SSブログ

宝塚雪組「仮面の男」の目指したもの [観劇感想(宝塚)]

「仮面の男」の見所

宝塚雪組「仮面の男/Royal Straight Frush」2011年9月6日(火) 11時 1階1列センター


前回(3日)台風の中期待を抱いて観劇。憤懣やるかたなく帰宅。
やりきれない怒りと悔しさをPCにぶつけました(読み返すとぶつけすぎかも^^;)。
同じ思いを抱いた方が多いようで、心強く思います。この思いを劇団にぶつけ
一日でも早く改善して欲しいものです。切なる願いです。

2回目の観劇。早いですが、今回は後半が9月末(忙しい)なので前半に集中してます。
「仮面の男」では、楽しみ観劇ポイントを見つけられたので(怒りは収まらないけど)。
「ROYAL STREIGHT FRUSH」では前回「仮面」の衝撃で気づかなかった
更なる怒りが沸いてきましたけど・・。

今回は、それでも「仮面の男」の目指したものと見所を書きます。
本作品は後世に語り伝えられる作品だと思いますので、宝塚ファンを続けるなら
一度は見ておくべし!と思いました。
絶対に後々に話が出るから、見てないと語れない。語れないと悔しい(笑)
見る以上、見所を見つけて、楽しまなくてはならぬ。それがヅカファン・・

では長く細かに語ります。見所「も」。当然ですがネタバレ満載です。

「仮面の男」の目指したもの


2度目で覚悟しながら見ていると、児玉さんが目指したものが見えてくる。
決して理解も共感もしないけど。意図だけは分かった。
演出を奇抜にすることで、マンネリを打破し、新しい風を宝塚に入れる。
目指したものは、多分(想像だけど)劇団「新感線」のようなブラックなギャグと
際どいエロと大人のユーモアが高度に入り混じった、
涙と感動のカタルシスな骨太の大作でしょう。(もし理想というものがあれば)
いのうえひでのり先生の演出力と、中嶌かずき先生の脚本力があれば、
そうなったかも知れない。
3時間半になっても平気と言う上演時間も必要ですね。
話に似合った役者を自由に配役できることも必須条件かな。

・・・制約の大きなタカラヅカでは、当然大失敗だ。
だいたい「新感線」でもたいてい「いつかの時代、どこかの国」と言う設定にしており
原作/史実そのままには使わない。観客には原作/史実を連想させながらも、
原作/史実のイメージを壊さないように配慮してから、自由にやってる。
児玉さんには、何の配慮も無い。タイトルは、映画タイトルそのまんま使用。
役名は実在の人物と歴史的に有名な大作家の作品からそのまんま借用。
思いつきで作るなと言いたい。
児玉さんはもともと思慮の浅い人のようだ。もう少し物事を深く考える癖をつけて欲しい。
人の心が分からない人に、人を感動させる物語が書けるわけが無い。
留学して新しい演出手法を学ぶより、古今東西の名作と言われる小説を
読んだほうがいい。圧倒的に読書量が足りないと思う。

役者が演出家に文句を言えない、演出家と議論して作品を創り上げることが
難しい宝塚には、演出家の管理監督者が必要ですね。
脚本が出来たら、演出家委員会で先に本読みしてから役者に渡すとか。
(演出家も5人もいれば、常識のある人がいるでしょう?
電鉄の普通の管理職なら一般常識があるでしょう?多分。
コンプライアンスとかCSR部署の人とか、いろいろそういう部署があるでしょ?
そこ通過させて。)
外部の商業演劇とはレベルが違うから、それくらい必要。
だいたい座付き演出家は「従業員」なんだから、
自分の作品の失敗が給料に直結しないのかもしれないなあ。それは駄目だ。

話が逸れてますね。
怒りを抑え切れませんが、「仮面の男」にもそれなりに観劇ポイントがありました
(シリアス部分はとってもいいんだよ~役者に力量あるし、衣装は豪華で綺麗だし)

