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宝塚雪組「ONCE UPON A TIME IN AMERICA」 [観劇感想(宝塚)]

宝塚雪組「ONCE UPON A TIME IN AMERICA」
2020年1月11日(土)11時 1階1列サブセンター

雪組公演、すごく良かった。かっこいい!!の一言。
望海さんのここまでかっこいい場面を見せてもらったらもう悔いなし。いえ何度も通わないと悔いが残る(どっちや)。1幕ラストは、これぞ男役集大成という雰囲気。
2幕は孤独と哀愁と時間を背負った背中が素晴らしい。相手を務める奏乃さんとの会話がイイ。そして彩風さんとのラストシーン。言葉に出さない台詞が多すぎて、頭の中あと2時間くらい上演時間が必要。こういう「行間のつまった作品」は久しぶり。役者の演技力が素晴らしいのも大きいけど、余韻が残る大人の作品が味わえたのが嬉しい。
良質の映画そのままを生かした舞台ですね。久々にプログラム買ったくらい、凝ってた。

202001雪昔アメリカ正.jpg

ミュージカル
『ONCE UPON A TIME IN AMERICA(ワンス アポン ア タイム イン アメリカ)』
Based on the motion picture Once Upon a Time in America (courtesy of New Regency Productions, Inc.) and the novel The Hoods written by Harry Grey.
脚本・演出/小池 修一郎


なんか絶賛ですが、演出とお芝居と装置や衣装は最高。歌はみんな巧くて聞き応えがあるけど、印象に残るテーマ曲がなかった感じ。あとで思い出せない。あと2~3回見たら覚えられるのかも?
私の好みの演出をされる小池先生だし、小池先生の原作付きは大好き。デボラとのデートの「リムジンお迎え」から「赤薔薇の中で一人」の1幕ラストに至る演出は、宝塚史に残る名場面として(私の)記憶に残るレベル!美しいという言葉では表現できない。

ヌードルス望海さんの芝居も歌も最高だけど、マフィアスーツは最高にかっこいいし、マックス彩風さんのスーツ姿もスタイルの良さが際立って素敵。ラストシーンは言葉少なくても多くを語っていた。デボラ真彩さんも芝居が上手いし、スターとして成功するのが納得の才能と努力が見え、それでも・・・という社会の壁が感じられて。キャロル朝美さんの美しさと健気さ。こんな歌の上手い超美女にここまで愛されて、恋人マックスは良心の呵責はいかほどか。ジム彩凪さんも語られてない人生が2幕で一気に噴き出す。ジムとマックス、デボラの話(2幕)をじっくり見たい。別箱でやってくれないだろうか?と思うくらいよ。
ということで、かなり堪能した。登場人物はとても少ないけど、通し役ではないけどちょいちょいと目立つ役目があり、それなりに活躍の場があった感じ。何回も見たい。そして一度2階センターから見たい。絶対に照明もいい仕事していたはずだ。



ヌードルス/望海 風斗
ユダヤ移民の子。ロウア―イーストサイドで、いつか頂点に上り詰めたいという野望を持った賢い子。そこはまあ貧しい移民の子なので、やんちゃにスリやったり禁酒法時代なので違法な稼ぎを手伝ったり裏街道寄りを生きてるけど。親友たちと楽しそうに夢をもって生きていた。対立するグループのリーダーに一番年下の親友ドミニクを殺され、かっとなって殺した相手バグジーを刺殺、さらに止めに来た警官まで刺すという逆上っぷり。この辺りはほとんど「ロミオとジュリエット」だけど、ロミオ以上の激しい行動は、さすが厳しい環境に生きる子だと思わせる。
刑期を終えて出てきたあとも、親友たちが始めた地下酒場に迎え入れられ、裏の世界で頭角を現していく。でも彼自身は、まとまったお金を作って愛するデボラが望む表世界で成功したいと考えていたように感じる。普通にやっていては、殺人の前科のある移民の子が成功するわけがないのもわかって、デボラの希望との間で焦燥があるような。でもデボラが容赦してくれると思って、彼女の少女時代の夢を可能な限り叶えてみたが・・結局、デボラはどうしても彼の裏の生き方を容赦せず、金のない男は受け入れず、破局してしまう。そこで1幕ラスト。ヒロインとの恋愛、そしてヌードルス主軸の物語は1幕で終焉した。
2幕は、マックスたち仲間との物語。2幕の主役はマックスにしたほうが分かりやすいと思うくらい、マックスの動きを中心に話が進む。制止する立場のヌードルス、その後の悲劇。あとは、何も知らされず良心の呵責に苛まれて苦悩する望海さんを堪能し、少しずつ明らかになる事実に振り回されるヌードルスの複雑な心境を楽しめる。眉間の皺がカッコイイのだ!白髪すら麗しい。そしてすべてが明らかになり、殺してしまったはずの旧友と再会。その会話が堪らない!こういう行間のお芝居ができる役者は大好き。もちろん脚本も良いけど、役者に力量がなければ、あっさりシーンで終わりそうだ。望海さんの力量を堪能した。
2幕のヌードルスは、背中に哀愁を背負っていて、苦悩していて、望海さんの本領発揮ですね。マフィアスーツもお似合いで、魅力全開。ほんと美しい男です。今回むちゃくちゃ良い席で魅せていただいたのですが、至近距離で見ても美形で、恐れ多かったです。


