宝塚月組新人公演「PUCK」東京
2014年12月4日(木)18:30〜 2階11列上手
大劇場で月組公演を見たときから、「新人公演を見たい」と思っていた。
もちろん新人公演キャストが発表されていたから。
そしたら、某省の会議が12月4日東京と決定した。
これは私に「見に行け!」と言っている。そう理解して、行ってきた。
やはり思った通り。私は本公演より好みだった。特におじいさまとパック、
ダニーとラリーも。ヘレンのお父様も素敵だった。
おおむね新人公演の方が気に入った。パックの朝美さんの声と歌、芝居が
大変好みであることがわかった。珠城さんのおじいさまは超好み!!
私が思うおじいさまだわ!!見に来てよかった。大満足。
月組での楽しみができた。嬉しい。
「PUCK」 新人公演演出 上田久美子
演出家は違ったけど、ほとんどは本公演と同じ。ハーミアはほぼ同じかと。
お芝居が一番違った(と感じた)のがおじいさま。
パック、おじいさま、ラリー、ダニー。みんな台詞が聞き取りやすく、
歌が大変良かった。もう絶賛状態です。私好みの歌だったのです、この方々。
逆に、本公演の方が好みだったのが、ヘレン、ボビー、かな。
では印象に残った順に適当に。
パック(朝美)
素晴らしく可愛らしい。歌が巧い、芝居がこまかい。こんな可愛い顔した
実力派を隠してたのか!月組は。(いや隠してないでしょうけど)
もともと「奇麗だなあ」と思ってみていた。ぱっと目に付く美形だから。
でもお芝居をじっくりみたのも、歌なんて、今日初めてじっくり聞いた。
ものすごく良い声されてますね? 龍さんのパックは歌がいいけど、パックの
台詞のとき(高い可愛い声)と歌うときの声(低い声)のギャップが激しくて、
時々「え?コレパックの声?」と思うことがあった。あまりに声が違ってて。
でも朝美さんの声は、台詞も歌も、「同一人物の声」として差がなかった。
純粋に可愛いパックも、人間を知りシリアスになるパックも、歌うときも。
全部同じパックとして聞くことができた。(今日朝美さんのパックを見て
初めて龍さんのパックの時に感じた違和感の正体が分かったのだ・・・)
目鼻立ちのはっきりした美形だけど、表情もまた豊かで。いろいろと感情が
出てくる。声を出せないプックのときも、雄弁に語る。新人公演だけど、
しっかり伝わってきた。朝美さんのお芝居ってすっごい私の好みだった・・。
アドリブも効いていたし、タイミング「間」もよかったの。
はは、絶賛ですね。次の本公演から、役がつくと嬉しいなあ。
グレイヴィル卿(珠城)
素晴らしいおじいさま。本役の飛鳥組長は、実は声があまりよろしくない。
意外に高い声をされていて、怒鳴ると割れることが多い。私はそういう声は
あまり好まない。また飛鳥さんは優しすぎて、どうもこのキャラとあわない・・と
以前大劇場で見たときにも感じていた。(飛鳥さんは役を選ぶ役者だと思う)
本日、私の理想とする、私が「この人がグレイヴィル卿!!」と思う方を見た。
珠城さんの芝居はもともと私の中で大変評価が高い。だが、今日また上がった。
こんな老け役の難しい役を、なんて立派に。感涙もんだわ。
頑固で、信念のある老人。声も低く権威があり。落ち着いて話すのに、怖い。
両親の居ないハーミアを心配し大事に思っていることがよくわかる。それを
みたレイチェルが、「ハーミアばかり可愛がって」と誤解し、父娘関係が
拗れていったのが見えた(気がした)。似た者(頑固)親子というのがわかる役作り。
なかなか背景が見えてきて、私は大絶賛のおじいさま。なぜあんな投資話に
乗ったのかも理解できる。ほとんど笑わないけど、本当は優しいのがわかる。
とりあえず、大絶賛のおじいさまでした。珠城さんは本公演でも大活躍で。
私はこの人の歌声が安定していて、とても安心して聞けるから好きなのだ。
将来に大変期待が大きい人だが、ますます大きくなりました。
ダニー(輝月)
立派なダニー。凄腕経営者という貫禄が出てる。その彼が唯一手に入れられず
奸計を弄してまで手に入れようとしたのがハーミア。その辺りがとても良く
わかった。実はダニーは本役の美弥は結構好きな役作り。しかし、ちょっと
おぼっちゃまっぽくて・・・貴族じゃないという部分や、強引さが足りないと
感じていたところ、輝月さんがそういうダニーを見せてくれました。
ダニー強引だよ、成り上がりだよ、貴族じゃないよ、有能だよ・・と列挙
したくなる。あとは歌。やっぱり輝月さん安定していて巧いわ。
歌詞もしっかり聞き取れました。
ラリー(蓮)