オープニングはいいですね。重厚な幕開き。稲妻が仮面を駆け抜ける・・
でもその場に登場している人の説明がまったく無いので、ルイかフィリップか不明。
多分フィリップ。ダルタニアン(早霧)もルイーズ(舞羽)も名乗らないし。
予備知識の無い初見では「誰?」状態かと。
(同じく??が飛んだ「愛のプレリュード」のオープニングは素晴らしかった。
あんなふうにして欲しい。したかったに違いない。でも出来てない。)
みんな綺麗だし、ルイorフィリップ音月さんの歌は素晴らしいので許容範囲。


モリエール一座の前座場面。あの客の知識レベルをバカにした場面ですわ(怒)
張り切って盛り上げなきゃならない彩風さんが、引いてる客席にちょっと可哀想。
モリエールってこんな人じゃないよね・・。(そんな人物ばっかりですけどね)
出てくる水戸黄門様。「時代が違う、恥を知りなさい」とモリエールを怒るけど、
あれ、児玉さんに言ってるよね?(と思った。大凪さん声ステキ♪)
マリーアントワネットの歌とか、ジャンヌダルク(花ちゃん!?)とか
まあ楽しむことも出来るけど、こんなのはショーの一場面で十分。
ここ全部カットでいい。あの重厚なプロローグのまま、本編に入ろうよ。

ルイの人間ボーリング。これは結構面白い。ルイなら退屈しのぎでやりそう。
面白くていいんだけど、2ゲームは不要。1ゲームでいいよね。長くてくどい。
上手にいる侍従たち。「巨大メガホン」という役名の朝風れいさん。
~よかった被り物じゃなくて!とほっとする。朝風さんもステキなの。
宮廷衣装が似合う。もっと普通の役なら。でも出てるだけでいい。
ボーリングの玉係の二人がいい味出してる。煌羽レオさんと久城あすさん。
♪つまらないことをやらされてる♪という歌があるんだけど、とってもリアルで
組子&客席で合唱したいくらい(笑)

そこから続く、小さいキャスター付き椅子に乗った貴婦人とのダンス。
これなんか、小人みたいでいや。どっかの団体から苦情来ない?
普通にドレスの貴婦人たちのダンスではいけないの? 変なこだわり・・

まだまた続く唇の場面。なんだあの長いす~!!あの色、形。
あのセットは悪趣味そのもの。ルイ14世はベルサイユ宮殿見るとゴージャス趣味。
キンキラ好みだけど、悪趣味ではなかったと思いたい。
侍従さんたちに、「ソファーのカバー取らないで!」と叫びたくなる。
唇を手に持った貴婦人たち。<うわさ>というイメージでこれは有り。
使っていいと思うけど、アニメ風の変な声は嫌かも。
この場面。下手に居るルイーズとラウルがとても美しい。ひたすら堪能すべし。
ルイの傲慢な王様らしさもMAXで見ごたえあり。
ロシュフォールやらミレディ(舞咲)の悪役がいい味。ところでミレディって魔女?
原作では、素晴らしく陰謀術策に長けた哀しい美女なんだが・・
アトスの元妻という設定もなくなってるし、単なる悪役か。そういう役作りに見えた。

続いてH2$のパロディ場面(三銃士の無銭飲食)。
ここまできてまだ本編に入れません(涙)。ここ、前にも書いたけど、
「アトスは絶対に無銭飲食なんてしません!!!」
はあ、それだけこの場面全否定だよ私。許せないのに、長い。
今回、未涼さん、お芝居でも歌あんまり歌ってないんですよね・・ここでも
三銃士の3人でちょっとずつ歌うだけ。弟ラウルとも余り絡めてない。
大事な大事なエピソードなのに、場面がないと役者はどうしようも無いですね。
くだらぬ無銭飲食H2$を長々やるくらいなら、ラウルとの愛情が分かる歌を二人で
1曲歌ってほしい。ルイーズとはここで紹介されてるけど、このあとの場面
二人(アトスとルイーズ)が会ってもまったく知らないもの同士って感じなのも
解せないところ。二人とも「ラウルの敵をとる」という強い意思は同じなのに。
ラウルの親代わりの兄と婚約者なら、ラウル非常事態に際して接点あるだろ!
と普通は思う。脚本演出、最悪だな。人の心、つながりをまるで考えてない。