デボラ/真彩 希帆
同じくユダヤ移民の娘で、歌が上手くてブロードウェイのスターを目指している。実際にとても努力していて、まじめに表街道での栄光を目指している。オーディションを受けて合格し、ロウア―イーストサイドを脱出する。その時に、幼馴染のヌードルスから赤いバラの小さな花束をもらい、彼との愛を知る。彼を愛しているけど、それ以上に自分の夢(スターになって生まれた町を脱出する)が大事だったデボラ。最後までヌードルスへの愛より、自分を大事にした人。あまりヒロインらしくないですよね・・宝塚のヒロインは、自分がない人が多くて、自分が大好きなのはエリザベートくらいかな?このデボラもエリザベート寄りの珍しいヒロインだ。彼女が尊敬できる表街道の人が恋人なら、とても良いパートナーになったでしょうね。恋人より、有名プロデューサーを選んだけど、愛はないから利用されるだけでみじめに終わってしまった。恋人からの愛を踏みにじったことを後悔もしたと思うけれど、一言も弁解しなかった。悔いる言葉もなかった。赤い薔薇のプロポーズを断った時から、二度とヌードルスに会う気はなかったように思える。プライドは高い。自分で自分の責任が取れる強さを持った人だ。でもとても虚しく哀しくて、心の内で泣いているのが分かった。記者会見の場面。セリフにない心の動きがわかる。
壮年期も、マックスのもとでキャロルを見舞う姿にも、複雑な思いを見る。きっとマックスと色々と辛い会話があったのだろうなあと思われる。真彩さんも芝居上手い。至近距離で見たら、胴回りが細すぎて、内臓全部入ってるのか心配になった。
歌はやっぱり絶品ですね。オーディションに合格するのが納得。スターになれる人!と思える。なんでサムは彼女を見限ったのかね~もったいない。
リムジンで迎えに来て、純白の豪華なドレスと、海の見えるレストラン貸切で、プレゼントは王冠、赤い薔薇を敷き詰めてプロポーズ。・・・あのイケメンのいい男(しかも両想い)にここまでされて断れるとは、本当に意志が強い。私ならよろける。たいていの女はよろけると思う。冷たいほどきっぱり自分を持っているから、自分の夢を追うデボラが許せるってものだ。


マックス/彩風 咲奈
引っ越ししてきた同じユダヤ移民の子。ヌードルスよりさらに家庭が厳しそうだ。真っ当な家じゃない。とても頭の良い子だから、いろんなことが見えている。だから最初から裏街道での出世をめざした。ロウア―イーストサイドを抜け出したいのは、デボラといい勝負。デボラの意思の強さと同じくらいの強さを感じるマックス。彼はデボラよりも仲間を大事にしている。何となく、彼が自分と対等と考えるのはヌードルス一人で、ほかの3人(ドミニクも)は部下のような雰囲気。全員わかっていて、上手くいってるからいいけど。
彼は父親が狂死していて、その恐怖がずっと付きまとっているみたい。精神的にかなり厳しい状態で生きてるんだろうなあと思う。だから無茶をやるのかも。キャロルという彼を心から愛して大事に思ってくれる素敵な恋人ができたのに、不安から彼女につらく当たり、危険へ突っ走る。キャロルが言う通り、未遂で捕まりしばらく刑務所に入って頭を冷やして、キャロルと落ち着いて生きていけるようになっていたら、もっと穏やかで幸せな人生があったのに、と思える。
結局、あの爆発で「マックス」は死んでしまい、キャロルとの未来もなくなった。別人として出世したけど、彼の心境は幸せとは程遠かったのではないかと思える。ヌードルスとの友情の証のようなあの懐中時計を32年間大事に大事に持っていた。時折取り出し、ヌードルスやキャロルのことを考えていたのだろうと思う。「マックス」の人生そのものである時計、それをヌードルスに渡したということは、マックスを捨てたということ。マックスのないベイリー長官は生きることができない、懐かしい彼に殺してほしかったのか。
壮年期(25年後)に再会したマックスは、ヌードルスに謝る。密告のことを知らなかったとは思えない。恨んだことがないわけはない。25年の間、考え知り、そして実際にヌードルスの顔を見たときに、謝った。あのごめんには多くの意味が込められていたのだろうな。ああ複雑。だから2幕はマックス主役で別箱で見てみたいのだわ。
あの懐中時計、素晴らしい小道具として、いろいろなものを象徴してました。マックスもすらりとかっこよかったけど、彩風さん芝居上手くなったわ~と思ってみてました。

