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「ミス再婚」観劇感想 [観劇感想(その他)]

梅田芸術劇場ドラマシティ 4列下手にて観劇。

行ってきました「ミス再婚」。ほんとのほんとの千秋楽、滑り込みで観劇できました。
めちゃ面白い辛口コメディだという前評判でしたが、そのとおり。笑った~♪

なんだか1幕は「経営学のテキスト」という感じも。ライブドアやら村上ファンドのおかげで、こういう経営学用語も一般的になったんだなあ~と、違うところで感動。私が昔習っていたときは「ホワイトナイト」とか「TOB」とか、経営学やっている人以外には知られてなかったと思う。当時は遠いアメリカのお話で、日本で使う人がいるとも思わなかった(遠い目) それが舞台になるなんて!
経営学的に突っ込むところもなく(たぶん^^;)説明台詞もいやみにならず丁寧で復習になりました(笑)
ついでに「会社の存在意義」もかなり明確に語ってくれました。ここまで語るならここ数年大流行の「Corporate Social Responsibility: CSR=企業の社会的責任」まで入れてほしかったです。(←実は私の本業)いまはコレをやってこそ優良企業よ(笑)

そして1幕からちらほら出ていたのが「結婚って?」という大命題。結婚に何を求めるかって大事ですが、あまり深く考えると結婚に踏み切れなくなるというジレンマ。主人公の希美さんは、考えすぎですねぇ。結婚は人生を賭ける「大博打」。勢いがなければできない。そして賭けてみないと結果がわからない。成功すればよいけれど(最終結果は死ぬまでわからないかも)だめなら見切りをつけて再挑戦へ。1回ごとに違う賭けだから、前回の教訓を元にまた賭けるしかない、それが再婚。前回失敗だとその損を取り戻さなきゃならないから前回以上の大博打になる。なので慎重に慎重に・・・『ミス再婚』とは深いネーミングだ。希美さんは自分のことしか言ってなかったけど、自分は「成功」と思っていても、相手は「大失敗」と思っていることもあるかも知れないしね(あ~怖い)結婚は難しい。
そして2幕になるとさらに出てくる「人生とは?職業とは?」
そう人生=結婚ではないのですから。生きていくためには何が必要か?
深いテーマですね。
物語としては、「自分」を取り戻した希美さんは、結局臨床心理士という自分の職業に誇りを持って一人で生きていくことになり、自分を飾らないで思うまま生きることを選んだ妹の礼子さんは「ありのままの自分」を受け入れてくれる人を見つけて結婚します。人生いろいろ、幸せは人それぞれ、自分らしく生きていけば幸せ♪・・・よい結末でした。

では出演者別に。敬称略ね。

【高嶺希美(香寿たつき)】
希美さんは・・・おそらく私と同年齢(またはちょっと上)という設定、そして小さい頃から優秀で期待され、「立派な人物にならなくては!」と気負って生きてきた女性でしょう。世間の期待に応えてきたから、そこから外れるのが怖くて仕方ないのですね。300万円掏ってもらったときの嬉しそうな顔。あんな馬鹿なこと、したことなかったんでしょうね(正気なら誰もしないよな:笑)。大変高い授業料(になるとこだった)ですが、彼女の人生、そこまでしないと軌道修正できなかったのかも。虚飾の仮面をはずした希美さんには、いつか「ありのままの自分」を受け入れ、受け入れてあげられる人が現れるでしょう。ホントはあんなに可愛い性格だもん>希美ちゃん(笑)
ところで、「たかねのぞみ」って「高望み」って意味・・・深い。じゃ妹は?(まいいか)
香寿さん、宝塚時代より若くなった!?というほど綺麗なおねえさんぶり。「ああタータンの声♪」とうれしくなる声はそのままに、苦手だというコメディのお芝居が大変うまくて面白かった。大笑いさせていただきました!

【高嶺礼子(成瀬こうき)】
久しぶり~な舞台。相変わらずさわやかな声で、嬉しい♪ 最初の場面、男役だった?のかな。でも背中見て一発で「ナルちゃん!!」とわかりましたよ(愛はまだ健在だ)
で、礼子さん。30歳って設定のえらく「自由人」。あのフォーチューン・テリー氏の部下で営業やってたらしいので、そのときに何か爆発したのでしょう(笑)。そこから自分を飾ることをやめ(ちょっと止めすぎだけど@@;)自分らしくありのまま生きていくことを選んだ礼子さん。自由気ままに生きている風がよくわかりました。こだわりも有りそうだし。
薀蓄いっぱいの「特製サラダ」を食べている横で、カップヌードルを食べる女、そこまで自己主張するか?!ってほどの自己主張。俊介さんはそこに惚れたのでしょうか?
お姉さんとの対比が明瞭で、でも根っこが同じ姉妹というのが見えてとてもよかったです。
今回「自己主張には妥協を許さない礼子」の服装で、普段の成瀬さんなら絶対着ないような服をいっぱい見せていただきました。「On The 5th」のレインボーのスーツを着こなした方ですから何でも着こなせるとは思っていましたが・・さすがです。やっぱり、髪短いほうが素敵。この舞台では「すっかり女らしくなって」とは言えない(笑)。言うとすれば「女役?でもかっこよかった、昔と変わらず!」