隻眼のロシェフォール伯爵(大湖)が無銭飲食を見破る。急遽シリアスへ。
留めに、悲壮感背負ったダルタニアン登場。一人雰囲気が浮いてる・・
いきなり自分語りをはじめるダルタニアン>唐突過ぎる脚本。
突然のシリアスの風。いい、このまま行ってくれ!
(この場面もシリアスと笑いの比率が逆)

ダルタニアンの自分語り。・・あなた何歳?と思った。
コンスタンス(愛加)はフィリップの乳母を勤めるくらいの年齢。その恋人ダルタニアン。
三銃士より年下だけど(その原作設定が生きていれば)、フィリップよりはかなり年長。
フィリップと同じくらいに見える。若くて綺麗なダルタニアン。
ダルタニアンに関しては時系列がめちゃくちゃ。コンスタンスが彼の元を去ったのは、
フィリップが生まれてすぐ。そしてそれから消息不明(何をやってたか教えて貰えず)
そしてフィリップの言葉によると、数年前にコンスタンスは殺され、自分は
仮面をつけられ牢獄へ。つまりダルタニアンは、かなり長くコンスタンスと離れていて
最愛の彼女がどこで何をしているかも知らず、いきなり「殺された」だけを知っていた。
そのショックで、銃士隊の隊長となり(意味不明)グレた(^^;)→理解不能
それを見ているのがつらくて三銃士は仕事を辞めた。→大の大人の行動としてアリエナイ
(普通の「三銃士」なら、そういうときこそ寄り添って理由を聞いてあげるぞ)
コンスタンスが「誰かに殺された」というのは分かったが、犯人も殺害理由も不明なまま。
その後数年。多分何度もルーヴァアと顔をあわせているだろうに、全く気づかない。
・・どんなシチュエーションなんだ!!?? 
ここは「ダルタニアンとコンスタンスの悲恋」だけに浸るのが正解。他は考えるな!だ。

気を取り直し。
ルーヴァア(彩那)の見せ場!「ルイ~♪大好き♪」と歌うの、可愛い声で(笑)。
→「笑い」はこのくらい、可愛く収めて欲しい。
あの場面の不協和音風の音楽、現代的で時代に合わず嫌いだけど、意図は分かる。
太鼓橋?風のセットで貴族たちが、不協和音を歌うの。不安とか反感とかを表現してる。
これは(私の好みじゃないけど)効果的でOKな演出だと思う。

やってきました監獄の場面。この話で一番不愉快な場面。
看守サンマール役の沙央くらまさんの熱演が哀しい。香綾しずるさんの歌声も空しく。
ショーの一場面なら(それでも不愉快だが)許せることもあるかもしれない。
囚人の声が音楽だと気づくまでは(不愉快だが)許容しよう。
その後鞭打つのを辞めて、囚人に声を出させ歌わせる、に変更しようよ。せめて。
あのダチョウ倶楽部のコントは不要。携帯電話も不要→意味不明。
あの場面を「楽しいミュージカル」にしようと考えるセンスが、最大の意味不明。
普通に悲壮にやってれば。後のフィリップ脱獄のときにみんなが協力する理由が分かる。
サンマールも普通に「王様の命令に従うしかない真面目な小役人」設定であれば、
ラストシーンの台詞も変態じゃない。これほどの嫌悪感は無かったはず。
この場面、ほんとに変えて欲しい。

気を取り直し。次はこの作品最大の名場面
ラウルの逮捕から、処刑まで。ラウル最後の手紙を読む兄アトス
ラウルが偶然フィリップを見つけるところは、全然説得力がない説明だけど
それはさて置き、ラウルの手紙とそれを読むアトスの効果的な場所と照明。
ここの演出は素晴らしい。(シリアスだし)
ラウルは太鼓橋を上る。下手に告解の神父(組長)が居る。青の照明が暗い。
舞台上手はアトスの家。舞台全体に暗いのだけど、手紙を読むアトスだけが
オレンジのスポットライトの中。明るい光の中なのに、やりきれない悲壮な表情で。
暗い橋の上に居る死に向うラウルは、後事を敬愛する兄に託し安心した笑顔で逝く。
生と死の対比、天国へ行く弟と修羅の世界に残る兄。象徴的な対比。
兄弟はもはや違う世界に居ることが分かる。素晴らしい演出だった。
(全編こういう雰囲気であれば・・惜しい、惜しい本当に悔しい)