声がきれいで歌詞が明瞭!爽やかで素敵なラリー。イメージ通りというか、
ラリーってこういう地味だけど堅実な人なんだと思った。
蓮さんって初めて名前を意識したけど、こんなに巧い人を隠しているとは。
ラリーもこっちのほうがいいなあ。新人公演、ほとんどの人が本公演より
歌が安定していて、歌詞が聞き取りやすかった。2階後ろから見たのに。
素晴らしい。
ボビー(暁)
声が高いのかな、まだ若いのかな、ちょっとワイルドさの足りないボビー。
きっと本役の珠城さんがワイルドさが全開だからだろう。「労働者出身バンド」
「肉体労働で鍛えたこの体」と言ってるけど、暁さんはあまりその台詞が
似合わないよーな。珠城さんだと「うん、うん」って納得するから(笑)
お芝居もまあまあ、歌も。声が聞き取りにくかったので、私の耳とは相性が
よろしくないのかもしれない。
ヘレン(早乙女)
もともと美人さんだから、そばかす書いて、変な髪型にして、がんばってた。
でもね、ヘレンって歌詞からすると「美人」だよね? ♩美人になりたい〜
ミスユニバースになれるかな〜♩ 玉の輿でセレブになるの♩とか歌っている
ので、顔に自信があるタイプと見た。つまり「なんで美人の私じゃなくて、
あんな変な地味な子=ハーミアがモテるのよ?可笑しいじゃん」と思っている。
だからダニーに気づかせてあげようと躍起になって迫っている(笑)
だからヘレンがブスだったら、台詞とあわないよ。顔が奇麗じゃなければ
もっと自信がなくて、違う性格になるような・・ハーミアに対しても。
だから「美人で常識人ヘレンVS 妖精が見える不思議ちゃんハーミア」という
図式なのだ。沙央さんのヘレンはそういう役作り。だけど新人公演のヘレンは
違う。容姿がアレだとちょっと・・・そうなると上の図式が崩れる。
「不細工な不思議ちゃんヘレンVS妖精が見える不思議ちゃんハーミア」という
感じになってしまい、不思議ちゃん対決になっている・・?
このヘレン、ちょっと頭の弱い子に見えるし・・。
やっぱりお芝居の「間」とか、動きや台詞回しなんかは本役の沙央さんの方が
好み。絶妙だで、より笑える。ヘレン役って結構難しいのね。
娘役がやることで、返って動きが荒々しくなってたのも面白い。
沙央さんは男役だから、より女らしい動作になっているのかな〜。
ハーミア(海乃)
本役と同じに見えてしまった。感じも似ているし、台詞回しも動きもそっくり?
なんだか新人公演を見た気がしなかったです。
海乃さん、前髪をあげてヘアバンドというヘアスタイルは、あまりにあってない気がした。
歌はいいですね。
ヘレンの父マシュー(煌海)
いや〜巧かった。本公演でも面白い役だけど、新人公演の方は、
それに輪をかけて面白かった。アドリブも多くて、それが決まってるの。
センスがいいんだな〜と思いました。今回とても気になった方。
オベロン(春海)&タイテーニア(晴音)
本役さんがとても似合っているからどうかな?と思っていたら、
こちらはこちらでお似合い。オベロンの迫力はありゃあ星条さんでなければ!
というところなので、それは考慮数として。
迫力にはちょっとかけたけど(本役があり過ぎ)
なかなか威厳あるオベロン様。タイテーニア様の歌もちゃんとクラシックを
歌えていたと思う(そりゃ本役にはかなわんが、十分聞かせてくれた)。
本役よりややマイルドなご夫婦でした。
最後のご挨拶。珠城さんは見事なご挨拶。なれてる〜もう本当の組長みたいだ。
朝美さんは、用意してきた挨拶を一生懸命話していた。言葉も明瞭で、しっかりした
挨拶だったんだけど、時々かんでは謝って言い直す(笑)律儀だ。可愛いよ〜
可愛らしいお顔の割に、大変しっかりした人なんだろうなあと思った。
珠城さんとはまったく持ち味が違うので、並び立てて使ってあげてほしい。
っていうか、私が見たいのよ〜こういう美しくて巧い人が揃った舞台を!
なにせ、パックとおじいさまに注目してしまったので、もう目が足りない。
これを1ヶ月やってほしいと思うくらい、私の好みだった。
朝美さん、95期ですね、ほんとうに豊作な期だわ♩
豊作でもみんなちゃんと評価してあげてほしいです。
やりがいのある役をこれからもみたい方でした。
もちろん珠城さんも。月の未来に大きなる期待が持てました。
新人公演前の本公演も見ました。大劇場で見たきりなので忘れてたら・・と
思ってたら、思いの他会議が順調に終わり、時間があったので当日券に並んで
見ることができました。それはまた別のところに書こうと思います。
大満足の新人公演でした。さて仕事いってこよっと〜。