作品なのかな。
(前作が設定人物ストーリー展開とすべてが最高レベルだったから・・)
とりあえず楽しかったです。

子どもに感想を聞いてみたら「ダッケが主役で、ドラえもんが活躍してなかった」と。
前作ほど感動してなかった。面白かったけど・・・という雰囲気。
私も同感・・島に居る間もっと「ダッケ主役コロンが相手役(設定年齢上昇)」で
あれば、そういう風に脚本を書き込めば、もっと盛り上がったのにと思う。
まあタイトルが「ドラえもんとのび太の・・」としてあるので、難しいのですが・・
のび太とドラえもんが主演設定なので、役の書き込みが中途半端になっていた感じ。


この項だけをお読みの方には分かりにくいと思いますが、この感想の前にたくさんある
宝塚歌劇の雪組『ドン・カルロス』でも同じ現象が起こっていて・・。
テーマは「家族の愛、恋愛、友情」なのですが(あ、家族愛と友情はドラえもんと同じだ!)、
順番もこの通り。「家族の絆」がメイン。いま上演する作品には多いのかな。
タイトルと主演が演じるのがカルロス王子役なのに(ヒロインは彼が恋する女官なのに)
ストーリー上の主役が父のフェリペ2世(ヒロインはフェリペの妻・王妃)なので、
主役と主演が混乱して、話がやや中途半端になってしまっている・・と。
この映画も、タイトルと主演が「のび太とドラえもん」なのに
主役が「父のダッケ(ヒロインはコロン)」なので、中途半端に感じたのかも。
・・・と、ヅカファンの私は思ったのでした。

しかしドラえもん映画は大人の鑑賞に耐える映画だなあ。実は毎年楽しみにしてる。



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コメント 6

ナオミ

えりあさん、こんにちは。今回のレポートも堪能させていただきました!息子が観にいったので、内容を尋ねましたが男子って教えてくれないのです・・・今回も、えりあさんの鋭いつっこみ!鮮やかな切り口に大笑いしました。そしてまさか、あのドンカルロスにつながるとは驚きです。たまたまにしても不思議な共通点ですねえ。で、えりあさんおススメのドラえもん前作レンタルします。週末楽しみができました。
by ナオミ (2012-03-28 10:04) 

いのっこ

こんにちは、えりあさん!

どちらにコメントしようか迷ったのですが、ヅカ話に触れておられるので、こちらに。
前回の私、疲れてますね、ごめんなさい。
帰った途端の仕事のハードさに負けました。
誤字・無駄な繰り返し・・・・お許しを!

えりあさんが言い切ってくださったので安心して「主演と主役の二重軸」について少々。
事前のえりあさん評から、この点については予想できたので、「ここは宝塚~♪」と自分に言い聞かせつつ観劇いたしました。
でも、比重バランスの悪さが気になると、他の気になることにも目が向くという悲しいスパイラルに・・・。(4回続けて間を空けず見ちゃうから余計にこの思考から抜けだせないのねぇ)
まあ、「二重軸」でも普通は有りなんだと思うんです。・・なんですが、ややこしいことに宝塚ではスターの番手制度・・・が存在。「主演と主役」「2番手さんとの関係性」で、私はこの話に浸りきることができなかったのかと・・・。
言いたいこと、伝わっていますかね?
要はまだまだ宝塚を見るには私は力量不足なんでしょう。そう、思いました。ガンバリマス・・・。

でも、ひとつ発見!?
少々、時間が経った今。ふと、よみがえるメロディー♪
「レオノ~ル♪  カルリ~ト♪」なんですね。つまり、主演おそるべし!!
by いのっこ (2012-03-28 19:28) 

えりあ

ナオミさん

こんばんは。ドラえもんまで読んでいただきありがとうございます。(礼)
男の子は家であんまり話しないようですね。。男の子のお母さんは結構そういってらっしゃいます。女の子は逆に喋りまくるので・・すでに「アンタ近所のおばちゃん!?」な会話が出てきて驚きます(^^;)

今回のドラえもん映画ですね、ほんっとドン・カルロスに境遇が近くて。
ストーリーは全然違いますが、キャストと設定、脚本のもぞもぞ感が。
ここまで読む人が居ないと思ってこっそり書くと・・

ダッケ(フェリペ国王)、コロン(イサベル王妃)、のび太(カルロス王子)
ドラえもん(ポーザ侯爵)、しずかちゃん(レオノール)、
ジャイアン(フアン)、スネ夫(ルイ・ゴメス) &ケリー博士(フアナ様)、
ロッコロ族長老(大主教)、シャーマン(異端審問長官)

ジェンヌさんの名前で書くと笑ってしまうので役名で書きました(笑)
脳内で実写したら・・・結構嵌ってる!?(・・ごめんなさい。でも楽しい)

昨年の映画「鉄人兵団」は本気でお勧めです!


by えりあ (2012-03-28 20:28) 

えりあ

いのっこさん  (長すぎて1度に投稿できず^^;)

お疲れ様です~!4回連続観劇だと、頭が冷却する暇がないから大変ですね。轟々燃え盛るまま・・疑問も不信もそのまま加速。私は連続はやったことなく。近いからの贅沢ですが、見た後考える時間が欲しくて1回ごとに帰ります。東京でも2日連続はあっても1日2回はない。
いのっこさんもしばらく置いて、DVDの頃にはいろいろと納得(心の折り合い?)がつくのではないかな?とか・・ほんとは怒涛のごとく語り合いたいです!

「ドン・カルロス」は、フェリペを主役にしたい作者が、カルロス主演でよくここまで纏め上げた!と思います。比較的少ない出番でも国王陛下は主役を演じあげられましたし作者も満足かと(笑)。カルロス主軸の話もとても素敵に描かれていたから(さすがは主演の力量は違うわ!)、2軸が上手くはまっていたと思います。問題は第3の軸が影が薄くなってしまったことかな。1幕モノ90分に3軸も入れるから・・^^;2軸成功しただけで凄いと思う~。私はスターの番手は余り気にしないから平気(^^;)番手より役者が役に嵌ってるほうが嬉しい。
だからたとえ主役でも音月陛下は・・食指が動かぬ。早霧王子はいけそうだけど、未涼侯爵だと・・謀略が成功しそうで怖い・・;

あの名前連呼の歌は耳に残りますね。「カ~ルロス♪」では語呂が悪いから(笑)「カルリート」って呼んでねなのね。
曲も素敵に聞こえてきた♪ アカペラの曲「心から心へ」、素敵だ・・・トップ3が歌ってないのに。

by えりあ (2012-03-28 20:37) 

ナオミ

えりあさん、こんばんは。すいません、聞いてください。間違えて鉄人兵団1986年版をレンタルしてしまい、今昭和テイストなドラえもんを見ています。えりあさんが昨年の、といってくださったのに・・・涙。次回チャレンジします。これからレンタルされる方、ご注意くださいね!
by ナオミ (2012-04-01 20:38) 

えりあ

ナオミさん

こんばんは、それは初代の「名作」らしいです(見てないけど)
1986年版をリニューアルしたのが2011年版って宣伝でした。
あらすじを見る限り・・・ヅカファンには2011版のほうが合うような
気がします・・・もし両方見られたら感想聞かせてください~
by えりあ (2012-04-01 21:15) 

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