宝塚雪組「ベルサイユのばら~フェルゼン編」雪版
2013年5月18日(日)11時 1階5列
『ベルばら』最終観劇は一番良い席。娘と出かけました。
しかし・・こんな良い席でも睡魔は襲ってくるんだな(驚)
メルシー伯爵には眠れない夜に来てほしいくらいだ。
子供の感想は、「2幕 は 面白かった。」である。
しかし。なにより終演後に一番に言ったのが「日本語間違ってた」。
あのジャルジェ夫人の主語述語が合ってないところを、即訂正。
○○先生(塾の国語の先生)なら絶対怒るよ!とのこと。目立つもんねえ。
他にも、「おかっぱ頭の従者たちが、「王様、王様」って言ってたけど、
あれは「陛下」って言わなきゃ駄目なんじゃないの?」とも言っていた。
私もジャルジェ夫人の台詞は気になって仕方ない。明日からでも直して欲しい。
梨花さんくらいの方なら、植田爺に指摘できるのでは・・と思うのだが。
やっぱり小学生が見ても分かるくらい、変だ。絶対間違ってる。
あとは思うところを。
怒りを過ぎて無我の境地でみてると、新解釈(無理やり)も生まれることがある。
主要人物以外書くことがほぼ無いし・・心を平穏に保とうといろいろ考えながら見た。
<何かを越えたオスカルとアンドレ>
アンドレ(未涼)とオスカル(早霧)はますます熱く濃くなってた。
なんか見ていて恥ずかしくなるほど濃いよ>「今宵一夜」
今まで見た中で一番濃厚なラブシーンという気がする。
歌舞伎テイストがより一層きつくなってるのに、なにこの濃厚さ。
よく分からんが、未涼さんも早霧さんも、何かを超越した気がした。
<ブイエ将軍の思惑>
ブイエ将軍(箙)は相変わらず、素晴らしい棒読みで。
ひらがなで読んでる・・と感じる程。
結構ドラマチックで、凄く感情を込めやすい台詞を、ここまで棒読みするのは、
もしかして意図的なのでは? 棒読みを超えた超棒読みには意味があるんだ。
ブイエ将軍って貴族側の一番の将軍でしょう?
だからその人物があまりに無能であることを観客に知らしめ、革命の意義を鮮明に。
貴族の馬鹿さ愚かさ無能さをしっかと見せ付けるために、敢えての超棒読み。
・・・きっとそうに違いない。そうしか考えられない。超棒読み万歳!
<剣豪ジェローデルからアンドレの役目を推測>
スウェーデン国境警備隊の場面。今日はじっくり見た。
ジェローデル(夢乃)の強さに圧倒される。惚れ惚れする軍人ぶりだ。
1幕から強くて直情径行のイノシシのような熱い男なのは分かってたけど、
いやホント強いわ。そういえば、彼はかばんを持ってるけど、剣は持ってない。
軍人なのに・・・国境を越えるから配慮してるんだろうか?
だが気付いた。剣なんて相手から奪えるからだと。自分で持ってなくても、
襲ってきた人物の剣を奪えばいいんだ!なんて効率的。なんて強いの。
武装した軍隊に囲まれ、槍で押さえられて。そこから相手の剣を奪って反撃。
それも自分とフェルゼン(壮)の分の2本をすばやく略奪。すんごい早業!
せっかく渡した剣をグダグダ言い訳して使わないフェルゼンを守り、また戦う。
一人で国境警備隊を相手に、一歩も引かない。しかも普通に会話しつつ(笑)
「ベルサイユ1の剣客」は間違いなくジェローデルだ。オスカル隊長はお飾の人形で、
近衛隊を実際に指揮していたのはジェローデルだったのだな。
オスカルが「私はお飾り着せ替え人形」と自虐していたが、その状況がよく分かった。
ジェローデルは全然そんな気は無くて、自分の出来ることを力一杯やってるだけだろうが、
それを見て己の力不足やら何やらで落ち込むオスカルに、アンドレ一人が気付いて、
「お前はよくやってるよ」とか、慰めてあげてたんだろうなあ。で、アンドレが、
オスカルと近衛隊、熱血ジェローデルとのつなぎを上手くやってあげて。
うわ眼に浮んだ。楽しいぞ。
そういえば衛兵隊を見ていてそう思ったんだった。オスカルが衛兵隊に転属してからも、
アンドレは隊員たちと良好な人間関係を築いてそう。頼りになる相談役か顧問?(笑)
このアンドレ、「オスカルしか見えない」では無いの。オスカルのために周囲を整えて
あげてるように見えるんだわ。気配り上等、深謀遠慮の人(それって軍師か?:笑)
・・・バスチーユの前の橋の上の場面ね。なんかあれさ、
アンドレ「お前たち!オスカルの言うこと聞いてやるんだぞ!いいな!」
衛兵隊「はい!アンドレの言うことに間違いないから、隊長待ってます!」
というように見える(笑)いや贔屓目入ってるけど、なんかアンドレが衛兵隊を
制圧しているようにみえてね(声が通るから?)。みんな橋の上注目してるし。
私の中でアンドレは、オスカルの参謀になってしまいました・・(大笑)
<アントワネットの評判・・・?>
そうそう国境警備隊の話をしていたのだ。
ジェローデルの圧倒的な活躍と、ウダウダしていたフェルゼンが剣を抜いたことで
あっさり国境を破る二人。スウェーデン国境警備隊、弱すぎ・・?