キャロル/朝美 絢
マックスの地下酒場の歌姫。ものすごい美女で歌も上手い。あんなに美人なのに、傲慢なところもおバカなところもなく、情に厚くて優しく賢い。妻にしたら最高の美女があんなに熱愛してくれるのに、マックスのバカ・・・と思う場面が多々あった。
彼女も孤独な育ちなのだろうなあと思う。マックスだけを見て、彼だけを愛して、二人で幸せになりたかった。だけど男は愛よりも、自分の運命への復讐を選んだ。デボラと似てるよね、マックス。
結局、最後はキャロルの愛が仇となってマックスは死ぬ。キャロルは、愛する人を自分が殺したと知って、正気を失う。精神が耐えられないよね。この人が一番純粋で、良かれとしたことが真逆になってしまい、彼と一緒に死んだと同じ人生だった。しかも彼生きてるし・・それを知らないまま、近い将来に死ぬのだろうなと思う。本当に可哀想な人生だった。マックスは彼女を見て何を思ったか?問い詰めてやりたい気分だ。
クラブの歌姫の時の美しさと色っぽさ。男役とは思えない美貌とスタイル。すごい!声も普通に娘役だし、違和感のない容姿。素晴らしい。冒頭とフィナーレはちゃんと男役でかっこいいし。両性具有なジェンヌ!?というほど、美しく自然だった。キャロルの芝居がいいから、より一層悲壮感が漂う。名女優です。2幕のヒロインですね。
朝美さんお芝居と歌のうまさにも感動しました。女役なのに~すごい~男女どちらでも、美しいことに違いはなかった。美形ってこういう人のことをいうのね。

ファット・モー(壮年期)/奏乃 はると
ファット・モー(少年期・青年期)/橘 幸
ユダヤ人で幼馴染で少年時代は一緒に覗きをしていた仲間なのに、マフィアの仲間にならなかった唯一の男。堅実だ。ダイナーに生まれ、途中マックスたちのスピークイージー「インフェルノ」の支配人になったりするけど、結局、最後は生まれた店の主人となって、同じ食堂を経営している。彼はどこにも行かず、どこにも行けず、この場所でじっと待っていたように感じた。妹がハリウッドのスター女優になったのに、それでも動かないって。ある意味、根性あるね。
壮年のファット・モーが物語の語り部なのですね。壮年期の彼にニードルスが謎を持ってきたところから始まり、少年・青年期は彼の回想で話が進む。ヌードルスが、デボラが、マックスがあれほど嫌って脱出を願っていたロウア―イーストサイドにずっと居て、安定し穏やかに暮らしている。鍵を預かる男として、ずっと根を張ってたんですね。
彼が一番幸せに近かったのかな。でも生涯独身で家族居なさそうなのが・・・。ファット・モーも哀愁背負ってましたものね。あの諦念の表情は素晴らしい。語りも上手くて。
回想シーンに、自分の若いころも出てくるのだけど、橘さんが奏乃さんの若いころと言われて違和感ないように、一人の人物に見える役作りでしたね、二人ともすごい。
ともあれ、壮年期のファット・モー、主要キャストです。あのくたびれた雰囲気が素晴らしく素敵だ。彼の視点からヌードルス、マックス、デボラを語ってほしい。

コックアイ/真那 春人
パッツィー/縣 千
主役の二人にずっとくっついている割に、あまり印象に残らない二人。多分、何もしてないからですね。あまりものを考えてない。考えるのはマックスとヌードルスの仕事で、実行するのが自分たちって役割分担していたのか。だから生き方に葛藤する二人(ヌードルスとマックス)に対し、刹那的に享楽的に生きている二人(コックアイとパッツイー)という印象。
あんなに舞台に出ていたのに、役割が薄くてあまり目に入ってこなくて残念。

