2012年6月1日(金)
映画「宇宙兄弟」
TOHOなんば
映画の日に行くのは久しぶり。結構いっぱいでしたね。
「宇宙兄弟」を見てきました。
(いや微妙に時間が空いたんで、以前ココで教えてもらったのを思い出し・・感謝です)
良かった! 原作は全く読んだことがないけど、全然問題なし。
2時間半できれいにまとまっていた。
テーマが明確で、登場人物を絞り込んでしっかりと書き込みがされている。
その登場人物に不要と思われる人がいない。これも嬉しい。
これは学校で子どもに見せたらいいんじゃない?と思った。(特に中高、大も)
JAXAの支援で全国の子どもに見せるべし!技術立国日本の未来のために。
予算削ってる場合じゃないわ。
あまり正統派ではない感想の上、ネタバレあります。
えーまったく予備知識無く見にいき・・誰が出てるかも知らなかった(失礼)
若い俳優さんには疎いんで・・エンドロールでやっと弟が岡田将生さんと知った。
すみません。・・・そして「どっかで見たことあるけど思い出せない」と思っていたのが
井上芳雄さんだった。フェイントかけられた気分(歌ってくれたらすぐ分かったのに?)
兄弟の子ども時代がかなりたくさんある(重要場面)。この子どもたちが似てる!
あの子達が大人になった・・と言われなくても、大人の小栗&岡田兄弟と違和感ない。
良く探してきたねえ、あんな似た子達。この違和感のなさも良かった要因。
ストーリーとテーマについて。
子どもの頃の夢を憧れで終わらせず、真面目にまっすぐ努力を続けて夢をかなえた弟
夢を忘れ違う夢を持って人生を歩んでいた兄・・が、兄が挫折したそのときに弟から
昔の夢の実現を、子どものときの約束の履行を要求させる。ごく自然に、当然に。
そして兄もまたそれに応え、二人で夢をかなえる。夢と努力と、支えあうことの大切さ。
いいテーマだ。メッセージが明確だ。その「支え」が「家族」であることがイイ。
(これがアメリカ映画なら、絶対に「彼女」が出てくる。比重が女>弟になるね。)
宇宙開発史&兄弟の幼い頃、そして現代と、結構交錯するけどまったく混乱しない。
構成がいいんだな、きっと。脚本がかなり凝ってて、私は感動できた。
??が飛ぶような納得できない台詞、不要な台詞が無いような気がするほど。
クライマックスまでギリギリ引っ張って引っ張って・・最後はあっさりパーンと切る。
もちろんハッピーエンド。ラストの数コマの静止画像で余韻を味わう。
このニクイ構成!いよっ!・・・まあ絶賛ですね。私こういう終わり方大好き♪
兄の六太も弟の日々人も、まっすぐに生きているその姿が美しい。いい兄弟だ。
あの平凡そうな両親の教育も良かったんだろうと思われる(しかし変わった名前だ)
夜に子ども二人で出かけるのを許すとか、JAXAに通い詰めるのを許可するとか、
大人になってから失業した息子に手厳しい言葉とか・・・南波家かなり自由度が高い。、
ええ?!と思わせる突き放しっぷり。それが勝因なのか?
また普通こういう年齢の近い兄弟(年子かと思ったら3歳違いなのね、驚き)なら
互いにライバルになってしまい、喧嘩したり張り合ったりと仲が悪くなりそうなのに。
それなのに。優秀な弟は幼い頃からずっと、いつまでたってもまっすぐに兄を信じ尊敬し、
兄はそんな弟の成功を喜んでやれる度量を持つ。兄も世界に誇る日本の自動車メーカーの
最先端部門(カーデザインだっけ)の技術者なんだもんな。普通に優秀だよ。
・・・いったいどうやったらこんな素直で仲のいい兄弟が育てられるの?
どうやったら、こんな日本有数の優秀な兄弟を育てられるの~???
全然教育熱心に見えなかった、ごく普通のあの天然パーマのお母さんに、
心から真剣に聞きたかった(なんて母親目線な感想でしょう:笑:でも真剣です)
目線・・というと、私はこの映画、堤真一さん演じるJAXAの職員に共感して見てた。
自分は最前線は引いている、だけど現場は離れず、自分が到達できなかったさらに先に、
次の世代には進んでほしい、そのために厳しく、暖かく見守る。―――ってスタンス。
また堤さんがいい笑顔なんだわ~小学生兄弟がJAXAに通ってるころから。
この人がいたから、この兄弟が宇宙飛行士になれた、影の大恩人では。
この映画を見て、六太や日々人に共感してほしい。夢をかなえるための努力をして
欲しい!・・と思うものの、私はもうサポートの側なんだなあ、と思い知らされたかな。
最前線に立ってるときは、それはしんどいのだけど、心地よい疲労感があるというか
使命感があるというか・・一線を引いて後方支援になると精神的にも体力的にもずっと楽。
その余裕を持って、夢(とロマン)は忘れず今度は後輩育成にかかると。
まあ社会はそうやって上手いこと回っているのだな(笑)・・・てなことをしみじみ思ってました。
なんか映画の感想としては変ですな(笑)
親目線、保護者目線で、見ていましたので、
「六太も日々人もイイ子で。もう可愛くて可愛くて!!!」
ラストシーンは「良かったねえ(感涙)」と母or教師視線になって涙ぐむ、と。
あ、ついでにケンジ君(井上)も可愛かったわあ、あの落ち着いた大人っぷりが。
冷静だし、真面目で紳士。洞察力にも優れ、心の機微もわきまえてる。
もう2歳の娘さんがいるのよね。奥さんと娘さんが見てみたかった。
(彼の妻子すら出ないとは!さっすが、この割り切った脚本がいいね)
京都大学のあの関西人君へも「もう突っ張ってからにあの子は♪」と、親目線でした。
女医さんには「優秀ねえ、お父様も喜んでるわよ、でも結婚はどうするの・・?」なんて
いらぬお世話を考えたり(これは南波兄弟にもだ。ぜひ結婚して優秀な子孫を残して!)
陰気で冷たい真面目君も、さり気におじさんを励ましてあげたり・・テレ屋なんだなとか。
おじさんも・・3回目って!54歳で最終試験って・・!優秀なんだか駄目なんだか
良くわからん人だ。54歳は・・ちょっともう諦めて若い人に譲ったほうが・・と思った。
彼に一番共感したのは「細かい作業に老眼は辛いよね」って場面だな(笑)
六太、かっこよかったよ。あなたの生き様に共感した人、勇気付けられた人は多いと思う。
かっこ悪いところも、ひっくるめてカッコいい男だった。試験最後の場面、懐の大きさを
感じたなあ。イイ男だよ。
日々人、好みのイケメン!!(笑) 迷いの無い瞳が素敵だったわ。明るくて、強い。
アメリカでも日本でもきっと好かれる。イイ男だね。(絶対モテモテのはず)
ということで、大満足でした。
超どうでもいい感想。アポロ13号と聞きJFKの演説をみると、どうしても
「♪ア~ポロ♪ア~ポロ~♪」という一路さんの歌声が聞こえてくる(^^;)
せっかくだから芳雄くんに歌ってもらっても(挿入歌とか)なんて思ったり。
昔のヅカファン以外には全然わかんないですね(笑)