その後、アトスが銀橋でルイ14世に復讐を誓う。この物語のスタート。
やっとスタートした(^^;)
そして最大の見せ場のはずのフィリップ救出。これがあっという間(とほほ)。
アトスが銀橋で復讐決意→フィリップ救出作戦を歌ってる間に、
アラミスとポルトスが作戦実行。なぜか市民が一致団結して協力。
ほんとに5分も無い間に終了した・・・三銃士、有能すぎるよ(涙)

そしてフィリップは王になるなんてと悩む。当然だ。
アラミス(蓮城)が神父志望らしく真摯に「運命を選ぶのです」と仮面を渡す。
フィリップがフランスのことを思い、王になるという重要な決意をする場面。
いい場面だ。だがこの間5分。短っ!

決まったらすぐにルイとフィリップのすり替え。この作品の最重要エピソード。
コレがまた早いんだ。三銃士、有能すぎってば(涙)
時空を超えていたはずのモリエールが、なぜかアトスの幼馴染だった(衝撃)
そして「朕は国家なり」という喜劇?を作る。これが演出的に衝撃のレビュー。
ショーとしてみれば、なかなか面白い。「玉ねぎ」以外の衣装は結構可愛い。
人間ミラーボールになる晴華みどりさん。
これで退団でなければ、「すご~いね!」と感動したでしょう。
この衝撃度はすごいので、必見。だがメインストーリーのすり替え自体は
何だかあっという間に終わる。これも1分ほど。
今までの不要場面を削りシリアスに話を進行し、
「楽しいレビュー」はここ1点にすれば、メリハリあって良かった、と思う。

このあとのフィリップとルイーズの場面。ここはシリアスで見所有り。
安心して見られます。二人がお似合いで、ルイーズは青のドレスが似合ってて美しい
これぞタカラヅカ!な場面。
だがフィリップ。ラウルのことも聞いてないのにそんなに簡単に正体ばらしていいの?
ちょっと浅慮ではないかと思った・・・脚本が浅いな。
影で立ち聞きしているダルタニアン。
「このダルタニアンの目は~」って、「このダルタニアン」って名乗る台詞が頻出。
ダルタニアンの台詞は植田大先生が書いたのか?ってくらい(笑)
で、ここで私にとっては衝撃。ダルタニアンは、ルイのことなんとも思ってない!!
ひどい・・、ダルタニアン、銃士隊の隊長だろ~?職務放棄して私怨優先?ありえない。
まあフィリップとアトスの関係も描いてないし、
ルイとダルタニアンの関係も必要無いのかもしれないけど。
ルイ、可哀想。誰も「ルイはどうなったの?」と心配しないのが(涙)

影絵のところ。
音月さんが最初にライトを銀橋真ん中に置くとき。
影絵がきちんと映るように、結構慎重に場所をセットしていたのが印象的。
影絵をしているときは、トップコンビの顔はスクリーンに向いているので
2階席や後方からは絶対見えない。だが今回はよい席なので、横顔が見えた。
必死だ・・トップコンビに、こんなことを必死にさせないで欲しい。
誰が得してるの?と問いたい。私は影絵より、必死の二人を見ていた。
音月さんは片膝をついてカッコつけたまま、舞羽さんはあのドレス姿。
姿勢も厳しい。影絵をするに適した格好や姿勢じゃない(当然だ)。
指の形が結構複雑で、すごく練習しただろうなあ・・と思う(歌劇にも書いていたけど)
基本的な疑問だが「ウサギと亀」の話は、ルイとフィリップになんか関係あるのだろうか?
多分・・「ウサギと亀」の影絵が、素人が短時間でそれなりに習得可能な演目だったから
に違いない。だからコレなんだろう。影絵披露会じゃないのに・・。
児玉さんに「本末転倒」という言葉の意味を教えてあげたい。
無事終わったときの音月さんの嬉しそうな笑顔が、忘れられない(そういう場面だが)。
舞羽さんのウエストの細さも堪能させてもらいました。

三銃士が馬に乗って走る場面。スクリーンを効果的に使っていて、かなりカッコイイ。
今後も使われるだろう演出だった。
・・馬だけで終わろう。ね。終わろう。海でおぼれるシーンは完全に不要。
何で巨大クラゲがでてきて、ポルトスが刺されなきゃならんのだ。