ニック/綾 凰華
バレエ教室でピアノ伴奏をしている少年。大人になってミュージカル作曲家になる。結構売れっ子みたいだし、大スターになったデボラと常に一緒にいる。普通なら、デボラとニックの間に恋が生まれてもおかしくないと思うのだが・・そこは全くその気配はなく、ヌードルスもニックには嫉妬などこれっぽっちも感じていない。なんとも人畜無害な男なのだ。彼も幼馴染なのにマフィアにならなかったなあ。
とても美味しい立ち位置にいて、最後デボラと一緒になるのかと思ったけど、終始兄妹みたいでした。彼こそデボラの希望通りまっとうに貧民街を抜け出し成功した男なのにね。眼中になかったのはなぜ?と聞きたい。ニックも幼いころから女の子に囲まれているのに、デボラの傍にずっといるのに浮いた話もなくて・・美味しい位置にいながら、葛藤のないイイ人役になってしまった。

<少年期のみ>
ドミニク/彩海 せら
ヌードルスが大好きな少年。ほかのメンバーより幼い印象。一生懸命頑張って仲間にしてもらおうとしているのが伝わる。ヌードルスもとっても可愛がってるみたい。だからこそ、ドミニクが殺されてヌードルスが逆上したんですね。
出番は1幕の最初だけですが、とても印象的な役。回想シーンにも出てくるし、ヌードルスの一生を方向付ける象徴的な人物でした。
彩海さん、可愛い!!!健気に慕う様子が可愛くて、そりゃあ逆上するわって思いました。納得です。

バグジー/諏訪 さき
ヌードルスと対立する不良グループ。「ロミオとジュリエット」のティボルトの立ち位置ですね。少ない出番ながら、マックスに出し抜かれ、ヌードルスのリーダーシップにかなわず、悔しい想いをしているのが伝わってきました。何をやっても敵わないヌードルス達、その一番下っ端のドミニクに憂さ晴らしをしていたような感じ。彼もはずみでドミニクを殺してしまったのですよね・・・そこまでの悪人じゃない。で、あっという間に彼もヌードルスに殺されてしまいました。そう考えると、ヌードルスたちの運命を決めたのはバグジーなのかもしれない。
少ない出番ながら、とても印象に残る役。諏訪さんは芝居がいいわ。今回新人公演は主演ですね。複雑なヌードルス役が楽しみになるバグジー君でした。

シュワルツ/真地 佑果
あの懐中時計の持ち主。不良少年たちに財布や時計をすられ、さらに礼金まで奪われた可哀想な人。だけど、彼の時計が最期までいい仕事するんですよねー

アシモフ警官/天月 翼
ヌードルスに刺される警官。彼もびっくりしただろうけど、私もびっくりしたわー

<青年期~壮年期>
ジミー/彩凪 翔
全米トラック労働組合の組合委員長。最初にでてきたときは委員長ではないのかな?あまり力もなさそうだけど、不当に搾取される労働者の味方というのが良くわかる。経営者がマフィアと繋がって、労働者を弾圧しているから、対抗するために若いマフィアと手を組むことにした柔軟な思考の持ち主。最初のストの時は、情熱的な革命家という雰囲気だったのだけど。2幕のいつの間に、あんな卑怯でずるい男になってしまったのでしょう。すっかり労働貴族になり下がっていましたね。壮年期の彼は、ただの卑しい男。青年期、最初に傷ついたマックスを助けたのは、完全な善意だったと思うけど、いつ彼を傀儡として利用しだしたのか。横領と贈収賄という悪事に手を出したのか。逆転したマックスとジミーの関係が興味深い。
ジミーすごく悪い奴になっていて、マックスが哀れに見えた。出番は少ないけど、その時々の思考がわかる。彼が悪者になっていく場面がなかったので、マックスと表世界で成功していく過程を見てみたい。絶対に面白い。

フランキー/桜路 薫
敵対するイタリアン・マフィアのボス。割と力があるみたいなのに、結構マックスにしてやられている。だけどやっぱりコネクションは新参とは違うので、警察との癒着は上をいってる。だけど可愛い部下も失い、なんだかな~という人でした。


サム/煌羽 レオ
ハリウッドのプロデューサー。デボラを見出し彼女をスターにして、スター生活を味合わせてあげる。だけど、それは彼女の才能に対する報酬ではなく、ただの稼げる愛人だったみたいですね。なんとも俗物・・デボラの絶望と悔しさを深くしてくれた人。