男性は出演順に?
【金強民(パク・トンハ)】
韓国の大企業の2代目日本法人社長。頼りない若様。でも何でもママに相談しないだけよいかも?。まあ、お坊ちゃまが敵対的買収に対応できないのはいいとして(よくないが)、重役連中はどうしていたんだろう?韓国の本社は? お父様は「これもかわいい息子を鍛えるチャンス」と傍観していたような感じですね。見事期待に応えて成長したけれど・・・希美さんに顧問契約を断られて、その後はどうなったのでしょう。立ち直ったかな~
パクさんは実は「グランドホテル」で始めて意識した方。外国語でお芝居するのに、すごいなあ~と思う。歌も素敵。また観てみたいです。

【後藤慶太(平澤智)】
強盗といわれていた乗っ取り屋。彼の言うことも一理あり。たしかに、腐った経営陣は不要ですよね、内部改革する力がないなら外部から改革してやる!って。社会正義に燃えた悪者?――変な存在だけど、なんか村上ファンドの村上氏を思い出させる役でした。
でもってカッコイイ!!!高嶺姉妹が揃って言ってましたね(笑)私も同意。
今回、謎のフォーチューン氏に投資してもらって、会社の急場は乗り切ったみたいだけど、この後どうするのかな~やっぱり戦い続けるのかな?彼は妻にも一緒に戦ってもらいたいタイプですね。前に読んだんだけど「女には守ってあげる女と、一緒に戦う女がいる」という話。「一緒に戦える女の価値がわからないのは子供だから」というの>なんかの少女マンガだったかも>出典。彼は希美さんと「一緒に戦っていこう」と思ったけれど、彼女は当時は「守ってもらいたい」だったのですね。いまは「戦える」女ですが、戦い方が違うみたい。・・・彼が戦い方を変えれば、もしかして?? 続編に期待したいとこです(笑)

【君島彰=フォーチューン・テリー(安崎求)】
この方の出番、一番笑わせていただきました。怪しい占い師、めちゃくちゃ板についてます>天職かも? 社会の暗い面を背負ってるのに、悲哀があるのに、なぜか憎めない。どーしようもなく情けない人物に違いないのに。だって転落の原因、自業自得だもん(←ひどい)。彼は希美さんに300万円ギャンブルに使わせてもらって、ほんとにすっきりしたんだと思う。3000万の借金に「信用しすぎでしょう?」と現代社会の不備をついていたけれど、「心から信用して」もらった300万円、本当に信用してもらったのは初めてだったんじゃないかな。もしあの300万全部掏っても、彼は立ち直ったと思う。
しかし、最後の最後まで「一度も勝ったことのない馬」に賭けるぐらいド根性はあるようだし、元手も手に入ったのでこれから大成功するかも。希美さんは、実はこういう破滅型の怪しいタイプに弱いように見えた(笑)

【桐ヶ谷俊介(新納慎也)】
最初からずっといい味出していた俊介さん。礼子ちゃんとのコンビが決まってたし、水と油っていいながら、いい感じだったもん。お互い言いたいことを言える仲ってなかなか難しいだものね。彼も主義主張は明確で、大変なこだわりがあり、薀蓄が豊富で、自由に自分の主張を生きているような人物でした。「疲れて帰った人を暖かく迎えること」を使命のように感じていて、それを実践している! いいなあ~こういう人、側にいて欲しい(本気)。でも強盗がきたときは、人の(しかも恋人?)の後ろに隠れるような人だけどね(笑)
礼子ちゃんが強いからいいんだなっ役割分担ってことで。礼子ちゃんのほうが姐さんだな。世間でいう「理想の夫婦」では絶対にないけれど、お似合いの素敵なカップルだ。

今回出演の男性陣、みんなかっこよかった。女性2名もとってもかっこよかった。登場人物が少ないだけに、ひとりひとりにかかる比重が大きいし、求められる役割も大きいのだな~と思う。とりあえず、とっても面白かった。もう一回みたい。続編も見たいぞ。

カーテンコール。
これが最後の最後ということで、大サービス(っぽかった)。フォーチューンの歌がフルであり、シンデレラの歌がフルであり。上からは紙ふぶき。一人ずつのコメント(コント?=大笑いした)あり。小道具のブーケやハートのクッションが客席に向かって投げられて。私も欲しかった・・でもみんな力ありすぎ、結構遠くへ飛んでいた(残念)
客席も総立ちで拍手! 私も4列目で立ち上がった、前の3列の人はまだ立ってない。そのときナルちゃん、私を見てくれたような気がした(まだ言う私^^;いいの幸せだから)
大変大変盛り上がった千秋楽でした。
最後になったけど、よい席を譲ってくださったNさん、本当にありがとうございました!

追記:アールさん、「フラン」の意味わかったわ。大丈夫、私がいるから!


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アール

なるちゃんはレインボースーツも着こなすが
楽屋着はゴールドのジャージの上下にスリッパでした~。
お似合い!!!(本当に似合ってた)
なるちゃんは前のほうだと客席が誰が来ているのかわかってから
4列目のあなたの姿はしっかり見ていたはずよ(^_-)-☆
その目線は間違いなくあなたのものです。
by アール (2006-04-20 00:04) 

えりあ

楽屋着はゴールド!?上下とも?!
それが似合う?・・・さすがは成瀬さんです(^^;)
アールさん、保証してくれてありがと♪嬉しいわ~♪
次の舞台まだかな~楽しみに待ってます。
by えりあ (2006-04-26 11:04) 

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