明日の仕事のために、今日から東京入り。
日比谷に来てますが、観劇は出来なかったので、また次回。
東宝側は宝塚ファン、クリエ側がジャニーズファンで、ごった返してました。
ヅカファンの自主的整然さ・・・すごい訓練されてるね(笑)とか思いました。
ではちょっと前に見たものですが、「ボストン美術館展」の感想を。
最近忙しく、全然時間が取れなかったので今頃ですがアップします。
面白かったのだわ。
ボストン美術館にある日本の美術品が帰ってくる!といううたい文句。
時間が空いたので見てきました。なんだか気持が落ち着いてくる感じで楽しかった。
美術品には全く詳しくないので、単なる雑感だけど書いておこう。
2013年5月17日
大阪市立美術館 「ボストン美術館 日本美術の至宝」展
ポスターにもなっている龍「雲竜図」。これはふすま8枚が連なった巨大な絵。
(実は頭としっぽの間に胴体のふすま4枚もあったらしい。どうりで寸詰まりな龍だと)
まあ欠けた胴体は画面外でも十分納得できる迫力。あれを墨の濃淡だけ(つまり一色)で
描くとはすごい。感動もの! 龍のちょっと情けなさそうな目と表情が可愛い。
「龍虎」の双屏風の龍はしっかり凛々しい顔してるのにさ。
(出口の売店で、龍と虎のぬいぐるみが売ってた。可愛い・・やっぱり龍は寸詰まり:笑)
でもこのすっとぼけた表情がいいねえ。そういえば相国寺の天井の鳴龍も可愛かった。
東洋では特に日本では龍は愛されているんだなあ(笑)とか思ったり。
あとはこの雲竜図の作者、曽我瀟白さんの作品がとても面白い。ちょっと西洋風な感じが
する(点描派みたいな)が西洋人に受けたのかも。コレクターのフェロノサとビゲローが
集めまくったみたいでした。全部モノクロ画なんだけど、独特の味があって面白かった。
西洋画は画面の隅っこまで色が塗ってあり、多色使いが普通。だけど日本画は空間を
活かしていて、色も黒(墨)の濃淡で一色。色のある作品でもそんなに色が主張しない。
そういうイメージ。見ていて気持ちが和む。
私も日本人だからか、美術展なのに、
「こういう襖や屏風が置ける部屋があったらいいなあ。」
「和室において眺めて暮らしたいわあ」とか、落ち着く。
(西洋画だと、どこに飾っていいのかわからん、という作品が多いのだ。
すごーい!!とは思うものの、欲しくないというか。・・誰もくれないけど)
次に気になったのが「絵巻」。スーパーヒーロー吉備真備が唐で大活躍する物語とか。
みていると、まるで現代の漫画(いわゆる劇画)。吹き出しの台詞がないだけ。
すっごく細かく書き込まれてるし、時系列でずっと読めるの。時々、文章が入っててね。
日本人って、こんな昔からこういう物を読んで楽しんでたのね。今の漫画のルーツやね。
あとは仏像。これもなかなか色合いも表情も落ち着いた佇まいで、見ていて和む。
金ぴかに極彩色の仏像やら仏画は、やはりちょっと・・私の好みではないなあ。
今回の展示を見て「これが日本人」ってアメリカ人に思ってもらったらいいわ!と
思えた。集めた方(フェロノサ氏とビゲロー氏)はなかなか趣味がよろしい。
最近の美術展には大抵ある「映像15分」みたいなのを、今回も見た。
あまり新たな発見や驚きということはなく。
「なぜこれらの美術品がアメリカにあるのか?」という疑問に答えるような内容
(要するに明治政府の廃仏棄却から救い出す)になっており、
「へーそうか」と納得。日本にないのは残念と言えば残念だけど、
大事に大事に保管してもらってたみたいでよかった。