ベティ/星南 のぞみ
サムの愛人。頭軽そうな美人。強気な愛人でデボラに喧嘩を売る。デボラの冷静な対応が、彼女の誇り高さなんですね。

<その他一場面の人々~登場年代順>
シュタイン/舞咲 りん
バレエの先生。ユダヤの娘たちを厳しくしつけていた。ところで「ユダヤの娘はダンスか歌の芸を見につける。男は楽器」ってそうなのか?万一の時にそれで生きていけるように、何か芸事ができるようになっておくの?ととても興味深かった。
舞咲さん退団なのに、あまり役がなかったですね。まあ「ファントム」のカルロッタがあるから良いですよね。

宝石店店主/久城 あす と妻ジュリー/杏野 このみ
マックスたちの仕事ぶりがわかるための事例の方々。妻のほうはマフィアと繋がっていて、完全な芝居。夫は知らなそう? 久城さんはあちこちでアルバイトされてましたが、見せ場はここですね。善良そうな店主と、浮気してそうなちゃっかり妻が対照的。


Angel/笙乃 茅桜
デボラの舞台のキャスト。というより人外の雰囲気で踊る白い天使。上手いわ~誰?と思ったら笙乃さんだった。プログラムを見ると、舞台上の役者のように書いていたけど、幻想の存在みたいに見えましたわ。

社長/透真 かずき
ストをされてしまった運送会社の社長。この人もマフィアとつながってる。マフィアとつながってる人ばかり出てくる。戦後すぐの日本でも、ヤクザが治安維持してた時代があったみたいだし、そういう時代だったのかもなあ~とか。

エヴァ/彩 みちる
ハバナでヌードルスとちょっと過ごす女性。一場面ですが、デボラへの未練を感じさせた女性。さっぱり気性で、よさそうだったので、もう少し時間があれば・・・いややっぱりヌードルスの気持ちを向けるのは誰だった無理か。


チャン・ラオ/天月 翼
アヘン窟の主人。怪しい中国人を絵にかいたような容姿で、シリアスな場面なのに笑いそうになりました。

アイエロ警部/真地 佑果
マフィアとつながる警察官。ほんとこの時代のアメリカって・・と、マックスやヌードルスが声高に叫んでいたことを実感させてくれた人です。


院長/早花 まこ
キャロルのいるサナトリウムの院長。穏やかでしっかりした話し方が好きですわ。これで退団とは・・・もったいない。脚本家を目指していただきたいわ。


執事/透真 かずき
ベイリー商務長官邸の執事さん。まじめです。この辺りのベテランさんはみんな、珍しくとてもたくさんアルバイトで出ていて、「あれ?こんなところに!」と驚く。


あと「インフェルノ」の密造酒サヨナラパーティで、酒瓶のコスプレをしていた方。芸が細かくてとても笑わせていただいた。誰でだったのかな?プログラムを見ても「酒瓶」という役はなかった。

最後に。一回見ただけでは、「コインロッカーの中にためていた100万ドル」の件が謎だった。鍵はファット・モーが預かっていたのよね?25年間ずっと。なのに、無い。ためていた時代から、マックス以外は誰も中身を見ていなかった。つまりマックスが当時から投資に使っていた?だからヌードルスがあの金で会社をつくろう!と言った時も出さなかった(出せなかった?)のかなとか。いやいや、あの金はちゃんと存在していて命を救われた恩義に、ジムに差し出してその後の二人の出世のきっかけを作ったのか?でもカギは?(いやジムは組合の金を流用してそうだけど)
そしてコインロッカーって、当時のアメリカの仕組みを知らないけど、日付変わるときにコイン入れなくてもいいの?保管料かなりかかりそうに思うのだけど・・・とか。謎だらけ。もう一度見たら分かるかな?