突然ラストシーン。急遽チャンバラ活劇。
ダルタニアンとポルトス(緒月)。ポルトスが「俺にはできない」と言う場面はいい。
ここは萌えてくれと言う場面だろう。だが、そのまま去ってしまうのが解せない。
ダルタニアンは、この前のシーンでルイの側近(ロシュフォール)と対決してるのよ。
それを知ってて、ポルトスは居なくなる。こういうときこそ、影で見守りましょうよ。
ルーヴォアの狡猾さがちょっとステキ。ダルタニアンて騙しやそすうだもんね~(笑)
でも殺した女から奪ったペンダントを何年もつけっぱなしはやめましょうよ。
どんだけ気に入ったんだ>ペンダント
ここの場面、ダルタニアンと三銃士より、
ルーヴォアとロシュフォールの友情のほうが見ごたえがあった。

それでさ、ダルタニアンはルーヴォアに刺されてたよね・・?
その次の場面では、途中まで傷を抑えるしぐさしてるんだけどね、
ルイとフィリップが入れ替わった後は、とっても元気にしてたんだ。。
回復、早いね・・・大団円のときには、元気なほうがいいもんね(ははは)。

ラストシーンのフィリップとルイーズ。
ほのかに恋愛感情が見えて・・くらいがいい。それでいい。キスしないでよかった。
最初と最後だけ、タカラヅカらしい。

こんな感じかな~見所って。
「愛のプレリュード」と同じように、場面だけを見るのだ。
見たくない場面も不愉快になる場面もはさんであるが、脳内で修正するんだ。
そしてステキな場面だけを覚え、前後やつじつまは忘れ、美しさだけを堪能する。
それが正しい観劇方法だと気づいた。次回はそうやって見よう。


「仮面」について書いているうちに「Royal Straight Frush」について
忘れてしまった(呆然)
おそろしや~「仮面」の衝撃度。
決してショーも名作ではなく単体でみると全く許せない駄作なのだが
(座付き作家なら、自分の劇団の劇団員の得意分野くらい覚えておれ!)、
それでも「具体的になんだっけ?」と思ってしまう。

まあ今回はとってもいい思いをしたので(別記)、
このショーも私にとっては一生忘れられない作品になった。

「仮面の男」は、長く語り伝えられる作品には違いないので
長く宝塚ファンをするなら、必見の作品と思われる。
この作品を見ずして演出家を語るべからず、ってベースになる演目ですから。

やっぱり演出と脚本が基本ですよ・・ね。
雪組さん、頑張れ!客席とある意味すごい一体感だよ~(泣笑)





nice!(1)  コメント(15)  トラックバック(0) 
共通テーマ:演劇

nice! 1

コメント 15

パクチー

詳細な感想、ありがとうございます。
そうそう、と何度もうなづきながら読みました。
私は、あの台風の日、必死の思いで劇場に行き、
(なにしろ、高速は通行止めだし、JRも一部運休だったし)
観せられたのが、これだったので、頭に血が上りました。
ギリギリに到着したので、パンフレットを買う暇もなく席につきました。
パンフレット、買わなくてよかった・・・。

二階で観たのですが、影絵のシーン、「ウサギとカメ」しか見えず、しかも長い!苦行のようでした。
人間ミラーボールのかおりちゃん、お役目が終わってもずーっとつりさげられているんのをご存じですか?
舞台上の人たちに話がうつっても、ずっと暗い中で空中にういている。私は、もう一度、歌うのでは?と楽しみにしていたのですが、そのまま。
二階席からよく見えるんです。
なんだか、かおりちゃんがかわいそうで。
あの、シーンはシルクドソレイユ風といわれていますが、
シルクファンの私としては、「ぜんぜん違う!!!」と怒り心頭です。