このフェルゼンが剣を抜く原因は・・スウェーデン人によるアントワネットの悪口大会。
これにフェルゼンが恋人として怒るんだけど、ここは普通ジェローデルが
自国の王妃の名誉毀損に怒る場面では・・なんて思ったり。でも彼にとっては
フェルゼンが剣を抜くのが最優先、理由は何でもいいから気にしてなかったか。
今日は罵詈雑言のひとつ「虚飾、欺瞞」が「巨食・肥満」に聞こえてしまい(大失礼)
牢獄で何日も食べて無くてもふっくらした王妃様だから、
普段は外国に聞こえるほどふくよかだったのか~とか納得してしまいました。
大変スミマセン。(でもエリザベートが異常なだけで、ふっくら王族は多いよね)
また話が逸れた。でもいいか、思いついたことを書くだけだから。
<フェルゼンの秘剣>
フェルゼンの剣の扱いさ、それ日本刀だ。
ジェローデルはフェンシングの体勢(剣は突くもの)をとってるんだけど、
フェルゼンの立ち回りは、「剣を斬り下ろし」てる。
西洋人は剣は突くものとして使用し、日本人は剣は斬るものとして使用している。
フェルゼンは留学してきた薩摩の武士から示現流でも伝授してもらったのか?
それとも秘剣村雨なのか? ・・東洋の秘剣を操るとは、恐るべし北欧の戦士フェルゼン。
ベルサイユの剣豪ジェローデルが一目置く人物だけあるね。・・ああ、だからはるばる
スウェーデンまでフェルゼンを誘いに来たんだね>ジェローデル。
なぜこの剣豪がフェルゼンを誘いに行ったのか、今日やっと分かった。剣友なんだ。
アラン(彩風)やベルナール(彩凪)じゃ頼りにならなかったんだね!
(ごめん。でもロザリーに叱られて、しょんぼりしてるくらいだしな>あの二人)
<フォン・フェルゼン家ソフィアの正体>
フェルゼンの家にジェローデルが来たときのこと。
執事は執拗に「お嬢様」を呼ぶ。客は坊ちゃまを尋ねてきたにもかかわらず、
「お嬢様、ハンス様にお客様です」と繰り返すのだ。
ハンスが「会ってみよう」と言っても動かず、ソフィアが頷くとやっと客を通す。
なぜハンス坊ちゃまへの客を通すのに、ソフィアお嬢様(夢華)の許可が
必要なのだろう・・・。その理由を考える。以下の事実から推測した。
ソフィアは「まあ珍しい、罪人扱いで監視付きお兄様に客?」
「礼儀のなってない客ね、お兄様でも一応貴族なのに」とかまあヒドイ言い様(笑)
この家の権力者はソフィアだ、間違いない。
ソフィアに牛耳られた家にいるのが窮屈で、ハンスはフランスに留学したのかも。
あんなに帰国を嫌がったのは、アントワネットのこと以外にも、ソフィアの君臨する
ところに帰りたくなかったからとか? そしてまたジェローデルの誘いを幸いと、
スウェーデンを脱出したのか。(実は監視役ってソフィアのことか!?)
