2006年8月25日(金)宝塚大劇場 1階14列下手センター

「愛するには短すぎる」(演出脚本 正塚晴彦・原案 小林公平)
良くも悪くも正塚作品らしいなあ、というのが私の感想。
正塚先生、華やかなことが得意な演出助手をつけたらどうかなあ、と思うのよ、最近。
いつもとちょっとテーマ違うけど、コメディだし、あと矢代さんが出てなかったくらいかしらね?>違い。
これってコメディよね? 
わたるくんととうこちゃんのコメディが見られて嬉しい。
二人ともとってもコメディのお芝居が上手なので、とっても楽しかった♪
ちょっとだけ「SAY IT AGAIN」を思い出した。(ああ、私らしい)
あとダンディズムに予算取られてしまったのかしら・・。舞台がシンプルすぎ(哀)
豪華客船なんだから、パーティ場面でも白い壁ばっかりはちょっと・・ねえ。

では主要人物について。

<フレッド(湖月)>
孤児から大富豪の後継者(養子)になったいわゆる成功者。美人の婚約者もいるし、留学先のロンドンから帰国すれば華やかな人生が待っている男。そのわりにちょっと生真面目。
わたるくんらしい、真面目で熱い男!もう真剣な表情に間が最高で、大笑いしてしまいました。舞台装置は白くてシンプル、背景は海なのか青ばっかりで暗いのだけれど、フレッドとアンソニーとジェラルドの掛け合いは楽しく明るい!(背景まで明るく見える?)
正反対の性格の親友アンソニーとの掛け合いが最高!こういうの、見たかった。
ラストシーンからすると、バーバラのことをあんまり吹っ切ってないけど、婚約者と結婚してまじめに経営者していくんだろうなあ・・。愛と情熱があっても道を踏み外さないで想い出に変えていくっていうのもロマンチックな人生の選択肢なんですね。宝塚的には例外っぽいけど。
(「宝塚」なら、それまでの決められた人生を捨てて愛する人と一緒になるという結末が一般的だろうなと思うのですわ)
何十年か後、ブロードウェイの大女優バーバラのために、その夫・劇作家アンソニーにそそのかされて(?)大劇場を建ててそうだね。バーバラはやっぱりアンソニーに感謝するの(笑)
で、跡継ぎの息子に怒られるフレッドが目に浮かぶ(妄想炸裂^^;)

<バーバラ(白羽)>
豪華客船のダンサー。フレッドの幼馴染。母の看病のため夢をあきらめて故郷へ帰る決意をする。でも女優になる夢は捨ててないと見た。根性ありそうだもの。
フレッドと相思相愛になるのに、彼の幸せな人生を思って身を引く。大変潔い身の引き方で、あんなふうに言われたら、後を追いかけられない。追いかけるにはアンソニーレベルの陽気な強引さが必要かも(笑)
彼女はいつか夢をかなえるでしょうね。フレッドが彼女のために大劇場を建てたとき、やっとすべてが思い出に変わるのかも・・。

<アンソニー(安蘭)>
フレッドの親友。かなり楽天家で思うままに生きているが、頭と要領がよさそうなので、人生を乗り切れるタイプ。お得な性格ともいえよう(笑)。
バーバラの件も解決してあげたし、いつの間にか盗難事件を解決しているし。彼がいないとストーリーが進んでない>結構活躍してるんだよね。
ラストシーンは、バーバラを追いかけていった風に見えた。こういうタイプは得てして人生上手く転がっていくので、きっと脚本は採用されておりあっといまに成功するのかも知れない。
で、ちゃっかりバーバラと上手くいき・・悪びれなくフレッドに報告したりして。フレッドはいいヤツだから、心から祝福するんだろうなあ。で、お祝いにまた舞台に出資させられるとか(ああもう止まらない:笑)
なんか久しぶりに明るい役を見たような気がする。こういう安蘭さん、好きだなあ。
わたるフレッドとのコンビが最高に面白かった。声いいよなあ♪

<ジェラルド(未沙)>
フレッドの養父の執事・・・というよりフレッドのお目付け役。
実は「影の主役」だと思う。彼がでてくると笑う。なんて素晴らしいお芝居をなさるのかしら!
フレッドとは最高の間ですね。ジェラルドが出てくるだけで、笑いを期待してしまうほど。
なくてはならない大事な役者さんです。

<フランク(柚希)>
バンドマスターで、バーバラに金を貸して、言い寄っている男。結構いやな迫り方をしていたので、そういう口説き方は最低だぞ、と忠告してあげたい。最後は、アンソニーに追い詰められて引いてしまうのだけれど。そういえば、フレッドには勝っていたけど(フレッドが引くからだけど)、アンソニーに負けたんだ。今回笑いの場面でも一人シリアスな芝居していたような気がします。うーん、成長しましたね♪先が楽しみです。

他にもいろいろ感想ありますが、ストーリー進行上主要人物ってこのくらいかしら?さすが正塚先生(^^;)。
いちゃもんみたいだけど一言。「愛するには短すぎる」って、4日もあるじゃない。
「ロミオとジュリエット」は1日なのよ! 頑張れ!(誰に?)

「ネオダンディズム」(作演出 岡田敬二)
幕開きからすごいゴージャス。大階段に男役が勢ぞろい!うわー贅沢、壮麗!
きらびやかなチャイナ風の衣装が似合うの、わたるくんってば♪
ああいう裾の長い衣装を裁きながら踊るの、素敵だ。似合う。かっこいい。
そして、ダンディズムのあの曲。一瞬、真矢みきさんが見えた!(頭の中に)
懐かしくて懐かしくて。11年前の「ダンディズム」を見たときの感動までよみがえるじゃない(条件反射か?)
ガウチョの場面、トウコさん歌、レオン君がダンス、役割が的確で嬉しい。もちろんわたるくんは真ん中なので両方ね。こういう衣装も似合うね。(だが「タンゴアルゼンチーノ」を思い出したよ>タモさんの衣装~って)
キャリオカの場面、豪華でよかったね、正統派って感じ。ロケットも凝ってた。
全体に、とても見ごたえがあり、さすが!という感じのショーだった。もう一回みたい。

今回星組公演見ていて、「マミリカ」時代の月組みたいな感じがした。きっとトップと2番手が突出してて、その下の若手スターとに落差があるとかかなあ。場面の芯をとってるのは、わたるくんかとうこちゃんだけだったような気がするのです。フィナーレの階段下りでも、一人で下りてきたのは安蘭さんからだものね(「から」ってトップコンビ以外一人だけやん状態)。
このあとこの組はどうなるのかなあと思った。若手いっぱいいるんだろうけど(いっぱいでてた)あの方たちが一人降りできるようになれば、すごいキラキラした組になるかな、と期待。
今回は、「私好みの若手」が発見できず。まあ安蘭さんは昔から見てる人で愛着あるし、白羽ちゃんは初舞台から注目してるし、ちょっと応援していこうかな。というところ。