あー、書いていたらもう一回、腹が立ってきました。
せめてもの救いは、あと一回しか観なくてすむこと。
パンフレットを買わずにすんだこと
くらいでしょうか。
by パクチー (2011-09-09 23:05) 

ribbon

再び訪れました(笑い)
本当に的確な観劇方法ですね。。
私も何回か見る事になっていたら。。なにか自分なりに
考えて観劇するでしょうね。。と云うより
過去そうしてきましたが。。
今回は本当に。。
この劇団でそこまでしなくても良いんじゃないの〜?!
と思いましたが。。
確かに。。
宝塚ファンには語りつがれる作品には
違いないですわね。。



by ribbon (2011-09-09 23:30) 

いのっこ

こんにちは。
私も再び、訪れてしまいました。
2回目の観劇、そして、レポお疲れ様です。
私は2階上手からと1階のかなり前列センターの席で2回観劇したので、見辛さの点(見せ方のおかしさ)についても本当に同意いたします。
ほんと~に、今もって心の中がもやもや・・・・。
お芝居はもちろんのことですが、実はショーも??のまま。
演出って、なんだろうと考えてしまいます。
役者の力量は十分すぎるほど感じ、哀しいほど反比例する見せ方やら筋立ての妙。
新鮮さ(斬新さ)は、奇抜さではないですよね。
この週末、ロミジュリと黒い瞳DVD観て、もやもやを晴らそうと思います。


by いのっこ (2011-09-10 17:59) 

えりあ

バクチーさま

人間ミラーボール、晴華さん、ずっと上にいるんですよね・・(哀)
危ないからすぐに下ろせないんだと思うけど、そんなの最初から分かってるでしょっ!て。あの演出、ショーならすぐにおろして、ミラーボールから出て歌えるのに、って思います。登場の仕方は良いけど、退出?のやり方は下手な演出だったと思います。晴華さん・・もっといい役で見たかったです。

ribbonさま

手元にチケットがあるから、自衛に走ってます(笑)
こんな状況なのに、さらに1回増えそう・・・家族にとってあげたチケットが私に戻ってきそうなので(泣)まあ見たら怒りそうなので未然に防げたかと。
阪急の役員会で見てみればいいのに!と思うほどです。
語り継ぎましょう・・・二度と悲劇に会わないために(^^;)
(この劇団では結構悲劇が繰り返されていますが、今回は超弩級)


いのっこ様

ありがとうございます。ショーも??が多かったです。斉藤さんは音月さん&雪組子の魅力というか売りがナンであるか知らないんでしょうかね?
・・と思うショーでした。役者の力量があるのにこの芝居、歌える人が居るのにこの歌と思うと泣けてしまいますね・・
おっしゃるとおり、斬新と奇抜は、似ているようで全然別物、紙の表裏、正反対だとよ~く分かりました。
私も「ロミオとジュリエット」「黒い瞳」繰り返し見てます・・

by えりあ (2011-09-10 21:23) 

れれこ

こんにちは。通りがかりのものですが、私も同じ感想を持ちましたので書かせてもらいます。「アトスは無銭飲食しない!」
「演出家は絶対原作読んでないし、原作リスペクトしていない!」あらすじが「どこかで聞いたことのある別の三銃士作品!」ちゃぶ台投げたくなりました。
by れれこ (2011-09-12 20:27) 

えりあ

れれこ様

私も投げます>ちゃぶ台!
原作を読んだことのある人なら、「あの」アトスが無銭飲食なんて
するはずないって、絶対に思いますよね。
私は三銃士の中でも大人で礼節を重んじる物静かなアトスに
憧れていた少女だったで(大昔^^;)どうしてもここは受け入れられ
ないんです。
児玉さんはこの一点だけでも許せません!(他にもいっぱいありますが)
by えりあ (2011-09-12 23:03) 

ゆき

雪組プロデューサーおよび劇団制作関係者は、何をしてたのでしょう。演出家に全てお任せですか。よく上演させましたね。
by ゆき (2011-09-23 20:36) 

えりあ

ゆき様

まったくおっしゃるとおり。劇団に聞いてみたいですね。
内部統制がなってないのではないかと。
株主総会で提案してみてもよいレベルだと思ってます。

バクチー様

もし見ていらっしゃったら・・・今日また見てきたのですが、
晴華さんのミラーボール役。不必要なほど長く空中に留められたまま。
危ないし、早く降ろしてあげたい!!と痛感しました。
私もっと短かったと思っていました。ごめんなさい。ショーが終わった時点で
降ろして装置から出してあげたい。最後、普通に歌って踊って欲しかった。
「仮面」の気に入らない点、さらに増えました・・・
by えりあ (2011-09-23 23:30) 