国境警備隊がフェルゼンとジェローデルの国境破りを事前に知っていたが、
実はあれを通報したのはソフィア?!(ソフィアと執事しか知らないんだもの)
おそるべしソフィア。名誉あるフェルゼン家の汚点だもんね>ハンスお兄様。
にもかかわらず。ジェローデルと共に国境を突破されてしまったという知らせに、
「国境警備隊、使えんな・・・」とか、冷徹に国王に報告してそうだ(笑)
失敗した隊長(蓮城)は失脚か?ソフィア宛の弁明書必死で書いてたり。こわっ。
ハンスがフランスに居たがった理由が、もうひとつ判明した。
プチミュージアムへ行った
その前にキャトルレーヴに行った。ずっとずっとずっとずっとずっと(以下略)
「行け行けフェルゼン!」を歌う壮さんの歌声がエンドレスで流れていて、
さすがに疲れた。あの歌は、長く聴き続けるものではないな。なんか勢いつきすぎて
精力気力を奪われる気がした。帰ってからも頭の中から取れなくて(鞭を振る映像付)。
それに何度も聞いてると疑問も噴出。とりあえず、突っ込んでおくと。
「風を斬り~♪ 雲を斬り~♪ 遥かな遠国(とつくに)へ~♪」だよね。
「遥かな」って、先刻「もうそこがフランスとの国境だ」って言ってたよね?
「とつくに」って「外つ国」。島国でもないのに違和感ありあり。
第一スウェーデンからフランスなんて、近いし。
ついこの間までアンタが留学してたとこやん?そんな大層に言わんでも・・と
余りの繰り返しに思ってしまったのでした。
プチミュージアムでは、前公演『仁/Glod Spark!』の展示をしている。
あれ?見たことのない衣装がある・・? 誰の衣装??近寄ってみると。
「ヴィム(byカナリア)」「文四郎(by若き日)」と書いてある。
紛らわしいぞ~!場所分けて展示してくださいよ~悩んだじゃないか。
あと衣装のデザイン画ですが、今回は非情にあっさり。やはり『ドン・カルロス』の
時のデザイン画(の顔)に対する詳細な書き込みは、あの時だけだったのか。
場面の模型人形。全員が出ている場面をの舞台の模型を作り、中にそっくり紙人形を
そのままに配置して、舞台を再現したミニチュアコーナー。
『JIN』は「美しい季節」の場面だった。中央に仁先生と咲ちゃん。後ろに
火消しの皆さんと掏りの姐さんをはじめとする江戸娘衆、回りは江戸の庶民の皆様、
後方の台上に歌舞伎5人組。・・この場面、恭太郎様居ない・・と残念に思っていた。
すると娘が「ここにいる!茜ちゃんとふたり」と指差すので見てみたら、
右隅っこの幕の前に、恭太郎様と茜ちゃんが照れ照れなツーショットで佇んでいた。
良く見たら奥の階段上に、竜馬と佐分利さんも!(ごめん、居ないの気付かなかった)
ばあちゃんとか子供たち、酒屋の主人とメガネの丁稚、遊郭のご主人も分かりました。
全員居る!? ・・野風と外人の旦那はいないか。遊郭から出られんから仕方ないね。
この模型は好きなので、見に行くと必ず詳細に見てしまう。
となりには過去公演のミニチュアがおいてあり。なんと『EXCITER』だった。
(真ん中前に真飛ぶさん)、真ん中後ろ壮さん、下手未涼さん、(上手愛音さん)。
これに近いの、これから雪組で見られるのか。なんか・・世の不思議を感じる。
『仁』の登場人物が、色紙に好きな言葉を書いたコーナーがあった。
上段が、仁先生(音月)、勝先生(北翔)、橘恭太郎様(未涼)。
下段が、橘咲ちゃん(舞羽)、竜馬さん(早霧)、野風(愛加)。
それぞれ印象に残る台詞が書いてある。これを見て気付いたこと。
「84期だけは、書道の授業があったのか」。
上の3人は大人な筆跡で、美しい手蹟。下の3名は、読みやすいけど、
あまり字が綺麗とはいえない・・子ども?という可愛らしい字だった。
84期はほかに比べ、歌の授業や書道の授業が充実していたのかもしれない。
(他の期にもそれらの授業は必要だと思います!)
そんなことを思いながら見てると、横に居た年配の奥様から「上は大人の字ねえ」
という感想が聞こえてきて、「あ、やっぱり?」と相槌うちそうになりました(笑)
写真展示は、「過去のベルばら」と、壮さんの過去写真だった。
やっぱり壮さんの花時代しか知らないや。
私もこれから「雪組 壮一帆」に慣れないとな。