ということで、幕間にプログラムを買いに行ってしまった。プログラムが「ポーの一族」くらい凝っていて感動した。美麗な写真集みたい。あの1幕ラストシーンは、当然見開きで掲載され、さらにはポストカードやクリアファイルにもなり、販売されていた。小池先生、めちゃくちゃ気に入った場面なんですね!私もです!気が合って嬉しい。私はB4サイズ(パウチ)で欲しいと、さらに欲張りなことを思うんですが。
同行した友人も感動しまくりで、私が買ったプログラムを見てすぐに買いに行き、うきゃきゃと眺めていた。そして、「こんなホストクラブ行きたいわあ~この台詞言われながら薔薇もらうの想像してみ?・・100万くらい軽く貢ぐ自信ある」とか言ってました(笑)。同感です。どのページかは、プログラムを見たらすぐにわかると思います。こんなホストクラブ、入会金が1千万くらいしそうなので、行けません・・・という結論に達しましたが。デボラやキャロルではない私たちは、掃除のおばちゃんとして隙間から覗いていたい~って盛り上がりました。
あまりに席が良かったので、緊張しまくり。ぼーっと見ていて、舞台の奥が見られなかったところもあり。一幕ラストは一度2階センターから見てみたい。あとはこの神の席で堪能させていただきました。雪組は好みの美形が多いから、嬉しかった。感謝感激です。


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サクラとすみれ

えりあさんの感想はストーリーの分析が細かくて、読んでいて「そうそう!こんな場面あったわ」と思い出すことばかりです。(自分はすぐ記憶と語彙力が吹き飛んでしまうので)
大好きな雪組&奥深いストーリーなので、ブログを楽しみに待っていました!
プログラム、本当に豪華ですよね。表紙の手触りからして違う。協賛の会社がついていないのに、プログラムだけでこんなに見応えがあっていいの?という出来。

やはり、1幕ラストはすごいです!長年温めてきただけあって、小池先生の力の入れようを感じました。休憩中、ずっと薔薇とヌードルスが頭の中を支配していました…。
望海さん、場面が変わるたびに声の老け具合を変えていて、ただただ素晴らしい。

映画を観ていませんが、男同士の友情がメインになるのかなと思ったいたので、
真彩デボラの出番が多かった。いや、超目立っていたのが嬉しかった!
トップコンビのシーンが多くて本当嬉しい。ただフィナーレデュエダンまで、
一緒に踊るシーンが無かったのが残念。(踊ろうとしてシーンが変わったところはありましたが。) アマポーラも聴きたかった。
たくさん歌を堪能しておいてこれ以上言うのは贅沢ですね。

あーさキャロル。サナトリウムのキャロルが、やつれているのにとても可愛いらしい。
「インフェルノの魔女」になる前のキャロルは、こんなに可愛らしい少女だったのかもと思いながら観ました。

一回観ただけで大満足。でも、マックス&ジミーのサイドストーリー含め、もっともっと観たい気にさせてくれる。本当、この作品にハマりました!
by サクラとすみれ (2020-01-14 18:13) 

えりあ

サクラとすみれさん
コメントありがとうございます!ヌードルスもデボラもちゃんと年を取っていく様子がでていて、すごいなあと思います。少年から壮年までですよ~、望海さんの声、仕草や姿勢だけじゃなく声も変えてらっしゃる!!奏乃さんが出てくると、「ああ、ここBLなら上の字幕が入る(○○年どこそこ)場面だなあ~ここからXX年後ね」って思いました(笑)
デボラのお話がありましたね、出番多くてよかった。デボラのストーリーも描かれているからこそ、なぜプロポーズを断るのかがわかるので、ちゃんとした演出で嬉しい。

私も1回見て嵌りました。嬉しくて勇んで書いたから誤字いっぱいですね。直します~(謝)
by えりあ (2020-01-15 23:48) 

hanihani

<「インフェルノ」の密造酒サヨナラパーティで、酒瓶のコスプレ

あれは橘さんです。可愛いですよね。

<青年期、最初に傷ついたマックスを助けたのは、完全な善意だったと思うけど

いや、すでに年金を融資してもらいたいと申し込みしたときに、
二人の運命は決まったと思います。
マックスは友達二人犠牲にしても自分を他の誰かにしてしまいたかったと思う。
夜中にこそこそ二人は打ち合わせしていたし、マックスの賢さを利用しようと考えて「君はこんなところにいるのはもったいない!」
などと持ち上げるジミー、自分の手は煩わさないしジミーが怖いです。
いや、何回も観ていると、実はこういうことが裏にあったんだろうなぁ、あの台詞はこういうことに通じるよねと深読みするから本当に楽しいです。

いや、切ない話なんですがね。

まだS席土日が沢山あるんですが観ますか?
東京もチケット沢山ありますよーー
3月で忙しい時だかし、無理かな?



by hanihani (2020-01-16 00:58) 

えりあ

酒瓶は橘さんですか!ありがとうございます。
すごく目立つのに被り物でわからなくて。

東京もみたいなあー
by えりあ (2020-01-17 23:18) 

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