まゆみ

はじめまして。通りがかりの者ですが私も全く同じ感想です!特にコマさんの牢獄場面は一番頂けない…面白くないギャグ?場面多発でちょいちょい現実に引き戻され、全く作品に引き込ませてくれない演出。意図した事は分かるけどできてないなと(T_T)ショーも良作ではないし、生徒さんが可哀想です。
by まゆみ (2011-10-03 17:40) 

えりあ

まゆみ様

今日は千秋楽でしたね。東京で変わるらしいけど、無かったことには出来ないと思います>強烈に不快過ぎて忘れられない^^;。
本当に生徒さん他関係者は大変ですよね。
by えりあ (2011-10-03 21:20) 

yukitsuri

初めまして。今度行く「仮面の男」の感想を探してたどり着きました。
読み応えのあるご感想、ありがとうございます!
題材を見て面白そうだと思って友会で申込み、席が良くて喜んでいたら、とってもトンデモ作品のようで… 泣。

初見のご感想、私の今回のロミジュリ1回目の感想と方向性が似ていて、楽しく拝見しました。「なぜいい題材に余計なことを!」 という感じや、回数を重ねるにつれて、演出の気に入らない点は流して、個別要素で楽しめるようになった、というあたりです。

もっと興味深かったのは、えりあさんのロミジュリのご感想にはそういう怒りがなかったこと。宝塚版の印象を期待していたら、なんだこりゃ、と思った向きは多いようなので。
ひょっとして、「仮面の男」 で免疫ができていたから? なんて思ったりしました。すみません。

「仮面の男」、2回取れている片方は処分しようかとも考えましたが、楽しみを感じるには複数回がいいかもしれませんか?
書かれていたアトスの性格破綻とかを含め、東京での演出変更に期待します。
雪ロミジュリのベンヴォーリオで感心して好きになった方なので。ああいう実力のある役者さんをもっと適材適所で活躍させてほしいです、「歌劇団」 なんですから。
by yukitsuri (2011-10-14 02:06) 

えりあ

yukitsuriさん こんばんは、いらっしゃいませ。

ロミジュリ(梅芸版)の感想ですね・・ご想像通り、「仮面の男」のせいで
私の許容範囲が大変大きくなりました(笑)・・・ってだけではなく。

小池先生は宝塚版と変えようと考えていることが分かりました。
(エリザベートのときも、基本設定は宝塚と東宝は全然違いますし、おそらくオリジナルの海外版に戻しているんですね。エリザもこれも)。
基本設定について、「いつかの時代、どこかの国」におき、現代とも未来ともつかず・・、核戦争を生き延びた未来の小都市のような設定だと感じました。(ワグナーのオペラなんかでよくある演出みたいな感じ?)
なにより携帯電話やPCの使い方が唐突ではなく意味を持ち、きちんと伏線を貼りつつ、「携帯があってもITが発達していても、すれ違いの悲劇は起こる」というシェークスピアの時代から変わらぬ人間の愚かさ(?)を、シェイクスピアが意図した悲劇(憎みあうことの愚かさ)の中で証明して見せたのが面白かったです。主題が明確に普遍でしたので、こういう演出もありだなあ・・と感心した次第です。

ストーリーは「ロミオとジュリエット」の基本を外しておらず、登場人物も全員がまともで、二重人格になったり時間軸が狂ったり人格破綻したりしていませんし(→超重要)、 不愉快になる場面も、演出家の社会常識を疑う場面もありませんでした。(→どんだけ「仮面の男」が酷いんだってことですね^^;) お歌も、ごく一部に「まあまあかな」という方がいたけれど、イスから転がり落ちる歌はなかったし、ほとんどの方は「ちゃんと歌えている♪」状態なので、満足だったし・・・・あまり怒りも不満が無かったです(^^)

・・・うーん、やっぱり「仮面の男」効果なんでしょうか?(笑)比較レベルが。
宝塚の外でやることだから、「こういうのも有りだな」で終わりました。
児玉さんは「宝塚」でやったから許せなかった部分も多かったんだなあと思います(外でやっても常識疑うところも多いけど)。小池先生はその線引きがよくわかってらっしゃるので、私は別物として楽しみました。

「仮面の男」が東京でどれだけ変わってるか分かりませんが、複数回見ないと「怒り」だけで終わってしまうと思います(^^;) 2回目に覚悟してみると、あら♪という見所・・・ルイとフィリップの演じ分けの妙や、アトス(正)の感動的な演技とか、が堪能できるのではないかと思います。
三銃士関連お芝居ダイジェスト集(1本のお芝居に非ず)が演出ツール・ショーの間に挟まっているという気分でみれば、怒りも緩和するかと・・(なにそれ?ですね^^;)。

さておき、本当に「歌劇団」という自覚を持って、実力のある役者さんを適材適所で活躍させてあげて欲しいですね。

by えりあ (2011-10-14 20:21) 

yukitsuri

お返事ありがとうございます。なるほどそういう肯定的な見方も。
要は好みの問題と言えそうですね。私は携帯すれ違いテーマが
そもそもそう高評価ではなく (名場面でいちいちずっこけ)
伏線は確かにかなりよく張れていますが、生死に関わる連絡を
神父がメールだけで済ます! というのが無理すぎと思ったので。
東宝エリザについては、おっしゃるように海外版に戻している
面がありますが、RJは不義の子設定以外はそうではないですし。

ちなみに、「こういう新機軸は海外良作の翻訳じゃなくて
オリジナルでやって!」と言いたくなったので、その点だけは
逆に「仮面の男」に許容範囲が広くなるかも!?(冗談)

ただ、時間制約が厳しい1幕ものので、本筋に関係の薄いお遊び
シーンをそれほど入れる意味はあるのか!? という点については
かなーり辛口評価になりそうです。東京はそれが減ってるといいな。
やはり2回見てみますか。1人2役やアトス(正)は楽しみです♪

by yukitsuri (2011-10-14 22:32) 

kujaku

東京観劇組なので、噂の仮面の男の詳しい説明、楽しく読ませていただきました。
何も知らずに見に行ったら、きっと頭から炎を吹いていたことでしょう。

三銃士シリーズは学生時代の愛読書。
映画とかアニメとかいろいろアレンジされてますけど、ちょっとのアレンジでも「え~!?」って思うくらい嫌なのに、想像を絶するアレンジなんて・・・

特に好きなのがアトス。
ラウルが息子じゃないっていうだけでもあり得ないのに、無銭飲食なんて。
飲んだくれて酔い潰れてるっていうなら分かるけど。

東京では、ちょっとでもマシになってますよう・・・
by kujaku (2011-10-15 15:56) 

えりあ

yukitsuriさん

私の「ロミオ&ジュリエット」評はかなり好意的ですよね・・まあ、外部だし制限無しの世界(それでも最低限の一線はあるけど超えてない)だからいいかって思ってしまいます。やっぱり制限厳しい宝塚で「仮面の男」を見た後なので、大抵は許せる心境でした(^^;)
大好きな小池先生だけど、宝塚のロミジュリであの演出なら当然激怒でしたよ~「宝塚の一線」は越えているから。
でも児玉さんへの怒りへの質とは全然違う、演出への怒りですね。人間性やら正気を疑うレベルじゃない(ってまた、どんだけひどいんだ>児玉さん^^;)
話題の「仮面の男」、2回目から冷静に見所を楽しんでくださいませ。


kajyakuさん

こんばんは。いらっしゃいませ。長文お読みいただきありがとうございます。噂に拠れば、東京ではちょっとはマシになってるらしいので・・多分・・きっと・・・頼む・・・。

大好きな原作を、改悪アレンジされるのはきついですよね。私もアトスが一番好きだったんで、初回は衝撃の余り唖然として拍手できませんでした・・。ラウルとも親子みたいな雰囲気あるし(私は親子にもみえた)、アトスが飲んだくれてる場面もあります(削除されてなければ)。結構ステキなので期待しててください♪ アトスがちゃんとアトスの場面はとってもカッコイイですから!

いよいよ東京公演ですね。どれくらい救済できたか楽しみです。


by えりあ (2011-10-15 20:04) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。